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燃える闘魂! サッカー命!
PIDEです。毎週金曜日に、このページに登場します。よろしくお願いします。
私は旧浦和市の某町に住んでいる熱狂的サッカーファンです。 子供の頃からサッカーに興味を持ち、今に至っています。スポーツはサッカーだけではなく、スキーなど、いろいろやっていますが、中心はやっぱりサッカーになりますね。 実はNPO 日本サポーター協会にも所属しておりまして、サッカーに関連するいろいろなことに首を突っ込んだりしています(^^ゞ。 このページで皆様とサッカーの話で盛り上がれればいいな、と思っています。

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第230回 Jリーグとプロ野球
こんにちは、PIDEです。
10月になり、スポーツ観戦をするには本当によい季節になってきました。先週末の3連休。かなりの強風ではありましたが、天気にも恵まれ、土曜日は埼玉スタジアムでレッズ対ジェフを。日曜日は横浜スタジアムで横浜ベイスターズ対中日ドラゴンズ?(野球ですね〜)を観戦してきました。

元々、高校まで愛知県で過ごしましたから小さい頃のスポーツ観戦といえばプロ野球。ドラゴンズだったりする訳です。あちらでは毎日ドラゴンズ戦はテレビでナイター中継をやっていたりしてシーズン中は父親とチャンネルの取り合いをしてたり・・・とにかく子どもの頃は野球を見ていました。

しかし、Jリーグができ、スポーツとしてはやはり野球よりサッカーの方が好きという事で、プレーをするのも試合を観にいくのもサッカー中心になっていましたが、久しぶりに野球のスタジアムに行くと、サッカーの試合ではあまり見られない光景がいくつか見る事ができ新鮮でした。

その1:アウェー(野球ではビジター?)チームの扱い
この試合、横浜がホームでしたから中日はアウェーになります。が、普通に登場する中日のマスコットのドアラ。試合前、試合途中、試合後と3塁側からレフトスタンドでバク転、バク中などして盛り上げます。その間、ホーム側もいろいろやってるんですが、試合が試合(中日は優勝争い、横浜はすでに消化試合)でもあり、3塁−レフト側の方が盛り上がっていたりする訳です。

そして、そんなアウェーチームに対して、スタジアム側から「ようこそ!」とか「ご来場ありがとうございます!」とかそんなアナウンスが流れる。サッカーではアウェーをあからさまに小さく扱う(スタメン発表とか)事が当たり前になっていますが、そういった事はありませんでした。

その2:ブーイング
基本的に応援するチームが攻撃の時には応援をするんですが、守備の時は休憩しています。もちろんファインプレーや三振などあればその時は盛り上がりますが、基本は休憩。試合前から歌い始め、試合後までハーフタイムを除いて基本的にノンストップなサッカーとの違いは鮮明でした。そして、基本的にブーイングとかしないんですね。この試合だけなのか、プロ野球全体がそうなのかはわかりませんが、サッカー人の感覚から行くと例えばノーアウト満塁のピンチだったりすると、ピッチャーを奮い立たせようと応援したり、相手のバッターを威嚇するようブーイングしたりとか、そういう事は一切なし。選手を信じて祈る・・・そんな感じです。

その3:応援と観戦
これは前の2つとはちょっとニュアンスが異なります。
僕の場合、サッカーは観るよりもプレーする所から入っているので、Jリーグの試合を観に行っても、それは応援するよりも自分がプレーしている姿と照らし合わせながら、「この場面ならパスするな」とか「あーそこは当たりにいかなきゃダメだよ」とか批評になりがちです。

これは野球でもそうでしょうが、野球を本格的にプレーしていた人からすると一球一球の駆け引きだとか、配球を呼んだりだとか、やはり分析に走りがちだと思うんですね。

ところが、僕の場合、野球はプレーも多少はしていましたが、接するのは専ら観戦だったりした訳です。そうなると中日を応援するのが当たり前な感覚で、サッカーでは正直「応援」する事に抵抗感を感じるんですが、野球ではその抵抗感がない。

つまり、プレーヤーとして知れば知るほど、応援ってのは難しくなるのかなと。一般的な印象としてプレーヤーの人はゴール裏よりもバックやメインスタンドの指定席に座る傾向が高いように思っていますが、その「応援」と「観戦」のスタンスの違いというものを、今回久しぶりに野球を見に行った時に感じました。

野球とサッカーどちらが優れたスポーツか?そんな事を論じる気はありません。応援と観戦、どちらがよりそのスポーツを愛しているか?そんな話も不毛です。いろんなジャンルのスポーツがあり、いろんな楽しみ方がある。それはそれで尊重されるべきもので、例えば「最近の代表戦のゴール裏の雰囲気が・・・」的な話も個人的には了見の狭い話だと思います。コアと呼ばれる人がいるという事はその対にコアでない人がいるからこそ、コアだと呼ばれる訳ですから。

久しぶりにプロ野球を生で観戦した事で、いろいろな違いを実感し、それがよい刺激となってJリーグに対する見方も変わっていくとおもしろいかなと思います。


**10月13日(金)掲載**
(PIDE)

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第229回 Jリーグと代表のよい関係
こんにちは。PIDEです。
先週末のJリーグ。G大阪が甲府に負け、いよいよ浦和が首位。
ワシントンや田中、ポンテに小野、永井に三都主と華やかな攻撃陣に話題が集まりますが、ここまで25試合で19失点という守備力にこそ注目をされるべきでしょう(ちなみに2位のG大阪は失点32)。

GKの山岸、闘莉王、坪井、堀之内の3バックと鈴木啓太の4人で構成されるディフェンスブロックは「ほぼ」フル代表。彼らの安定した守備力なしに現時点での首位という結果はありません。

昨年のG大阪は守備で脆さを見せながらも勝ち切りましたが、W杯の予想の時にも書きましたが、攻撃と比べ守備は計算しやすく、守備力のあるチームは安定して上位に居続けやすいはず。その面からも最後に笑う可能性が高まってきているかな、と思います。

・・・しかし、そんな事を思っていたら闘莉王と坪井がケガ。今週行われた代表(vsガーナ戦)の召集も辞退せざるを得ない状況となり、次節の千葉戦、その守備が問われる一戦になりそうです。

それにしても最近の代表戦はJリーグで活躍をした選手が呼ばれる、という意味では非常に健全な(わかりやすい)選手選考がなされている印象を受けます。本当によくオシム監督は試合を見ているなと。おそらくサッカー通でなければ知らない?と思われる選手たちが選ばれ、「おーよく見てるねー」とついつい嬉しくなってしまうような・・・。

しかし、それはそれで一般の人にはあまり馴染みのない(有名でない)選手が多くて、「地味」と言われ、ついには代表戦としては久しぶりの当日券販売という、満員御礼にならなかった今回のガーナ戦。相当に穿った見方をすれば、これまで興行優先でマッチメークされてきた代表スケジュールにオシム監督は強烈な皮肉をぶつけている、と思わせる(あくまで勝手な想像です・・・)、見事な人気の低下ぶり。何を持って、「日本にサッカーが根付いたか?」というのは大変難しいテーマではあるのですが、「オシム語録」など話題性の高い監督に率いられながらゲームには客足が遠のいている、という事実に、これまでのバブルなサッカー日本代表を取り巻く環境を、冷静に振り返ってみてはどうか?という問いが投げかけられているように思えるのです。

現時点ではJリーグの選手だけで戦っていく事を明言しているオシム監督。1試合1試合、様々な見方がなされ、少しずつオシム監督と選手たちへの視線も厳しくなってきるような印象を受けます。まだまだやるべき事を多く抱えている代表チーム強化。Jリーグの結果との連動は選手たちにとってモチベーションを大いに上げていることでしょう。代表選手たちがその経験を現場にフィードバックする事でJリーグのレベルも上がり、その結果が代表強化に跳ね返ってくる。。。そんな循環が見られるようになる事を期待しています。


**10月6日(金)掲載**
(PIDE)

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第228回 代表ブランド価値の低下
こんにちは、PIDEです。
Jリーグは先週末の浦和−清水、G大阪−川崎の上位対決を経て、いよいよ浦和とG大阪の一騎打ちの様相を呈してきました。このまま行きますと、12月2日の最終節、直接対決まで行きそうな展開。かつて鹿島−磐田が一時代を築きましたが、昨年来のこの流れは浦和−G大阪時代到来を感じさせます。

さて、そんなJリーグをよそに日本サッカー界に少し異変が起き始めているようです。それは、これまで圧倒的な集客力を誇ってきた「日本代表」ブランド。来週の水曜日、10月4日に横浜で開催される「日本vsガーナ」。この試合のチケットが、なんと!相当数余っているとの報道がなされているのです。さらに、10月に行なわれるU-21代表の中国戦もほとんど売れていないとの事。これは一体何を表しているのか?

W杯の惨敗の後、すぐにオシム新体制の発表がなされ、「日本人のサッカー」を取り戻す事をテーマにサッカーマスコミでは多くの紙面が割かれ、停滞していたジーコ時代からの建て直しに期待が渦巻いているのかと思いきや、サポーターの反応は今一つ。。。

様々な報道に目を通すと、今の代表が「地味」。日頃Jリーグを広く詳しく見ていなければ知らない選手が選ばれているという話や、代表の強化よりも興行を優先させている(と見える)マッチメーキングへの拒否感だとか、まぁ、様々なコメントを見る事ができます。実際に試合当日までに空席が目立つようであれば各紙こぞって「日本サッカーの人気凋落か」といった方向に走っちゃうのかなと予想できたりします。

ここ数年、代表戦のチケットがプレミア化し、入手が非常に困難になった。そしてゴール裏から洩れ聞こえる「まとまりのなさ」への警告。それは今までサッカーに関心がなかった人たちが多く代表戦を観戦するようになり、結果としてコアなサッカー好きが集まる純粋培養されたような空気感を醸し出せなくなってしまった。これっていつかどこかで聞いたことのある話ですね。

それは、93年にJリーグが開幕当初に起こったJリーグバブル。当時もチケット入手は非常に困難で、デートコースに使われたりだとか言われ、結果としてそれまで日本サッカー冬の時代を懸命に支えてきた人たちをないがしろにし、結果としてバブルが過ぎ去った後に各クラブの経営問題に発展したという、ほんの10年ほど前の話と非常に似ていませんか?

おそらくこの2006年は大きな転換点になる。それは「日本代表サッカー冬の時代」の到来を告げるものなのかもしれない。ただし、これが必ずしも「日本サッカー冬の時代」ではなかったりする所が過去とは違う点なのでしょう。

どこの国でも代表よりも地元のクラブに愛着を持っているもの。ある意味、Jよりも代表がフォーカスされる。Jを語るのも代表ありき、のような風潮そのものがおかしいのです。Jあっての代表。Jが発展しなければ代表強化もありえない訳です。そんな当たり前の事が見えなくなり、代表で多額の収入を得るビジネスモデルになってしまった日本サッカー協会は、これから試練を迎えるでしょう。Jクラブをないがしろにすれば日本サッカーに明日はない。Jリーグがレベルアップしなければ強い代表を継続的に出し続けることは決してできないのです。

幸いにして浦和という街は、そんなJリーグの理念を最も具現化している街の一つ。最近はユースの選手も代表に選ばれるようになってきました。そして、何より大事なのはレッズランドに象徴される「誰もがボールを蹴られる場」のインフラ整備。どれだけサッカーを観る人が増えても、ボールを蹴る人が増えない限り、日本サッカーの絶対的な質的向上はあり得ないと思っています。上手い下手は関係ない。サッカーは自分でプレーしてみてなんぼ。であれば気軽にプレーできる、プレーする事に仕切りが低い環境がどれだけあるか、が非常に重要だと思うのです。

代表人気におんぶに抱っこにならないために今、改めてサッカーとの関わり方を広く考えてみるきっかけになれば、今回の代表戦チケットの話題も良い方向へとつながっていくのではないでしょうか?


**9月29日(金)掲載**
(PIDE)

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根拠のない期待
こんにちは。PIDEです。
前回テーマとして取り上げたU-16日本代表が優勝という見事な結果で大会を終えました。この結果は94年以来というから実に12年ぶり。
城福監督が目指したサッカーが「日本人らしいサッカー」という事で、オシム監督が就任して以来、多くの場面で語られるテーマについて、既に実践をされ、最高の結果を残したというニュースにただただ脱帽です。

そんなU-16代表のキャプテンとして大会に臨んでいたのが、皆さんもご存知、浦和出身(あまりそのイメージはないのでしょうか・・・)現横浜Fマリノス、水沼監督の息子である水沼宏太。元日本代表選手のジュニアとして、話題が先行されがちな中、素晴らしい活躍を見せてくれました。

Jリーグが日本に誕生して13年。これだけの月日が経つと、父親がJリーガーという2世プレーヤーが現れてきます。今年横浜Fマリノスに入団したU-19日本代表のハーフナー・マイク。父親は名古屋グランパスなどで活躍したハーフナー・ディド。初の親子Jリーガーです。今後こうした選手達が徐々に現れてくるかと思うと、時代の流れを感じます。

しかし、これらの事実は、2世の選手にとって大きなプレッシャーになるという事実。
父親が有名選手であればあるほど、話題が先走り、実力とのギャップに悩まされる事も多いのではないでしょうか?イタリアで長く代表キャプテンを務めたマルディーニやイングランドのランパードといった選手たちはむしろ稀。2世の選手にとって必ずついてまわる父親との比較。それを宿命付けられた選手の気持ちは、どれほどのものでしょう。いつか「水沼貴史の息子」から「水沼宏太の父親」と呼ばれ方が変わるように自分自身のプレーで広く愛される選手になって欲しいものです。

とはいえ、親子に限らず僕ら外野というのは好き勝手言ってしまうもので、「和製ロナウド」やら「和製アンリ」やら、何かと誰かに例えて誇大させてしまうケースがなんと多いことか。特に子ども達は可能性の塊。こうした外野の声が良い方向、悪い方向どちらにも転びがちです。たまたまプレースタイルが重なるだけでレベル差は歴然。そんな力量を弁えないままに広まってしまうと、収拾がつかなくなり、本当の実力と周りの評価のギャップに苦しむ事も起こりえます。

プロ野球のドラフトの契約金なんかもそうですね。
まだプロの世界で何の実績も残していない選手になぜあれだけの大金が支払われるのか。日本には「根拠のない期待」というものがあちらこちらに見受けられるように思います。
高校を出ていきなりプロになれば、それまで子ども扱いされていた選手に対して、 突然周りの態度が変わってくる。チヤホヤされる。昨日までの高校生と、今日からの プロ選手。たった一日で実力なんて変わるもんじゃない。肩書きが変わるだけ。
それだけで変わる周囲。チヤホヤされた後、話題に上らなくなるのもあっという間。
ひどければネガティブキャンペーンになり、ここぞとばかりに叩かれる(ボクシングの亀田家に対する反応がその最たるものでしょう)。よほど自分自身でブレない軸を作っておかなければダメになってしまう。

「それで潰されるようなら、その程度の選手なのさ」なんて知ったかもあるでしょうが、 勝手に煽り立てられ翻弄された挙句に・・・といった話は建設的な批判でも何でもないのでやはりしてほしくないなと思ったりする訳です。


**9月22日(金)掲載**
(PIDE)

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中学年代の強化
こんにちは。PIDEです。
秋の長雨、気候もずいぶんと涼しくなってきました。Jリーグは相変わらずの混戦模様。観戦にはよいシーズンになってきました。

さて、現在来年のU-17W杯出場をかけてのアジア予選が開催されていて、U-16日本代表が久しぶりの本大会出場を決めました。

このU-17世代。日本では非常に強化が難しい世代になっているようです。と、言うのもちょうどこの世代は中学3年から高校1年の選手たちが予選を戦う時期にあたります。

そして、この時は高校受験のために、しばらくサッカーから離れる選手が増え、また高校に入っても1年生という事でレギュラーとして活躍できる選手は非常に少ない、という状況にあります。

近年はJクラブのユースチームが広く普及した関係で、選手を取り巻く環境は改善されてきていると思いますが、それでもまだ無名な原石がこうした仕組の中で埋没していく可能性は大きかったりします。

小学生年代の日本人のスキルは世界的にも非常に高いと言われます。しかし、年代を重ねていくとその差が大きく逆転してしまう。これは何故か?いろいろと現場の方と話をしていると、「中学年代」に課題があったりするようです。

私自身もD級のコーチライセンスを取得した時に講習を受けましたが、小さい頃から「技術を優先に」「考えさせる」サッカーを浸透するようなテキストがあり、その考えは広く徹底されているように思います。

また、高校にはS級のライセンス保持者などもおり、トップクラスの高校では本当にレベルの高い指導を受ける事ができる環境もあると思います。

ところが、この間の世代、中学時代ですね、ここがあまり注目を受ける機会もないままどういった指導がなされているのか、よくわからない状態です。この世代の強化についてはあまり話題にならない現状があるのではないでしょうか?

最近、高校選手権などで上位に進出する高校などが、中学年代から一貫した強化をしている、という話も聞きます。中学から高校に上がった時に全く違うコンセプトの監督がいる学校に入ってしまった場合、生徒の意欲が大きく減退する(もちろんその逆もあるでしょうが)可能性があります。静岡県清水などでは世代を超えて地域で一貫したプログラムで指導をする試みも行われているようです。

目の前の代表戦でオシム監督が苦労をしているように、監督が変わっただけで急に強くなる、という事はあまりありません。あったとしてもそれは一過性のものでしかないでしょう。中学年代の強化について少し目を向けてみると新しい発見があるかもしれません。


**9月15日(金)掲載**
(PIDE)

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第225回 アジア杯の意義
こんにちは。PIDEです。
代表の中東遠征が終了。サウジアラビアに敗退。イエメンには辛勝。結果1勝1敗に終わりましたが、アジア杯、一次予選突破を決めました。非常に過酷な条件の中、一つの結果を達成してホッと一息といった所。

しかし、休むことなく週末はJリーグ。夏休みの間週2回ペースで試合があり、長時間移動、灼熱のサウジ、高地のイエメンと本当にコンディショニングが大変だと思います。決められた日程だから、仕方がない面もありますが、もう少し選手の事を考えたマッチメークができなかったのか、疑問です。

さて、今回のアジアとの戦いで改めて感じたことを一つ。はたしてアジアの力の劣る国と戦う事は国際経験になるのか?日本はアジア杯で2大会連続優勝という結果を勝ち得ています。それでも、世界との差を考えると、それほど縮まっているようには思えない。今回のイエメンのように引いて守ってきた相手に対する苦戦を例に「得点力不足」と声高に批判を受けたりします。しかし、世界で日本を相手に引いて守ってくる相手はほとんどいません。どちらかと言えば、日本がその立場になる事の方が多い。

地理的な制約から、欧州/南米のトップチームと真剣勝負をする機会が圧倒的に少ない日本。そのためにもアジアを突破し、各年代の世界選手権に出場することは非常に大事。しかし、アジア予選はどうか。アジア予選で勝った/負けたは、実はあまり大した意味はないのではないか、と思うのです。世界大会に出られる/出られないは大きな問題です。しかし、それ以外にアジアの大会から得られるものはそれほど多くはない。韓国や中国、オーストラリアといった環太平洋地域の強豪国と定期戦を多く開催していく事の方がむしろ有意義なのではないか、と思ったりします。

ジーコジャパン時代。いろいろとその手法に批判がありながらも、ジーコが監督であり続けた一つは「結果を出していた事」だったと思います。では、この「結果」とは何を指すのか?おそらく一番インパクトに強かったのは中国でのアジア杯でしょう。コンフェデ杯はトルシエ時代のように決勝トーナメントには残れていないですし、W杯予選はそれほど突破に苦労をする組合せではなかった。

しかし、W杯ではああいった結果になりました。アジア杯の優勝、ベスト4は少なくとも世界で戦うための準備として求められる結果ではない。という仮説が過去の流れから見ると考えられるのではないでしょうか?

アジアをないがしろにする訳ではありません。ただ、単純にアジアで勝てなければ世界でも勝てない=アジア杯獲得が代表監督続投の一つのノルマ、と捉えると本質を見失うような気がしています。

欧州では08年の欧州選手権予選が始まり、強豪各国同士の厳しい戦いが既に始まっています。彼らは日常のクラブレベルでも、代表戦でも本当に高いレベルでの戦いを日々続けています。そうした相手とどのように戦っていくのか。日本の大きな強化戦略が試されます。


**9月8日(金)掲載**
(PIDE)

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第224回 「旬」「機」「場」
こんにちは。PIDEです。
今週の水曜日で夏休みのJが終了。相変わらずの混戦模様が続いています。

水曜日は大分に苦杯を舐めたレッズですが、週末は幸か不幸かナビスコカップの準決勝でお休み。主力選手は中東遠征で更にハードな日程をこなす事になりますが、リフレッシュし直すにはちょうどよい休みかもしれません。

いよいよ、終盤戦に突入していきます。混戦のJリーグはこれからがいよいよ楽しくなっていきます。少しずつ朝晩は秋の空気が漂ってきました。観戦するにもよいシーズンになってきました。

さて、今回は少しお詫びから。先週のコラムで書いた得点。大きく間違っておりました。
スポーツ新聞の対戦表を上から全て足してしまい、本当の得点の「倍」になってしまいました。例えば、「浦和2-1C大阪=3点」と「C大阪1-2浦和=3点」を両方とも足していました。
ここにお詫びと訂正をさせていただきます。すみませんでした。ただ、単純に倍になっているだけで話の展開が変わるものではありません。

前置きが長くなりました。いよいよ本題。

中東遠征のメンバーが発表されました。今回も大分の西川/梅崎といった若いメンバーが新たに召集を受けました。FC東京の伊野波もU-21メンバー。長くG大阪の司令塔として活躍している二川の選出も含め、「よく見ている」と思わせる選考です。

オシム就任後のメンバー選考を見ていると、現在調子のよい若手を積極的に登用している印象を受けます。選手には年齢に関係なく「旬」があるように思います。その時に呼ばれる/呼ばれないで大きく人生が変わってしまう。そういった「旬」とか「機」といったものを大事にする。それは、選手にとってもわかりやすい基準「活躍をすれば必ず見ていて呼んでくれる」という前向きなモチベーションに変わりやすいのではないでしょうか。

特に若手は好不調の波が大きく触れがち。過去の4年間はほとんど若手の抜擢がなされませんでした。それは単純にスキルが足りなかったから、と言われれば済まされるものかもしれません。しかし、トルシエ時代にU-19から継続的に強化/登用されてきたメンバーと現在の若手の良質な国際経験の差は圧倒的に違ったでしょう。彼らが優れたタレントになりえたのは当時の若い時代からのこれら経験があったから。逆にそうした経験が少なければ今のような選手にはなっていなかったかもしれない。

必要以上に若手を担ぎ上げる事には慎重さを求められますが、やはりその時々で適切な「場」を設定する事は、継続的な強化という観点からいけば常に重要なミッションである。そんな事を今回の選考を見ながら感じています。

サウジアラビア、イエメンと戦う中東遠征。過酷な環境下で抜擢された若手がどれだけの活躍、成長を見せてくれるのか。年代別代表とは違う、本当のフル代表の高い質の経験をぜひ積んできて欲しいと思います。


**9月8日(金)掲載**
(PIDE)

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第223回 考えて走る
こんにちは。PIDEです。
注目をしていた先週末のJリーグ。浦和はFC東京に快勝し、首位。全体的に得点も多く入り、やはりよい刺激ができつつあるようです。

オシムは単に代表選手を「代表選手で拘束できる時間」だけを相手に指導している訳ではないようです。オシムが求めるサッカー。例えばよくキーワードとして言われる「考えながら走るサッカー」というものは短い代表合宿期間中だけで理解/実践できるものではありません。各自がチームに持ち帰り、日々のトレーニングの中でそれこそ自分で考えながら取り組んでいくもの。

「考えながら走る(動く)」という事は口で言うより遥かに難しい。
僕らが仕事をしている中でも、上司や先輩から、
「もっと考えろ」
「もっと行動量を増やせ」
という言葉はいつも言われている事。しかし、言われている本人は
「考えてるけどわかんないんだよ」
とか
「動いてないと怒られるから、とりあえず動いている振りをしよう」
なんて思い始め、それを見透かされて怒られれば、怒られるほど
「考えてると動けと言う。動いていると考えろと言う。いったいどうすりゃいいんだ!」
と思考も行動も止まってしまう。僕も身に覚えがあります(^^; 自分の動きに自信がないから考えようとする。しかし、考えても自信がないから動けない。その悪い流れの繰り返し。

よい行動にはよい準備(思考)が必要不可欠ですが、よい準備をするためには多くの経験が必要だと思います。この経験は、自分からとにかく行動する事をどれだけ多くこなすか。動いて失敗して、そこから学ばなければ始まりません。
「コロンブスの卵」のような話ですが、僕の拙い経験からすれば、どちらが先か?と問われれば「動く事」がまずスタートです。動いて、動いて、動いて、その結果をきちんとレビューし、同じ失敗は繰り返さないようにする事。このプロセスをどれだけ多くこなせるか。

・・・話しは最初に戻りますが、多くこなすためには日頃のJリーグの試合、一試合一試合をオシムに言われた事を自分なりに理解しながら、課題を持って取り組める選手が、半年/1年間という期間を経る中で振るい落とされていくのではないか?そのプロセスは非常に地味ですが、そう言った目立たない所を、おそらくオシムはきちんと見て判断していくのでしょう。

先週のトリニダード・トバゴ戦や今週のイエメン戦の結果についてただ批判をするだけでなく、長いプロセスの過程の一つとみていく事が大事なのだと思います。


**8月18日(金)掲載**
(PIDE)

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第222回 オシム/反町体制始動!
こんにちは。PIDEです。この一週間、サッカー界は大きな話題に溢れました。

まずは、オシム監督の日本代表メンバー発表。メンバーはわずか13名!!初めて聞いた時驚きました。そして、真っ先に感じた感想は「理解不能なマッチメークをした日本サッカー協会への強烈な皮肉だな」という事です。

これまでも、強化という観点から考えた場合、明らかにおかしい日程、というものが多々ありました。これまでの監督であれば、それはそれとしてメンバーは20名前後、大体呼んできた訳ですが、オシムはそれをしなかった。しかもその後に5名を追加召集、さらにはU-21で中国戦を戦った青山をさらに呼ぶなど、これだけバタバタしたメンバー発表は僕にとっても始めての体験でした。また、記者からの質問についても非常に厳しい「返し」をしますし、マスコミも協会も一気に緊張感が高まったことでしょう。

試合内容も前回の代表と比べると見違えるようなスピード感溢れるサッカーを展開しました。特に2点を取った三都主。特に2点目のフリーランニングなどは、本当に素晴らしいプレーでした。わずか数日のトレーニングでこれほど変わるものなのか・・・。

もちろんよい展開は前半開始20分ほどしか続きませんでした。それ以降は単発的によい展開は見られるものの、全体として停滞感は否めません。相手のトリニダードトバゴも予想以上に手ごたえがなく、まだまだこれからではありますが、今後に期待を持たせてくれる試合であった事は間違いないでしょう。

来週はアジア杯予選イエメン戦。今回A3などで召集できなかった選手達から何人が呼ばれるのか、ギリギリまでどうなるか全くわからないドキドキ感を与えてくれるオシムジャパンですが、今回からさらに発展したゲームを見せてくれたらと思います。

また、今回代表に呼ばれた選手達が戻る今週末のJリーグ。実はここも大きな注目点だと思ってます。わずかでもオシムのサッカーを体験した選手達がその経験をクラブにどう伝えるのか。呼ばれなかった選手もJリーグで活躍すれば呼ばれるチャンスがあると思える選考がされた事で代表に向けたアピール機運も高まるのでは。

日本人のサッカーを標榜して進もうとしているオシムジャパン。今、僕らは大きな転換点にいるのかもしれません。

今週末のJリーグ。大注目です。


**8月11日(金)掲載**
(PIDE)

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第221回 TVとスポーツ
こんにちは。PIDEです。
梅雨も明け、夏本番!Jリーグは先週末の上位3チームドローにより大混戦の様相。また今週は五輪代表にフル代表の発表とオシム/反町体制も本格的にスタートと大賑わいになってきました。来週はオシムジャパン初めての国際試合。今日予定されているメンバー発表も含め、どんなサッカーが展開されるのか非常に楽しみです。

さて、今週大きな話題として(ジャンルは異なりますが)ボクシング亀田興毅の世界戦がありました。結果はご存じの通り判定勝ちでタイトル獲得。ただし、その判定に対して大きな疑問が持ち上がり、中継TV局への不信、批判も大きく取り上げられました。

何故、この話題を取り上げるのか。
それはこの事が先のW杯やサッカーを取り巻く世界で起きている出来事と、共通のテーマを持っていると思えるからです。わかりやすい例では、06年W杯(及びその予選)で見られた民放TV局の中継・報道。全ての試合を「絶対に負けられない」と煽り立てるキャンペーン。心あるサッカーサポの多くは国営放送の中継に流れます。

全くの憶測ですが、本大会の日本の試合開始時間(現地では炎天下の午後。日本では夜10時)を視聴率が取れる時間に合わせたとかしないとか。冷静に考えれば、炎天下はたまたまだと思います。この時期のドイツであれだけの暑さは異常であったはず。開幕前は逆に物凄く寒いという話もありましたし、もし遅い時間のキックオフであったとしても、結果が結果でしたから、逆に叩かれる事もあったでしょう。

今、スポーツ程高い視聴率を取れるコンテンツが減りました。天下の巨人戦ですら延長放送をしなくなってきている程です。何らかの意図が「本当に」あったかどうかは問題ではありません。事実として広くTV局は自局の視聴率を上げるためにやったんじゃないか?と思われてしまう所に問題があります。

かといってTVの存在を否定するものではありません。TVがある事で僕らは広く世界中の情報を得る事ができます。もしTVがなければ僕らは今ほどの情報をリアルタイムに入手する事ができません。そういった意味では、ネットがこれだけ普及したとはいえ、TVがサッカーを取り上げてくれる現実を喜ばなければいけません。過去にはほとんど「サッカーをTVで見る」という機会がほとんどなかった訳ですから。しかし、それでも、民放とはいえ、やはり公共性の強い仕事な訳ですから、中継する局もそれなりの心掛けもしていただきたいと思うのです。

こうしたマスコミの権利偏重が続くようであれば、日本スポーツのこの先は非常に寂しいものになってしまう。W杯、亀田戦、バレーボールときて、いったいこの国のマスメディアの人達は、どれだけスポーツを大事に考えているのか?もっともっと日本スポーツを取り巻く環境が変わる事ができればと思ってしまいます。圧倒的多数の人に影響を与えうる存在としてのメディア。そのメディアに携わる方は「高い倫理観」の元、商業主義一辺倒に走らない確かな「誇り」を持ちえていただけないものでしょうか?


**8月4日(金)掲載**
(PIDE)

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