【マイタウンさいたま】ログイン 【マイタウンさいたま】店舗登録
■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

全192件中  新しい記事から  1〜 10件
先頭へ / 前へ / 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / ...11 / 次へ / 最終へ  

2020/09/04(金)
第192回【恋愛編】「臨月に結婚式なんて…」
【Q】
彼とは付き合って3年です。年明けに彼のご両親には「結婚させてください」とお願いしました。2人の問題ですから「お願い」なんてこともないんでしょうけど、私はバツイチで30歳。彼は2歳年下で初婚。私に子どもはいないんですけど「私でいいのかなあ」っていう気持ちがあるんです。それでも彼のご両親はとても喜んでくれて、6月に式を挙げることになっていたんです。ところがコロナで11月に延期になって…。私は2度目だし、派手な式はやりたくなかったんですけど、彼は一人っ子なのでご両親がどうしても派手にやりたいみたいなんです。ご両親のお気持ちも分かるので、式をやることにはしたんですけど、妊娠しちゃって。予定日は12月半ば。6月だったら私の気持ち以外問題なかったのに、臨月になってしまって。しかも彼は年下で初婚、私は30歳でバツイチ…。若い人たちの間では「でき婚」を「授かり婚」とか言い換えて歓迎するような風潮もあるみたいですけど、彼の親戚、私の親戚には年配の人も少なくないので、どう思われるか…。このままコロナが収束しなければ式を挙げなくてすむのにって思ったりしてるんです。

【A】
あなたにズバリお聞きしますが、お相手の彼はこの問題、「臨月の妻に派手な結婚式を挙げさせること」について何とおっしゃっているんですか?そもそも彼としっかり相談なさっていますか?あなたの気持ち、「派手な式は嫌だ」「臨月の式は困る」と。まさか、それでも彼は「両親の望みを叶えさせてやりたいから君には心身の負担をかけるけれど、臨月の派手な結婚式をやってくれ」と言ってるんですか?

もしそれなら、「コロナが収束しなければ式を挙げなくてもすむのに」などと、コロナと必死に闘っている人達に失礼極まりない言葉を投げかける前に、式を一緒に挙げる彼に「それでも私はやりたくない!」とハッキリ言ってください。

この短い相談の中に「私は30歳のバツイチ、彼は2歳年下の初婚」という言葉が2回も出てくるんですよ。自分でそれに気づいていますか?バツイチがそんなに悪い事ですか?!初婚がそんなに大切なことですか?!そして2歳年上がそんなに恥ずべき事なんですか?!

もし彼があなたの意に反してでもご両親を喜ばせるために派手な式を挙げたいと言い張るなら、この結婚はやめた方がいい。ただ、もう既にあなたのお腹には新しい生命が息づいている。それなら、あなたの価値観をこの際しっかり見直して、彼とお子さんと3人で人生をスタートして欲しい。まずはもう一度、彼に自分の気持ちをしっかり伝えること、その時、自分が2度目の結婚や彼より2歳年上ということを卑下しすぎないこと。

確かにあなたが心配するようにそれを問題視する人もいるでしょうが、古い日本の文化には「2歳年上の女房は金のわらじで探しでして歩け」とか「嫁は2度目が一番」という言いならわしもあるのです。あなたのその人生の歴史を否定することは、そういうあなたを伴侶として選択した彼を否定することになるのです。彼が選んだのはその経験を経たあなたその人だったのですから。そのことはこれからの2人の人生の中でとても大切な基本です。あなたの価値観では一生「バツイチ年上」という罪悪感が付いてまわり、「私でよかった?」と何かにつけて考えてしまうに違いありません。あなたのその価値観を修正し、彼としっかり話し合ってから、派手な式を臨月に挙げるか挙げないかを決め直してください。彼があなたの複雑な気持ちを理解してくれてあなたの心身に負担のかからない、そしてご両親にも喜んでもらえるように考え直してくれる人であることを祈ります。
(文:大関洋子)

2020/08/20(木)
第191回【職場編】「相手を知る手段がなくて…」
【Q】
今の会社に勤めて3年になります。勤め始めの頃は、バリバリ働いている女性の先輩に憧れて、私もあんな風になりたいって思ったんです。「30過ぎまではプライベートより仕事」みたいな…。でも、1年経った頃から、私には先輩みたいになる能力がないってことに気づいちゃったんですよ。それで、結婚狙いに切り替えました。去年の夏頃から3人くらいに狙いを定めて、年明けからやっと一緒に食事に行ける相手を1人作ったんですけど、2回食事に行ったところでコロナ騒動になっちゃって…。出社してもソーシャルディスタンスを取らなきゃならないし、マスクをしてるので表情も見えないし…。もちろん、オンラインで話したり、LINEとかでもつながっているけど、もし私より親しくしている女性がいて、直接会ったりしてたら私にはチャンスはないですよね。普通の時なら、相手の様子がもっと分かると思うんですけど、相手を知る手段がなくて、悪いことばっかり考えちゃうんです。

【A】あなたには、大きな考え違いがあります。「勤め始めの頃はバリバリ働いている女性の先輩に憧れて、私もあんな風になりたい」と思ったのに、1年経った頃に「私には先輩みたいな能力がないと気づいちゃって」、そこで人生の目的というか仕事や会社へ行く目的を「結婚狙いに切り替え」たんですよね。しかも「3人に狙いを定めて」って恋愛や結婚の相手は射的じゃないんですから、変な価値観です。

とにかく、人生で働く目的が射的の的を射るかのように、結婚相手を探しにいくという矮小化した目的に1年で切り替えてしまうという考え方が間違っています。自分には先輩のように能力がないと気づいたなら、それに近づくように努力はしないんですか?先輩のどこか1つでも見習って、真似でもいいからしてみたらどうですか?

これこれこういう努力をしてみたけれど、自分にはどうにも真似さえできない、どうしたらいいでしょう、というご相談や悩みは感じられず、簡単に結婚相手探しに切り替えてしまう、こういう考え方が「半年たってやっと食事に2回行ったらコロナになり、出社してもソーシャルディスタンス、マスクをしていて表情が見えないから相手の様子が分からない、相手を知る手段がない」などという悩みにつながるのです。

オンラインで話したりLINEでもつながっているのならコミュニケーションは充分。その中で相手の心を理解できないあなたは、本当には彼のことを大切に思っていないんじゃないですか?あっ、そうでしたよね。大切に思ってるわけはないですね、結婚相手としての狙った「的」3つの内の1つ、失礼、1人なだけなんですものね。

さあ、人を人生のパートナーとして選択する観点を我が胸にもう一度確かめてみましょう。今は「3優」(「私に優しい」「家族に優しい」「家計に優しい」)の男性が結婚相手として理想なんだそうですが、「はあ?ふざけるな」って感じです。恋愛や結婚のプロセスの中で2人で「お互いに優しさ」を築きあげていくものです。
あなたには厳しい解答になりましたが、あなたがもう一度初心に立ち帰って、一心不乱に憧れの先輩の仕事ぶりを見習って努力してみてください。あなたのその仕事ぶりに自然に惹かれる男性から食事やお茶に誘われるかもしれませんよ。ただただ会社に行く目的が結婚相手を射止めるためだけの女性は魅力がないと思い知ってください。
(文:大関洋子)

2020/08/04(火)
第190回【子親編】「何とか孫を来させたい」
【Q】
8月になり孫たちの通う小学校もやっと夏休みになりました。夏休みは毎年恒例の2泊3日の家族旅行があります。私にとっても孫に会える数少ない機会です。子どもが3人いるので、子どもの家族も含め全行程全員が揃って一緒に過ごすのは難しいのですが、何とか都合をつけて、1泊だけでも全員が顔をそろえられる時間が作れるよう努力しているんです。貸別荘なので、息子なんて3時間以上車を飛ばして夜11時くらいに到着、朝8時前に出発なんてことになっても無理して来てくれます。母親の私としては嬉しい限りです。ところが今年は、次男の家族が参加しないことになりそうなんです。表向きは「じいちゃん、ばあちゃんに新型コロナウイルスを移さないように」と言っていますが、これは嫁の口実。嫁は私たちに会いたくないんです。日頃から感じていることなので、絶対間違いありません。嫁は来なくてもいいんですけど、孫には来てもらいたいんです。ちょっとそんな話をしたら、嫁と喧嘩になりそうになりました。なんとか孫を来させたいのですが…

【A】
今朝(8/4)の朝日新聞には、「お盆帰省 政府説明ちぐはぐ」という大きな見出しで、西村担当相が「高齢者のいる実家などへの帰省に「慎重に」との考えを示す一方「家族旅行は問題ない」との認識を示しつつ、「おじいちゃん、おばあちゃんと過ごすとなると、また事情が変わってくる」と重症化リスクの高い高齢者への懸念を改めて強調しています。コロナ禍のお盆の帰省と官房長官自らが主導した政府の観光支援策「GO TOトラベル」事業との整合性が問われかねないという内容の記事です。

政府の説明さえ右へ左へと揺れている今、それでも「毎年恒例の2泊3日の家族旅行は決行したい。そして嫁が反対しているのなら嫁は来なくていい。孫だけくればいいがどうしたらいいだろう」との相談です。今回のご相談は、あたかもコロナ禍と関わっているかのようになっていますが、本質は全く関係ありません。
そもそも「嫁は高齢の私たちを心配して来ないと言っているが、それは言いわけ」「本当は元々私たちと一緒の旅行は嫌だったのだ」と言っていますが、あなた自ら「嫁は来なくてもいい。孫が来ればいい」と本音を言っています。「嫁は来なくてもいい」の裏側に、「嫁は来ない方がいい」という気持ちが透けて見えます。

今回のコロナ禍での家族旅行に次男一家が来る来ないは問題の本質ではなく、本質は普段からのあなたの考え方、次男のパートナー、嫁との関係のあり方です。ご自分でも「これは嫁の表向きの口実」と感じています。こんな関係で、それでも「孫だけでも」という話をして「嫁と喧嘩になりそう」になっている。当たり前です!
「日頃から嫁は私たちに会いたくない」と感じていて、しかもその嫁の気持ちは「絶対間違いありません」と断言しているなら、コロナがどうの、恒例の家族旅行がどうのと言っている場合ではありません。この際、「なぜ嫁が私たちに会いたくなくなったのか。それはいつ頃からなのか」考えてみてください。
そして本当は「あなたが嫁と会いたくない」のですから、「なぜ会いたくないのか。それはいつ頃からなのか」、自分に問いかけてみてください。
「嫁は息子を奪った憎いやつ」「孫を手に入れるための借り腹」みたいな感覚を無意識に持っていたとすれば、息子さんにとっても生涯の不幸です。ちょうどいい機会です。しっかりご自身の潜在意識と向き合って、次男ご一家といい関係を築き直してください。
(文:大関洋子)

2020/07/16(木)
第189回【親子編】「28歳で引きこもっている息子」
【Q】
28歳の息子と23歳の娘がいます。息子は、中学2年生の時、同じ組の男の子にいじめられたのがきっかけで学校に行けなくなりました。息子が不登校になってしばらくすると娘も小学校を休みがちになり3ヶ月くらい行ったり行かなかったりが続きましたが、その後登校できるようになり、何とか大学を卒業して今はOLをしています。息子は、そのまま今も家から出られません。私が食事に誘うと近所のファミレスには行くので、最初は2週間に1回くらい、しばらくしてそれが週1回になり、3日に1回になり、今は土日も含め毎日一緒に食事に行くようにしています。家にいると部屋でずっとパソコンをいじっているだけで会話もありませんが、ファミレスではけっこうしゃべるし、少しでも外に連れ出すことで私もホッとするし、もしかしたら引きこもり解消のきっかけになるのではないかと続けています。でも間もなく30歳。子どもがいてもおかしくない年齢なので、アルバイトでもいいから、とにかくまず外に出てほしいのですが…。

【A】
息子さんがいじめにあい、不登校になった中学2年生という年齢は、発達心理学上では人生の中で児童期から青年期への移行期で、子どもから大人、成人へと成長していく過渡期です。この時期は、自分自身の変化も周囲の環境の変化も大きく、翻弄されがちな時で、疾風怒濤の時代と呼ばれています。青年期は思春期とも言われ、生理的成熟(生殖可能な身体を持つこと)を迎えることで始まり、身長、体重などの発達も著しく、男子は精通や声変わりが現れ、体つきも男性らしくなってきます。身体的変化は周囲の人の見方を変え、行動範囲を広げ、自由度が増していきます。

こうした身体的変化や社会的変化と共に「自分が独自の存在であること」に気づき、自己の内面に目が向けられる大切な時です。その中で孤独感や劣等感に悩まされる心理的変化も急激に起こり、この時期は「第二の誕生」でもあります。自分を取り巻く環境と自分自身の変化を調整しながら適応することが求められ、この適応に多くのエネルギーを必要とします。(山下富美代著「発達心理学」より)

さて、あなたはこの大海の嵐に翻弄される小舟のような青年期(12、3歳〜25、6歳くらい)に、親が小舟の舵を取ってしまっています。娘さんは不登校の時期が思春期でなかったことと「女の子」であったことから、お母さんとしての対応が息子さんに対するそれと違っています。お母さんは、はじめは息子を外へ連れ出そうと、たまにファミレスへ連れて行きましたが、今では毎日とのこと。父親であり夫である男性の話が何も出てきませんが、たぶんあなたは夫との関係が夫婦としての機能を果たしていないと思われます。

不登校の当初は母と息子としての外出が、今では息子を夫の代用、あるいは恋人代わりにしています。精神分析論の創始者、フロイト(1856〜1939)は、4、5歳の子どもが異性親を好きになる傾向、心の癖をあげ、エディプスコンプレックスと名付けました。特にその名称の元であるギリシャ神話で父とは知らず戦いで父を殺し、母と結婚したエディプス王子のように、男の子は母を慕うと言われています。

80-50問題という80歳の親が50歳の子どもを養う事態を避けるためにも、息子さん自身が「Who am I?」「Where am I going?」を明確にする自我同一性の確立をするために、息子さんから精神的、身体的距離を置くことをお勧めします。

(文:大関洋子)

2020/07/02(木)
第188回【夫婦編】「注意したら怒鳴られた」
【Q】
緊急事態宣言が解除になり、自粛ムードもだいぶ和らいだとはいえ、実際には感染者は減っていないし、特に「夜の街」とか「カラオケ」とか、これまで夫がよく行っていたところの感染リスクは高いまま。夫にはそういう場所へ絶対行ってほしくないんですけど、ここ2週間くらい頻繁に行っているみたいなんです。「なるべく行くのはやめてよ」と言ったら、「うるせえなあ!仕事をしてりゃ、色々ストレスがあるんだからストレス発散は必要なんだっ!」とすごい勢いで怒鳴られました。それ以来、些細なことでもいきなり怒鳴ったり、物を投げたり蹴飛ばしたり…。小学2年生と4年生の子どもがいるんですけど、ビクビクして夫とはまったく口をきかなくなってしまいました。家族のためにも夫には感染リスクの高いところには行ってほしくないし、でも怒鳴られたり、暴力を振るわれたりで家庭崩壊するのも困るんです。

【A】
俗に言う「コロナ離婚」を真剣にお考えになることをお勧めします。日本では緊急事態宣言も解除になり、自粛も解け、県をまたぐ移動の制限もなくなりましたが、6月末現在でも、新聞には今なお「世界の死者50万人、感染者1000万人、コロナ猛威」という文字が躍ります。東京でも自粛を解いて以来、右肩上がりの感染者数、6月30日は前日よりは減ったものの、54人。隣接3県を加えた感染者数は102人と報じられています。
しかし、都としては「数値基準は設けず 次の波へ新指標」とあります。あまり大きく報道されていませんが、都が医療機関に新型コロナ患者用に準備する病床数を1000床から3000床に引き上げるよう要請したという報道もあり、アラートを出さないということとのダブルスタンダードであるとの批判もあります。また、感染者の大半が『接客を伴う飲食店従業員ら「夜の街」関連者』である一方、家庭内感染もあり、「都内 夜の街で見つかった感染者と濃厚接触者に当たる人の49%が感染している」との報道もあります。

あなたには厳しいお答えになりますが、このような状況の中、あなたの夫は、「夜の街」「カラオケ」(小樽の“昼カラ”では相次ぐクラスターで死者まで出ています)に頻繁に行っている。しかも、しかもですよ、「なるべく行くのはやめて」というあなたの懇願に「うるせいなぁ!」とすごい勢いで怒鳴った上、それ以来、些細なことで怒鳴る、物を投げつけたり蹴飛ばしたりする。そりゃあ、小学生のお子さんたちがビクビクして口もきかなくなりますよね。
当然、子どものためにも感染リスクの高いところへは行くべきではありません。たとえそれが、仕事のストレス解消であれ、自分の命をかけていくところではないし、何よりあなたやお子さんへの感染リスクを考えたら、行けないのが当たり前です。あなたは、「行かないように」と頼んで怒鳴られたり、暴力を振るわれたりして「家庭崩壊する」のを恐れていますが、この時点ですでに家庭は崩壊しています。このままでは、子どもの前でますます暴力を振るうようになるでしょうし、あなたやお子さんに手や足を上げることになる日も近いと思われます。今でも、お子さんたちがビクビク、オドオドしていてかわいそうです。明らかに「面前DV」の状況で、これが長引けばお子さんたちの心に深い傷を残しかねません。
夫が感染者になり、家族が濃厚接触者になる怖さを理解できず、あなたの頼みに怒鳴る、物を投げる、蹴るという暴力を振るう夫には、すでに夫であり父である資格はありません。もう一度しっかり話をしても収まらなければ、ご実家かしかるべきところへ避難することも必要でしょう。

(文:大関洋子)

2020/06/24(水)
第187回【恋愛編】「1人は寂しいし、不安」
【Q】
私の周りは結婚ブーム。というか、これから結婚ブームになるんです。新型コロナのせいで、これまで「結婚なんて(したくない)」って言ってた友人が突然「1人は寂しいし、不安だよね」とか言い出して、どんどん婚約しちゃうんです。けっこう親しい友人だけで2ヶ月の間に3人。他にも婚約しそうな人が2人て、ここ2年くらい誰も結婚してなかったことを考えるとすごいペースなんです。周りがこういう状況だと「私も」ってなりますよね。でも去年別れちゃったので相手がいない。慌てて結婚相談所に飛び込んだんです。担当の人が「新型コロナのことで不安になってる人が多いので、今なら女性は引く手あまたですよ」って言うんです。すぐに2人に会うことができて、2人ともすぐに婚約してもいいくらいいい人だったんですけど「ちょっと待てよ、こんなに簡単に結婚していいのかなあ」って…。でも、1人でいることの不安は極限状態だし、周りはどんどん結婚して私だけが残されるのもいやだし…。結婚しないのも不安、結婚するのも不安、毎日そんなことばかり考えていて、前に進めません。

【A】
ピンクの紙面にピンクの文字が躍る結婚相談所の広告。多くの出会いと素晴らしさを強調した広告には資料請求の電話番号が記載され、「私も結婚したい」とつい電話をしたくなります。頻繁に目にする新聞や雑誌に掲載された広告です。
あなたは、周りの友達が次々と結婚を決めていくのを見て、この結婚相談所へ飛び込んだ。コロナ自粛で改めて相手や家族のいない寂しさや不安に駆られて極限状態になって…。すぐに婚約してもよさそうな人、2人に出会ったけれど、ふと立ち止まって考えた。こんなに簡単に結婚していいの?と。

そもそも現在の結婚制度では、日本国憲法第24条1項で「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として相互の協力により維持されなければならない」とあり、通説では、婚姻の届け出をする意志を持っている(入籍)、生活共同体を創設しようとする意志がある(事実婚)ことを「結婚」と呼んでいます。
古代、私たちの先祖は性に対して割と開放的で、男女間の交際は大変おおらかでした。いわゆる乱婚、雑婚という状態です。生まれた子どもたちは、夫婦の子というより村の子として育てられていました。まだ日本に仏教や儒教などの道徳規範が到来していなかった頃は、男女の結びつきは緩やかで自然でした。そして男女とも農業の労働力として助け合って暮らしていたのです。その後、武士の台頭によって結婚制度が定められましたが、男性が女性の家族の家に入る結婚が貴族や民衆の間でも多かったようです。第二次大戦後に、今の結婚制度が確立され、1960年代以降、「専業主婦」というアンペイドワークの女性たちの結婚形態が定着しました。

あなたが焦って「結婚したい。でも不安」という結婚は、2018年に586,481件と減少気味で、逆に離婚は208,333件あった(厚生労働省人口動態統計)と報告されています。人生の分岐点である「結婚」は、女性の側から言うと30〜34歳で結婚5年以内に離婚に至る率が高く、最近では50歳以上の女性の離婚も57,000件で、40年前の10倍に増えている(2013年厚生労働省)そうです。およそ2分に1組が離婚しているということになります。
離婚してもやり直しのきく昨今、一歩踏み出すもよし、熟考するもよし。できれば、結婚を目的に知り合うのではなく、日頃から働く様子、生活する様子をじっくり見ている人の中からお相手を探してみるのもいいかもしれませんね。
(文:大関洋子)

2020/06/09(火)
第186回【職場編】「テレワークも悪くはないけど…」
【Q】
テレワークって初めてですけど、満員電車からも解放されて、案外いいかなって…。ただ、うちの会社はうるさくて、外部での感染防止のために原則自宅待機なので、自宅にいることが分かるように、会議で接続した時はほんの一瞬でも背景を映り込ませる約束になっています。ある時、男性社員の背景に後輩の女性社員の服がちょっと映り込んでしまったんです。個性的な服だったので、みんな分かったと思います。会社からは厳重注意されたみたいです。それをきっかけに、上司のチェックが始まりました。会議以外に1対1で連絡してきた時も、部屋の中を映すように言うんです。私も変に勘ぐられるのはいやなので、自宅だって分かるように背景を映したんですけど、だんだんエスカレートして映させる時間が長くなってきました。それだけじゃなくて、化粧をしていないタイミングとか、ラフな服装でいるタイミングとかに連絡してくるんですよ。わいせつなことを言われるわけでもないので断りづらいんです。でも、私生活を覗かれてるみたいで気持ち悪いです。

【A】
ひどいなあ、その上司!
とんでもないやつですね。一人の男性社員の背景に女性社員の洋服が映り込んでいたということから、全員へのチェックを厳しくしたということがまず部下を信頼していない証拠ですし、あなたのように家であることを証明するために家のあちこちを撮影させたり、化粧をしていない時間やラフな格好でいる時間に連絡してくるなど、プライバシーの侵害もいいところです。痴漢同様ですよね。

会社との約束は、会議の時ほんの一瞬でいいから背景を映り込ませるということのようですが、小さいお子さんがいたり、住宅事情によって一人で利用できる部屋が確保できなかったり、様々な人がいるはずです。場合によっては、ホテルやレンタルームを利用することもあるでしょう。自宅にいることが分かるような情報を映り込ませるということ自体、無意味であり問題があると言えます。こういう問題が起こるというのは、おそらくあなたの会社はそれほど規模の大きな会社ではなく、ほとんどがトップダウンで決まっていくような会社ですよね。それでも、もしパワハラ・セクハラ等の窓口があるのなら、他にも同じような人がいないか確認して、一緒に訴え出てください。難しいことではありますが、なるべく多くの人を巻き込んで、コンプライアンスの確立を図ることが必要ですね。

オンライン(リモート)の話をちょっと…
人気番組「笑点」の大喜利が、5月31日(日)から「リモート大喜利」になりました。2回目の6月7日の1問目は「まずね、リモート大喜利のいいところを言ってください。私(春風亭昇太さん)がね、“もっといいところは?”って聞きますから、さらに続けてください」というものでした。最初に解答したのは林家木久扇さん。その答えは「リモート大喜利のいいところは、正座をしなくってもいい」、そして“もっといいところ”は「横になってしゃべってもいい」でした。この答えは「いやいやいや、横はだめですよ」と司会の昇太さんにとがめられることになりました。

オンラインには、見えるところと見えないところがありますから、どう使うかで良くも悪くもなります。すぐそばに人がいないことで気持ちが緩み、お互いに普段と違った素顔を見せたり見たりすることもあります。コミュニケーションで言葉以上に重要とされる非言語(表情や身振り手振りなど)を近くで感じることができないので、間違った伝わり方をすることがあることも頭に入れておいてください。

(文:大関洋子)

2020/06/08(月)
第185回【子親編】「両親の別居危機」
【Q】
今まで仕事人間で家庭を顧みない父と家庭第一の母と思っていたんですけど、コロナ禍で外出自粛を強いられているうちに、家庭第一の父と、家庭のことはどうでもいい母という風に考えが変わりました。父は退職後もこれまでの人間関係でゴルフに行ったり飲み会に行ったり、けっこう忙しい毎日を過ごしていたので、父は家にいられない人なんだと思っていたんです。ところが外出自粛も全然苦にならないみたいで掃除をしたり、家族のために料理をしたり。家族と一緒にいることが楽しいみたいです。それに対して母は、父に不要不急の外出はするなって言われているにもかかわらず、毎日買い物に行ったり病院に行ったり。母は必要と言うんですけど、必要とは思えません。ここ半月ほどはとても険悪です。父が家にいるのに家にいられない母を見ていると、このまま一緒に生活していくのは無理じゃないかと思うようになりました。父も感染が怖いので、どこかに部屋を借りようかなと言い出しました。

【A】
あなたの年齢が分かりませんが、お父さんが退職されて何年か経っているようなので、40歳前後の方ですよね。それなら、結論から言わせていただきますが、あなたが悩むようなことではありません。ご両親の問題なので放っておいてください。
お父さんが、外出自粛をしないお母さんからの感染を恐れてどこかに部屋を借りようとしている、これでどこが「家庭第一の父」なんですか?!「今までは仕事人間で家庭を顧みない父」と「家庭第一の母」と思っていたんですよね。ちっとも変わってないんじゃないですか!

お父さんは我が身かわいさに自粛していただけ。自分の身に危険が及ぶかもしれないと思うと、お母さんを心配して力づくでもお母さんをステイホームさせようとはせず、「自分だけ」助かろうとしているというわけですよね。子どものあなたが「父が家にいるのに、家にいられない母を見ていると、このまま一緒に生活していくのは無理じゃないかと思うようになりました」と言って心配しているのですが、一緒に生活するのが無理か無理じゃないかを決めるのはあなたではなくご両親です。

お母さんの用事は不要不急かもしれません。でも、お父さんが急に家族のために料理を作ったり掃除をしたりするようになった家にはいたくないというお母さんなりの必要かつ急を要する気分なのかもしれません。今まで仕事人間で家庭を顧みない夫に対して、「この子(あなた)が一人前になるまでは」とじっと耐えていたのかもしれません。退職後も妻をいたわって二人で旅をしたり、一緒に趣味を楽しんだりしたわけでもなく、ゴルフに行ったり飲みに行ったりしていたお父さんが、コロナが怖くて急に家にいるようになったために、自分の居場所がなくなってしまったとは考えられませんか?

お父さんとお母さんの心と心は、あなたが心配している今よりずっと前から、もう離ればなれになっていたのでしょう。今回、お父さんが自分への感染を恐れて、自分だけ別居をするようなら、お母さんはお父さんと別れる決心をなさることでしょう。もし、あなたがご両親のことを心配して何か言いたいのなら、「この機会に二人とも逃げずにちゃんと向き合って話し合って」とおっしゃってください。

(文:大関洋子)

2020/05/14(木)
第184回【親子編】「男親なんだからあなたが見てよ」
【Q】
小学3年生の娘と5年生の息子がいます。休校も長くなって、子どもたちもストレスを溜めているのかと思いきや、親が子どもとしっかり向き合っていたことなんてこれまでなかったので、むしろのびのび休みを楽しんでいるみたいです。そうなって大変なのは親の方で、子どもたちの勉強も見なくちゃならないし、家で過ごす時間をいかに充実した時間にするとか、そんなことばかり考えています。娘は、私と一緒にパンやクッキーを焼いたり、食事の支度を手伝ったり…。マスクも手作りしてみて、それなりに楽しいみたいなんですけど、息子はキャッチボールをしたり、サッカーをしたりしたいと思うんですよ。夫に「男親なんだから息子のことはあなたが見てよ」と頼んだんですけど、「俺は会社に通勤してるし、感染リスクもあるんだから、おまえが2人とも見ればいいだろ」と何もしてくれません。やっぱり息子は身体も動かしたいだろうし、外出を控えると言ったって、近所の公園でキャッチボールとかちょっとサッカーするくらいしてくれてもいいと思うんです。

【A】
ごめんなさいね。まず、あなたの意識改革からお願いする回答になることをお断りしておきます。
男の子だから「外でキャッチボールやサッカーをしたいと思う」のは、お母さん、あなたですよね。「男親なんだから息子のことはあなたが見てよ」これも、あなたが思っているんですよね。息子さんが「僕、息子、男の子だからお父さんに面倒見てもらいたいよ」と言ったわけじゃないですよね。

5年生ということなので、体格がいいお子さんだと夢精があって精通が始まる子もいますが、この性に関することだって、男の子にはお父さん、女の子の初潮はお母さんと決まっているわけではないし…。確かに経験しないとわからないこともあります。私、お産を男の先生にやってもらって「はい、次に痛みが来たらいきんで!」と言われて、「おまえ、この陣痛ってやつの痛み、わかんないだろっ?!痛いって言っても、焼け付く感じもあるし…」って思ったことはあります。

ですが、今回のコロナ自粛で家にいるお子さんにとって、父親と母親の役割分担は全く無用。むしろ、娘さんと一緒にクッキー作りやパン作り、マスク作りをやっているのなら、息子さんにもやってもらったら、けっこううまいかもしれませんよ。ただ、あなたは男女区別を徹底して育ててきているようなので、はじめは「何で俺が?!」と異議を唱えるかもしれません。そこは今回の体験をプラスに活用して、息子さんに「楽しそう!」と思ってもらい、ご一緒してみませんか?もしかしたら、この体験がきっかけで世界的なシェフや服飾デザイナーが我が家から羽ばたくかもしれません。

そして夫さんからは、「俺は会社に通勤してるし、感染リスクもある」と断られていますよね。正論だと思います。子どもはこの自粛期間をそれぞれその子らしく過ごしています。むしろ、子どもにまっすぐ向き合うことに疲れてきているのは親の方。あなたも「子どもたちもストレスを溜めているかと思いきや、むしろのびのび休みを楽しんでいるみたいです」とおっしゃっています。まったく、その通りなんです。
「私が疲れたので早く学校や園を再開してほしい」と正直に語り、娘、息子、夫にあなたがカリキュラムを課すのをやめて、それぞれにやりたいことをやりたいようにやってもらい、その中であなたが支えてもらえることがあるという発見をしてください。

(文:大関洋子)

2020/04/27(月)
第183回【夫婦編】「夫のことが好きではない自分」
【Q】
子どもの学校が休みになり、私も仕事を休むことにして、毎日家で過ごしています。緊急事態宣言が出されてからは、夫もテレワークだけになり、ずっと家にいることになりました。最初の2、3日は良かったんですけど、もう限界。一日中夫の顔を見ているのなんて新婚旅行の時以来ですけど、夫の行動や仕草にいちいちムカついて、夫のことが好きではない自分に気づかされました。子どもがいなければ、すぐにでも家を出たい気分です。外にでも出てみれば気分が変わるかなあと思い、1人で散歩をしたり、買い物をしたり…。でも、いったん好きではないって思ってしまうとどうにもそこから抜けられなくなってしまいました。この状態がしばらく続くかと思うとぞっとするし、一緒にいることが苦痛なんだと思ってしまった今となっては、状況が変わったとしても夫婦でいることは無理かもしれません。

【A】
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、緊急事態宣言が発出されました。7都府県では収まらず、全国に発出されたわけですが、不要不急の外出自粛が要請され、要請に協力した企業、商店などへの休業補償がやっと本格的に検討され、支給が本決まりになると、各企業がテレワークに取り組み始めました。あなたの夫の会社もいち早くテレワークで在宅勤務を導入したんですね。妻のあなたも子どものために仕事を休んでいるので、一日中夫婦で顔を合わせている。お子さんがいるにしても、新婚旅行以来久々の夫婦水入らずなのに、3日で限界ですか?!確かに今、「#コロナ離婚」というキーワードで検索すると、不平不満のツイートがたくさんヒットします。

前回ご紹介したほかにも「子ども勉強、見るように頼んだら、いつの間にか2人でゲームに没頭してた」「夫が掃除してくれたけど全くきれいになってない。洗濯も洗い直し」「夫に“掃除して”と頼んだら、“掃除せなあかんなら家出るわ”と言われた。出ていくがいい!」などなど。象徴的なものに「私の敵はコロナであり旦那でした」。
私の研究所へも40代の男性から「私が少しでも妻の手助けをしようとして料理を作ったのに、味が薄いとか濃すぎるとか文句ばかり」「洗濯洗剤の量が違う。干し方も」と言われる等の切羽詰まった電話が続いています。要するに、この新型コロナによる外出自粛の事態は「夫婦とは何か」、「家族とは何か」を考えさせる試金石になっているということです。

過去の歴史の中でも、天災、人災を問わず、人類にとって命に関わる未曾有の大惨事が起きると、人は自分にとって何が一番大切なことなのか、誰が一番大切な人なのかを考え、そして決断し、行動してきました。タイタニック号が沈む時、誰を救命ボートに乗せ、自分はどう命を終えるか、夫婦2人で静かに時を待った人もいれば、妻だけを無理矢理ボートに押し込んだ夫もいました。
人の生き様が問われる時に当たって、3日で夫といることが限界なら、今後30年、40年、人生を共にすることは諦めて、自立の道を探すしかないでしょう。今、気づいたようですが、もうだいぶ前からあなたの夫への愛情はなくなっていたということです。
(文:大関洋子)