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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2017/10/20(金)
第129回【親子編】「娘の夢は銀行員」
【Q】
高校1年生の娘が、「銀行員になりたい」と言い出しました。私も、夫も猛反対。夫が娘に「おまえはどうして銀行員になりたいんだ?」と聞くと、娘は「銀行って、人の人生に直接影響を与えるところでしょ。例えば個人であれば財産の管理、相続とか投資とか…、会社であれば融資を通じて会社の存続に直接影響を与えてる。そういう人の運命を握ってるってすごいなって。だから私、支店長になって、自分の力で人を幸せにしてみたい」と言うんです。夫は、「女が銀行に勤めたって、窓口業務でこき使われるのが関の山。法人営業が女じゃ、相手の会社はなかなか信用してくれない。私は女の支店長なんて一人も知らないぞ。女なんだから、公務員、教員、看護師くらいを目標に勉強したらいいだろっ!」と強い調子で娘に話をしました。私も夫に同感です。

【A】
ぜひぜひ、娘さんの進路希望をご両親は応援してあげてください。私も、そして日本の社会全体で応援したいと思います。高校1年生でこれほどしっかりした目標、目的を持っているなら、必ず女性支店長になってくれると信じていますし、社会も皆で支えなければなりません。
現在、世界経済フォーラムが毎年発表する「グローバル・ジェンダーギャップ指数」男女平等ランキングで、2016年の調査対象144カ国のうち、日本は111位で、過去最低となりました。前年に比べると10位、10年前に比べると31位も順位を落としています。この「ジェンダーギャップ指数」は、政治、経済、教育、健康の4分野のデータをもとに男女格差を分析したものです。アイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンなどの北欧諸国が上位に来ています。5位にルワンダ、フィリピンが来てちょっと不思議に思うかもしれませんが、この指数は、男女差(ジェンダーギャップ)なので、男女の平均が共にまだ低くても、男女が不平等に扱われていなければ上位に来るわけです。逆に全体としては、この4分野では高い水準であっても、男女差が激しいと、アメリカは45位、イタリアは50位です。北欧を除くヨーロッパでは、男女が平等に扱われているドイツが13位です。
それと大きく離れて、中国99位、日本は111位、韓国116位。114カ国の調査対象国のうち、日本がなぜこんなに順位が低いのかというと、健康面ではほぼ平等、教育も大学進学率などはほぼ平等です。政府は、学ぶ分野で科学、テクノロジー、工学などで女性の数が少なく理科系女子(いわゆるリケジョ)を増やそうとしていますが、実はこれも近年それほど大きな差があるわけではありません。
大きく差が出るのは、政治や経済の分野です。政治では、国会議員、閣僚、首相はじめ地方の長の数は圧倒的に男性が多く、第3次安倍内閣においても20人の閣僚のうち女性はわずか3人でした。
あなたの娘さんが希望している経済の分野では、企業幹部(社長、取締役)に占める女性の数が少なく、ご両親が心配なさるのも分かりますが、現在「女性の登用が企業の利益にとってプラスになる」という考え方が政府はじめ各企業には強くあり、「女性枠」を設けているところもあります。これは単に数を増やせばいいという発想ではなく、女性の様々な視点(ダイバーシティ)があることで、新規事業の成否の判定がより的確になったり、不祥事を防ぐことが出来るなどの危機対応能力が高まることが証明されつつあることによるものです。
(文:大関洋子)

2017/10/13(金)
第128回【夫婦編】「息子のサッカーコーチに誘われて」
【Q】
幼稚園年長の息子がいます。課外のサッカー教室に入りたがったので、夫にも相談して入れてやりました。夫も高校までサッカーをやっていたので、息子がサッカーを始めたことで大喜びしています。私はサッカーはよく分かりませんけど、練習が終わったあとのお母さんたちとのお茶会が楽しくて…。そして、何より楽しいのはコーチが一緒にお茶してくれるとき。先日は「たまにはお子さん抜きでいろいろお話ししませんか」と言われ、幼稚園が終わる前にみんなでお茶しました。気は利くし、優しいし、夫とは大違い。そんな風に思っていたとき、コーチが私に「お子さんのことでお話ししたいんですけど、2人でお茶しませんか」って言うんです。子どものことって言われれば、お断りするのもと思いお茶しました。ところが子どもの話はほんの10分くらいで、あとはなんとなくだらだらと2時間。コーチが席を立つ気配もないし、私はもちろん立ちたくないし。そして別れしなに「またお子さんのことでお話しがあるときは、お誘いしますから」と言われたんです。私は、ドキドキしました。これはますいんじゃないかなあと思いつつ、今度はどこに行くんだろうと期待している自分がいるんです。

【A】
「今度はどこに行くんだろうと期待している自分がいる」と正直におっしゃっています。当然、2人の性の関係を予測してのことですよね。
突然話は飛びますが、「進化」という視点から考えると、動物個体が生きている究極の目的は、生き残り、子を作り、自分の遺伝子を次世代に残すことです。オスは、出来るだけたくさんのメスと交配して、たくさんの子を作り、自分の遺伝子を残そうとします。メスは、どんなにたくさんのオスと交配しても出来る子の数は自分の作る卵の数より多くなることはなく、ヒトを含む哺乳類では、普通、妊娠期間中と授乳期間中も子は作れないので、メスが自分の遺伝子を残せる子の数は一生でとても少なくなります。ですからメスは、数少ない卵が出来るだけ生き延びられるような優秀なオス、あるいは食べ物や隠れ場所など子どもが育っていくのに必要な資源をたくさん持ったオスを注意深く選ぶことになります。
ちなみに、ヒトの男女が残せた子どもの数ですが、1994年のギネス記録では、男は17〜18世紀のモロッコ王、ムーレイ・イスマイルの残した「少なくとも1042人」という数字です。「少なくとも」という曖昧な表現なのは、女の子は途中で数えるのを辞め、男の子も700人を超えたあたりで数えるのを辞めてしまったからだと言われています。
ヒトの女性による子の数のギネス記録は、27回の妊娠で、69人の子どもを産んだとされていて、これもすごい記録ですが、まあ男性の1042人には遠く及びません。
というように進化の歴史をひもとけば、オスもメスも、いえ男も女も、自分の遺伝子の生き残りをかけて性の関係を持つわけですし、はるか昔の狩猟採集時代であれば、獲物を上手に仕留めた男とセックスして、そのセックスと引き換えに食糧を手に入れた女は、その食べ物のおかげでそうしなかった他の女より生き延びて、より多くの子孫を残すことが出来たのです。
資源と引き換えのセックス、セックスと引き換えの資源、太古の昔は進化の過程で動物はもちろん、ヒトもこうして生き延び、自分の遺伝子を命がけでつないできました。
さて、あなたが生きているのはまさしく21世紀の今、進化の生き残り戦略は、もはや必要ありません。にもかかわらずお子さんのコーチは本能の中に隠れている太鼓の生き延び戦略の呼び声にくすぐられて、あなたに近づいています。そして、あなたご自身も同様です。どうぞ、ヒトの進化の過程ですでに不必要になった戦術に思いをはせ、それでも2人の間に真実の愛を見つけられるようなら、次を期待なさるのもよろしいでしょうが、そうでなければ、「次」も「お茶」で止めておくか、お断りになるのが賢明と思います。
(文:大関洋子)

2017/09/21(木)
第127回【恋愛編】「2人いる彼氏は親友同士」
【Q】
22歳、学生です。今、彼氏が2人います。1人は、私にもう1人彼氏がいることを知っているんですが、もう1人は知りません。っていうのは、2人の彼氏は高校時代からの親友で、もともと知らない方の彼と私が付き合っていたんですけど、最近彼の親友の方の彼と付き合い始めたので、元からの彼氏は私が彼の親友と付き合っていることを知らないんです。なんでこんなことになっちゃったかって言うと、あるとき彼氏2人が飲んでいるところに誘われて3人で飲むことになったんですけど、元からの彼氏が先につぶれて寝ちゃったんです。その時彼氏の親友が、私にいきなりキスしてきて…。本気っていうより酔った勢いだったんだと思うんです。そのまま身体をもたれ合っているうちに、そういう関係になっちゃって…。私もけっこう酔っ払ってたから…。それで、元からの彼氏には、秘密ができちゃったんです。秘密を共有するとますます関係が近くなっちゃって…。今でも元からの彼氏は大好きだから別れないでいるんですけど、あとからの彼氏とは好きという感情より、彼と別れたときに元からの彼氏との関係を壊そうとするんじゃないかって不安で別れられないんです。でも、これからどうしていいか全く分からなくて、ずるずるこのままになりそうで怖いんです。

【A】
古今東西、この手の話はよくあることで、裏切ったり裏切られたりということが起こります。私たちは夫や妻はもちろんのこと、恋人や婚約者にも精神的、肉体的忠誠を要求し、何とか浮気されることを阻止しようとします。
そのわけは、男と女では違いがあって、女性は妊娠、出産、子育てという恋愛の次にやってくる大仕事に、男性の精神的裏切り、つまり自分と子どもを捨てて他の女性の元へ走ってしまう浮気は、男性からの献身や経済的資源の供給の終わりを意味し、それは自分と子どもの生きていく支えを失うことになるわけです。
男にとって女の裏切りは、生物として最も重要な種の保存、自分の遺伝子の継承の有無とつながります。メスの体内で受精が行われ、メスに発情期という兆候がはっきり分からない哺乳類のヒトという種では、DNA鑑定でもしない限り、ヒトの男には自分が生まれてくる本当の父親かどうかは分かりません。ですから、男にとって、女の浮気は自分の稼ぎで、狩猟採集時代であれば命がけで闘い勝ち取った獲物で、他人の遺伝子を持った子を何年もかけて育てるということになります。
こういう事情から、私たちヒトは、男も女も相手の裏切り、つまり浮気を何とか阻止しようとするのです。それにもかかわらず、もう1つの本能にかられてヒトは浮気をします。男性は寄り多くの女性とのセックスで自分の遺伝子をたくさん残そうとし、女性は「より優秀な遺伝子を得るため」一人ではない男性と交わろうとします。
というのが、遺伝子学上の浮気の定義ですが、あなたの浮気は「秘密の共有」という刺激と「元からの彼氏は今でも好き」という自分の都合が加味され、ずるずる2人と付き合っているとのこと。まさか、今の時代、夏目漱石の小説「こころ」のように親友が自殺をしてしまい、主人公の「私」は一生それを背負い続けるということにはならないとは思いますが、精神的、肉体的な裏切りが元からの彼氏に分かったときは、彼は少なからぬショックを受けますよね。親友である男性2人の関係もまた、深い苦しみと悲しみに襲われるに違いありません。それをあなたは十分覚悟の上で苦しみながら関係を続けていらっしゃるのですね?それとも、もう全く新しい型の恋愛関係として3人の恋(1人の女性を2人の男性が愛するという恋愛を3人が納得する)を創る努力をしようとしているのでしょうか。いずれにしても、相当の覚悟が必要なことを自覚してください。このままでは、あなたはどちらの男性も失うことになりますよ。
(文:大関洋子)

2017/09/07(木)
第126回【職場編】「でき婚? そりゃないだろっ!」
【Q】
私の会社は男性8割、女性2割の会社です。働きやすくていい会社と思っていたんです。ところが一昨年。先輩の女子社員が、別な部署の男性社員と結婚して退社するっていう話になったんです。そういう時って、普通、みんなで祝福しませんか。それが、表向きは「おめでとう」って言ってはいるんですけど、陰では「求人難で、いい人材確保が難しいタイミングで退社する?結婚を半年ずらすとか、結婚しても子どもが出来るまでは辞めないとか、いろいろやり方はあるよね」なんて、悪口の嵐。
結局、そんな話が本人に聞こえたのか、籍は入れるけど、披露宴は半年後、退社はさらに半年後、なんて話になっちゃったんです。彼女が辞めても旦那は社員なわけだし、仕方ない選択なのかな?
ところが先日、まったく逆なことが起こったんです。後輩の女子社員が別な部署の男性社員と「でき婚」するって言うんですよ。しかも、すぐ退社するとか…。先輩の悪口言いまくってた人なのに、本人が「先輩みたくなりたくないんで先に作っちゃった」って親しい人たちに言ってるっていうじゃないですか。うちの会社っていったいどういう会社なんですか!

【A】
結婚をすると「女はウチ、男はソト」というこの考え方は、実は第一次大戦以降の日本型近代家族の形なのです。今「これからは女性も仕事をする時代だ」とよく言われますが、第二次世界大戦以前、日本の人口の過半数を占めていた農家では、妻も子どもも含めた一家全員で農業をすることが当然でした。
性別に基づく役割分業は、人間社会のほぼすべてに見られる現象ですが、日本で女性が結婚すると生産労働に従事せず「専業主婦」になったのは、長い歴史の中ではまだほんのわずか100年足らずのことなのです。
明治、大正期に産業が発展し、実家を継いで農業をすることができない次男以下の男性が都市部に流入し、比較的安定した収入を得られるホワイトカラー層が登場しました。第二次世界大戦後の好景気がそれを可能にしたのです。そして、女性はソトで働かず、国家に人的資源(夫を労働力として提供し、たくさん兵力になる子どもを産む)を安定供給する役目を求められるようになります。それまでの家制度とは違った過程が確立され、女性は「良妻賢母」として「ウチ」にいて夫に尽くし子育てに責任を負うべきという考え方が浸透していきました。1970年代中頃まではこうした政治的文化的背景によって女性の有業率は上昇に転じ、現在では兼業主婦が多数派を占め、女性が職業と主婦業の二者択一、いや、二重負担に悩むという状況を生み出しているのです。
ですから、あなたの結婚して退社するつもりが「人手不足なのに、今辞めるのか」という悪口の嵐とのことですはが、この「結婚退社にウチで主婦」という文化を考え直してみませんか?また、後輩も「でき婚」で即退社という「良妻賢母」型の生き方を継承しているもっとも顕著な例ですよね。「求人難でいい人材確保が難しいタイミングで退社」という悪口の嵐を「でき婚」ですぐ退社する後輩は受けずにすんで「そりゃないだろっ!」と怒る前に、結婚したら「女はウチ、男はソト」のできあがった近代の発明品である文化をしっかり考え直してみてください。
こういう考え、文化の流れが続いてしまう限り、女性の「ガラスの天井」現象は破れません。人生をどう生きるか、結婚を機会に女性も、そして人生のパートナーの夫も根本から考え、話し合う時代ではないでしょうか。
(文:大関洋子)

2017/08/17(木)
第125回【子親編】「義母が先に亡くなって…」
【Q】
夫とは24歳で結婚しました。それから28年、2人の子どもは独立して、これから夫と2人でゆっくり過ごそうと思ったのも束の間、義母が急に亡くなり、義父の面倒を見るため同居することになりました。もし、残されたのが義母だったら、おそらく施設に入居して介護は考えなくて良かったと思うんですが、義父は施設は嫌いなので、私が介護するしかなかったんです。義父はまだ70代。まだまだ充分男を感じさせる雰囲気の人で、本人も男としての意識を持ち続けています。義母があまりにも突然他界してしまったので、義父は現実を受け入れられていないようで、これまで義母に面倒を見てもらっていた感覚が抜けず、義母の代わりを私にさせようとします。私にとってはまるで夫が2人いるよう…。しかも世代が違う分、義父は夫よりも傲慢で、私の感覚では受け入れがたいことばかりで、毎日怒鳴り出したくなります。

【A】
人が老いを受け入れるのはいつ頃なのでしょうか。何歳になったら老人かということは個人差が大きく明確にすることは難しいので、一般的には65〜74歳が前期高齢者、75〜84歳が後期高齢者、85歳以上は超高齢者と3期に区分されています。しかし、アメリカのJ・タックマンによると70歳代で自分を老人と認める人は38%で、62%の人は「まだ若い」と思っているとの調査結果を発表(1953年)しています。
このように老性自覚の個体差の巾は大きなものとなっています。そして「老いを自覚する契機」として70%以上の人が「視覚の衰え」「易疲労感」「疲労回復困難」を挙げています。(新井保男著 老年心理学)老年期は喪失の時代でもあり、体力の衰え、記憶力の低下、人間関係の縮小、同世代の人や配偶者の死によって自分も老いを受け入れていく過程でもあります。ところがあなたの義父は70代ということや体力的にはまだ元気で、しかも急逝された義母にしっかり面倒を見てもらっていた生き方のくせが抜けず、息子であの妻であるあなたを義母の代わりにしています。あまりにも自分の妻の死が突然で、現実を受け入れがたいのです。
これもアメリカのキューブラー・ロスは「死ぬ瞬間」(1969年)という画期的な著作の中で「人が死を受容するには5つの段階がある。@否認 A怒り B死の代償として何かを望む取引 C抑うつ D受容 の5つの段階である」と言っています。
これは多くの臨床患者本人とのカウンセリングの経験から死の受容に至るまでの心の変遷を明らかにしたものですが、実は義父もまだこのプロセスを完了していないのです。@自分の妻が死ぬわけがない A自分を残してなぜ先に死んだ! B私の面倒は誰が見るんだ!? の段階のように思われます。現実を受け入れ始めると、C妻は私を残して死んでしまった、息子の妻は私の妻ではないのだと落ち込む「抑うつ期」がやってきます。それを経て、人は自分や近親者の死を現実として受け入れ、運命に身を任せ、運命に従っていくのです。
あなたのご心労も分かりますが、ここは夫にも協力してもらい、もう少し時間を稼いで、義父が妻の死を受容できるよう待ってあげていただけませんか?今、やみくもに「私はあなたの妻ではありません!」と声を荒げても、義父はかえってキューブラー・ロスの言う@否認やA怒りに戻ってしまうと思われます。

(文:大関洋子)

2017/08/03(木)
第124回【親子編】「娘の性の教材はアダルトビデオ?」
【Q】
大学1年生の息子と高校2年生の娘がいます。息子には大学に入ってから付き合い始めたガールフレンドがいて、時々家に遊びに来て、夕飯を食べて帰ります。その子とお付き合いするようになるまでは、部屋の中に成人雑誌やアダルトビデオなどが隠してあって、親としては少し不安な面もあったんですが、最近では部屋もきれいに整頓され、余計なものはなくなりました。
ところが、息子の部屋にあった雑誌やビデオを娘の部屋で見つけたんです。子どもたちに確かめるわけにもいかないので、はっきりしたことは分かりませんが、息子が娘にあげたというわけではなく、娘が息子の捨てたものをこっそり自分の部屋に持ち込んだらしいんです。しかも、それを性の教材にしているみたいなんです。
成人雑誌やアダルトビデオの内容を鵜呑みにして、性に対する考え方がゆがめられるのも困るし、そういう相手がいるのではないかととても心配です。

【A】
性交体験の低年齢化、避妊実行率の低下、若年層の性感染症、HIV、予期しない妊娠の増加など、思春期の子どもたちの性を巡る危機的状況があちこちで聞かれます。加えてセクシュアルマイノリティLGBTの性も問題になっています。寝た子を起こすなとか大人になれば自然に分かると言って、先輩が後輩に夜這いや遊郭での性を教え教わっていた時代は、とても間違った性の知識や文化が蔓延していて、妊娠や堕胎で生命を落とす女性があとを絶ちませんでした。いたずらに処女性が祭り上げられ、それが高価な値段で売買されたり、犯されて処女を失ったことで自分の価値がなくなったと思い自ら命を絶ったのも、過去の女性たちでした。これほどまでに暗く苦しい性の歴史を繰り返してきた今こそ、開かれた性教育を国を挙げて行う必要があります。
ところがマスコミなどのメディアはもちろん、学校教育の中でさえ正しい性教育をすることを避ける傾向があります。伝統文化が崩壊したり子どもや女性の性についてのモラルが低下するのではと考える人たちもいるようです。しかし、こういう風潮の中での一番の被害者は、間違った知識や性文化をインプリンティングされるあなたのお子さんたちです。
人を愛すること、性の関わりを他者と持つことの大切さと素敵さを知る思春期こそ、一人ひとりの自立や人権を尊重し、科学的、医学的、そして精神的に充実した性を学び、男女が共に生きる喜びを分かち合える性の文化を獲得するときなのです。
兄から妹へと伝わった性の教材は、決して人の心や身体を尊重し、性も人生と同じ、一人ひとり違っていいことや、自己選択、自己決定によってその喜びを創っていくことを教えるものではありません。画一的ステレオタイプの女性像、男性像を良しとし、性器の形状や発達の違いも否定するまことにお粗末なものでしかありません。それらの雑誌の広告につられて必要のない包茎手術で高額な金銭を使ったり、身体に後遺症を残したりした子どもたちもいます。
この際、ご子息には父親が、娘さんには母親が「愛と性の素晴らしさ」と「科学的な性の知識」を話すチャンスと捉え、そういう時間を作ってみてはいかがですか?できれば家族で話ができたらいいですね。
(文:大関洋子)

2017/07/20(木)
第123回【夫婦編】「お酒が入ると別人になる夫」
【Q】
女ばかりの同僚と飲みに行った居酒屋で声をかけられたことがきっかけで結婚しました。
夫は3歳年上の40歳、結婚して10年です。出会った時は、明るくて楽しい人と思ったんですが、二人きりでデートするようになってシャイで無口な人とわかりました。でもそこが誠実というかまじめな人に見えて、「結婚するならこういう人」と結婚したんです。ある程度は当たりかな?8歳の息子と5歳の娘がいるんですが、子どもに対してもあまり態度が変わりません。
ところがお酒が入ると別人になるんです。とにかくしゃべるしゃべる。それだけならいいんですけど、そのうち会社の愚痴が始まり、だんだん機嫌が悪くなって、最後は私に当たります。とにかくありとあらゆる言葉を使って罵るんですよ。酔っ払いとは言え、さすがに私だって腹が立ちます。
それが週に2、3回。以前は、外で飲んでくるよりはいいかと思っていたんですけど、最近そんな様子を子どもに見せたくないので、飲むのを止めてくれるか、外で飲んで子どもが寝た後帰ってきてほしいと思うようになりました。夫の態度次第では夫婦生活が続けられないかもしれないと感じ始めています。

【A】
いつもはこんな人じゃないのに、お酒が入ると別人になってしまうという人よくいますよね。お酒を飲むと心が開放されるのですが、「普段、口数が少ないのにお酒が入るととたんに饒舌になってしまう」という場合の事例があなたの夫ですね。
もともと、口べた、シャイで無口、自己主張に乏しいタイプの方がなりがちです。心が開放的になるとつい普段言えない鬱積した気持ちを吐き出そうとする心理が働きます。普段よりちょっとよくしゃべり陽気になる程度ならいいのですが、妻に当たり、あらゆる罵詈雑言を使って罵るというのは、今後結婚生活が続けられないと思って当然です。
人は普段、理性によって自分を抑制して生きています。本来の自分を理性によって隠し、人との付き合いを円満円滑に行おうとしています。お酒を飲む理性を司っている前頭葉の働きが鈍くなり、本来の自分が顔を出します。お酒を飲む量、飲むタイミング、飲む状況を自分でコントロールできなくなってしまった状態をアルコール依存症と呼びます。
もうこうなると本人の意志が弱いからと言うだけでなく、耐性ができて酔いにくい身体になり酒量も増え、今までの量では満足できず、飲み続けることになります。こうなってくると、お酒も麻薬や覚醒剤と同様の依存性薬物の一種となる生活習慣や人間関係が悪化し、仕事上でも失敗を犯すことが増えてきて、最悪の場合職を失うことにもなりかねません。
また、よくないことに日本文化では「お酒の上でのこと」は大目に見られ、「あの時はちょっと飲み過ぎちゃって」とか「ちょっとお酒が入っていたものだから」ですまされることも多かったのです。
お酒の歴史は、最も古いとされる果実酒は紀元前4000年ごろにメソポタミア地方のシュメール人によって飲まれ、その後同じくメソポタミアで紀元前3000年ごろには、ビールが造られていたという記録が残っています。ウイスキーや蒸留酒登場の最初の記録は、ずっと後の11世紀初め、イタリアの医師によって作られた医薬品用のアルコールだったそうです。日本酒は、奈良時代8世紀ごろ、祭礼や正月、慶事の時、神前へお供えし、それをいただくという風習でした。「酒は百薬の長」とも言われ、よい飲み方をすることで人間関係を円滑にし、健康にもよいとされています。
あなたの夫の場合は、妻はもちろん、子どもたちにも悪影響が出ていますので、お酒を止めてもらうよう厳しく話し、止めなければ離婚もやむなしとはっきりおっしゃってください。また、夫のひどい様子を動画に撮って、しらふの時に見せ、アルコール依存の治療も視野に入れた方がいいかもしれないと夫婦で相談してください。
(文:大関洋子)

2017/07/06(木)
第122回【恋愛編】「彼の弟が好きな私」
【Q】
彼とは就職のための会社訪問をしたとき知り合い2年間付き合っています。スーツ姿でばりばり働いている彼は頼もしく映りました。その数日後、会社から出てくる彼を待ち伏せして、偶然会ったかのように装って私から声をかけました。
半年くらい経ったころ、彼のお家で夕飯をご馳走になりました。そこで弟を紹介されたんです。長男でしっかり者の彼と次男でおっとりした弟。彼のまじめさやばりばり感に少し疲れてきていた私は、弟の方により惹かれちゃったんです。

その後なるべく彼の家に行くようにして弟に会う機会を増やしました。彼の誕生プレゼントを買いたいから付き合ってと弟を誘い出したり、「私が料理を作るからお兄さんが気に入るか食べてみて」とひとり暮らしの私のマンションに呼んだりもしました。

今では、彼に会う回数と弟に会う回数が同じくらい。弟の方も、私の気持ちには気づいていて、私に好意を持ってくれていると思います。先日、わざとホラー映画に誘って、怖がっているふりをして手を握ったんです。そしたら映画が終わるまでずっと握ったままでいてくれました。そろそろ弟に告白して、彼にも私の気持ちを話そうと思うんですが、それが弟との「別れにつながったら」と思うとどうしても話せません。

【A】
7月6日はサラダ記念日。「この味がいいねと君が言ったから」と歌い出した24歳の新人歌人の俵万智さんはその後の七七を「7月6日はサラダ記念日」と締めくくりました。それまでの万葉集や古今和歌集の短歌を短歌と思っていた人々にこの口語体の短歌は賛否両論を沸き起こし、その中で280万部売れ、今年で刊行30年を迎えました。
その間「サラダ記念日」の10年後、俵万智さんは34歳で「チョコレート革命」を刊行し、ここでは、道ならぬ恋も歌の中に読み込んでいます。「焼き肉とグラタンが好きという少女よ 私はあなたのお父さんが好き」と。この短歌の中の「私」はこの少女の父親のことが「好き」と言っているのですから、道ならぬ恋も恋。すでに妻もいて焼き肉やグラタンが好きな少女がいる男性を好きになってしまったと告白しています。
あなたの恋は、これに比べたらまだほんの序の口。付き合っている男性の父親が好きになったわけでもないのですから症状はまだ軽いと考えて、こじれないうちに手を打ちましょう。告白が別れにつながる心配をしているようですが、映画館であなたの手をずっと握ったままでいたのですから弟も同罪。いえ、あなたと同じ気持ちだったのでしょう。
彼の誕生日プレゼントの買い物を装って弟を連れ出したり、兄さんが気に入るかどうか食べてみてと騙して自分のマンションに呼んだり、最後はホラー映画を怖がる演技までしてお疲れ様でした。だいぶ遠回りをしましたが、兄の方の男性と2年間付き合っていての果てですから、あなたも弟君の気持ちを確かめたかったでしょう。
そこまでは仕方がなかったとしても、もうコソコソと兄の方を欺くのを止めましょう。本当は弟君の方を好きだと気づいたとき、弟君の気持ちがどうかと確かめて乗り移るのではなく、はっきり兄の方に「弟のことが好きになった」と告白して身を引くべきだったと思います。今さら、弟に告白して「別れる」と言われるのが怖いというのは魅力的な女性の考えることではありません。
厳しいようですが、恋人とか夫以外の誰かを愛することがあるのは仕方のないことですが、腹をくくる覚悟を決めて自分の本当の気持ちを伝えてください。ただ、2人とも、恋人とか兄の目を盗んで会うことに刺激を覚えて「愛している」と錯覚することは心理学上よくあることなので、兄が「そう、それならそうすれば」と身を引いたとたん、彼もあなたも気持ちが冷めるかもしれませんので、申し添えておきます。
もう一つ、俵万智さんが彼のために作ったのは実は「サラダ」ではなく、「カレー味の鶏の唐揚げ」だったそうです。

(文:大関洋子)

2017/06/22(木)
第121回 【職場編】「後輩に勘違いされて…」
【Q】
「今年の新入社員はジャニーズ系の子多いよね」と女子社員の間では話題になっているんです。私も確かにそう思います。その男の子達と何度か飲み会をしました。可愛い男の子をゲットしようっていうあからさまな態度の女子社員もいるんですけど、男の子達にしても、まんざらでもないみたいで、何人かは付き合い始めています。私は彼氏もいるし、年下の男の子に興味ないんですけど、不覚にも飲み会の時に体調が悪かったのか酔いが回って、ほんの10分ほど1人の男の子にもたれかかってしまったんです。その男の子は、まだ女性経験が少ないらしく、たったそれだけのことで、私が好意を持っていると勘違いをしてしまいました。その後の彼の目線はそれまでと明らかに違うし、私の身体によく触るんです。後ろから「あのー」と肩に触れたり、私から何かを手渡しするとき、偶然触れてしまったみたいに手を触れたり…。「その気はないから」っていうシグナルは送っているつもりなんですけど、いったん勘違いしちゃうとしつこくて…。はっきり言おうかとも思ったんですが、私にも少しは落ち度があるし、うぶみたいなんで、今後、同じ会社で勤めていくのに、ひどく傷つけちゃったらどうしようと困っています。

【A】
「酔いが回って」という言い訳は無し!
日本のように「お酒の上で」に甘い国は世界中ないそうです。しかも「10分も1人の男の子にもたれかかった」んでしょ?!「たったそれだけのことで」ってあなた、そりゃ女性経験の少ない人でなくても好意を持っているって勘違いしますよ。
本当に勘違いなんですか?
1900年「夢判断」という本を著した精神分析医ジークムント・フロイトは「無意識の中にあるものは、形を変えて意識の中に現れる。それを調べると無意識を知ることができる」と言っています。そして心の底に隠されている無意識は次の3つの形に現れるのです。1つは「夢」、2つ目は「神経症」、すなわち「心の病」、3つ目が「日常生活における“間違い”“失敗”」です。まさにあなたが「間違って」彼に10分寄りかかってしまった「失敗だった」と言っているこの行為です。しかもアルコールで心の底、無意識のふたが開きやすくなっていました。
日常生活における間違い、失敗、しくじり、へまをひっくるめて、精神分析学では「失錯」とか「失錯行為」と呼んでいます。フロイトは「刑事が殺人事件を捜査するとき、犯人が自分の写真と住所を現場に残していくなどということを期待するだろうか。そうではなくて、犯人が知らずに残した微細な痕跡を手がかりにして犯人を捜すのではないだろうか。精神分析においても、特に些細な問題が大問題につながっているのだ」(鈴木晶著「フロイトの精神分析」)と言っています。
あなたは彼氏もいるし、年下の男の子に興味がないと言っていますが、「今年の新入社員はジャニーズ系の子多いよね」と女子社員が話題にし、「私も確かにそう思います」とも言っています。フロイト流に言えば、その時点で無意識にその男の子に好意を抱いていたことになります。「その後の彼の目線」、「身体によく触る」ことなど、「勘違い」しているのは彼ではなくあなたの方かもしれません。無意識にあなたが彼に好意を持ってしまったけれど、意識の世界で「彼氏がいるのにそれはまずいだろ」と考えているのだとしたら、「私にも落ち度があるし」とも思っているのですから、何もわざわざはっきり「その気がないから」と言って、恥をかくことになるのはやめておいてはいかがですか?
それより、これを機会に謙虚にご自身の無意識と向き合って、「年下の男の子と付き合っちゃう」なんていうのもありではないでしょうか。

(文:大関洋子)

2017/06/08(木)
第120回 【子親編】「お義母さんが浮気?」
【Q】
夫の両親と同居して3年になります。家事は私がすべて担うようにしました。義母も家事の負担が減って喜んでいるので、同居することにしてよかったと思うのですが、先日ショッキングなことがあったんです。
久しぶりに友人と銀座でランチをしたんですが、入ったお店に義母が男性と2人でいたんです。義母は65歳ですが見かけは50代、でも相手の男性はどう見ても40代です。楽しそうに食事をしている義母を見たときはびっくりしました。声をかけようかとも思ったんですが、かけられるような雰囲気ではなかったので、むしろ私がいることに気づかれないように店を出ました。
家に帰ってから「お義母さん、今日はどちらに?」と聞くと、「あなたも知ってるわよね、Yさん。上野でお昼をご一緒したのよ」と嘘を言われて、ますますその男性とのことが気になります。私の受けた印象では恋愛感情を持っているのは明らか。私が家事を引き受けていることで義母が浮気をしているとしたら、家事を担っていることがいいのか悪いのか、夫になんて話そうか…。どうしたらいいのか、まったくわかりません。

【A】
余計なお世話ですね。あなたが家事を担うことで浮いた時間をお義母さんが何に使おうとそれは彼女自身のも選択です。あなたが心を煩わすことではありません。65歳の義母はすでに子育ても終わり息子にはあなたのように同居して家事のすべてを担ってくれるいい嫁が来ています。見かけは10歳も若く見える義母が40代の男性と楽しそうに銀座で食事をしていたのをほほえましく思ってあげてください。しかもお義母さんはあなたに聞かれて嘘をついているわけですから、隠しておきたいのは明らか。もし2人が性的関係を持ったとしても妊娠の心配もないわけですし、これが発覚して困るのはお義父さんとの関係だけです。お義父さんとは長い結婚生活の末にこうなっているわけですから、バレたとしても、お義母さんは「もう今までの結婚生活は終わりにしてもいい」と思っているのかもしれません。
いずれにしても、それはご両親が2人で考えること。それによってお義母さんが家を出るというような事態にまで発展するかもしれませんが、それによって被るあなたの被害は世間の目ですか?
65歳で人生最後の恋ができる義母を応援してあげるくらいの余裕を持ってあげられるといいですね。もしこれが義父のしたことならどうでしょう。「男の浮気は年をとっても直らない」「お義父さんてもてるのね」、くらいの軽い気持ちで受け取るのではありませんか。それも偏見です。
浮気を推奨するわけではありませんが、ロンドンに本社を置く「シモンズ」というベッドメーカーは「人生を変えるベッド」として世界に愛されるベッドを製造販売していることを誇っていて、「特定のパートナーがいるときにそれ以外の相手とセックスをしたことのある人の割合」を調査したことがあります。少し古い2004年の調査で、イギリス、アメリカ、オーストリアで日本は入っていませんが、男女の半数弱が「ある」と答えています。
お義母さんも家を出る程の覚悟はなく、軽い気持ちで食事を楽しんでいるだけなのかもしれません。勝手に「恋愛感情を持っているのは明らか」と決めつけてしまうのはいかがなものでしょう。もしそうだとしても、その人間関係をどうするか、今までの家族との関係をどうするかを選択するのはお義母さんです。既婚の女性が男といれば浮気、65歳にもなった義母は浮気はするべきでない等々の偏見は、この際捨ててあなたも楽になってください。
(文:大関洋子)