PIDEです。毎週金曜日に、このページに登場します。よろしくお願いします。 私は旧浦和市の某町に住んでいる熱狂的サッカーファンです。 子供の頃からサッカーに興味を持ち、今に至っています。スポーツはサッカーだけではなく、スキーなど、いろいろやっていますが、中心はやっぱりサッカーになりますね。 実はNPO 日本サポーター協会にも所属しておりまして、サッカーに関連するいろいろなことに首を突っ込んだりしています(^^ゞ。 このページで皆様とサッカーの話で盛り上がれればいいな、と思っています。 |
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第250回 「意思」 | ||
こんにちは。PIDEです。
今回で250回、5年という長い間連載させていただいた事になりました。毎回こうした節目を迎える度に思いますのは、ここまで場を提供していただいたマイタウンさいたまの方々と、お付き合いいただいている読者の皆様にただただ感謝という気持ちです。 取り立ててサッカーが多少好きなだけで、文才もなくただ雑然と思いを書き綴っている内容で申し訳なく思うことも多々なのですが、この場をいただけ続ける限りは何とかがんばっていきたいなと思います。今後ともよろしくお願いいたします。 さて、それでは本題に。 前回のコラムともかぶる内容あるかと思いますが、先の土曜日。最も注目を集めたJの試合が「横浜ダービー」であったろうと思います。結果は1-0で横浜FCの勝利。意外でもあり、ただ妙に納得もしてしまう結果。クラブの予算も戦力的にもあらゆる面で横浜FMが優位である試合。先制点を挙げて以降、ただひたすらに守備を頑張った横浜FC。前節のレッズとの試合もそうですが、対戦相手からしてみれば、「あんなサッカーは絶対にやらない」と愚痴もこぼしたくなる内容でしょう。 しかし、ここにこそサッカーというスポーツの真髄があるように思います。 サッカーは点が入りにくいスポーツである事。だからこそ90分間のうち、1チャンスを決めて逃げ切る勝ち方が往々にしてある事。カウンターという戦術が得点を奪う上では圧倒的に有利な事。これらの特徴が番狂わせを起こさせます。 そして勝つために最も必要な要素と思われるのが「意思」。変に根性論や精神論を振りかざすつもりは毛頭ありません。しかし、極限の状態で異なる結果が出たとき、その差は案外とこの「意思」による部分が大きいはずです。 今、横浜FCはかつてフリューゲルスが消滅を迎えて以降、長年の苦労が報われるステージに到達した。単なる達成感に加え、かつてのような想いは二度としたくないというハングリー精神がチームに満ち溢れているように思います。選手のキャリアを見ても、誰もが様々な理由で所属チームを追われた選手ばかり。そうした苦しい環境に負けずに、その経験を糧としてきた人間はやはり強い。 近年、Jで戦績や集客などで評価を受けるクラブは、この15年という歴史の中で苦杯を舐めているクラブが多い。新潟はかつてサッカー不毛の地と言われ、そこにW杯がやってくるという大きな外圧が加わった。その中で必死に活動を行ってきたのでしょう、今ではJでも屈指の動員力を誇り、J1にも定着しつつあるクラブへ成長した。川崎FもかつてJ1にいた頃のイメージとは大きく変わりました。川崎と言えばヴェルディがいました。それ以前もプロ野球球団が本拠地とした時代がありながら、観客動員など閑古鳥。横浜と東京に挟まれ、アイデンティティを見出しにくい土地だった。その中で川崎Fは特にJ2に落ちてからでしょう、地道な努力がなされた基盤の上に今の反映がある。 今年J1に昇格した柏にJ2降格前に噴出していたフロントと選手とサポーターの間の衝突が影を潜め、正に「雨降って地固まる」の通り、素晴らしいゴール裏の雰囲気を醸し出すようになっている。 本当に苦境になった時に、助けてくれる人は誰か。一時期の流行で終わらない確かな基盤をホームタウンに持つクラブが多く誕生しつつあるように思います。 レッズも本当に一体感が産まれたと感じるのはあのJ2降格後からではないでしょうか。それ以前からのサポーターの方々すると異論もあるかもしれませんが、やはり、かつてのサッカー王国、名門のプライドがあのJ2降格で壊され、また一から歴史を歩み始めたその結果が今に至ると思うのです。 今、横浜でもひょっとしたら新しいムーブメントが始まっているのかもしれません。かつての川崎のように後数年で立場が変わる事があっても不思議ではない。もちろん横浜FMもプライドを持って、戦いに挑むでしょう。そうして切磋琢磨される事で新たな歴史が生まれる予感がヒシヒシと感じられたダービーでした。 **3月16日(金)掲載**
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第249回 勝つべくして勝つ | ||
こんにちは、PIDEです。
いよいよJリーグが始まりました。全体的な印象としてはホーム優勢。どこも慎重な戦い方で僅差の試合が多かった、といった所でしょうか。 開幕前の予想で優勝争いに加わるであろうと言われていた浦和、G大阪、川崎、清水といったチームはホームで1点差勝利。浦和の2-1以外は全て1-0となかなか渋い試合が多かったように思います。 前年度チャンピオンとして初の開幕を迎えた浦和。相変わらず6万人近くの観衆を集めた埼玉スタジアムで迎えた相手はJ2を優勝し、昇格してきた横浜FC。フリューゲルス消滅後、初のJ1。カズや山口、小村といったベテランに加え、シーズンオフに久保、奥を補強し、高木監督を含め、初のJ1クラブとしては非常に知名度の高い選手を揃えたチームは様々な形で話題を集めていました。そして試合はご存知の通り、終盤に永井の勝ち越しゴールで辛くも勝ち点3を確保するという浦和サポにとっては、先のゼロックスも含め少々不満の残る内容。先制点も相手DFのオウンゴールであり、久保の「ありえない」スーパーシュートなど全体的には横浜FCのペースで進んだ試合。先行きに不安のある内容であった事は確かかなと思います。 ただ、正月の天皇杯決勝もそうでしたが、「内容が悪くても勝つ」という事ができてきたという点ではやはり新しいステージに登ったのかなとも思います。1年間通して高パフォーマンスを維持する事はできない。ましてや今年はACLもあり、代表でも多くの選手を出さざるを得ない状況。対戦相手は徹底的に研究し、浦和対策を十分練った上で挑んでくる。そうやすやすと勝てる相手ではありません。「勝つべくして勝つ」事は単に「勝つ」よりも遥かに難しい。そういった事を実感するシーズンになるだろうし、それはサポーターの側も覚悟して試合に臨まなければならないでしょう。 サッカーは他のスポーツと比べても得点が入りにくいスポーツ。実力差がそのまま得点差に表れにくいという点では、番狂わせも起こりやすい。勝てないまでも負けない。浦和相手なら勝ち点1で御の字、と考えるクラブも多いでしょう。今回の横浜FCも正にそういったクラブの一つ。これまでは堅守速攻、カウンター型であった浦和が、相手が引いた状態でポゼッションで崩していくとなると戦い方自体が大きく変わります。おそらくオジェック新監督もそういった形を目指している、その途中。G大阪のように長年のコンセプトを継続しているクラブとはまた違う訳です。しばらくはレッズのサッカーに対して満足のいかない事が多くあるかもしれません。しかし、そんな中でも勝ち点をキチッと拾っていくことができれば、今年の秋も素晴らしい結果が得られると思います。 日本代表でもいえる事ですが、「挑む側」と「挑まれる側」では取り組み方が全く異なります。レッズはJリーグで優勝して当たり前。日本代表は(各年代全て)アジアを突破してW杯に出るのが当たり前。この当たり前=先ほどの「勝つべくして勝つ」を粛々と遂行していくことほど地味で辛いミッションはないはずです。初めてJを制覇した。初めてW杯出場を決めた。あの時の感動はもうこのレベルではないでしょう。次はレッズでいけばACL制覇でしょうし、代表でいけばW杯優勝という事にしかならない。 特にこれからの代表を背負う若い選手達。覇気がない、とかいろいろと言われますが、W杯出場が悲願だった時代と今の時代では、「W杯出場」という事実の重みが違う。浦和が弱小だった時代を知る人と、強くなった後しか知らない人とではその勝利の重み、受け取り方が全く違う。どちらがいい/悪いではなく、時代が背景が変わったという事。特に昔から知っている人たちはその時代の変化を正しく理解しなければいけない。「俺らの時代は・・・」と話をしても理解されない。その時代その時代の感性を理解し、レッズや代表を見ていかなければいけないなと最近つくづく感じます。 今のサッカーに対して言いたいことは山ほどあるんですが・・・(^^; **3月9日(金)掲載**
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第248回 ゼロックススーパーカップとU-22香港戦 | ||
こんにちは、PIDEです。
いよいよ明日からJリーグが開幕しますね。元旦の天皇杯優勝から2ヶ月。ようやくオフ期間が終了し、日常にサッカーが戻ってきます。この2ヶ月間というのは自分自身のリーグもオフなため、あまりサッカーに触れる機会がありません。スキーなどシーズンスポーツで体を動かすもののやはりサッカーしてないとおもしろくないなぁと思う毎日でした。3月になり、蹴るのも観るのも解禁!サッカーで予定が埋まっていく週末が始まります(^o^) さて、そんなシーズン開幕に先駆けて、この1週間は2試合。気になる試合が。先週の土曜に行われたゼロックススーパーカップと水曜に行われたU-22北京五輪アジア予選の香港戦ですね。 Jリーグ王者と天皇杯王者で争われるゼロックススーパーカップ。これら2つのタイトルを独占したレッズと、その結果出場が決まった天皇杯準優勝のG大阪。昨年はレッズの3勝1分と負けなし。天皇杯も主力の多くをケガなどで欠きながらも選手層の厚さを見せつけ連覇を果たしましたが、どうやらそれも「過去の話」だったようで・・・。 今回の試合は闘莉王、長谷部を欠くものの、長谷部の変わりには新加入の阿部が入り、元旦と比べればほぼベストに近い布陣。先週のコラムでも書いたようにここで弾みをつけられれば・・・という意思はチームにはないようでした。 昨年未勝利のG大阪は逆にこの1番是が非でも勝利をものにし、「今シーズンは違うぞ」という意思表示を見せつけたかった。そしてこれ以上ない形でその攻撃力を見せつけました。 一方のレッズは厳しいキャンプをこなした後、コンディション調整をしてこの試合に臨んだようには見えませんでした。あくまでリーグ開幕に標準を合わせたのか?それは今週末の開幕戦+スタートの数試合を見てみないと何ともわかりませんが、大きな不安をサポーターに感じさせた内容の試合でした。 1年間トップコンディションを維持し続ける事は難しく、どうしても波がくるもの。プロというのはその波のコントロールも含めて1年間のコンディション作りをしていくものと思います。W杯直前のドイツ戦にピークが来てしまい、大会本番ではコンディションがよくなかったとも言われた日本代表のように、この日のG大阪のサッカーが1年間続くとは限りません。 とはいえ、「ここ一番」と見据えた試合にトップコンディションを合わせてきたG大阪の試合振りを見ると、リーグ中の「ここ一番」でも調整してくるのではと思ったりもします。 レッズはリーグ戦に加え、ACLにも参戦。ただでさえ試合数が多くなり、コンディション調整は難しくなります。また、選手層の厚さがこのチームの売りとはいえ、怪我がちの選手が多い点もリスキーなところ。ここ数年、ワシントン、田中、小野、闘莉王、坪井らのケガによる離脱、強行出場。ここに来てシーズン前に相馬、長谷部も故障とベストメンバーを揃えられない状況が続いています。大ケガをすると復帰後も再発したりとなかなか1年間コンスタントに出場し続け、かつ好パフォーマンスを維持する事が難しくなります。また、代表選手を多く抱える現在、アジア杯への大量選出も予想され、さらに体を酷使。やはり今年は一刻も早い若手を中心とした新しいメンバーの台頭が望まれます。 そして、U-22代表。香港に3-0と勝利を挙げましたが、「もっと点が取れた」「勝ちたいという意識があまり感じられない」と酷評され、監督自身も「ガッカリしている」と試合後語った試合。観客も約12,000人とJリーグでの活躍度から考えると魅力的なタレントを揃える代表チームの士気が上がりません。02年W杯後の日本代表に共通してつきまとうイメージ。これまで足りない個人技を補うために組織力を前面に押し出したサッカーをしてきた(イメージのある)代表(フル代表/年代別代表問わず)が、いつからか「高い個人技能を活かせない」「個人技頼みのサッカー」と間逆の評価をされるようになりました。 僕らがここ10数年見てきた「個人では勝てない(言い方悪いけど)ヘタクソチームがみんなで頑張って強敵に立ち向かう」といった判官びいき、もしくは少年マンガの王道のようなストーリーを歩んできた日本サッカーが「アジアでは勝って当たり前」「アジアでは最終予選以外は大量得点差で内容のあるサッカーをしなければいけない」「世界のトップクラスの代表とどれだけ戦えるのか」といった見方に周囲の見る目が変わってきてしまった。この4年で確実にサポーターの見る目が厳しくなった訳です。 また、数多くの代表戦が国内で行われる事で、公式戦か親善試合か、相手チームの力量など試合の重さを理解して、何でも代表なら見に行く、という状況ではなくなってきて、それが今回のような観客数となって表れている。フル代表でも当日券が出るようになってきました。これまで試合を組めば常に満員御礼が出ていた代表戦を今後どう魅力付けしていくのか。日本サッカー協会の手腕も問われます。 **3月2日(金)掲載**
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第247回 生涯スポーツとして | ||
こんにちは。PIDEです。
今週はU−22代表の親善試合アメリカ戦が行われました。結果は0−0の引き分けに終わりましたが、来週から始まるアジア二次予選(28日香港戦)に向けて期待が高まります。 また、今週末はゼロックススーパーカップでレッズはガンバと対戦。昨年もガンバとの対戦でしたが、この試合を勝利し、その後のリーグでも負けることなく、優位に進めることができました。今年もガンバとの優勝争いが予想されるだけに、この試合を勝つ事で「レッズには勝てない」といった心理的圧力をかけていきたいものです。 さてさて、今回は私事で。先週末、千葉の館山まで「合宿」に行ってきました。03年から夏冬と年に2回仲間内で開催している「僕らの合宿」。「合宿」というと厳しくストイックな響きがありますが、「僕らの合宿」はその正反対。天然芝でボール蹴って、温泉入って、宴会やってと何より参加者みんながサッカーを肴に?楽しむことがモットー。年齢/性別/レベルなんかも一切関係なし。サッカー好きが集まり、それぞれのスタンスで楽しみます。 1泊2日の予定で、土曜日は練習。日曜日は地元チームとの練習試合を予定。結局日曜日は天候不順により練習試合を中止。体育館でのフットサルに急遽変更するというハプニングもありましたが、上は50代のお父さんから下は生後3ヶ月の乳児まで(^^; 全体の約1/3を女性が占めるなど非常にバラエティに富んだ合宿となりました。 僕のサッカーに対するスタンスは「草の根レベルで広くサッカーを楽しめる環境を作る」という点にあります。日本にプロリーグが誕生し、身近でプロの試合を楽しむことができるようになり、CS放送など放送通信技術の発展でヨーロッパのトップリーグの試合もリアルタイムで楽しめるようになりました。サッカーを見る環境はここ15年で大きく変わったと思います。 そして、蹴る側を考えてみてもフットサルコートがいたるところにでき、身近にボールを蹴る環境が整ってきた(特にここ浦和はそうですね)。Jリーグを見る所からサッカーを好きになった人たちがボールを蹴る事も珍しくなってきました。 それでも大人になってから「サッカーを学ぶ/練習する」場は依然としてプアなまま。小さい頃からサッカーをしてきた人たちは自分達が十分楽しめるだけの基本的なスキルはあるので練習とか面倒なことはあまりやりたがらない。どんなスポーツでも最低限の基礎(サッカーで言えば、ボールを止める/蹴るといった技術)を習得しなければ楽しむまえに嫌気がさしてしまいます。 僕が特にボールを蹴って欲しいと思うのは、子どもがサッカーを始めたお母さん達。子どものプレーに一喜一憂するお母さん達は子どもに大きな影響を与えます。Jリーグなどで日頃サッカーを見る機会が増えたお母さんであれば多少はサッカーの事もうんちくを語れちゃったりする・・・。そこで是非!一度ボールを蹴ってみてください。何事も実際に体験する事で「見てるとやるとじゃ大違い」を実感できるはずです。そして子どもと一緒にうまくなろう、とやってみてください。サッカーは若い男の子だけのスポーツだと思う必要はありません。テニスなんかと同じ気持ちでやっていただいけるスポーツです。実際に僕の周りにはそうしたお母さん達が多くいらっしゃいます。始めは久しぶりの運動で何もない所で足をもつれて倒れたり、イメージと現実の違いに愕然としても、続けていく間に少しずつ上達していくのがわかってくるとどんどん楽しくなります。 プロになれる人はどこの国でもほんの一握り。その国のサッカー文化度の高さはトッププロが強いか弱いかではないと思います。身近に日頃からどれだけ多くの方がボールを蹴って過ごしているか。上手いとか下手とかは関係なく、みんなが楽しく同じピッチでワイワイサッカーに興じている姿。スポーツはやっぱり見るよりやるもの。そうした老後を夢見て?地道にボールを蹴り続けます。 **2月23日(金)掲載**
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第246回 新シーズンの足音 | ||
こんにちは。PIDEです。
水曜日に春一番が吹いたと思ったら一転昨日は冬の嵐?何か今年は冬が冬らしくなく過ぎ去っていますが、日本サッカーの新シーズンは着々と進み始めています。 今週15日からはフル代表がトレーニングキャンプを開始。来週21日にはU-22がアメリカとのトレーニングマッチを行い、週末24日にゼロックススーパーカップ。翌週28日にはU-22の北京五輪2次予選(vs香港)が開催されます。そして3月3日。ホームに横浜FCを迎え、いよいよ2007年シーズンが始まります。 今年のレッズはJリーグ/天皇杯王者としてリーグ連覇。ナビスコ奪還。天皇杯3連覇の国内タイトルはもちろんの事、アジアチャンピオンズリーグへの挑戦も始まります。さらに今回発表された代表メンバーに山岸、坪井、闘莉王、阿部、鈴木、相馬と6名が選出。その他のメンバーもいつ代表に呼ばれてもおかしくない状況(一部報道では都築も候補に挙がっていたとかいないとか?)。代表選手達にとって本当にハードなシーズンになる事は容易に想像できます。こうした状況に備え、ここ数年積極的な補強を行ったことで、スタメン以外の選手が出ても極端に戦力が落ちることのない層の厚さを築いた結果が表れるのかが今シーズンのタイトルをどれだけ獲得できるかの大きなポイントとなると思います。 今年のレッズはオフシーズン。ジェフから阿部を獲得するというビッグニュースはありましたが、それ以外に新加入はなし。全体的にはおとなしい印象でした。逆に若手選手が何名か他クラブに活躍の場を求めてレッズを離れました。 ここ数年の躍進の中で、田中達、長谷部、鈴木といった選手が順調に成長。若手が雨後の竹の子のようにどんどんと檜舞台に躍り出る様は痛快でもありました。大卒選手も坪井、平河、堀之内らも主力として成長し、順調そのものだったと思います。ところが、長谷部以降若手がレギュラーの座を奪う事ができていません。それもそのはず。レッズのスタメンはほぼ日本+各国代表の選手達。彼らからスタメンを奪うこと=日本代表になること、という状況な訳ですから、そう簡単にできる話ではありません。スタメンの彼らからしても代表のプライドがあります。やすやすと若手にポジションを譲る気は当然ないでしょう。 ここからが難しい。かつて東京V、磐田、鹿島、横浜といったJリーグに一時代を築いた クラブがどこも通ってきた道。世代交代。これをどれだけ落差を少なく成し遂げる事ができるのか。コーチ陣がどのタイミングで若手を使い、成長を促すのか。「勝つこと」と「育てること」の両立。Jリーグではまだこの難問をうまくクリアしたクラブはないのでは、と思います。横浜はまだわかりませんが、それ以外の上位3クラブも黄金期の後、長い低迷期を続けたままです。カズ、武田、ラモス、ビスマルク、北沢、柱谷、ペレイラの時代以降?な東京V。中山、高原、名波、藤田、ドゥンガ、福西、服部、鈴木、田中の後、若手に切替え挑む磐田。柳沢、鈴木、小笠原、ビスマルク、本田、本山、名良橋、秋田、大岩、相馬・・・凄いメンバーだった鹿島。今のレッズはこれら歴代のスーパーチームに肩を並べつつある状況だと思います。ここ数年の間は優勝争いをし続ける力を維持することはできるでしょう。その後、レッズのスタメンを飾る選手が変わってきた時にどうなっているか。今年は国内3冠。アジア制覇という四兎?に加え、さらに「育てること」という五匹の兎を追わなくてはなりません。そしてこれは絶頂期に目指さなければいけない事。衰えが見え始めてからでは逆に目先の「勝つこと」が優先され、ここ一番で若手を起用するという選択はより難しくなります。 今だからこそできること。ぜひ人気/実力ともに長くトップでい続けられるクラブとさらにレベルアップすべく今年一年取り組んでいって欲しいと思います。 **2月16日(金)掲載**
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第245回 イタリアでの暴動 | ||
こんにちは。PIDEです。
先日からカターニャというセリエAのクラブに関する話題が上っていますね。最初は森本が初ゴールを挙げたという話題で。その後は翌節の試合での大暴動という話題で。この暴動はイタリアサッカー界全体を大きく揺るがし、無期限リーグ戦の中止の決定。その後の無観客試合での17日からの再開。チャンピオンズリーグ、ACミランvsセルティックも無観客試合の話があるとの事。 ここの所、イタリアサッカー界の悪いニュースが相次いでいます。昨年はユベントスなどのビッグクラブが八百長による降格という制裁が行われたばかりです。 サッカー専門新聞のエルゴラッソ2/7‐8日号でも特集が組まれました。イタリア・イングランドなどフーリガンが問題となった国では、過去に闘争的なスポーツの存在があり、それらの記憶を引きずっている。スペインやドイツなどはそういった過去が存在しない。イングランドはフーリガニズムの一掃に成功したが、イタリアは排除できていない。背景に存在する社会問題の影。。。 サッカーというスポーツは全世界で最も普及しているスポーツという点で、他のスポーツよりもより国民性を感じさせるスポーツだと思います。なぜ、イギリス代表がなく、イングランド/ウェールズ/スコットランドと分かれているのか?スペイン代表は国内リーグの充実と比べ、なぜ代表がW杯で勝てないのか?などなど様々な社会背景の投影として語られがちであり、サッカーを通じてその国を知る、という事は非常に有意義なことだと思っています。サッカーがなければシチリア島の社会情勢などを知る機会などあまりないでしょう。 とはいえ、そういった現実が世界に存在するという事を理解しながらも、今回のような出来事がサッカーの現場で起こってしまうという事は決して望ましい事ではありません。幸い、日本のJリーグではこれまでここまでの問題は起きていません。プレーレベルなど欧州各国から見習うべき点が多々ありますが、こういった点はぜひ真似をしないで欲しい。 外国のリーグと比較して、Jリーグは子どもや女性の観客が多いという話をよく聞きます(本当の所は統計など取っていないのでわかりませんが)。こうした点は日本のスタジアムが安全であることの証明であり、それは世界に向けて誇れる素晴らしい部分だと思います。 レッズの試合もそうですよね。第三者から見ればレッズサポーターのゴール裏はかなり危なく?(失礼)見られているかもしれない。でも実際にゴール裏に行ってみれば、そこで応援をしているのは小学生の女の子であったり、年配のご夫婦であったり、特に危ない雰囲気はない。多くの人が精一杯レッズのサポートをしようと声を張り上げて応援している。外国のトップリーグを経験している選手からもレッズのサポーターは素晴らしいと言われるのは、その「熱さ」と「親しみ?安全?」といったものがうまく調和されてよい雰囲気を演出しているからではないかと思います。 ゴール裏が危険だと感じれば、小さなお子さん連れや年配の方などは自然と足が遠のくでしょう。そうした空気というのは誰かが意識するのでもなく、自然発生的に起こるものだと思うのです。 日本は確かにまだまだ世界的にプレーレベルは低い。Jリーグを見ていてもおもしろくないから欧州のトップリーグをCSで見よう、という人もいます。そこは残念ながらその通りかもしれない。しかし、Jリーグがこの約15年間で作り上げてきた空気、というものはプレーレベルは別としても十分に素晴らしいものではあるし、Jリーグよりも遥かに歴史の長いプロ野球などにも影響を与えられる、それだけのパワーを持っているものでもあるわけです。 このよき伝統だけは、今後も永遠に続けていって欲しいと思いますし、今回のイタリアでの出来事のような悲劇はこの日本のスタジアムであってはならないと思います。 **2月16日(金)掲載**
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第244回 埼玉高校サッカー新人戦 | ||
こんにちは。PIDEです。
今年は例年になく暖かい日が続いていますね。このまま春まで一直線・・・になるのでしょうか。寒い時は寒く、暑い時は暑い、という気候が一番なのですが(^^; さて、先週末の土日、埼玉県高校サッカーの新人戦、準決勝と決勝が行われていました。正月の選手権で滝二を破るなど久しぶりにまずまずの健闘を見せた武南と県予選ベスト8で涙を飲みながらも、主力選手が多く残った埼玉栄との決勝戦。駒場スタジアムまで観戦してきました。 正月からの高校サッカーの流れで・・・という事もありますが、今度の埼玉栄には一緒にボールを蹴っている子が頑張っているという理由の方が大きかったりします。Jのクラブを応援するよりも、より属人的?な観戦が特に県内の高校サッカーを見る時には大きいでしょうか・・・。数年前には職場の上司の息子が武南でプレーしていたので当時は武南を応援していたりと・・・(^^; 選手権常連の武南が格の違いを見せるのか、それとも近年メキメキと力をつけてきている埼玉栄が初優勝を飾るのか。 試合は一進一退。どちらも細かくボールを繋ぐサッカーがベース。前半は埼玉栄が押し気味。惜しいチャンスを逃したりもしたが、終了間際に右サイドからのクロスにヘディングで合わせ先制。武南は左サイドの選手の個人での突破が目立つが、なかなかチャンスを作れないまま前半終了。 後半になると武南の中盤でのプレスが強まり、徐々に武南ペースに。前半目立っていた左サイドの選手はスタミナ切れかペースを落としたが、変わりに右サイドからのクロスに、一度はGKが防ぎながらも押し込み同点。延長に入る。 延長前半。DFラインの一瞬の隙をつき、飛び出した中盤の選手にキレイなパスが通り、そのままゴール。埼玉栄が追加点をあげ、そのまま試合終了。 埼玉栄が県内初タイトルを獲得しました。応援に行っていた僕としても我が事のように嬉しい限り。 埼玉栄はレッズに所属しているエスクデロのお父さんがコーチをしています。アルゼンチン人のコーチに指導されているからか、そのサッカーは非常に細かいパスをトコトンつなぐ形。とにかくトコトン繋ぎます。 DFラインからの単純なクリアも禁止されているのでしょうか、DFラインからでもとにかく繋ぎます。たまに危ないシーンもあるのですがお構いなし。とにかく細かく繋ぐ、繋ぐ、繋ぐ。ヒールパスも頻繁。 ここ2年野洲高校のサッカーがセクシーフットボールなどと喧伝され、話題となっていますが、おおげさでなく埼玉栄の目指しているサッカーはより個性の強い、近年あまり見ることのない形です。見ていて「おいおい、ここでそんなパスを通すのか〜!」と驚くプレーが随所にあり、見ていて飽きる事がありません。 しかし、こういったスタイルは得てしてパワープレーに弱い。DFからロングボールを蹴りこんで、背の高いFWが競り合い落とす。落とした所を誰かが詰め込む的なサッカーですね。 これはこれで戦術の一つとして確かなものです。テクニックに走りやすい相手にとって、おそらく最もいやな(認めたくない)サッカースタイルの一つでしょう。そしてこの種のサッカーに負けるのは非常に悔しい。しかし、意外と勝ててしまう。ボールポゼッションでは負けていても試合のどこかでワンチャンスをものにして勝つ。 どんなプレースタイルを選択するか、好きか嫌いかは個人の自由。集まる選手の質によってどのスタイルを選択するかも変わるでしょう。テクニックに優れているだけでも、フィジカルに優れているだけでもサッカーは勝てません。得点が入りにくく、不確実性の高い足で扱うスポーツの特性上、どうしても番狂わせは起こりやすくなる。「勝つべきチームが勝つ」という当たり前の事がなかなか難しいのがサッカー。 それでも自らのスタイルを愚直にこなすチームがどこかに1つくらいあってもいいのかなと思ったりします。時代の変化についてこれなければ淘汰されてしまうのが世の常だとしても、このスタイルで勝つ事を目指すチームの意思。それは野洲などにも繋がる事かもしれませんが、埼玉栄のような明確なスタイルを持つチームがもっと多くなると、観戦者もより楽しめるのかなと思います。 **2月16日(金)掲載**
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第243回 力のみなもと | ||
こんにちは。PIDEです。
この時期はネタ探すのに一苦労(^^; という事で、少しいつもと毛色が違うビジネスチックなお話を。。。 JFAのホームページに「スタジアム観戦者調査報告書」という資料が掲載されています。これを見ると2000年度以降の観戦者の推移を見ることができ、興味深い結果が出ています。今日は簡単にご紹介と所感を。 ア)年齢分布(2000→2006年) a.18歳以下 12.6% → 7.4%(-5.2%) b.19-22歳 11.2% → 7.1%(-4.1%) c.23-29歳 26.0% → 16.3%(-9.7%) d.30-39歳 27.5% → 33.7%(+6.2%) e.40-49歳 14.3% → 21.8%(+7.5%) f.50歳以上 8.2% → 13.7%(+5.5%) ============================================ 30歳未満 49.8% → 30.8% →2000年当時ほぼ5:5だった30歳未満と以上の割合が今では3:7になってきている。 イ)J1クラブ別平均年齢 リーグ平均 :35.9歳 浦和 :35.0歳 最高(清水) :40.9歳 最低(C大阪):33.5歳 ウ)性別(2000→2006年) 男女比は60.6%:39.4%→58.9%:41.1%とほぼ6:4の割合で変わらず。 →この4割女性という結果は欧州クラブの数値はわかりませんが、日本的な傾向かもしれません。 →今回の調査結果で札幌のみが唯一女性が男性を上回る(52.2%)という結果になっています。 エ)J1観戦頻度(2005年実績) 16回以上:31.6% 10回 :12.1% 0回 :10.8% 5回 : 7.1% 15回 : 7.0% →ほぼ毎試合来ている人=16回以上か。それ以外は所謂「キリの良い数字」のため、おそらくは 正確に数えた数字ではなく概算でアンケートに答えているのではないか。 オ)クラブ別平均観戦頻度(2005年実績) J1平均 :10.8回 浦和 :19.5回(J1最高。ちなみにJ2最高は札幌で20.2回) 2004年度 :16.8回 最低(名古屋): 7.2回 J2平均 :13.4回 →浦和の観客動員力(特にリピート率の高さ)を改めて示した数字である。 →埼玉スタジアム主催試合が増えた事でチケット入手が駒場と比べ容易になり、足を運ぶ回数が 増えたのであろう。 →J2の方が数字が高いのは試合数がJ1と比べ多いからであろう。 カ)平均アクセス時間 リーグ平均 :60.7分 浦和 :54.7分 最長(鹿島):89.8分 最短(甲府):32.4分 →鹿島のアクセス時間の長さは突出している (^^; とまあ、こんな数字をいろいろと拾う事ができました。こうして客観的な数値で確認すると、先にも書きましたが、改めて浦和のリピート率の高さが際立ちます。 また、経営情報開示資料などを見ると、浦和の2005年度営業収入は約58億円。2位の横浜FMが約48億円と10億円の差があります。入場料収入にフォーカスすると、浦和は約19億円。一方の横浜FMは約9億円とちょうど営業収入の差とイコールになります。入場料収入では2位は新潟で約12億円。ここでも7億円の差が出ていて圧倒的。この7億円という数字。J2の7/12クラブの年間予算がこれ以下という事実を見ても凄さを感じることができます。 統計的な数字を見てみても圧倒的な存在感を見せつける浦和レッズ。その力の源泉が私たち一人一人がスタジアムに足を運ぶ事で得られる入場料収入である事。この力があって初めてスポンサー料も広告収入も増加させる事ができます。 ・・・いよいよ今シーズンも始動。さぁ、今年もスタジアムに足を運びましょうか・・・ **1月29日(月)掲載**
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第242回 移籍はなざかり | ||
こんにちは。PIDEです。
高校サッカーも終わり、この時期は日本サッカーのシーズンオフ。オフはやはりネタにも困りがち(^^; ・・・となるとやはり来期に向けたストーブリーグ情報にいってしまう訳ですが・・・。 今年も多くの選手が所属クラブを移りました。所属組織への帰属意識が高いと言われてきたこの日本において社会環境もあるのでしょうか、随分と移籍という行為が一般的になってきたように感じます。 今回の最注目、千葉の阿部を獲得したレッズ。これで日本代表ボランチが4人(鈴木、長谷部、小野、阿部)所属する事になりました。アジアチャンピオンズリーグにも出場する今期、最もプレーが激しい中盤を厚くするという補強はまずまず。しかし、それ以外の新加入選手は現時点でなし。ここ数年、安定した強さを身につけつつあるように感じますが、磐田や鹿島など一時代を築いたクラブの現状を見てもわかる通り、「黄金時代の後」をどうレベルを落とさず移行していくのか。若手の台頭にも期待をしたいものです。 それ以外を見渡しますと、千葉からは坂本が新潟に移籍。ただでさえ選手層が薄いクラブが代表クラスを2名放出する、というのは大きな痛手。ここ数年茶野、村井といった選手も放出し、選手を代表クラスにまで育てて売って稼ぐビジネスに切り替えているのか?それとも魅力に乏しいのか? 新潟には鹿島から深井も移籍。その他にも大宮からディビッドソン・純マーカス、福岡から千代反田も獲得。地味ながらも着実な戦力アップを図りつつあります。 例年草刈場となるJ2降格組。今年はC大阪から西沢が清水、大久保が神戸へ移籍。そして、以外だったのが横浜FMから横浜FCに移籍する久保。 優勝を(もしくは世界を)狙えるクラブへの移籍。トップクラブから中堅クラブへ、出場機会を求めての移籍。J2降格による移籍。J1昇格を目指して請われて行く移籍。そして、戦力外通告を受けて再起をかける移籍。 移籍の種類も様々です。私たち見る側は来期のひいきクラブがどれだけよい補強をしたかに一喜一憂し、経営者/監督のような目線でまるで選手をゲームのキャラクターのように見てしまいがちです。しかし、そこでは好きなサッカーをできる限り長く続けたいという強烈な想いを持って厳しい戦いを続けている生身の選手たちがいます。 今年も多くの高校生/大学生が新たにプロとなる道を選びました。全ての選手が少しでも長くプロとして戦い続けて欲しいと思いつつ、それが許されない厳しい世界だからこそ、見ている我々を魅了してくれるのでしょう。 **1月19日(金)掲載**
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第241回 新しい時代の始まり | ||
あけましておめでとうございます。PIDEです。
今年も元旦からレッズの天皇杯制覇という大きなお年玉から始まりました。 「1年の計は国立にあり」 なんて国立詣でをするサッカー好きの方も多かったかと思います。 Jリーグ開幕以来、この天皇杯の位置づけについては毎年議論となりますが、プロ/アマ問わず全てのサッカープレーヤーが頂点を目指すことのできる唯一の大会として、今後も(基本的には)現状と同じく、元旦の決勝を目指して戦う大会であって欲しいと思います。 さて、今年の年末年始は実家に帰らず、関東圏でただただサッカー観戦をしていました。 29日/国立/高円宮杯U-15 「G大阪JrユースvsFC東京むさし」 天皇杯準決勝 「浦和vs鹿島」 30日/国立/高校サッカー開幕戦「暁星vs滝川二」 31日/駒場/高校サッカー1回戦「中京大中京vs広島皆実」 「高志vs大津」 1日/国立/天皇杯決勝 「浦和vsG大阪」 2日/柏葉/高校サッカー2回戦 「野洲vs真岡」 「丸岡vs初芝橋本」 3日/駒沢/高校サッカー3回戦 「室蘭大谷vs作陽」 「静岡学園vs青森山田」 5日/三沢/高校サッカー準々決 「神村学園vs星稜」 「八千代vs丸岡」 以上、はスタジアム観戦。高校サッカーの準決勝/決勝はテレビ観戦です。冬休み中は基本的にサッカー観戦に費やしたと。そういう事です(^^; トーナメント戦の観戦試合選択は結構難しかったりします。リーグ戦とは違い、負ければそこで終わりのトーナメント戦。優勝候補だから後回し…これ、失敗の元です(^^;気がついた時にはお目当てのチームが早々に敗退…なんてよくある話です。 ただ、逆に順当に勝ち上がってしまうと、何回も同じチームを観戦するハメにも。そういった意味では上記の観戦セレクトはかなりうなくいった方だと自賛してます。。。優勝候補や、Jリーグ内定者のいるチーム、そしてベスト8に残ったチームとバランスよく。…ただベスト8に残ったチームの中で1チームだけ現地で観戦できなかったチームがありました。それが、 盛岡商業 …はい、優勝したチームです。後、そう…地元武南も見逃しました。。。(^^; 昨年の野洲、今年の盛岡商業と2年連続で初優勝です。 その前の10年間は 市立船橋:3回(初優勝は73回大会) 国 見:3回(初優勝は66回大会) 鹿児島実:2回(初優勝は74回大会) 東 福 岡:2回(初優勝は76回大会) 静岡学園:1回(初優勝は74回大会) で寡占していた事を考えると、一つの時代の終わり、と始まりを感じます。 静岡学園と鹿児島実が両校ともに初優勝した第74回大会。 この後、ゴールデンエイジと呼ばれる世代が正に表舞台に続々と現れます。 高原、北嶋、平瀬、小野、中村、小笠原、本山、中田、遠藤、古賀、南などなど。 ドーハの悲劇の後、Jリーグが開幕し、02年W杯自国開催に向け、98年のW杯出場を是が非でも勝ち取らなければなかった時代。正に日本サッカーの高度成長時代。 プロを目指す、という事が現実的な目標として子どもたちの目に映り始めた時代、国見を除き、まさにこの頃全国を初制覇し、続々とプロへ選手を送り出し、その実績がブランドとなり、全国の優秀な中学生がこぞってこれらの高校をプロへの通過点として目指し始めていた。 一方でJリーグの開幕は独自の下部組織でのプロ養成を開始。ガンバからは宮本、稲本。ジェフからは酒井といったユース上がりの選手が活躍を始める。 そして10年。U-15/17といった世代の日本代表の多くがJユースもしくはクラブチームから多く選ばれる時代になった。トッププロを目指す子どもたちはまずJクラブのユースを通過点として目指すように変わる。そのエリートコースを挫折した選手たちが再チャレンジの場として高校サッカーに取り組み、横浜FMのJrからユースに上がれなかった中村俊輔やG大阪Jrから上がれなかった本田圭祐といった選手が返り咲きを果たす。 更には指導制度が全国に広く普及したことにより、かつてのようなブランド高校に行かなくても全国に出場し、かつ頂点を狙えるチームが増えてきた。今年初出場ながらベスト4まで勝ち残った鹿児島の神村学園。監督はかつて鹿児島実で国立の芝を踏んだ経験のある竹元監督。選手と監督、2つの立場で国立に立ったのは今回が初めてとの事だ。鹿児島実が出場しなくても鹿児島実の魂は引き継がれている。 盛岡商業の斎藤監督はかつて大船渡を率いていた時に小笠原を育てた監督。岩手県勢として初の全国制覇。選手権決勝の岩手県内の瞬間最高視聴率が64%との報道もあり、いかに地元が盛り上がっていたかが垣間見える。昨年も同県の代表、遠野はベスト4に。Jリーグの地域密着の理念が、決勝で対戦した作陽も含め着実に根付いてきている。 高校サッカーはおそらく高校年代最高レベルの大会ではなくなる。本当のトップレベルの選手のJクラブユースへの流れは止まらないだろう。指導者のレベルが上がり、かつ広がりを見せ始めた今、かつてのように時代を築く高校はより現れにくくなるだろう。しかし、昨年の6月ドイツの地で何ら感じることのできなかった「熱い想い」を、まだまだ未熟な高校生が、僕らに伝え続けてくれる限り、その意義が失われる事はないだろう。 ちょいと熱くなりましたが(^^;今年もよろしくお願いします。 **1月12日(金)掲載**
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