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燃える闘魂! サッカー命!
PIDEです。毎週金曜日に、このページに登場します。よろしくお願いします。
私は旧浦和市の某町に住んでいる熱狂的サッカーファンです。 子供の頃からサッカーに興味を持ち、今に至っています。スポーツはサッカーだけではなく、スキーなど、いろいろやっていますが、中心はやっぱりサッカーになりますね。 実はNPO 日本サポーター協会にも所属しておりまして、サッカーに関連するいろいろなことに首を突っ込んだりしています(^^ゞ。 このページで皆様とサッカーの話で盛り上がれればいいな、と思っています。

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第280回 チームマネジメント
こんにちは。PIDEです。
先週末、1部昇格をかけた熱い戦いが行なわれました。・・・とは言っても、J2の話ではなく僕の草サッカーチームの話ですが・・・。

現在、東京都北区2部リーグに所属しているのですが、過去2年間2位に甘んじて1部昇格を逃し続けていました。今年、3回目の挑戦にして、ここまで首位を独走。この試合に勝てば、念願の1部昇格が決まるという、僕にとってはすごく大事なゲームが行なわれた訳です。

前日の土曜日。同じチームで参加している別リーグ(企業の社内リーグ)の試合がありました。翌日の大一番を控え、「大事に」入ってしまった事が大きな間違いの元となりました。

僕のチームは高卒年代から50代の大大ベテランまでが所属しています。この土曜日の試合、翌日の試合を重視する余り、特に若いメンバーが試合を「流して」しまったんですね。「大事に」とか「ケガをしないように」「翌日が本番だから」といった思いが非常に気の抜けた、いわゆる「ナメた」プレーに終始し、最後までモチベーションが上がらないまま、自分たちのミスから負けてしまいました。

よく「練習から真剣にやれないチームは本番でよい結果が出ない」と言われます。「ここ1番」の場面で踏ん張りがきくか、きかないかは「追い込まれた経験値」の高い/低いで左右されがちです。普段の北区のリーグ戦ではキックオフの2時間前にはアップを始め、常に高い意識で臨もうとしてきた選手たちですら、「翌日の重要性」を意識する余り、前日の試合を楽な(安易な)形で進めてしまい、悪い結果となった。試合に負けてもヘラヘラとしてしまう、なんとも気持ちの悪い雰囲気が漂っていたのでした。

年代が幅広いチームはえてして世代間の溝が産まれやすい。
「なんだあの若い連中は!試合に負けてもヘラヘラ笑ってやがる。もっと気持ちを入れてやらなきゃいけないじゃないか」
「うるさいなぁ、オヤジは。俺たちがプレーしてるから勝ててるんだろ。明日はキチンとやるから、今日ちょっと負けたくらいでグダグダ説教するなよ」

なんて具合に。そうした時に必要なのは、「正しく悪かった事を指摘できる事」と「指摘された事を素直に反省できる心」だと思うんですが、今回はウチのチームのまとめ役(40代後半のおじさま)がビシッと言うべき事だけを伝え、後に引きずらない形で空気を締めてくれました。こうした空気をどう戒めて、次の臨むのか?こうした発言をするにも勇気がいる事だと思うんです。上記のような反発もありえなくもない訳ですから。それでも言うべき事を言う。それは「相手側もキチンと話せば聞いてくれる」と思える信頼がなければできない事でしょう。結果、若手も次の試合にキチンと1部昇格という形で見事先輩たちの想いに応えてくれました。

プロと僕ら草サッカーチームを同等に扱うことはよくないかもしれません。ただ、こうしたコミュニケーションはサッカーに限った話ではなく、逆に豊富な社会人経験を積んでこられている先輩の方々の方がプロサッカー選手よりも優れている点もあるかもしれません。プロであっても外から見ていてチームがまとまっていないように「見える」時があり、そうした時は結果も出にくい事が多い。その辺りを誰がどうまとめていくのか、にチームとしての強さの一端が、ピッチ上で現れるプレーだけでなく、垣間見られるのではないかと思います。


**10月12日(金)掲載**
(PIDE)

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第279回 サポーターの歴史
こんにちは。PIDEです。

今、ACLが熱いですね。今週アウェーで行われた韓国、城南一和戦。レッズは先制点を奪われながらも2点を返し逆転。最後は相手に粘られ2−2のドローで終わりましたが、アウェーで2点を奪えた事は大変大きい成果と言えるでしょう。

次は10月24日のホームでの第2戦。今度はスタジアム中を真っ赤に染めるサポーターの大声援を受け、見事決勝進出を果たして欲しいと思います。

スタジアムを埋めるサポーター達。特にレッズはアウェーもホームにしてしまえる力強い存在です。ここ2戦韓国の地で見られたサポートはあの辛口で有名な解説者、セルジオ越後に感嘆せしめたくらい、おそらく日本サッカーの歴史の中でもエポックメイキングな出来事だったのではないでしょうか。

1993年のJリーグ開幕以降、15年を経て作られつつある歴史は日本代表やJクラブ、プレーヤーの戦績だけでなく、我々サポーターの物語でもあります。今回のACL、川崎Fが取った選手起用に対し発せられた協会幹部の発言が大きな波紋を読んでいますが、こうした衝突も歴史の1ページとなっていく事でしょう。

しかし、この「サポーターの歴史」は93年開幕後だけではもちろんありません。93年以前日本サッカー冬の時代と呼ばれた時代にも、大変熱い想いで日本サッカーを支えてきた「サポーター」達がいました。まだ「サポーター」という言葉すら存在せず、TVが生中継でサッカーを放送する事などなかった、スタジアムに行けばガラガラだったのは、ほんの20年前までの話です。

そんな時代に日本サッカーを強くしたい、ただその想いのみで活動していた団体がありました。名前を「日本サッカー狂会」と言います。先日発刊された書籍、タイトルはそのものズバリ「日本サッカー狂会」(国書刊行会)では、この狂会のメンバーが観戦者の視点でこれまでの日本サッカーを振り返っています。昨日(4日)に元日本代表の都並敏史さんを招いて「1980年代の日本サッカーを振り返る」をテーマとした講演会が都内で開かれ、聴きに行ってきました。

100人程度の方が入れる会場はほぼ満席。とは言えテーマがテーマです。参加者はどちらかと言えば当時を共に過ごした「戦友」たち。ゲストスピーカーと司会、会場の参加者との空気感はまさに一体。当時の今では考えられないエピソードの数々にあっという間に時が過ぎてゆきました。

その中にいらっしゃった今年70歳を迎えられる「和尚(愛知県の某お寺の住職の方らしいです)」の狂会歴が凄まじい。活動を始めたのが25歳の頃。今年で45年になりますと!計算すると1962年(昭和37年)ですね。野球全盛の時代からただひたすらにサッカーがこの国で一番人気のあるスポーツにしたい、という一念のみで生きてこられたような方です。

その間、夢のまた夢、さらにその先と言われていた「プロリーグ発足」「W杯出場」さらには「W杯自国開催」の実現を目にされてきた和尚の想いはいかほどのものでしょうか。ただし、まだ野望ががるようで「この国で一番人気のあるスポーツに」はまだ残念ながら野球に・・・という状況のようで、まだまだ現役のようです。

「サポーター」という言葉/発言が川崎Fの件で大きく取り沙汰されています。こうした言葉は便利である反面、様々な文脈で使われることが問題を逆に複雑にしてしまう側面もありそうだと今回の件では感じています。

プロ化してからの歴史はまだ15年ですが、それ以前より脈々と受け継がれていた「応援」の流れ。こうした方々の歴史に触れ、改めて現在の様子を見てみる。そんな視点も大事なのかなと思った講演会でした。


**10月5日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第278回 Fリーグ開幕
こんにちは。PIDEです。
Jリーグ/ACLとも大詰めを迎えています。週末のJリーグでは苦しい展開ながらも首位固めに成功し、水曜日のACLではアウェーでの厳しい戦いで2-0と完勝。見事に準決勝進出を決めてくれました。

次の戦いは10月3日(韓国)/24日(埼玉)。対戦相手が城南一和。今回の試合の様子を見ると、次回のアウェーも厳しい戦いとなるでしょう。しかし、優勝まで残るは4試合。アジア王者としてJリーグ勢初のクラブW杯出場の偉業達成に向けてシーズン終盤でもあり大変だとは思いますが、頑張って欲しいものです。

さて、そんなACLの先週のコラムで間違って書いた点がありました。「アウェイゴール」についてのルールが事実と異なっていましたのでお詫びとともに訂正させていただきます。申し訳ございませんでした。

ホーム&アウェイで試合を行い、勝敗は以下の基準によって決定します。

 1.2試合の得失点差
 2.2試合におけるアウェイゴール数
 3.第2戦終了時に30分間(前後半各15分)の延長戦
 4.PK方式
 →参照HP「http://www.jsgoal.jp/2007acl/resume/

という事でした。前回のコラムで書いた「アウェーゴール2倍」ルールは、今回のACLでは適用されておりません。

それでは前置きが長くなりました。今回の本題は「Fリーグ」・・・
先週の23日/24日の2日間。東京の代々木第一体育館でフットサルの全国リーグ「Fリーグ」が開幕。第1節をセントラル方式(1ヶ所集中開催)で新たな歴史が始まりました。

参加しているチームは全部で8チーム
 ・ステラミーゴいわて花巻
 ・バルドラール浦安
 ・ペスカドーラ町田
 ・湘南ベルマーレ
 ・名古屋オーシャンズ
 ・シュライカー大阪
 ・デウソン神戸
 ・バサジィ大分

現時点でプロ化されているのは名古屋オーシャンズのみ。日本代表も多く擁し、優勝候補と目されているようです。

その23日の開幕戦に代々木まで観戦に行ってきました。以前に一度全国選手権を見に行った事がありましたが、観客も少なく事前のチケット購入もそれほど苦労なくできたために、フットサルスタンドが埋まるのか?という不安もありましたが、現地に行ってみてビックリ。会場の8割程度は埋まっていたでしょうか。この日は2試合ありましたが、総入場者数で7,000人を超えたとの公式発表があり、開幕としては上場の滑り出しだったのではないかと思います。

試合開始前のオープニングイベントや、バレーボールのような雰囲気の応援を行う名古屋の大応援団?などを見ていると、93年Jリーグが始まった頃の、初々しい、それでも関係者が待ちに待った開幕のよい雰囲気を醸し出していたと思います。最近のJリーグや日本代表観戦では味わえない懐かしさを感じていました。

開幕戦は「名古屋オーシャンズvsデウソン神戸」「ペスカドーラ町田vsシュライカー大阪」の2試合。試合は20分ハーフでサッカーと大きく違うのはボールがアウトオブプレーになった時に時計が止まること。バスケットと同じですね。そのため、実質は30〜40分程度ハーフでかかりますので、試合時間はトータルで1時間〜1時間30分程度でしょうか。名古屋の応援団を除いては、ほとんどがフットサルプレーヤーなのでしょう。Jリーグのようなサポーター的な応援はほとんどありませんでした。僕も会社のフットサルチームのメンバーと試合「研究」のようなスタンスでずっと観戦していました。

試合内容は2試合で大きく違いがあり、いろいろな角度から日本(アジア)トップレベルのフットサルを堪能することができました。優勝候補の筆頭である名古屋に対し、神戸は終始守備を固めながらのカウンターで対抗します。圧倒的にボールを廻されながらも相手シュートがポストに当たったり、GKのナイスセーブがあったりと結果1-1の引き分け。前半に先制点を奪われましたが、後半早々に追いつき、終盤パワープレー(GKも含めた5人で攻めるプレー)に出た名古屋の猛攻を最後まで凌ぎ切りました。終了後、してやったりの表情を見せた神戸の選手達の姿がプラン通りに実力差のある相手に対し戦いきった充実感を表していました。

一方の町田と大阪の対戦は激しい点の取り合いとなり、実力差が均衡しているチーム同士の対戦はこうなるんだなとやはり関心するシーンが多く見られました。フットサルらしい「魅せる」足技などオッと思わせるプレーはやはり見ていて楽しいものでした。

フットサルはやればやるほど、見れば見るほど、サッカーとは全く違うスポーツであることを認識させられます。サッカーのうまい選手がフットサルをやっても必ずしも強いとは限りません。フットサルはGK含めて5人でサッカーよりも狭いピッチで戦います。そのため、サッカー以上に全員がフルタイムサボる事なく、動き続けなければなりません。何度でも交代できる選手交代がサッカーよりも、よりバスケットに近いゲーム戦術/運動量を求めている事を物語っています。

近年、フットサルコートが多くできたことで大人になってからでもボールに触れられる機会が圧倒的に増えました。それだけ身近なスポーツであるフットサルを改めて「見る対象」として捕らえてみるとサッカーとはまた違うこのスポーツの奥深さをわかってもらえるんじゃないかなと思います。とはいえ、もちろんサッカーに通じる部分も多いですから、フットサルで習得したプレーをサッカーで活かす、といった事もできますし。

残念ながら埼玉/浦和にはFリーグに参戦しているチームはありませんが、機会があれば是非皆さんも一度観戦してみてはいかがでしょうか?


**9月28日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第277回 ホーム&アウェー
こんにちは。PIDEです。
先週末、休止していたJリーグが再開されました。レッズはサンフレッチェに快勝し、首位を堅持。続いて行われた水曜日のACLでもホームで2-1で勝利。ホームで勝てた事は○ですが、奪われた1点がアウェーの試合でどういった重みを持つのか?大きなポイントとなりそうです。

欧州チャンピオンズリーグではおなじみの「アウェーゴール2倍ルール」。1点が大きな意味を持つサッカーならではのルールでしょう。ホーム&アウェーで行われる2試合の結果で勝者が決まる大会において2試合合計で引き分けだった場合に「アウェーで奪った得点を2倍として計算する」というものです。

その為に、次回のアウェーの試合でもし仮にレッズが0-1で負けるとすると、2試合合計では「2-2」ですが、このルールを適用すると「2-3」となり、レッズの敗退となってしまう事になります。

日本のJリーグではあまりホーム&アウェーの差を感じる事はありませんが、欧州のサッカーシーンではホームとアウェーの差が露骨に表れることが多々あります。このルールの為に「ホームのチームは勝つ事はもちろん、極力相手に点を取られないサッカーをしなければいけない」「アウェーのチームは負けるにしてもより多くの点を奪う事が有利となる」訳です。

もう1チーム、逆にアウェーで戦っていた川崎Fは「0-0」の引き分け。アウェーでの引き分けは○ながらも、次回のホームでは「1-1」以上の引き分けでは全て敗退となってしまいます。これらの戦いはJリーグとはまた違った2試合トータルの駆け引きが展開されるという意味で興味深いものになると思います。

ちなみに今シーズンのJリーグ(25節終了時点)と2006-2007シーズンのプレミアリーグでホーム/アウェーの勝率(勝利数÷総試合数)で比較すると、アウェーの方が勝率が高いクラブがJリーグでは5クラブ/18クラブ(浦和、清水名古屋、FC東京、広島)。プレミアリーグではわずか1クラブ/20クラブ(マンチェスターシティ)のみでした。さらにこれを不敗率(【勝利数+引分数】÷総試合数)で見るとJリーグは7クラブ。プレミアリーグではゼロでした。

こういったデータから見ると、やはりJリーグはホームとアウェーの差が欧州(ここではプレミアリーグ)と比べて「あまりない」と言えるかと思います。逆に言えば「アウェーを苦にしない?」環境で日々戦っているJクラブがアジアの地で戦う事がよい方に働くこともあるかもしれません。

とはいえ、クラブレベルでのアジア挑戦は今年が本腰を入れて取り組む初めての年、と言ってもよい状況です。ここまで厳しい戦いを続けているレッズと川崎Fの2チームが決勝で合間見えるような事になったら、Jリーグの価値が更に高まる事にも繋がります。

是非、次の試合でも勝点を上げ、次のステージ(準決勝)に進んで欲しいと思います。


**9月21日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第276回 代表祭り
こんにちは。PIDEです。
今週はフル代表の欧州遠征で2試合。五輪代表がサウジアラビアで1試合。ホーム国立で1試合。さらになでしこが中国でW杯に出場と国際試合が目白押しでした。

その中でも五輪代表が見せた北京五輪、アジア最終予選の戦いは日本→サウジ→日本という往復移動、大きな気候の違いなど厳しい条件下にありながらも最低限の(本当に最低限の)勝ち点4という結果を挙げることに成功しました。目下のライバルと見られていたサウジが2分1敗と大きく出遅れ、ベトナムも含めた4か国中最下位と低迷。日本は3試合を終え、2勝1分の勝点7で首位に立ちました。以下、カタールが1勝1分1敗の勝点4。ベトナムが2分1敗の勝点2となり、4大会連続の五輪出場に向けて大きく前進しました。

ただし、日本/ベトナムはホームで2戦。逆にサウジとカタールはアウェーで2戦とここまでの日本はホームで確実に勝点を挙げ、逆にサウジとカタールはアウェーであまり芳しくない結果となった事から、残りの3試合のうち、2試合をアウェーで戦わなければならない日本にとってまだまだ油断のならない試合が続きます。

次は約1ヶ月後の10月17日にアウェーのカタール戦。そしてその次が11月17日のアウェーのベトナム戦。最終戦が11月21日。ホームでサウジアラビア戦となります。

となると、次のカタール戦がいよいよ大一番の大一番。この試合に勝点3を取る事ができれば北京五輪出場はほぼ確定です。予想外のサウジアラビアの停滞が招いた大きなチャンス。アウェーとは言え、ここで勝利をする事で次のベトナム戦で出場を決め、最後のサウジアラビア戦を消化試合とする事ができます。

こうした予選はやはり過去からの「国」としての経験値が大きくモノを言います。人口80万人にも満たない小国のカタール。この国の首都はあの「ドーハ」。日本人フットボーラーとして決して忘れることのないであろう因縁の地での戦いをまずは万全な準備で臨み、勝利を奪い取ってきて欲しいと思います。

しかし、国立で見たカタール戦は前半開始直後の先制点以降、相変わらずの不満タラタラサッカーに終始してしまいました。それでもこの3試合を失点0で抑えている守備陣、特にGKの山本は絶対的な守護神であった西川の離脱に伴い不安視されたポジションを素晴らしいまでに堅守でカバーしてくれています。彼のおかげで救われた場面はこの3試合でどれだけあったでしょうか。この予選突破が決まった暁には彼こそがMVPと思います。

アジア予選ほど見ていて心が掻き毟られる試合はないだろうと思います。この試合も何度もヒヤっとする場面があり、逆に「アーっ!」と溜息がもれる場面も多々。こうした経験の一つ一つが彼らの成長の証として是非残って欲しい。

一方、オーストリアで行われたフル代表の試合は2試合目のスイス戦。0-2と散々な内容で終えた前半から一転、後半は素晴らしいまでの前を向く姿勢を見せ、終わってみれば4-3の劇的な逆転勝利。これまで不安視されていた点が改善の兆しを見せたよい試合だったと思います。2点がPK。1点がFKとセットプレー絡みばかりとの指摘も受けそうですが、ペナルティエリア内/付近で相手に対して勝負を仕掛けたからこそ得られたセットプレイな訳です。

また、最後の4点目は交代出場の山岸、中村憲、矢野で決めた得点です。アジア杯では硬直的な選手交代と批判も浴びたオシム監督ですが、今回は交代出場した3選手でゴールを決めてしまいました。また、1得点1PK奪取と気を吐いた巻と山岸は、これまでジェフ所属選手として「オシムひいき」っぽく見られていた選手。彼らが結果を出した事もまた一つのトピックです。

日々の批判も大いにあるべきでしょう。健全な批判、様々な議論/意見はあってしかるべきです。その中で結果を残していける選手だけが大いなる「名誉」を得られるのでしょうから。

欧州のクラブで活躍する選手達も本来の「個の強さ」というものを発揮してくれた2試合でした。1個人で日本よりも厳しい場で戦いを続ける彼らが、単なるブランドではなく、本当に必要とされる存在としてチームに新しい活力を与え続けてくれている現在の関係は非常によいものだと思います。

今週末からはまたJリーグが再開されます。いよいよ終盤戦。最後に笑うのはどのクラブか?レッズにはACLという大いなる挑戦も待っています。戦線離脱していたワシントンも復帰間近。万全な体制でACLとリーグ制覇に向けて頑張って欲しいものです。


**9月14日(金)掲載**
(PIDE)

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「心・技・体」
こんにちは、PIDEです。
先週末のJリーグは「さいたまダービー」でしたね。結果は残念ながら0-1でレッズの敗戦。G大阪との勝点差がまた詰まり、首位争いの激しさも増してきました。

ダービーマッチは順位は関係なく、お互いの意地とプライドがぶつかる闘い。この試合だけは「下位の大宮」との試合ではなく「ライバルの大宮」になってしまいます。大宮にとっても目の前のライバルとの闘いに加え、降格争いの真っ只中にいますから、なおさら高いモチベーションで臨んできた事でしょう。

リーグ終盤戦は夏場を過ぎて疲労も蓄積され、万全なコンディションで戦える事が少なくなります。またチームとして見てもケガで主力選手が不在になるなど起こりがちです。さらには首位争いに加え、「降格争い」も大詰めを迎えるため、下位に沈んでいるチームが相手とはいえ、非常に高いモチベーションで挑まれます。

ダービーにしろ、降格争いチームとの戦いにしろ、やはり最後は選手の「モチベーション」が大きなカギ。疲労困憊の中、どれだけ強くて高い精神力を保てるのか。この辺りも試合を決める大きな要因でしょう。

さて、そして今週は中東の地で大きな戦いが待っています。北京五輪予選の対サウジアラビア戦です。前回、ホームでベトナムに勝利し、勝点3を得た日本。逆にアウェーでカタールに敗退し、勝点0のサウジアラビア。今回はサウジアラビアのホーム。ここで勝点3を取れないとサウジアラビアは非常に厳しい状況に追い込まれます。そのため、是が非でも勝ちに来るはず。試合開始直後からドンドン前に来て先制点を奪いに来るだろうと予想します。

これまでの戦いぶり。それに加えて厳しい暑さと相手サポーターに埋め尽くされるであろう地の不利。さらには、その後トンボ帰りで日本に帰ってきてカタール戦を行なうという今回の予選の中で最も重要な2連戦になるはずです。

ここで最低でも勝点3、できれば勝点4。勝点6を取ることがもちろん最も素晴らしい事ですが、これぐらいの目標が現実的なのだろうと思います。このアウェーのサウジ戦は「勝つ試合」よりも「負けない試合」に徹する事ができるかどうか、この点に注目して見てみたいと思っています。そんな中で選手たちの「想い」が画面から伝わってくれば嬉しいかなと。

U−19W杯、五輪、W杯はここ数年、連続して出場してきています。この「世界大会に出場する事は当たり前。最低限のノルマ」な時代。選手たちにかかるプレッシャーは「俺たちが歴史を作るんだ」と前を向いて戦う事ができていた時代の選手たちと比べ、非常に大きくなっているはずです。「俺たちの代でこの連続出場の記録を止める訳にはいかない」という恐怖感にも似た感情の中、目の前の敵以上に大きく「日本サッカーの戦跡」を背負って戦わねばならないプレッシャーはいかほどのものでしょうか。

いつか記録は止まるもの・・・ですが、自分たちの手で止める訳には行かない。この意識を前に持ってこれるのか、それとも後ろになってしまうのか。やはりアジア予選という舞台は技術/戦術以上に「精神力」が求められる舞台です。先のダービーマッチ、降格争いにも通ずる「気持ち」の強さ。かつて「精神論」が現代的でない、と批判され、科学的なトレーニング手法の導入がもてはやされた時期がありました。それはそれで確かに意味ある活動であったと思いますが、その一方でメンタルを鍛えるという事が、どれだけ行なわれてきているのか。

古くより「心・技・体」と日本では言われます。ここ数年、日本のサッカーは「技」に少し傾注しているような気がします。今回の試合、「心・技・体」のとれた試合を見られればと期待します。


**9月7日(金)掲載**
(PIDE)

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シーズン中の監督解任
こんにちは、PIDEです。非常に暑かった夏も一段落。Jリーグも優勝争い、降格争いが目に見えるようになってきました。

レッズは引き続き首位をキープ。先週末の試合でG大阪が敗れた事で勝ち点差は4に広がりました。直接対決を既に終えてのこの差は大きいかもしれません。

一方の降格争いでは、現在最下位の横浜FCが高木監督を解任。シーズン中の選手の大量補強も目に見える効果は得られず、降格の足音がヒタヒタと近づいてきています。水曜の試合を終えて勝ち点は11。17位の大宮が18、16位の甲府が21、15位の大分が22となっていますが、残り11試合で逆転ができるのか?かなり厳しい状況です。17位の大宮も監督をシーズン中に交代させていますが、この「監督交代」について今回は考えてみたいと思います。

先日のU−22代表のベトナム戦の試合前に反町監督が「もし勝ち点3をこの試合で逃すような事態になれば解任もありうる」といった報道がありました。一般的にプロのサッカー監督という仕事は契約期間満了での「円満退社」というのはほとんどない印象を受けます。しかし、難しいなと思うのはこれらの解任が良くも悪くも結果が出る前に行われてしまう事。高木監督にしろ、反町監督にせよ、まだ具体的に「J1降格」「五輪出場逃す」といった結果が出ている訳ではありません。目的に対し、現時点での(中間)結果もしくはプロセスで「あんたじゃ無理よ」と烙印を押されてしまう訳です。新しい監督が結果を残せるかどうかは全くわからないのにもかかわらず・・・です。

プロとはそういうもの。厳しい世界だから、と言われれば納得してしまいがちですが、ふとお隣りのプロ野球を見てみるとシーズン中の監督解任は極めて稀です。仮に五輪予選で負けそうになった時、日本の野球界は星野監督を解任するでしょうか?これがもし王・長嶋監督だったら?また、もう一つ不思議なのはU−22の反町監督の話。この年代は最後の育成カテゴリーでしょう。そのカテゴリーで考えてみると同じサッカーでもU−20やU−17の監督がアジア予選途中で解任という話はまず聞きません(U−20はここ数年出場し続けてますから少し状況は違いますが)。

民間企業に勤めていると、まず期初に「その期の目標」が設定され、その目標に対して期末にレビューされ○・×が決まりますよね?期の途中に代えられるというのは余程のこと(不祥事など)がなければありません。考えてみればみるほど「結果が出る前に代える」意味がわからなくなってきます。もちろん停滞したチームの空気を変える、などの意味もあるのでしょうが、これも必ずしも「よくなる」とはわからないですよね?

またこうした期中に解任されるのは監督です。選手は移籍こそあれ、解雇されるケースはまずありません。また監督と一緒にGMが解任されるケースはありますが、経営のトップが代わるという事もまずありません。

そもそも評価とは結果とプロセスでされるもの。役職が上であればあるほど結果の比重が高くなるはず。であれば、何故降格の責任を社長に問わないのか?「毎年毎年の結果でトップが代わっていては中長期的な視点で仕事ができない」・・・その通りです。だからこそ何も毎年の順位だけが「結果」ではない。それ以外も含めた具体的な「目標」をまず公開する必要があるのではないでしょうか。社長と監督が同じ目標である必要はありません。現場と経営では判断指標も異なるでしょう。はたして高木監督は今シーズン臨むにあたり何を「目標」として求められたのか?J1残留でしょうか?もしそうだったとしたら何故結果が出ていない今、その責を負わねばならないのか?例えば「20節終了時点で残留ラインの15位との勝ち点差が○点以上離れた場合は期中であっても解任する」というような決め事はあったのか。もしこの解任後、結局降格してしまった場合の責任の所在はどこにあるのか。監督解任を「とかげのしっぽ切り」のようにしてはならないと思いますし、こうした所のクラブの姿勢が長い目で見た時にまともな経営がなされているクラブかそうでないクラブかの差となって現れて来ると思うのです。

改めて考えてみると、いろいろテーマが多いこの問題。98年W杯予選で加茂監督を解任し、岡田監督が結果を出した(出せた)こともあり、あの時の監督交代の判断は日本サッカー協会にとって大変な英断でした。しかしそれは結果論でしかなく、逆の結果だったとしたら世紀の大判断ミスとなっていた可能性もあった訳です。難しい判断だけに、理屈だけでは語れません。もっとこれらの判断に誰が責任を取るのか、その所在をはっきりさせる事は非常に重要なことだと思います。


**8月31日(金)掲載**
(PIDE)

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トリプル代表戦
こんにちは。PIDEです。先週の猛暑も若干和らぎ?朝晩など少しずつ秋らしさを感じる事も出てきました。
Jリーグではいよいよレッズが首位を奪取。田中達の復帰とともに一時の停滞感を抜け出しつつあるレッズ。逆にレッズに負け、最下位の横浜FCに引き分けてしまったG大阪。少しずつ流れが変わりつつあるJリーグ。クライマックスに向けてまだまだ盛り上がりそうな気配です。

ところで今週は日本代表の試合が同じ日に3カテゴリー同時に開催されるという珍しい事が起こりました。
フル代表の親善試合、カメルーン戦(2-0で勝利)。U-22の五輪最終予選、ベトナム戦(1-0で勝利)。U-17W杯のナイジェリア戦(0-3で敗戦)。興味深いのは単にカテゴリーだけでなく、それぞれの試合の意味付けが全く異なる試合だった点です。この3試合を比較してみる事でなかなか楽しい発見がありました。

僕の関心の順番はU-22→U-17→フル代表でした。これはその試合の重要度から来ます。アジア予選はとにかく結果を出す事が重要な試合。W杯は自分たちの目指すサッカーが世界に対してどれだけのインパクトを残せるのか?という場。親善試合はいわば練習試合。日本ではとかく全ての試合に勝つ事が求められがちですが、やはり試合には「重み」というヤツがあるもので、見ていて自然と力の入る試合というのはあるものです。
U-22の試合はとにかく勝ててよかった。ベトナム相手にホームでの試合ですから大差をつけて勝て!と思いがちですが、相手から見た時には格上と戦うアウェーゲームですから、引いて守って勝ち点1をゲットできれば二重丸というのが戦略プランでしょう。となれば0−0で推移する時間が長くなればなるほど、相手の焦りも合わせて自分たちのプラン通りに進められといると考えられます。
近年のアジアもこれまでは弱小と思われていた国が健闘する、というのは先のアジア杯でまさに体験した事。そんなベトナムを相手に最低限取るべき結果を残したという事は及第点と言えると思います。


一方U-17W杯では初戦をハイチに勝利。2戦目で今大会優勝候補の一つに上げられているナイジェリアとの試合でしたが、結果は残念ながら惨敗。見ていて大人と子どもの試合でした。とても同年代の試合とは思えない。試合終盤は見ていて痛々しい程でした。
しかし、これが単純な「世界との差」かと言うと一概には言い切れない要素が含まれている、と思います。この日カメルーンと対戦したフル代表は2-0で勝利。以前に対戦したガーナとも引き分けで終えています。
思い出すのは現五輪代表のメンバーが中心だった2大会前のオランダでのWユース。日本はオランダの左ウイングの圧倒的な総力にズタズタにされていました。しかし、その後は持ち直し最後にはあわや!という所まで戦う事ができました。
90年代、アフリカサッカーがその圧倒的なフィジカルを武器に21世紀のサッカーはアフリカが制覇すると言われた時期がありました。その後五輪以下若年層の大会での優勝は確かに出てきましたが、W杯ではまだそこには至っていない。優れたダークホースにはなりえても本命にはなっていない。年代別の戦いでの圧倒する強さは年齢制限なしの舞台では必ずしも発揮できている訳ではない。
人間の心身の発達過程は個人差も民族差もあります。もともと強くないフィジカルの日本とナイジェリアとではその差は若い年代になればなるほど顕著になるのではないでしょうか?
小学生の大会で活躍する選手の中には身体能力の発達が人よりも早い選手がその体格を武器に好きにやれてしまうという事がままあります。しかし、その選手がその後も順調に成長していくかはわかりません。小学生の頃背の高かった子どもが大人になってみると平均より低い、ただタイミングが早かっただけ、という事はありますよね。それと同じ事がナイジェリアと日本の若年層とみた時にもあるのではないかと思います。
また日本ではこの年代はまだまだ45分ハーフで行う公式戦は少ない事も終盤のスタミナ切れの遠因と言えなくもないかもしれません。

厳しい現実が目の前に立ち塞がった事実は事実として受け止め、それでも次のフランス戦の結果次第ではまだ決勝トーナメント進出の可能性は残されている訳ですから最後まであきらめずに頑張ってほしいですね。


**8月24日(金)掲載**
(PIDE)

元の文章を引用する

第272回 結果にこだわる試合
こんにちは。PIDEです。
とにかく連日記録破りな猛暑/酷暑が続いています。仕事でちょっと外に出るだけでも猛烈な汗をかく始末。今週末はお昼にフルコートの試合を控えており、給水しながらでも大丈夫かいなと不安になっています。この時期、Jリーグやプロ野球などのプロスポーツは夜にやることが普通ですが、我々草サッカーは真昼間でもやります!いや、この日だけはプロより凄いぜ!と勘違いしたりして・・・(^^;

さて、再開後のJリーグ。土曜日はホームの埼スタで引き分けたレッズ。水曜日のアウェーのガンバ戦。勝てば勝ち点1差、負ければ勝ち点7差がついてしまうという大一番。現在のガンバの試合内容からみて、この時点での勝ち点7差は「ゲームオーバー」という事にもなりかねない本当に大事な試合でした。結果は1-0。先日のナビスコ杯で大敗を決した相手/場所でとにかく結果を出した事。今回はこの事実だけで十分でしょう。

長丁場のリーグ戦の中で「大一番」と目される試合がシーズン中には何度か訪れます。「開幕戦」や「ダービー」といった試合もそうしたものの一つでしょう。冷静に、統計的に?考えればどの試合も1/34試合でしかなく、どの相手に勝つか負けるかは関係なく、最終的に他のチームより勝ち点1を多く上げればよいものです。監督のタイプによってはこうした冷静な星取り発言をされる方もいます。

しかし、1試合の中でも「流れ」というものがあり、同じ相手と試合をしていても「自分達の時間帯」と呼ばれる非常によい試合ができている時間があれば、相手にペースを握られる時間もあったりします。同じように1シーズンの中ででも連勝を続けていたかと思ったら、急に勝てなくなる、っていう事もある訳で、「調子がよい時に得る勝ち点3」と「調子が悪い時に得る勝ち点3」が同じ価値かというと必ずしもそうではない。この勝ち点3を得た事によって次からの試合で「勝ち点3を得る可能性」といったものは大きく変わってくるはずなんです。

今回のガンバとの1戦はレッズにとって「調子が悪い時に得る勝ち点3」であったはずです。正直、それでも勝ち点1差で首位に立っているガンバにとって、最もやりにくい相手と戦い終えた訳ですから(昨年は最終節でしたからね)、ここで「負ける」という事はガンバにとって想定の範囲内でもあったはず。逆にワシントンが不在。今年はここまで2位につけながらも満足のいく戦いが少ないレッズにとってはここで勝ち点差を7にされる事は絶対に阻止しなければいけない状況だった。この事はレッズだけでなく3位の鹿島以降まだまだ優勝戦線に絡む事を目指しているクラブにとっても願っていた結果でしょう。リーグ全体の盛り上がりがまだまだ続いていく。そのためにどのクラブも高いモチベーションで試合を続けていける事にもなります。

欧州のクラブのように欧州CLやUEFAカップなどリーグ優勝以外にも上位を目指すモチベーションのあるリーグとJリーグは違います。アジアCLの出場枠を増やすような話がありますが、賞金以外に現時点で優勝以外上位を目指すモチベーションとなる仕組みはありません。逆に降格争いを繰り広げているクラブの方が中位のクラブよりもモチベーションを保っていたりもする訳です。

結果にとにかくこだわる試合に臨んで、その「結果」を残したレッズに王者としてのプライドを感じました。まだまだ8月。12月まで続くJリーグの火をここで消す訳には行かなかった。そのプライドを今度は国立で。甲府のホームゲームではありますが、浦和で赤く染まることは間違いないでしょう。せっかくの勝ち点3もここで続けられなければ意味がなくなってしまいます。

土曜日の試合、注目しましょう。


**8月17日(金)掲載**
(PIDE)

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第271回 オールスターあれこれ
こんにちは。PIDEです。連日非常に暑い日が続いています。
先週末は金(夜)/土(夕方)/日(昼間)とフットサルをやりましたが、体を動かす前から吹き出す汗・汗・汗。改めて酷暑のハノイで戦った代表の事を思い出し、「いくらプロとは言え、彼らに『もっと走れ!』というのはあまりに酷だなぁ」と思いました・・・。

さて、代表関係の試合が一段落し、Jリーグが再開します。先週末は真夏の祭典「オールスターサッカー」が開催されました。今年はカズとゴンの大ベテラン二人がそろい踏みをした事もあり、少し賑やかな雰囲気に。それでもかつての賑わいとは比べるべくもなく・・・と思ってみたらちょっと違う様相がデータを拾ってみると出てきました。

★Jリーグ開幕(1993年)より2007年までの開催履歴★

 2007年:応募総数/2,351,433 観客/30,941(エコパ)
 2006年:応募総数/2,514,628 観客/32,975(カシマ)
 2005年:応募総数/1,903,095 観客/32,975(大分ス)
 2004年:応募総数/2,351,433 観客/40,640(新潟ス)
 2003年:応募総数/1,478,874 観客/34,669(札幌ド)
 2002年:応募総数/1,214,097 観客/57,496(埼玉ス)
 2001年:応募総数/1,113,261 観客/37,432(豊田ス)
 2000年:応募総数/ 821,509 観客/32,105(宮城ス)
 1999年:応募総数/ 916,894 観客/43,560(長居 )
 1998年:応募総数/1,356,765 観客/60,566(横浜国)
 1997年:応募総数/1,056,787 観客/22,248(神戸ユ)
 1996年:応募総数/ 695,883 観客/41,629(長居 )
 1995年:応募総数/ 346,653 観客/53,690(国立 )
 1994年:応募総数/ 284,746 観客/37,976(広島ビ)
 1993年:応募総数/ 111,488 観客/42,790(神戸ユ)

これを見ると応募総数は随分と伸びてきているんですね。1993年の開幕当時、あれだけの熱狂があった時代の応募総数を見ると驚きです。インターネットが普及しだしたのが1998年頃からだったと記憶していますので、以降の応募総数の増加は投票手段が広がった点も大きいだろうと思います。

実際に2007年の内訳を見てみると、

 インターネット:1,494,540
 携帯電話   : 287,865
 ハガキ    : 437,729
 FAX     : 131,299

となっており、改めてネットでの投票が大きいことがわかります。参考までにプロ野球のオールスターゲームも拾ってみました。

★2002年より2007年までの開催履歴★

 2007年:応募総数/4,662,439 観客/39,710(東京ド  ):20,958(宮城 )
 2006年:応募総数/4,806,474 観客/30,488(神宮   ):29,777(宮崎 )
 2005年:応募総数/3,241,780 観客/25,761(インボイス):45,296(甲子園)
 2004年:応募総数/3,812,607 観客/34,971(ナゴヤド ):26,963(長野 )
 2003年:応募総数/7,061,073 観客/29,797(大阪ド  ):25,108(千葉マ)
 2002年:応募総数/5,697,704 観客/40,346(東京ド  ):27,063(松山 )

やはり、野球の方がサッカーと比べてまだまだ応募総数は多いですね。2003年に700万票!?という凄い数字を記録しています。しかし、翌年の2004年には球団再編問題が起こり、2005年と合わせ大きく応募総数を落としました。その後の2006/2007年は様々な改善努力が少しずつ実を結びつつあるという事でしょうか。

投票の内訳もJリーグとは対照的です。

 インターネット: 530,621
 携帯電話   :1,308,314
 ハガキ    :2,823,504

なんとっ!インターネットがとっても少ない。そしてハガキがとても多い。携帯電話も多い事から考えると、年配の方々に加え子ども達の投票も多いのでしょうか。以前、Jリーグの観客調査で平均年齢が高くなっているという事を書きましたが、やはり野球はよい競争相手として参考にするべき点がいろいろとありそうです。

ただ、プロ野球のオールスターの開催地は「大都市(東京/名古屋/大阪)+地方」という組み合わせで2戦を考えているように見えますね。一方サッカーは本当に日本全国を順々に廻っている印象です。02年のW杯で整備されたスタジアムが全国に点在している訳ですから、そういった所を廻るというのもあるでしょうし、「地域密着」という概念からも幅広く全国展開していると見る事もできるかもしれません。

今年でスポンサーとの契約が切れるらしく、来年以降のオールスター開催については議論がなされるようです。以前は僕も「もうオールスターはいらないでしょ」と思っていたのですが、最近Jリーグも地上波での放送がほとんどなくなってきており、あまり興味のない人がサッカーを見る機会が減ってきている、という点にも不安があります。やはり多くの関心を引く(サッカーそのものの魅力で)ための一つの手段として地方地方で開催するJリーグ全体としてのイベントは必要だと思います。

例えば・・・
「J1選抜」vs「日本代表」・・・案外代表が負けたりして(^^;
「J1選抜」vs「地元クラブ」・・・力の差がありすぎ?
「ご当地出身選抜」vs「その他」・・・地元の声援で盛り上がりそうですね。
「U−22」vs「O−30」・・・若手の勢いをベテランの経験がどう凌ぐか?
どうせバルサとかが日本にツアーで来るのならオールスターでやっちゃうとか。
監督をサポーターから選んでやってもらうとか。

今の「東西」という括りに思い入れのある選手/サポーターは少ないのではないでしょうか。まだまだアイデアはプアですが、こういった新しい趣向を入れてサポーターへまた違った価値を「年に一度のお祭り」として提供してくれたらなと思います。


**8月10日(金)掲載**
(PIDE)

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