PIDEです。毎週金曜日に、このページに登場します。よろしくお願いします。 私は旧浦和市の某町に住んでいる熱狂的サッカーファンです。 子供の頃からサッカーに興味を持ち、今に至っています。スポーツはサッカーだけではなく、スキーなど、いろいろやっていますが、中心はやっぱりサッカーになりますね。 実はNPO 日本サポーター協会にも所属しておりまして、サッカーに関連するいろいろなことに首を突っ込んだりしています(^^ゞ。 このページで皆様とサッカーの話で盛り上がれればいいな、と思っています。 |
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第300回 300回記念コラム2 〜浦和レッズ編〜 | ||
こんにちは。PIDEです。
今週でいよいよ300回を迎えることとなりました。改めて皆様に感謝です。ありがとうございます。 先週からの300回記念コラム。今回は第2回。浦和レッズ編です。1993年の開幕以来、残念ながら成績的には泣かず飛ばずだったレッズ。1999年にはJ2降格の憂き目に遭い、人気先行型、凄いのサポーターの応援だけ(失礼!)といったクラブが、2002年以降急激な成長を遂げ、今ではアジアを代表するクラブにまで成長してしまいました。。。この6年間は正にレッズがビッグクラブへと生まれ変わる時代を共に歩んできた事になります。 2002年:ナビスコ杯準優勝 2003年:ナビスコ初制覇 2004年:Jリーグ2ndステージ初制覇 2005年:天皇杯初制覇 2006年:Jリーグ制覇/天皇杯連覇 2007年:ACL制覇 2002年以降のレッズはそれまでの不振が全く信じられないような、タイトルを獲得できるクラブに成長していきました。昨年はアジアを制覇し、Jクラブで初めて「世界クラブ選手権」に出場し、3位という成績を挙げるまでになりました。今の小学生達のなかに浦和レッズが弱小クラブと呼ばれていた時代の記憶がない子達もどんどんと増えてきているでしょう。 僕が浦和に住み始めて9年が経ちました。その間本当に多くのレッズサポと友達になりましたが、他のどのクラブと比べてもこれだけの熱いサポーターが多いクラブはありません。レッズの試合はホーム/アウェー関係なくどこでも赤いユニフォームを来たサポーター達が大挙して訪れ、全てをホーム同然に染めてくれます。「レッズサポーター大移動」ではないですが、浦和を出る時からユニを着て、新幹線でも飛行機でもどの土地に行っても「あ、レッズだ」と認知される。これほどクラブにとってブランドを浸透させてくれる存在は他にいない訳です。彼らがいるからこそ、多くの入場料収入、グッズ収入、多額のスポンサー料金を得る事ができ、結果より優れた選手を獲得できる、好循環が産まれます。また、これらで得たものを原資にレッズランド、ハートフルサッカーなど草の根レベルの普及活動にも多くの力を入れています。多くの方がこれらの活動に触れた事が1回はあるのではないでしょうか。 「盛者必衰」ではありませんが、かつての東京V、鹿島、磐田、横浜FMのように一時代を築いたクラブが世代交代に苦しみ強豪の座から滑り落ちています。鹿島が昨年2冠を達成しましたが、前回の優勝から間に4年を要しました。これらのクラブの情勢を他山の石として、当然クラブも世代交代に向けた戦略は練っている事と思います。しかし、いつか低迷してしまう時代が仮に来たとしても、この基盤が頑強であるならばきっとこの先も大丈夫だと思うのです。 前回の日本代表の時にも書きましたが、常に優勝を求め続ける、それはプロフェッショナルとして当たり前。現状に満足した途端に下降していくという話はスポーツ、ビジネスどんな世界であってもよく聞かれる話です。しかし、一方でクラブは地域住民と共生し、共に繁栄を目指すという「公共財」としての側面もあります。この相反する目的を同時に目指さなければならないスポーツクラブの使命をどうバランスを取りながら進めていくのか?そのためにはフロントの力が大きく左右させてしまう。その辺りが現在レッズがこれだけの成長を見せられている一番の理由だと思います。 今週末から始まるJリーグでの選手達の果敢なプレーを見ながら、クラブの総合力も高めていく活動にも注目していきたいと思います。 **3月7日(金)掲載**
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第299回 300回記念コラム1 〜日本代表編〜 | ||
こんにちは。PIDEです。
今週末、ゼロックススーパーカップが行われ、いよいよ08年Jリーグが開幕。16年目のJリーグ。今年は浦和にとって昨年のリベンジを果たす年。ACL王者として昨年以上のタイトルを是非とって欲しいと思います。 さて、今回のコラムがなんと「299回」来週が「300回」と新たな大台を迎えます。第1回目のコラムは2002年3月15日掲載からでしたので、これで6年を終える事になります。6年と言えば小学生が中学生になり、中学生が高校を卒業する期間(当たり前ですが・・・^^;) 随分と長い間書かせていただけた事になります。これまで読んでいただけている皆様、およびマイタウンさいたまの方々には本当に感謝感謝です。ありがとうございます。 そんな訳で今週、来週、再来週とちょっと6年間を「日本代表」「浦和レッズ」「草の根サッカー」のそれぞれで振り返ってみようかなと思います。今週は「日本代表」。一番最初のコラムでは2002年W杯開催前夜でした。トルシエ監督(懐かしい)と協会/マスコミとのバトル? が花盛りで何かとネタの多い時期でもありました。その後代表監督がジーコ、オシム、岡田監督と3世代代わり、W杯が2大会過ぎた今、振り返ると2002年6月のあの興奮。熱狂があり、この時ベスト16に進出した若き「黄金世代」の面々が年齢的にピークで迎えられるであろう2006年ドイツW杯での躍進を誰もが夢見ていました。日本サッカーの急速な成長を目の当たりにし続けられる喜び。それは「歴史の生き証人」として後世、自分の下の世代に伝えられるような素晴らしい時代になるはずだった・・・。 しかし、2006年W杯はむしろその成長の伸びしろをあまり実感できずにむしろ世界とのまだまだ高い壁を突きつけられた大会となり、以降代表人気に陰りが見られるようになってしまったなんとも残念な大会になってしまった。それまでの4年間、「結果は出し続けた」ジーコがはたして日本代表にとって適任の監督だったのか?その後でのトルコでの活躍を見ると、決して無能な監督ではないのでしょうし、そもそも選手としてあれだけの実績を残している方ですから、ジーコだけの責任にはもちろんできません。それでも1998年W杯出場から2002年を迎え、更に2006年で大きく飛躍する「予定」だった日本サッカーが逆に2006年で踊り場になってしまった事は、次の2010年に向けて活動している現代表に掲げられた大きな課題でしょう。 2006年W杯終了後、「日本サッカーの日本化」というとっても不思議なキーワードの元に活動が続けられています。よく日本サッカーにはスタイルがない。といった言葉が聞かれます。これを伝えようとしたのがオシム監督。当の日本人よりも外から見る事でよくわかる特徴といったものは確かにあるでしょう。逆にユーゴスラビアという非常に複雑な背景を抱えた国の代表監督をされていた方です。それぞれの国や民族の持つ特性といったものを的確に見抜く目には優れていたのかもしれません。「日本人自らが示せない」という事自体が「日本人らしい」と個人的には思ったりもしますが・・・。 2006年以降の流れはそれまで「イケイケ」だった日本サッカーにブレーキがかかった事で、「どうする?」と誰もが一度立ち止まって考え始めた結果なのだと思います。これ自体は決して悪い事ではなく、むしろいつまでも高度成長が続く事はない現実はサッカーの世界に限らずどんな世界でもある事。勢いがある間はガンガン行く。しかし、その勢いが衰えて来た時に再度考え直して新しいエンジンを見つける。これができなければそのまま衰退をしていくのみ。常に進化し続けるための準備段階が2006〜2010年の間なのかなと考えています。世界でW杯で優勝した国は7カ国しかありません。スペインやオランダ、ポルトガルといった国々でも優勝できていないのです。W杯で優勝を目指すだけではおそらく進化のエンジンとしては足りない。むしろどこかで息切れが生じて続かなくなってしまう。そして優勝できない、もしくは強豪国となりえていない欧州/南米の国にでもサッカーが文化として根付いている国の方がむしろ大半なのですから、強さだけでない「自国の色」といったものを真剣に考えている方向は決して間違いでないと思うのです。 代表人気が衰えたといいますが、これは逆に日本人のサッカーを観る目が肥え、親善試合でもW杯でもなんでも代表だったらいつも国立競技場は満員、と思っているほうがむしろおかしいのです。正常化されつつある今、これを正常と捉えた上でどうすべきかを考える時期だろうと思います。 Jリーグと日本代表、これが強化の両輪である事は今後も変わりません。どちらかが成長して、どちらかが衰退する事はありえない。日本代表に関しても新しいステージを迎えつつある今、新しい魅力を提示してくれたらと思います。 **2月29日(金)掲載**
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第298回 東アジア選手権 | ||
こんにちは。PIDEです。
今週は随分と寒さが緩んできました。春の訪れと共にやってくる花粉に今年も悩まされる季節がそろそろやってきそうです。Jリーグも開幕間近。新シーズンまで後わずか・・・です。 さて、現在中国で行なわれている東アジア選手権。タイトルのかかった大会ではありますが、今ひとつ印象の薄い?大会の一つですが、東アジア勢との対戦は僕個人の中では今一番おもしろい試合でもあります。 開催地は04年アジア杯で日本が多くを戦った「重慶」。当時の激しい日本バッシングを覚えていらっしゃる方も多いかと思います。世界/国内問わず、どの地域でも「お隣さん」とは過去の経緯を含め「因縁」ひしめくもの。かつて日本にとって圧倒的な隣人は韓国であり、現在の実力面では変わるものではありませんが、こと「因縁」というと近年は中国との間の方が多いように感じます。 水曜日に行なわれた中国戦。TVの解説、試合中のベンチの反応、試合後の監督コメントと中国のラフプレーおよび審判のレフェリングについて多くの意見(不満)が飛び交いましたが、これだけ(ある意味)わかりやすい「ひいき」がされてしまうと逆におもしろくなったりしてしまいます。 まるでマンガのような試合展開・・・でしょうか?ラフプレーでことごとくつぶしに来た中国に毅然と振る舞い、1−0でしっかりと勝ち切る。普段「戦っている姿勢が感じられない」と批判を浴びがちな日本代表ではありますが、この試合ではそうした姿勢がヒシヒシと感じられた。普段日本国内ではなかなか出しにくい露骨な闘争心を「ルール無用」な隣人が剥き出しにさせてくれている。こうした経験はJリーグではやはりなかなか味わえない国際試合ならではの経験だと思います。 先日、僕も草サッカーレベルですが「国際試合」をしてきました。知人の誘いで参加した試合で相手はブラジル人が多いチーム。とは言え所詮は草サッカー。レベル的にはどっこいどっこいの試合だったんですが、試合中の相手のプレーおよび「口激」には甚だ閉口してしまいました。敵味方問わずとにかくうるさい。パスがうまく繋がらなければ味方同士でもお互い激しく罵り合う。多少ポルトガル語がわかる人間に言わせると、かなり汚い言葉も含まれているようです。草サッカーで人数の関係で片側のラインの線審がいない状態。オフサイドなどは主審だけでは取りにくい場面もあるのですが、日本人同士だとお互いセルフジャッジをある程度公平にしていくものですが、そんな事もお構いなし。それでオフサイドを主審が取ると激しく主審に文句をつける。・・・うーん、これが国民性なんだろうか、と思ってしまいますが、到底日本人の感覚では理解しがたい事が他国の人とプレーすると現実として現れてくる。 日本で生活しているとあまり日本人以外とコミュニケーションを取る機会がありません。海外遠征などをする子どもたちが最近増えては来ていますが、それも極わずか。僕自身海外旅行に行ったりもしますが、それもやはり「お客さん」本当のその国の姿を見聞きできる機会がそれほど多くありません。僕が始めての海外で大学時代にアメリカに行った時、恥ずかしながら始めてお店で食べ物を注文しようとして、「Coke Please(コーラください)」と言って店員が聞き取れなかった事をよく覚えています。コミュニケーションを取る為に言葉的に正しくても自信がなくて小声になっていたり、しどろもどろになっていると、伝わらない事もあったりします。これらは全て経験して身につけていくしかないものでしょう。 そんな僕の体験と日本代表を並列にするのはおこがましいですが、ただ言える事は日本国内で第三国の審判を招いて親善試合を行なうよりは、やはり海外で戦う機会をもっともっと多くしていく事が、本当に強くなっていく為には必要な事だろうと思うのです。欧州や南米に行かなくても、中国/韓国との闘いはサッカーというスポーツのレベル、といった次元でない「闘い」の経験を積むには逆に持って来いの場だと思います。 週末には最後の韓国戦。こちらも熱い闘いになるでしょう。サポーターも等しく熱く狂おしくなれるのが隣国との試合。見ていておもしろい試合を期待しましょう。 **2月22日(金)掲載**
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第297回 Jリーグ展望 | ||
こんにちは。PIDEです。
Jリーグ開幕まで後2週間ほどとなりました。今日は今年のJリーグ展望を。昨年ACLを制覇した浦和、リーグ制覇の鹿島、ナビスコ制覇のG大阪に川崎あたりが今シーズンの優勝候補としてあげられています。ただし昨年の浦和の例のようにACLとリーグ両方の制覇を目指す、という作業は非常にハードなもの。その点ではACLに参加する浦和、鹿島、G大阪よりもリーグにのみ専念できる川崎は昨年J2で大暴れしたフッキの活躍次第では大旋風を巻き起こす可能性も・・・。浦和にとっては歓迎できない話ですが、リーグ全体を盛り上げる意味では楽しみなチームです。 また、今年は主力選手の移籍が例年以上に多い印象を受けます。特に北京五輪世代は飛躍の場を求めて動いているなと思います。これはJリーグの中でクラブ間の序列ができつつある事も関係しているように思います。 最近は将来有望な若手が強豪クラブの控えよりも出場機会が多く与えられそうなクラブを選ぶ事が増えてきました。そこで実績を積み、強豪クラブに移籍していく。若手選手を育てるクラブと成熟された選手を集めて優勝争いをしていくクラブ。この二極化が進んでいるように思えます。 また、千葉の水野や名古屋の本田のように早い段階で海外を目指す意識の高い選手は、それこそ控えで甘んじている時間がない。1年目から試合に出て、Jリーグで実績を作って海外にチャレンジする。近年の日本人選手の海外進出は欧州トップリーグのトップクラブ以外でならば十分活躍できるスキルを有している事を証明してきています。カズや中田の時代は日本人トップにならなければ通用しないと思われていた。しかしその後の多くの選手たちのチャレンジで、その幅が広がってきている。若手の意識が変わってきている事も必然だと言えるでしょう。 後2週間程で開幕する2008年のJリーグ。どこがスタートダッシュに成功し、序盤戦をリードしていくのか?今から楽しみです。 **2月15日(金)掲載**
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第296回 岡田ジャパン初陣 | ||
こんにちは。PIDEです。
2月に入り寒さが一層厳しくなってきました。先週は日曜日朝起きたら一面銀世界。 さて、今週は日本代表の2010年南アフリカW杯のアジア3次予選が始まりました。最初の対戦相手は「タイ」。先日のアジア杯では優勝したイラクと引き分け。今回の3次予選でも対戦するオマーンには2-0で勝利を挙げホスト国として大いに大会を盛り上げてくれたチーム。 更にはタクシン前首相がイングランドプレミアリーグのマンチェスターシティを買収し、強化合宿を積んで日本にやってきた、という前評判でしたので、シーズン明け直後、やっと各Jクラブが始動を始めたこの時期の対戦は、やはり不安な心持で試合を迎えました。 ・・・ところが前半こそドタバタしましたが、終わってみれば4-1の勝利。流れの中からの得点がなかったという点はありながらも、キッチリと4点を奪って勝点3を得た、という結果は緒戦として十分なものだったのではないかと思います。 オシム監督の病気による突然の辞任を受けて新監督に就任した岡田監督。サッカーファンだけでなく「日本がW杯初出場した時の監督」としておそらく永遠に名前が刻まれるであろう人の再登板は、「それまでうまくいっていたチームを引き継ぐ」という非常に難しいミッションとして受け取られ、その上で監督となる事を受諾した岡田監督には改めて尊敬の念を抱きます。 ただでさえ連続出場のプレッシャーが重くのしかかる現在の日本代表監督の仕事。誰もがなれるイスでも当然ありませんが、突然「やってよ」と言われて光栄に思えてもいざその重責とやりがいの損得を考えてしまうと、なかなかこのイスに座るのは度胸がいります。 98年W杯での采配後、コンサドーレ札幌や横浜Fマリノスで指揮を取り、横浜時代はJリーグ王者にも導いている実績は日本人監督の中で考えてもやはり適任でしょう。また、10年の時を超えての再チャレンジは「10年の年輪」を重ねた経験がどのようにピッチ上で表現されるのかが非常に楽しみであったりもします。 今回のW杯予選は3次予選を4ヶ国総当りのホーム&アウェーで戦い2位以上で通過。最終予選は10ヶ国を2リーグ5チームずつに分け、それぞれ上位2位までがW杯出場決定。3位同士でプレーオフを行い、更にオセアニア代表とのプレーオフに勝てば最大5ヶ国がアジアからW杯に出場可能です。オーストラリアがアジアに加わった現在、オセアニアとのプレーオフはほとんど勝ちに等しいですので、5カ国「も」アジアから出られてしまうのです。 98年W杯、あのイランとの戦いは第3代表決定戦でした。93年ドーハの悲劇と呼ばれた時、アジアからの出場枠はわずかに2つ(当時は本戦も24ヶ国でしかなかった・・・)。今でも出場枠が「2」だったとしたら、相当に困難な壁でしょう。しかし今や「5」。行って当然、と思われても仕方がないのかもしれません。 しかし、それでもアジア予選は日本代表が最も熱くなるシーンである事も確かです。先日の観客動員数が少なかった事について話題の一つにもなっているようですが、最終予選の頃になればまた満員に溢れかえるスタジアムになっている事は間違いないはず。 本番でありながらも強化の1ステップでもある3次予選。南アフリカに心を馳せつつ、キッチリと応援してアジアでの日本サッカーの位置を絶対的なものとして欲しいと思います。 **2月8日(金)掲載**
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第295回 高校選手権 その3 | ||
こんにちは、PIDEです。
今年は早々に日本代表が始動。来週から始まるW杯予選に向け強化試合が始まりました。岡田監督に代わってすぐの本戦突入は不安も感じますが、今の日本にとってこの3次予選は 「突破して当たり前」 のレベル。この「当たり前」がクセ者ですが、結果を優先しつつ強化も図る、という困難なミッションの達成をまずは期待したいと思います。 さて今回は高校サッカーの最終回。埼玉栄の戦いについて。 正月の選手権。埼玉県代表の埼玉栄高校は1回戦シードで2回戦から登場。熊本県代表のルーテル学院と対戦し、3−2で全国初勝利。しかし、続く山口県代表、高川学園との3回戦で1−2で敗退。奮闘むなしくベスト16で大会から姿を消しました。 前回の武南もやはりベスト16で敗退。相手は優勝した盛岡商。今回の高川学園もベスト4に残ったチームだった事を考えれば「クジ運」という言い訳もできそうですが、夏に行われたインターハイと合わせて、3試合を通じて「県内」と「全国」での違いをいくつか感じました。 今年の埼玉栄は一見、華やかな、見ていておもしろい攻撃陣に目がいきがちですが、特に夏のインターハイ後に目についたのは「高い守備意識」でした。県大会の決勝トーナメント4試合で得点7。失点は2。準々決勝の大宮南戦こそ3−1と2点差がつきましたが、これも試合終盤に相手が同点目指して前掛かりになった所にカウンターが決まったもので、どの試合も1点差の厳しい試合を何とかモノにしてきた形でした。 結果として新人戦から県内4冠を果たした訳ですが、最後の選手権予選の頃には対戦相手からもよく研究され、自慢の攻撃がうまく機能しない中で守備が踏ん張って勝ちを拾って来たのが「県」での印象でした。 一方「全国」の舞台ではインターハイ含め3試合で得点6。失点6。「県」と比べ得点も取れるが、失点も多かった、というのが今年の埼玉栄の試合でした。 日本代表が「アジア」と「世界」を相手に戦う時と同じだと考えればよいかもしれません。相対的に「強者」であった「県内の栄」には相手も研究し、守備を固めた上でカウンターを狙う形が武南を除く他のチームでは徹底されていたように思います。そうなると栄のピンチの数自体が減り、かつ相手の精度も低いために、「結果的に」失点が少なかった。 これが全国になると、埼玉県代表とはいえチームとしては初の全国。チームスタッフ含め誰もが初体験でした。インターハイ出場の経験値がルーテル学院戦では役に立ったのかもしれません。しかし校名が多々良だった時代から全国の常連であった高川学園との経験値の差は想像以上に大きかったのか、何とも試合後に悔しさが残る負けとなってしまいました。「技術のうまさ」だけでない「ここ一番を逃さない力・勝ち方」を知っていた。その面では武南であったならまた違った展開になっていたかもしれません。 とはいえ、全国で戦う経験をチームとして得た埼玉栄が、来年以降も県内の強豪として全国でも勝てるチームを目指して更なるレベルアップを図れれば県内のレベルもまた高くなり、県外に流出してしまっている優秀な選手達を県内に留められる事にもなるかもしれません。選手権後に行われた県の新人戦では決勝に県北部の高校が2校残りました。県北部は前橋に多くの選手が流れている地域でもありますが、正智深谷の選手権予選決勝進出に続く今回の新人戦での躍進は、新たな県内勢力図の変化となりうるかもしれません。 埼玉栄の選手権初挑戦は過去の県勢の栄光を知る人にとっては何とも物足りない結果なのかもしれません。しかし、何事を成すにも「初めて」はある訳ですから、この結果を「よい経験」にして新しい一歩を踏み出していけばよいのだと思います。 **2月1日(金)掲載**
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高校選手権 その2 | ||
こんにちは。PIDEです。
今週は関東でも雪が降りました。 寒くて朝起きるのがツライですが、やはり冬は寒くないと!と我慢しています・・・ さて、今回は前回の続きです。 今年の選手権で何故これほど有力校と目されたチームが早期敗退を余儀なくされたのか? 大会前に専門誌で取り上げられた「注目選手」達のほとんどが早々に舞台から降りてしまったのは何故なのか? 一般によく語られる事は、 1.プロを目指すような「優れた個人」はJクラブユースに多く流れている 2.一方で指導体系が整備され、優れた指導者が全国規模で分散されてきている。 の大きく2つに集約できるように思います。Jリーグ誕生の効果というのはこうした草の根レベルにも確実に波及し始めた一つの結果として今の選手権があるのでしょう。 優れた個人のレベルが相対的に低くなり、結果個人技では少々劣っても組織力を高めた高校に足元をすくわれてしまった。 一発勝負のトーナメントではありがちな「番狂わせ」が「番狂わせ」とは言えないくらい「チームとしてのレベル差」が少なくなってきているのだと思います。 優勝した流経柏も決していわゆるタレント軍団ではありませんでした。 全員がよく走り、組織で連動して動いた結果としての優勝でした。 この中でプロに進むのはわずか一人。少し寂しい気がします。 …が、ここにもサッカーが根付き始めたが故の選択肢の広がりがあるように思います。 毎年夢と希望を胸に新入団していく選手達。しかし、プロの世界は厳しく、その多くが志半ばで引退を余儀なくされます。スポットライトを浴びて活躍でき、引退後も収入面など問題なく生活していける選手は本当にごくわずかです。 そうした厳しい現実をこの15年間見続けてきた事で「引退後」を見据えて大学で専門学を学んだ後でプロになるケースが増えてきました。 Jリーグ開幕と共に誰彼構わず高卒でプロになり、大学サッカーの凋落が叫ばれた時代がありました。しかし今では巻や坪井のように大卒でも日本代表になれる時代。彼らのように活躍できなくても大学で学んだ知識とプロでの経験を武器にセカンドキャリアを歩んでいける道が作られつつある事もまた高校サッカーのトレンドの遠因になっているのではないかと思います。 将来世界を相手に華々しく活躍する選手を高校サッカーが輩出していく事は今後も減っていくかもしれません。しかし一方でJユースと比べ圧倒的な底辺の広さ(選手数の多さ)が高校サッカーにはあります。今後は逆にこの底辺の広さを活かした「壮大な実験場」として新たな日本サッカーの潮流を作る事ができるのではないか。この事は欧州な南米と異なる日本ならではのサッカー文化となりうる可能性もあるのではないでしょうか? **1月25日(金)掲載**
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高校選手権 その1 | ||
こんにちは。PIDEです。
今冬の高校選手権は、戦前の予想でも優勝候補筆頭に挙げられていた千葉県代表の流経柏が、静岡県代表の藤枝東を破り初優勝。全日本ユースと合わせ2冠を達成。インターハイ優勝の市立船橋を含めると千葉県勢が主要タイトルを独占。この3大会で大前選手が得点王を獲得と近年では珍しい圧倒的な戦績で07年度の高校サッカーシーンは幕を閉じました。 …と書くと、順当勝ちの波乱のない大会のように思えますが、県予選も含め非常に波乱の多い、近年の群雄割拠の流れを象徴した大会でした。 県予選では国見、市立船橋といった全国優勝経験校に大津、丸岡のような全国常連校が敗退。埼玉県でも武南や浦和勢を抑えて埼玉栄が初出場を勝ち取りました。 本大会では1回戦、2回戦で戦前の下馬評の高かった、いわゆる伝統校、ブランド校の多くが敗退。前橋育英、岐阜工、星稜、室蘭大谷、鹿児島実業、野洲、中京大中京、富山一、帝京、青森山田、秋田商… こうした高校が早々に去った一方で三鷹、津工業に代表される全国的に無名な学校の躍進が大会を盛り上げました。決勝を戦った2校にしても初戦は大苦戦。どちらもここで敗退しても不思議ではない内容でしたが、その山を乗り越えた後はどんどんと調子を上げ、流経柏については準決勝・決勝で10得点と最後に大爆発して栄冠を勝ち取りました。 しかし、そんな流経柏も一昨年の野洲、昨年の盛岡商に続いての初優勝校。「強豪県」と目されていでかった地域の代表の優勝だった先の2年とは違いますが、千葉県代表、全日本ユース優勝という肩書はあっても「冬の選手権」という意味では流経柏も新興校の1つ。埼玉栄や熊本のルーテル学院などと並び、「強豪県代表」ではあるけれども「選手権新興校」というのは、これもまた近年の底辺拡大の象徴と言えるでしょう。 この続きはまた来週書いていきたいと思います。 **1月18日(金)掲載**
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謹賀新年 | ||
こんにちは。PIDEです。
新年あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いいたします。 昨年はレッズにとって忘れられない1年になりました。 ACL制覇とクラブW杯3位という結果を残せたのはとても素晴らしい出来事でした。 しかし、一方ではJリーグ、ナビスコ杯、天皇杯の国内タイトルは無冠。あらためて海外と国内、両方のタイトルを獲得する事の難しさを再認識もしました。 そして2008年。ここまでクラブは高原、エジミウソン、梅崎らの獲得、三都主の復帰など攻撃的な選手層の底上げを積極的に実施。「より攻撃的な」意識が世界と日本両タイトルを奪取するには不可欠だと考えての補強に見えます。 圧倒的な観客動員力と、それを背景にした広告、放映権、グッズ販売などでJリーグ「唯一」と言ってよいビッグクラブとなったレッズ。更なる高みを目指して新しい挑戦の年となりそうです。 また多くの日本代表選手を抱えるレッズにとって2010年W杯予選と北京五輪も大きなハードルとなります。オシム監督が倒れ、急展開を迎えた日本代表ですが、岡田監督を新たに迎えオシム監督が築いた土台にどういった味付けを施していくのか。 監督が代われば呼ばれる選手も変わります。レッズの選手がどれだけ呼ばれるかはわかりませんが、昨シーズン終盤のまさかの失速が今年はないよう昨年の経験を糧に頑張って欲しいものです。 16年目を迎えるJリーグ。J2は新たに2チームが加入。更なる広がりを見せる新シーズンに注目です。 **1月11日(金)掲載**
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第290回 一年振り返り | ||
こんにちは。PIDEです。
今年もあっという間に1年が過ぎ去り、また新しい年を迎える時期になりました。 今年もまた最後は1年の振り返りで終わろうと思いますが、何より大きかった出来事はレッズのACL制覇とクラブW杯出場でしょうか?先日のコラムでも触れたように、今年は日本サッカーが代表からクラブ中心に動く大きな転換点と後世に言われるような本当に大きな年であったと思うのです。代表ありきのクラブでない、欧州のサッカーシーンで見られるような感性にようやく日本人のマインドも進化してきた。その引き金を引いたのは私たちの街、浦和であったという事実は歴史に深く刻まれる事になるでしょう。 また、僕個人にとって大きかった出来事は埼玉の高校サッカーの現場を、本当に多くの回数訪れる事ができた点でしょう。 元々、大学時代を静岡で過ごし、小野伸二や高原、南といった選手達の高校時代を生で見る事ができたのが僕の高校サッカーとの関わりの中で大きなトピックでした。今年はたまたま知人が埼玉高校サッカーの中心に居続け、最後に選手権出場という見事な成果を成し遂げてくれた。そしてその過程を1年間、継続して見続ける事ができ、また新たなサッカー観が広がった事が何より嬉しい出来事でした。 いよいよ埼玉栄高校が1月2日、全国の舞台に立ちます。相手は熊本のルーテル学院。お互い初出場ながら武南、大津といった全国の常連校を下しての出場という事で初戦からよい(厳しい)カードになりました。しかし、各専門誌の特集などを見ても評価は今ヒトツ。記事を読んでいて1年通じて栄のサッカーを見て来た私から見るとピントがずれたものも中にはあるので、逆に対戦相手に対しても見たことのない自分が有利不利を語る事が憚られます。 昨年、一昨年の野洲、昨年の盛岡商と前評判や知名度が必ずしもアテにならない事を過去2年間証明してきた選手権。埼玉県代表は地元でプレーできるというアドバンテージもあります。 夏のインターハイでは試合を優位に進めながら勝ち切れずPKで敗退しました。その悔しさがあったのかその後の選手権予選はそれまでの勢いや華やかな攻撃のイメージから離れ、確実な守備をベースにした勝負強い戦い方で、苦しみながらも力強く勝ち抜きました。 この1年間の喜び、悔しさを胸に大きく成長した栄イレブンが埼玉県代表として恥ずかしくない、素晴らしい戦いを見せてくれる事を信じて、決戦の日を迎えたいと思います。 **12月28日(金)掲載**
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