【マイタウンさいたま】ログイン 【マイタウンさいたま】店舗登録
燃える闘魂! サッカー命!
PIDEです。毎週金曜日に、このページに登場します。よろしくお願いします。
私は旧浦和市の某町に住んでいる熱狂的サッカーファンです。 子供の頃からサッカーに興味を持ち、今に至っています。スポーツはサッカーだけではなく、スキーなど、いろいろやっていますが、中心はやっぱりサッカーになりますね。 実はNPO 日本サポーター協会にも所属しておりまして、サッカーに関連するいろいろなことに首を突っ込んだりしています(^^ゞ。 このページで皆様とサッカーの話で盛り上がれればいいな、と思っています。

全320件中  新しい記事から  51〜 60件
先頭へ / 前へ / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / ...16 / 次へ / 最終へ  

第270回 インターハイ観戦
こんにちは。PIDEです。
8月に入り、長かった梅雨も明け、いよいよ夏本番。今週は福岡までインターハイを観戦に行って来ました。今日はそのレポートをお伝えします。

今年のインターハイ開催自治体は佐賀県。
しかし、サッカーは会場が足りないせいか、一部福岡県でも開催されています。埼玉県代表として出場しているのは埼玉栄と市立浦和の2校。埼玉栄は今年の新人戦で県内初制覇。プリンスリーグ出場こそ逃しましたが、関東大会では帝京や矢板中央といった関東の強豪校に競り勝ち優勝。インターハイ予選も市立浦和、浦和東、西武台で争った決勝リーグを全勝で通過し、現時点の埼玉県内では圧倒的な強さを誇っています。

今回はその埼玉栄と福井県代表、昨年の冬の選手権ベスト8の丸岡。192cmの長身CBが注目される全国大会の常連校です。埼玉栄は全体に小ぶりな選手が目立つチーム。そんな体格で勝る相手にいつものショートパスを繋ぐ小気味よいサッカーを展開できるのか。

前半立ち上がり。全国初出場の緊張か、もしくは相手の出方を窺ったのか、丸岡に押し込まれてスタートします。なかなかいつもの軽快なボール回しは見られません。しかし、それも開始数分だけでした。その後は徐々にボールをキープできる時間が増え、埼玉栄ペースになってきます。

しかし、ペースを掴み始めた前半8分。DFラインでの繋ぎにミスが出て丸岡FWにボールを奪われ、そのままゴール左スミに叩き込まれ先制されてしまいます。

全国経験豊富な相手にミスから先制点を許す嫌な展開。それでもこれまでの経験が生きているのか、慌てることなく自分達のサッカーを展開。前半のうちに同点、逆転し2-1で折り返すという見事なサッカーを見せてくれました。

後半も埼玉栄ペースで試合が進みます。丸岡は中盤でボールをキープすることもままならないため、前線にロングボールを蹴って状況打開を狙いますが、この攻撃にはきちんとDF陣が対応し危ない場面を作らせません。逆に攻撃陣もゴール前に迫り何度か惜しいシーンを演出します。埼玉栄の全国初勝利はほぼ間違いないと実感できるような圧倒的な試合展開でした。

しかし、やはり試合は最後までわかりません。
その後またまたDFラインからのボール繋ぎのミスを丸岡FWに奪われ同点ゴールを奪われてしまいます。先の1点目の再現を見るようなゴール。結局2-2のまま延長戦となり、PKで4-5で敗戦。全国初勝利を逃しました。何度も3点目を入れるチャンスがありながら決め切れなかった埼玉栄に対し、ミスを確実に得点に結びつけ同点、PKで勝ちを拾った丸岡。どれだけ内容で圧倒したとしても、得点を相手より1つでも多く取らなければ負けるという厳しい現実を埼玉栄の選手達は十分経験した大会となりました。

市立浦和も残念ながら初戦敗退。2校とも全国の壁を実感させられた大会でした。この後残すは冬の選手権。埼玉県代表がどの高校となるのかも注目ですが、今回の埼玉栄のサッカーの内容が丸岡を圧倒していたというのも間違いなく、全国でも十分に戦える力を持っている事は確認できた訳ですから、今度の冬、代表校に選ばれた学校には全国の上位を目指して頑張って欲しいと思います。


**8月3日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第269回 奮闘!アジア杯
こんにちは。PIDEです。
今週はアジア杯で大いに盛り上がりました。水曜日、準決勝でサウジアラビアに2−3と負けてしまいましたが、今回大いに実りのある大会になったと感じています。

最後のサウジアラビア戦。試合開始始めから圧倒的なボール支配をしますが、ゴールに近づくことはできず、その後徐々に押し込まれ先制点を奪われます。すぐに追いつき、追加点を奪われてももう一度追いついた。しかし、その後DFが完全に振り切られ決勝点を奪われました。

1点目はセットプレー。2点目は右サイドを完全に崩され、3点目は個人技。考えられる失点パターン全てで完全にやられた、見るべきものの少ない情けない内容だったと思います。

ただ、準々決勝のオーストラリア戦は久しぶりにシビれる素晴らしい内容でした。オーストラリアに退場者が出るまでの時間、非常に高いレベルで展開されました。

W杯の敗退から1年でこれだけの連動性のあるチームを作り、かつベスト4という結果を残したオシム監督の手腕は大いに評価されるべきだと思います。

ただ、まだまだ多くの課題がある事も確かです。高原の圧倒的な決定力が日本を大いに助けましたが、他のFWについては物足りなさがぬぐえませんでした。守備での奮闘も大事ですが、やはりFWは点を取れなければ僕はいけないと思います。

中村俊、中村憲、遠藤で構成された中盤は高い技術で戦術眼で機能していました。しかし、いずれもパスの出し手タイプ。裏に走りこむ意図も見られましたが、やはり役割が違います。パスの受け手となる選手が必要ではないか。

鈴木は基本的に一人で中盤の守備に終始。広大なスペースをよくカバーしましたが、相手のレベルが高くなるに連れてその負担は大いに増した印象を受けました。日本人の守備的MFが一人でよいのか?

駒野、加地の両SB上下によく動き、積極的に攻撃にも参加しましたが、あまりに質の低いクロスは得点の匂いを感じさせる機会はほとんどありませんでした。

中沢、阿部のCB。両者よく戦っていたと思いますが、毎試合失点はいただけません。阿部はリベロやスイーパーとしてカバーリングをするのならばよいかもしれませんが、サウジの3点目を見る限りCBとしての1対1はやはり荷が重いのでは?元は中盤の選手。CBとして期待するには限界があるように思われます。また、ジェフ時代あれだけ蹴っていたFKをレッズでも代表でも全く蹴らない。彼は自分の良さを活かしきれていないのではないでしょうか?

川口。PKストップは圧巻でしたが、今大会はそれ以外でそれほどのインパクトはなし。

控え選手。出場機会を得た選手は限られてしまいましたが、その選手達もほとんどインパクトを与える、試合の流れを変えるような事はできませんでした。選手層が薄いと判断したからあまり変えなかったのか、元々機を見た選手交代をできる監督ではないのか。

オーストラリアのように単純にデカイといった選手以上に、日本人はスピードと技術があり、かつバネのあるような?タイプの選手に弱い印象があります。サウジのFW2人はまさにその典型でしたね。

確かにボールが動き、それに合わせて連動性のある人の動きが多く見られるようになってきました。しかし、どの試合も最後の最後攻め切れない展開が多かったことは今までと特に変わっていません。パスを廻しながらどこかでペースを変える。ダイレクトパス、ドリブル、シュートを機能的に織り交ぜた展開はほぼ皆無。サウジ戦の選手コメントを見ると、「相手が研究してきていた」・・・当たり前ですよね。ここまで非常に質の高いサッカーであると評価された訳ですから。研究される事を前提で、相手に引かれる事を前提でどう崩すかを一人ひとりが考えなければ先には進まない。

まだまだ完成度は低いはずです。それでもこれだけの展開を見せられたというのは今後にまだまだ期待してもよい時期だと思います。これだけの暑さで5試合もこなすというのは体力的にも相当な負担だったはず。まだ土曜日に韓国との3位決定戦が残っていますが、よい内容で終えて、また次につなげていって欲しいと思います。


**7月27日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第268回 アジア杯開催国の躍進
こんにちは。PIDEです。
先週末の3連休前半は季節外れの台風でナビスコ杯は散々でした。レッズもアウェーでG大阪にまさかの大敗。。。3月のゼロックス杯を思い出させる後味の悪い敗戦です。代表メンバーが出られないのは相手も同じ(むしろ相手の方が多い?)だけに深刻です。リーグもG大阪にリードを付けられている状況ですから、何とかこの中断期間に立て直して欲しいものです。

さて、その中断期間。東南アジア4カ国で行われているアジア杯は一次リーグが終了。ベトナムの進出はサプライズながら、韓国、オーストラリア、イラン、イラク、サウジアラビア、ウズベキスタンおよび日本の進出は概ね戦前の予想通り。予想外と言えば、次のベスト16でいきなりオーストラリアとの再戦が実現してしまった、という所でしょうか。

今回のアジア杯。開催国の4カ国はマレーシアを除き、大きな驚きを私達に与えてくれました。ベトナムの一次リーグ突破(1勝1敗1分)を筆頭に、タイも1勝1敗1分(オマーンに勝利。イラクと引分)、インドネシアは1勝2敗ながらバーレーンに勝利(バーレーンは前回大会ベスト4/日本が4-3で勝利)。マレーシアは残念な結果(3敗)でしたが、地の利があったとはいえ、これらの国々に大きな自信を与える結果となった事は、1992年に広島で開催されたアジア杯で初優勝を遂げ、2002年、やはり自国で開催したW杯で初勝利、ベスト16に進出した日本の躍進とかぶる部分が見えたりします。

どんな条件であれ、勝つ事で得られる自信は中途半端なコンプレックスを払拭してくれます。近い将来、日本のJリーグで活躍する東南アジアの選手が出てきたとしても、ありえない話かもしれません。

日本が更なるレベルアップを目指すためには、身近に高いレベルの競争相手を多く作っていく事は大変重要だと思います。現時点で東アジアで互角に戦える相手は残念ながら韓国くらいでしょう。中国や北朝鮮は残念ながら10回やって7割8割以上は勝たなければいけない相手、という認識の方が多いのではないでしょうか。ここにオーストラリアが新しくアジアに入ってくれることになった。W杯に出る条件はより厳しくなったかもしれません。しかし、アジアが強くならずに日本だけが強くなる事は現実的に難しいように思うのです。

以前にも何度か書いているとは思いますが、世界のサッカーの中心は言わずと知れた欧州です。その次は南米。これらの国々と地理的に離れている極東の国にとって国際経験を積む場をいかに増やすかが大きな問題。その一つとしてクラブレベルでの交流が活性化されている事は良い事の一つ。もう一つはここにあるようなアジア各国のレベルアップ。そしてもう一つはJリーグにもっとアジアの選手が加わり、日本人選手が十分なレベルとサラリーを得られるアジアのクラブでの活躍ではないでしょうか。

現在Jリーグは外国人が出られるのは3人と規制しています。欧州リーグではこうした外国人枠はEU内外でまた分かれていますが、プレミアリーグなどではほとんどのメンバーがイングランド人でないクラブもあります。それでも保たれるクラブとしてのアイデンティティが必要とされるのもまた真実ですが(例えばレッズに日本人選手2人、韓国人3人、中国人1人、ベトナム人2人、ブラジル人2人、ドイツ人1人となった時、我々はそれでもレッズをおらが街のクラブとして応援できるのか?という話ですよね)、それでもそうした可能性を含めた議論があって、普及/強化について考えることは大いに必要だと思います。

今はだいぶ変わってきたでしょうが、かつて三浦カズがセリエAに挑戦したころ、その時のイタリア人の印象としては、「Jリーグにベトナムのエースストライカーがやってくる」と我々がニュースを聞いたとした時に抱く印象と似たような感じだったのではないかと思えたりする訳です。それでも道を切り開いてきたカズは素晴らしいと思いますし、そうして活躍してくれる選手が来てくれたら、それはそれでとても嬉しい事だったりしませんか?

今回の開催国4カ国の結果を見て、早晩このような状況になるだろうと考えるのはあまりに現実離れしているかもしれません。しかし、そんな夢自体、今回のアジア杯が開催する前にはほとんど考えられなかった訳ですから、今回のアジア杯には新しいアジアの未来を夢見られるよい大会になってきたのではないかと思います。


**7月20日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第267回 偉大なるU-20世代
こんにちは。PIDEです。
今週に入って浦和の天気もようやく梅雨模様。ジメジメ湿気が体にまとわりつき、不快な事この上ないですが、東南アジアで開催されているアジアカップを戦っている選手達はもっとハードな環境で試合をやっているであろうことを思うと我慢しなければと!思います(^^;

アジア杯が開幕しました。緒戦のカタール戦は先制しながらも試合終盤にFKで同点に追いつかれドロー。随分とオシム監督がナーバスになっている(ように見せているだけ?)報道が見られ、何となく重たーい空気が漂っています。

夏の青空のようにスカッとしていたU-20代表も昨日の試合で2-0からチェコに追いつかれ、PK戦で涙の敗退。不運な判定に泣かされた感もありますが、それも含めて勝負事。まだ「この敗戦を経験として」と言える年代な訳ですから、次の五輪/フル代表に向けてステップアップしてくれたらと思います。

以下は、過去5大会(今回含め)のU-20W杯(ワールドユース)の結果です。

1999年
 日 本:2勝1敗   準優勝(高原、遠藤、加地)
 韓 国:1勝2敗   GL敗退
 サウジ:1分2敗   GL敗退
 カザフ:0勝3敗   GL敗退
------------------------------------------------------------------------------
2001年
 日 本:1勝2敗   GL敗退(佐藤寿、駒野)
 イラク:1勝2分   GL敗退
 中 国:1勝1分1敗 GL敗退
 イラン:0勝3敗   GL敗退
------------------------------------------------------------------------------
2003年
 日 本:2勝1敗   ベスト8(山岸、今野、川島)
 韓 国:1勝2敗   ベスト16
 サウジ:2分1敗   GL敗退
 UAE:1勝1分1敗 ベスト8 GL敗退
 ウズベ:0勝3敗   GL敗退
------------------------------------------------------------------------------
2005年
 日 本:2分1敗   ベスト16(水野)
 韓 国:1勝2敗   GL敗退
 中 国:3勝0敗   ベスト16
 シリア:1勝1分1敗 ベスト16
------------------------------------------------------------------------------
2007年
 日 本:2勝1分   ベスト16
 韓 国:2分1敗   GL敗退
 ヨルダ:1分2敗   GL敗退
 北朝鮮:2分1敗   GL敗退
------------------------------------------------------------------------------
※GL=グループリーグ/ウズベ=ウズベキスタン/サウジ=サウジアラビア/ヨルダ=ヨルダンの略

こうして見ると5大会連続は日本だけ。ちなみに95年/97年も出場している(ともにベスト8)ので7大会連続となりますこの間GLで敗退したのは2001年の時だけ。他のアジアからの出場国の結果も載せましたが、その戦歴は雲泥の差があります。改めて世界で戦えることを目標に、若年層からの継続的な強化が続けられた結果として、今の日本サッカーがあります。

アジアというサッカーの世界の中心からは外れた場所で強化を続けていくという事は、おそらく相当のハンディキャップとなるでしょう。日頃から高レベルの国際経験を積める欧州との違いは歴然です。一方でACLのようなクラブレベルでの国際経験を積む舞台が増えており、より多くの選手が海外各国との真剣勝負を挑める場をもっと多く行なっていく必要があるでしょう。

3連覇を狙うアジア杯。今日は大事に第2戦UAEとの戦いです。蓄えられた経験を糧に苦しい戦いを勝ち抜く強さを見せてほしいものです。


**7月13日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第266回 「勝つ」経験
こんにちは。PIDEです。
Jリーグが一時中断。しばらくは代表戦シーズンとなりました。フル代表は今週末よりアジア杯。U−20代表がU−20W杯に現在参戦中。U−20は本日までに2試合を終え、ナイジェリアと共に2勝を挙げ、決勝トーナメント進出を早々に決めました。

世界サッカーの中心である欧州/南米から遠く離れ、真剣勝負の国際経験が積み辛い日本サッカーにとってU−17/U−20/五輪という若年層の世界大会は強化の面で非常に大きな役割を担っています。欧州各国がこうした大会を軽視しがちだ、という話も聞きますが、それはもっと身近によりレベルの高い国際経験が積める「場」が多く存在するからで、南米含めた欧州以外の各国はそれぞれ高い意識で参加してきているように思います。

Jリーグ開幕以来、日本サッカーが「世界で戦うことが当たり前」と思えるようになってきたのもこうした若年層からの積み上げの結果として、W杯3大会連続出場という実績に繋がっていると思います。

今回の大会、初戦のスコットランド戦を3−1と快勝し、続くコスタリカ戦は1−0。かなり厳しい試合となったようですが、その中で失点を0に抑え、1点を取って勝ちきれた、という結果は非常に大きな経験になったのではないでしょうか。

若年層の強化にあたり、とかく「勝つ事が全て」という意見と「内容のない勝利には意味がない」という意見がいつも議論の的となりますが、個人的にはそうした方々の根底にある部分は表現の違いこそあれ同じなのではないかと思ったりします。

「勝つ」事でトーナメント戦の場合、より多くの真剣勝負(しかもよりレベルの高い)をする事ができます。高校生の大会ではリーグ戦形式が増えてきて、前回のコラムも「補欠のいない」環境整備について書きました。世界のクラブというのはどこも年間のリーグ戦を戦っている訳ですから、これも理にかなっていますが、一方W杯本大会は最後の最後はトーナメントです。W杯にフォーカスを当てるのであれば、「トーナメントを勝ちきる方法」を経験していく事も重要なものです。

また、「勝つ」事は選手たちに大きな自信を与えます。「勝ち続ける」事は大変な事ですが、その環境にいる選手はただ「勝つ」事を目的にしている選手よりもより高い意識で試合を臨む事ができるはずです。特に若い世代にとってそれらの経験一つで化ける事もありえます。黄金世代と呼ばれた99年Wユース組もあの大会での準優勝という経験がその後に大きな自信となり、数々の快挙をあげていくメンバーとなったのではないでしょうか。

さらに「勝ち続ける」事は相手チームにとって心理的圧力となります。レッズと対戦する下位のチームの戦い方として、「引いて守備を固めてカウンターで1−0」というのはよくありうる策だと思います。これは0−0で守りきる時間が長くなればなるほど、守備側の思うツボですが、逆に早い時間帯で1点を入れてしまえば「あぁ、やっぱり強いや。適わない」と心理的にその時点で「負け」にさせる事ができる。逆に勝ち続けているチームが先制点を奪われたとしても「大丈夫。最後には逆転できる」と「勝ち続けている経験」があせりを抑え、冷静にゲームを進める事ができるようになる。心理的な効果も大きいと思います。

つまり、「勝つ」事は非常に大事で、それは「より上質の経験を多く積むため」に必要な「手段」であると思うわけです。今回のU-20代表もできる限り多く「勝って」、より多くの「経験」を積んでさらにレベルアップをしてくれたらと思います。


**7月6日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第265回 補欠のいない世界
こんにちは。PIDEです。
先週末、埼玉県のインターハイ出場校を決める試合を観戦してきました。埼玉からは2チームが出場できるインターハイ。県内の予選はトーナメントを勝ちあがった4校による総当りのリーグ戦。リーグ戦参加校は「埼玉栄」「市立浦和」「浦和東」「西武台」です。結果は関東大会に出場した「埼玉栄」と「市立浦和」がインターハイ出場を決めました。

元々静岡にいた頃に高校サッカーを観るようになってから、冬の選手権などは毎年よく観戦に行くのですが、今年は知り合いが埼玉栄でプレーをしている事もあり、新人戦から近くで試合があるとチョコチョコと埼玉県内の試合も観にいくようになりました。

こうした試合を見に行くと、いつも関心するのはスタンドやピッチ脇から一生懸命チームの応援をしているサッカー部のメンバー達。彼らは自分達の代表である選手に大きな声で応援をしています。本当なら自分こそがこのピッチに立って活躍をしたい、きっとそう思って厳しい練習に取り組んでいるはず。

僕の時代と比べてユース年代での公式戦の数というのは劇的に増えました。今年僕が追いかけている埼玉栄も今年始めの新人戦の後、プリンスリーグ出場を目指す大会。プリンス参加校はプリンスリーグがありますし、参加できなかった高校も関東大会予選があり、それが終了した後にはすぐにインターハイ予選。インターハイが終わればもう冬の選手権に向けた予選が各地区では始まる、というように1年間何らかの公式戦が組まれています。

とはいえ、これらの大会に参加できる選手はごくわずか。大規模校になればなるほどいわゆる「補欠」の選手達が多くなり、3年間部活に所属をしていても一度も公式戦に出られない選手が多くなってしまう。今僕が一緒にボールを蹴っている子たちでも途中で部活をやめてしまった子もいたりします。レギュラー+ベンチ入りメンバーに入ることができれば試合に出れるが、それ以外では真剣勝負ができる場はほとんど用意されていない。監督との相性もあるでしょう。入ったはいいが、どうしても監督と合わない。そういった理由で試合に出られなくなった場合、プロであれば別のクラブに移籍をする、という選択肢がありますが高校サッカーでそれはほぼできません。そうなるといかに才能を持った選手であっても途中でその芽が摘まれてしまう。残念な事が起きてしまう訳です。

28日付けの日経新聞のスポーツ欄に興味深い記事が掲載されていました。

「補欠ゼロ」リーグ

所属している選手達がそれぞれのレベルに合わせてリーグ戦を戦える仕組みが今各地で作られつつあるようです。東京都のDUOリーグ。大学対象のインディペンデントリーグ。記事の中では埼玉県で小学生の全県リーグを始めているというのもありました。ポイントは「トーナメントからリーグへの移行」と「レベル別」という点でしょうか。リーグ戦であれば例え全敗してしまうようなチームであっても全勝するチームと同じ数の試合ができる。レベル別であれば、極端な大差がついてしまう試合も減り、それぞれの適したレベルで切磋琢磨していく事ができる。

高校のグラウンド事情など理想だけでは難しい現実的な問題も多々あるでしょう。しかし、こうした点に着目し改善をしていこうと努力されている現場の指導者の方々がいることはサッカー界にとって大きな財産なのではないかと思います。


**6月29日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第264回 ボールを持っていない所での走り方
こんにちは。PIDEです。梅雨入り宣言と共に、なぜか素晴らしい天気が続いていますね・・・。ボールを蹴るにも体力を多く奪われる「夏場」がやってきました。

ここ1年ほど、会社の人たちとチームを作ってフットサルをやっています。僕の会社には年に2回、社内のフットサル大会がありまして、始めのうちはただ大会に参加するだけだったのですが、出場する度に欲が出てきて自然と練習を行うようになりました。

このチームの過半の人はサッカー初心者。学生時代にサッカー部に所属していた経験のない方々です。フットサルが随分と普及して、大人になってからボールを蹴る楽しみを覚えてくれる機会が増えた事はとてもよいことで、そうした中でさらにうまくなりたいと練習を行う人が身近にいた事は僕にとっても非常にありがたいことです。大体練習って嫌いじゃないですか。フットサルをやる時もゲームばっかり、っていうケースが多いですよね。

このチームでは僕がコーチ役。一応D級のライセンス取得者として日々練習メニューを考えながら、実施して、反省して、と試行錯誤の日々です。コーチライセンスを取って、最低限の知識を勉強していたとしても、やはり実践する事なしには幅が広がることはなく、小学生などを教えている訳でもない僕にとってはこのチームを通じて「教える」経験ができる事は非常に大きい訳です。

僕のへっぽこ指導者経験で今難しいなと感じている事は「ボールを扱う技術」よりも「ボールがない時の走り方」「受け手と出し手のタイミングを合わす」といった技術。例えば「インサイドキックの蹴り方」だとか「ボールタッチ」「ドリブル」「ボールキープ」といったスキルは反復練習でとにかく回数を増やす、という事でしか上達しえない?ですし、教える事というのはそれほどない。「うまく蹴れるコツ」をアドバイスするくらい。

ただ、「走り方」とか「タイミング」というのは、すこぶる難しい。まずなかなかそこが大事だ、重要なんだと認識してもらう事が最初ですが、それも難しい。例えば「パスして、その後走る」というような練習メニューも取り組む人の意識によってダラダラにもキッチリにもなります。

練習メニューというのはある程度動き方がパターン化されます。「パスをしたらAからBという場所に動いて次・・・」みたいな感じですよね。普段のゲーム中はどのポイントに動くのか?といった事は状況によって最適なポイントというのは刻々と変化しますから、意識してボールを次にもらえる「ポイントを探し」て、「タイミングよく」入らなければパスは繋がりません。

ですから、練習でもボールを蹴って、「その次の動き」という所まで意識を持って練習をできるか、できないか、はその後の成果に大きな違いがあるはずです。ただ、そこまでメンバーが常に意識して練習に取り組めているかというと・・・難しい。それは決してメンバーがだらけているのではなく、そこへの意識の徹底ができていない、という意味になるのでしょう。

プロの試合を見ていると、ときどき信じられない連係プレーが見られたりします。これは「ボールを蹴る技術」ももちろんですが、「走る技術(どこに走るか、どのタイミングで)」が重要だったりします。ここは目に見えにくい部分なのですが、Jリーグを見る時にもちょっと意識して見てみると違ったものが見えてくるかもしれません。


**6月22日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第263回 日本サッカーの「日本化」
こんにちは。PIDEです。
いよいよ梅雨がやってきました。この梅雨が明けるといよいよ夏。ここからが体力的にきつくなる中盤戦です。G大阪が少し抜け出した感のあるJリーグですが、2位以下は団子状態。この夏の展開ではまだまだあきらめる必要のない勝ち点差ですから、これからの高温多湿環境でどれだけ戦えるか、選手にとっても応援する側にとっても熱い季節がもうすぐやってきます。

さてさて最近のスポーツ界では、王子様が大人気のようです。まるで韓流ブームがスポーツ界にも押し寄せたかのような。神宮球場にはハンカチ王子を目的に多くの観客が集まり、ゴルフのアマの大会にハニカミ王子を目的にフェアウェイの「フ」の字も知らない方なども足を運ばれていたとか。日本のスポーツ界というのは一般的に「集団主義」「出る杭は打たれる」と言われるような日本社会(風土?)とは対照的に常にスターを求め、突出した個人にフォーカスが当たりがちです。

海外で活躍する日本人となると、その傾向も特に顕著で、野球のメジャーリーグ情報も個人成績ばかり。「イチローが3安打の大活躍」でもマリナーズが負けてる試合は結構あったりします。岩村や松井稼、大家といった選手の所属チームの順位を把握している人がどれほどいるでしょうか?そのスポーツがどうこうよりも個人が活躍している事の方が、より大事なようです。

一方、我らがサッカー界。代表監督のオシムは個人を取り上げたマスコミ報道を過剰とも思えるほどに非難します。スターのためにチームがあるのではなく、チームのためにスターがその機能を発揮させる事を求めます。おもしろいのは「集団主義」の日本人が突出した個人を持て囃す風潮に対し、「個人主義」とイメージされる欧州出身の監督が、厳しく規律を求めているという構図です。

先日のキリンカップでも「カミカゼシステム」という表現を使い、欧州で活躍する「優れた個」を並べてうまくいかず、羽生を入れた後半にガラリと内容を変えて見せる事で自らの考えの確かさをPRしているように見えました。

オシム監督就任後のキーワード「日本化」。現在のコンセプトで強化されたチームが今後のスタンダードとなるのでしょうか??かつてオシム監督が率いていたジェフ、そのオシムのサッカーを評価する大木監督率いる甲府。実践されているサッカーの質を評価する方が多い一方で、必ずしも勝ち切れていない現状もあります。

我々は日本代表に、Jリーグの応援するクラブに何を求めているのか。

「内容は別としてとにかく勝つ事か」
「おもしろい試合を見せる事か」
「スター選手を見せる事か」

もちろん択一ではなく、全てが満たされるような事があればそれが理想です。W杯アジア予選敗退や、J2降格危機のような状況に陥れば「つべこべ言わずとにかく勝て」が最優先されるでしょう。しかし、そういった個々の状況とは別に長期的な視点で考えた場合、今オシム監督が提案している「日本化の一つのカタチ」について何らかの意思表明をしていく事が大事になるのだと思います。一時的なスター選手の登場に一喜一憂し、その個人に「おんぶに抱っこ」状態ではいつまでたってもスポーツの価値は高まりません。

メキシコなどでは観客が自分たちの意に沿わないプレーが目の前で行なわれた時、それが応援しているクラブの選手のプレーであっても激しいブーイングがされるという記事を目にしました。その「観客が求めるプレースタイル」というものがスタジアム中で自然と共有されているそうです。こうした環境になるにはまだまだ日本サッカーは時間がかかるかもしれません。しかし、そうした空気を自然と醸し出せるような時代が来たら、その時には「日本化」などといった言葉はなくなり日常の中に当たり前に存在する日本サッカーのスタイルというものが定着したと言えるのではないでしょうか。


**6月15日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第262回 女子代表戦
フル代表のキリンカップ、U−22のマレーシア戦があり、ちょっと中断があったJリーグ、今週末からいよいよ再開!・・・なんですが、レッズはA3という東アジアの大会に出場していて今週はJリーグはお休み。Jリーグの年間王者は大変です。

先週末は上記代表戦とは別にもう一つの大事な試合がありましたね。あまりご存知の方は多くないかもしれませんが、女子サッカーの北京五輪予選が日曜日、国立競技場で韓国を相手に開催されました。

韓国といえば、日本サッカーにとって常に立ちはだかる大きな壁。今回も熱い戦いになるに違いない!と思い、初めて女子サッカーの試合観戦に行きました。

・・・が、結果としては日本の圧勝。開始数分でわかる力の違いに少々気が抜けてしまいました。。。。

しかし、内容的には参考になる点も多々ありました。女子サッカーは男子と比べてどうしてもフィジカル的な要素が低めになります。男子のような圧倒的な走力や激しいフィジカルコンタクト、ロングキックなどはなかなか拝む事ができません。

しかし、だからこそチームが連動して動く、短いパスをきちんとつなぐ。サッカーのパスゲームとしての面白さを十分に見せてくれますので、特にフィジカルが成熟していない子どもたちには男子よりも参考になるかもしれません。

また、会場に行って驚いたのは小中学生くらいでしょうか、ジャージを来たサッカーをやっているであろう女の子たちが大勢試合を見に来ていた事です。

彼女たちにとって、ピッチ上にいる選手達はまさに憧れの対象。プレーヤーとしての目標だったりする訳ですからね。当たり前かもしれませんが、普段Jリーグや男子の代表の試合ではあまり見られなかった光景だっただけに新鮮でした。女子に限らず、ボールを自分で蹴っているプレーヤーにとってピッチにいる選手達のプレーは応援対象というよりは自分のスキルアップのための教材だったりします。最近Jリーグ観戦ではあまりプレーヤーの人たちが試合を見に来ていないように感じます。同じサッカーを好きなのに、プレーと観戦、どちらかに偏ってしまうのは楽しみを半減させてしまっているのかなと。ただプレーをしていた方が楽しかったりすると、それを上回るだけの魅力を最近のJリーグや日本代表が僕たちに与えてくれているのかな?と思うと。。。まだまだ頑張って欲しいものですね!


**6月8日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第261回 オシムの選考から見えるもの
こんにちは。PIDEです。
今日から開催されるキリンカップでJリーグはしばしの中断。久しぶりの日本代表戦が行なわれます(vsモンテネグロ/コロンビア)。7月から開催されるアジアカップに向けて大事な位置付けの今大会。新しく楢崎、中田(浩)、稲本が選ばれ、ドイツW杯組も随分と戻ってきました。とかく「地味」と言われがちな最近の代表ですが、海外で活躍する選手たちとこれまでベースとなるべく戦ってきた国内組との融合がどれだけ図られるのか?

前回のペルー戦では、中村(俊)と高原の活躍もあり勝利を収めましたが、これまでオシムが就任して以来目指してきたサッカーとは少々隔たりがあったようにも見えました。今回そうした点が解消される兆しが見えるのか。確認できればと思います。

オシムの選手選考について感じるのは、「よく活躍している選手を見ている」という事ですね。各クラブのサポーターであればよく知っている選手でも一般的にはあまり知られていない選手というのは(自分たちの愛着とは裏腹に)あるもので、過去選ばれてきた選手を見ても「誰もが知ってるスター選手」ではなく、「各クラブで安定したパフォーマンスを見せている、または勢いのある選手」を確実にピックアップしている印象が強いです。海外組にしても自チームでレギュラーの座を掴み、安定して試合に出場し続けている(おそらく日本以上にパフォーマンスが落ちればすぐに落とされてしまう世界において、これは高い信頼の証拠とも言えるでしょう)選手だけがピックアップされています。

かつて稲本はアーセナルという超ビッグクラブに所属をしていました。中田(浩)もマルセイユというこちらもヨーロッパ中に知られる名門でした。そういった所属しているクラブの「格」あるいは「ブランド」に目がいきがちですが、実はそこに所属していてもトップの試合に出場できなければあまり意味がない、という現実が再認識されてきているように思います。

Jリーグでもそうですね。最近はJ2やJFLというステージもでき、ビッグクラブの控えであるよりも、多少下のカテゴリであってもフルに活躍できる場で大きく力を伸ばし、またトップに帰り咲いてくるという事も増えてきました。「実戦を経て力を伸ばす」海外に所属したからといって急にうまくなる訳ではない。落ち着いて考えれば当たり前の事実が正当に評価されるようになってきた。そうした基準をオシムは与えてくれているとも考えられるのかなと思います。

さて、最後に前回予想した結果を・・・

  横浜FC − ○大分  ⇒×(2−1で横浜FC)
  F東京 − ○名古屋 ⇒○(0−1で名古屋)
  神 戸 △  柏   ⇒×(2−1で神戸)
 ○鹿 島 −  甲府  ⇒○(2−0で鹿島)
  千 葉 − ○G大阪 ⇒○(1−2でG大阪)
  広 島 − ○清水  ⇒×(2−1で広島)
 ○浦 和 −  横浜FM ⇒×(1−1で引き分け)
 ○川崎F −  大宮  ⇒×(1−1で引き分け)
  磐 田 △  新潟  ⇒×(2−4で新潟)

・・・見るも無残、3勝6敗ですか、当たらないものですね。これならBIGで機械に選んでもらって運を天に任せた方が無難かも(^^;

今年のJリーグは団子レース。第13節を終わって首位のG大阪が勝点28。2位の浦和が24。3位の川崎で22。10位の新潟で20ですから、1節の結果で10位の新潟が3位になる可能性もある訳です。

ちなみに昨年の第13節までの結果を振り返ると首位は川崎で勝点30。2位のG大阪が勝点29。3位の浦和が26。10位のFC東京で18です。首位と10位の勝点差が昨年は12。今年は8。この中で予想を的中させる事はかなり至難の業ですね。。。


**6月1日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

全320件中  新しい記事から  51〜 60件
先頭へ / 前へ / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / ...16 / 次へ / 最終へ