さいたま市に世界屈指のステンドグラス工房があるのをご存じでしょうか? 今回は本場ヨーロッパの職人も驚嘆したというステンドグラス工房「スタジオナンシー」をご紹介します。
ステンドグラスといえば欧米の教会を連想しますが、決して特殊なものではありません。日本でも通常の家庭の窓やランプなどに取り入れられつつあります。昼はもちろん、夜、色彩豊かなステンドグラスが織りなす柔らかな光を目にすると、どのような場所でもぐっとグレードが上がります。
スタジオナンシーを主宰するのは柴田章男さん。ルネッサンス時代のイタリア人のような人です。多くのガラスピースを扱うため、一般的な工法であるアメリカ工法・ヨーロッパ工法等では脆弱性を排除しきれず、ステンドグラスの背後に金属のバーを当てるなどして強度を保つようにしています。一方、柴田さんが開発した全面ハンダバーレス加工ではバーを一切使わず、一つ一つのピースを全面ハンダで組み上げます。大の男がハンマーで叩いてもびくともしないとか。しかも、通常は下絵をもとに制作しますが、柴田さんは自分の勘を頼りに下絵無しで制作します。ピース数が10〜20ではなく、500にもなる場合を考えると、これがいかにすごいことか分かります。1000分の1ミリずつ狂ったとしても全体では5センチの誤差が出てしまうのです。これを勘だけに頼って制作する技術は、プロでも真似ができないものです。こうしてできたステンドグラスは、1000年も2000年も持つのだとか。
柴田さんは自分が満足するまで、時間を徹底的にかけてステンドグラスを作ります。そのため、「いつまで」という納期がある仕事はしません。また、値段で勝負しているわけではないので、低価格を要求される入札にも応じません。自分で完全に満足できるステンドグラスが完成したときが納期となります。
しかし、決して無理な価格を柴田さんは設定しません。使用するガラスの種類、ピース数により価格は変わりますが、例えば、1枚のパネルが100ピースのガラスでデザインされたものであれば、標準的なガラスでは、制作料が25万〜40万円となります。「部屋の一部にステンドグラスがあるだけで部屋の高級感が増すので、ぜひステンドグラスをご検討下さい」と柴田さんはおっしゃいます。