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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2019/02/08(金)
第154回【親子編】「息子の彼女が家に来る」
【Q】
高校1年の息子と中学2年の娘がいます。1か月ほど前、娘が学校から帰るなり「大変、大変!お兄ちゃんが木の陰でキスしてた!」って言うんです。娘から「お兄ちゃん、彼女いるんだよ」とは言われていたので、それほど驚いたというわけでもなかったんですが、キスしていたという状況を詳しく聞いてみると、近くの公園の木の陰でキスをしてたのが息子だったって言うんです。外はかなり暗くなっていたので「見間違いじゃないの?」と聞いてみたんですが、「気づかれないように、よく見えるところまで行って確かめたから絶対間違いないもん」と言います。もう高校生。私自身のことを考えても、そんなことがあっても不思議ではない年齢なので、しばらく放っておこうって決めたんです。ところが、今度は息子の部屋で彼女のものらしい髪留めを見つけたんです。「彼女を部屋にあげるくらい…」とは思うんですけど、部屋にはベッドしかないし、しかも髪留めが落ちていたとなると…。私がいる時ならまだしも、いない時のことのようですし、間違えでもあったらと思うと、息子になんて話をすればいいか、とても困っています。

【A】
娘さんが見た、という高校1年生の息子さんのキスをしていた行為には、それほど驚いたわけでもなかった、「私自身のことを考えても、そんなことがあっても不思議ではない年齢だから」とあなたはおっしゃっています。ところがベッドしかない息子の部屋に彼女のものらしい髪留めが、しかもあなたの留守の間にという状況。すなわち2人の間に性の関係があったはずと考えて、大変動揺されています。
親が子どもの成長をはっきり知るのは、子どもに異性の好きな相手ができた時。「あー、うちの子も大人になったなあ」と感じるものです。ところが2人の恋愛関係が進んでくると、どこまで性の関係が深まっているのだろうと心配になります。

問題点は3つあります。1つ目は、初めての性体験は何歳くらいが適齢期なのかという不安。もう1つは、あなたが「間違えでもあったら?!」と心配している「間違え」とは妊娠のことを指しているという点。最後は、「恋愛と性の関係」をどう捉えているかという価値観の問題です。

まず、性行為を何歳ならしてもいいかという問題ですが、東京都の条例では「18歳未満のものと淫らな性交又は性交類似行為を行ったものは、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と定めています。但し、違反した者が18歳未満である時は当該違反者の違反行為については罰則は適用されず、又、各都道府県で、年齢や罰則が微妙に違うという不合理な条例です。
その上、民法上、男は18歳、女は16歳に達すれば、父母の同意を得て婚姻することもできます。婚姻するということは配偶者との性交は当然なわけですから、法律に矛盾が生じていることになります。要は、性体験の年齢は法や社会規範で決められるものではないということです。
初潮や精通も年々早くなっていて、それに伴い、性行為を体験する年齢も若い世代ほど低年齢化しています。最近の20代の初体験は18.7歳(相模ゴム工業「ニッポンのセックス調査」による)となっていて、多くの男性は20歳前後で体験しているようです。

「間違い」とおっしゃっている妊娠のことも、「子どもを育てていく経済力もない高校生年齢では」ということなので、「間違いがあっては困るのでするな」というより、むしろ正しい性教育(避妊も含めた)をすることが大切です。

最後の「恋愛と性の関係」は、“しっかり恋愛をして”、性の関係を築く価値観をこの機会に叱ったりお説教したりするのではなく、娘さんや夫も含めた家族で話せたらいいですね。性のカジュアル化が進んで価値観も多様化していますが、人間の本質の大切な部分ですので。
(文:大関洋子)

2019/02/08(金)
第433回:念願の銚子に行ってみた(1)
 久しぶりに海を見た。何時以来のことだろうと記憶を丹念に辿っていくと、それは2013年の福島第一原発隣接地の高台から、猛烈な放射線を浴びながら見た太平洋だった(たとえば、第195回の掲載写真「19大熊町」)。ぼくはここを5度訪れている。
 あれ以来6年近く海に接することがなかったということは、ぼく自身がどちらかといえば海の写真を撮りたがらない質なのだろうと思う。もちろん、条件次第なのだが。

 若い頃から、海か山かと問われればぼくは断然山のほうが好きだったし、行った回数も圧倒的に山のほうが多い。山は、 “強いていえば” ぼく個人の冒険的要素、文学的要素を曲がりなりにも満たしてくれるような気がするが、海は石原裕次郎だとか加山雄三だとか、彼らが悪いというわけではないのだが、ぼくの感受による思考回路は否が応でもそっちのほうに向いてしまい、それがどうにもいただけない。癪で敵わないというかやりきれないのだ。
 ただ海は、石原裕次郎や加山雄三にはない詩的要素や興趣を添えるものが存分にある。それはとてもフォトジェニックであると同時に絵画的でもある。加え、漁港や漁師町には五感を強く刺激する特有の風情というものがあり、海に縁なく育った身としてはかなり惹かれるものがある。

 山のほうが好きだといいつつも、ぼくは山に行く人に大手を振って賛意を示しているわけではない。何故かというと、登山を好む人のなかには、他の分野の趣味人と異なり、唯我独尊的傾向がより強く見受けられるという一般的傾向があるように思えてならないからだ。
 ぼくは不幸にも、というか残念ながらそのような人たちに多く出会ってきた。曰く「頂上に立った時の、あの素晴らしさを知らない人ってホントに不幸よねぇ」と。あるいは下界にあって行儀の悪い人が、山に立ち入った瞬間に取って付けたようにマナーやらエチケットについて口やかましく蘊蓄を垂れるのである。そのような科白を屈託なく、ほがらかに謳い上げて得々としているその手の人たちって、ホントに苦手なんだなぁ。
 このことは、山が好きか海が好きかとの論旨から外れるのだが、とはいえ、当然のことながらこのことは山に責任はない。山が悪いわけではもちろんない。人間の質とか性向の問題である。あるいはインテリジェンスの問題か。
 そしてまた、「登山=自然を愛すこと」とトンデモ勘違いをしている人たちを多く見かけるにつれ、ぼくはどうしても登山愛好家とは相容れない一面があると気づいている。山行きを好む人たちのなかには、良識ある賢人ともいうべき人がいることは、もちろんよく承知している。ここは公平に述べておかなくてはならない。
 さて、こんなことを書いていると、お定まりのパターンではあるのだけれど、いつまで経っても本題たる銚子が出て来ない。「どうも調子が出ない。調子っぱずれだ」なんて寒い駄洒落はいわないほうがいい。はい、すいません。

 20年程前から銚子電鉄の「仲ノ町駅」や「外川駅」界隈を歩いてみたいと思っていた。もちろん写真に収めるためだ。中学生くらいまで撮り鉄であったぼくは、路線総延長6.4kmの銚子電鉄そのものにも興味があったのだが、なかなか願いは叶わなかった。何かがぼくの銚子行きを阻んでいた。その正体が見えてこなかった。
 今週の月曜日に早起きをして、といっても9時半頃だが、成田山の参道あたりに赴き久しぶりに人物スナップをしてみようかと、珈琲だけを喉に流し込んで10時過ぎに家を飛び出した。銚子ではなく成田山である。まず外環道に乗り成田に向けて突っ走る。

 成田山行き決行のちょうど1週間前に我が倶楽部の婦女子が二人、ぼくを差し置いて、一泊の撮影旅行と称し、あろうことかこれ見よがしに銚子に行ってしまったのである。ぼくは後手を引くという失態を演じた。
 先を越されたぼくはどうにも収まりがつかず悔しくて仕方がない。20年もぐずぐずしていた自分が悪いのだが、しかし選りに選って銚子はないだろう。ここらあたりに彼女たちの底意地の悪さと、作為的な叛心と、後出しじゃんけん的な狡猾さをぼくは鋭く嗅ぎ取るのだ。自分がかねてより行きたいと望んでいたところに、何の前触れもなく「じゃあ、行ってくっからねぇ」と彼女たちは無慈悲な捨て科白を残して行ってしまった。
 取り残されたぼくは無邪気にも、「近々成田山で旨い鰻、たらふく食ってくるもんね」と儚い抵抗を見せた。ぼくは「花より団子、写真より饅頭」を標榜して悪びれない彼女たちとは著しく異なり、「何はともあれ、鰻より写真」だから、そんな悪あがきもひどく虚しいものに感じた。
 東関東自動車道のサービスエリアに立ち寄り、ぼくは透かさず成田山を取り止め、急遽カーナビに「銚子」と打ち込んだ。この変わり身の早さを、二人の婦女子に見せてやりたかった。

http://www.amatias.com/bbs/30/433.html

カメラ:EOS-1DsIII。レンズ: EF24-105mm F4L IS USM、EF11-24mm F4L USM 。
千葉県銚子市。

★「01ヤマサ醤油工場」
銚子電鉄仲ノ町駅に隣接するヤマサ醤油工場。塀があるため間近では撮影できず、1mほどの高さのある土盛りに上る。工場のタンクはB.ビュッフェ(ベルナール。仏の画家。1928-1999年)のタッチを想起させ、嬉々としてシャッターを押す。
絞りf9.0、1/125秒、ISO100、露出補正-1.33。

★「02仲ノ町駅」
仲ノ町駅構内片隅にお役御免となったクハ3501が。そこにあった脚立によじ登りなかを覗き込む。このアングルしか取れなかったが、なんだか不思議な世界が見えた。
絞りf11.0、1/30秒、ISO100、露出補正-2.67。
(文:亀山哲郎)

2019/01/31(木)
第153回【夫婦編】「微妙な距離感に疲れました」
【Q】
一人息子が大学に入学して、子育ても一段落しました。結婚後、私が仕事を辞めて子育てに専念してきたんですけど、家を購入したこともあり、息子の小学校入学を機にパートに出始め、高校に入学してからはフルタイムで働いています。夫は、私を家に置いておきたい方なんですけど、それでは生活ができないので、不満に思いながら黙認状態。10年くらい前、夫の浮気が発覚しましたけれど、蓄えもなく私の収入では、子どもを養っていけないので、うやむやにして離婚はしませんでした。夫はその女と別れたって言うんですけど…。続いていたとしても離婚できるかっていうと、生活の問題もあって、簡単にはいきません。気分は悪いですけれど、触れないようにするしかないかなあと。私は、今勤めている会社に親しくしている男性がいて、食事をしたり飲みに行ったりする関係ではあるんです。何度かホテルに誘われましたが一線は越えずにいます。夫はそれに気づいているらしいんですけど、夫も離婚を本気で考えるということでもないようなので、お互い微妙な距離感を保っています。でも、こういう生活は疲れますよね。息子が大学に入ったこともあり、学費を夫に出させることを約束して別れるか、それとも会社の男性ともう少し親しくなって、夫婦生活はこのままだらだら続けるか悩んでいます。

【A】
当たり前に思われている社会的制度や文化、慣習も、時代の変化に伴って実情にそぐわなくなっているものがたくさんあります。結婚制度がその1つです。どんぐりの実を拾い、貝を食べていた古代から縄文、弥生などの時代を経て、中世あたりまでは、制度としての「結婚」はほとんどなく、中世以降、武士階層が台頭し、家父長制的な家族のあり方が広がりました。そこでは「戦」が主な仕事ですから、男性の役割は戦で功をなすこと、女性の役割は優秀な遺伝子を残すことでした。

そうなってくると、古代日本社会のように、性にもおおらかで相手が複数いる「対偶婚」のような自由な男女の結びつきは影を潜め、武士階級だけでなく庶民の間でも一夫一婦婚、あるいは一夫多妻婚が広まります。対偶婚の時代、女性の生活は村やコミュニティーに埋め込まれていて、「家族」という単位はそれほど明確ではなかったため、夫に頼らず食べていくことも可能でした。

しかし、男性優位の家父長制では、女性を男性に従属させ、子どもを作るという営み、そしてそこに女性を縛り付ける仕組みが「結婚」となり、女性は男性に頼らなければ食べていけないことになります。血統が重視され、「子の父は誰か」をはっきりさせるために女性の浮気は厳しく罰せられ、68年前まで刑法に「姦通罪」という罪がありました。「姦通罪」は「結婚している女性が夫以外の男性と性的関係を結んだら罰する」というもので、処罰されるのは「姦通をした女性」(妻)と「その相手(夫以外の男性)」で、「夫」は「妻以外の女性」と性的関係を持っても相手の女性が既婚者でない限り罰せられることはありませんでした。あくまで既婚の「女性」を対象とした法律だったのです。

第二次大戦後、「姦通罪」はなくなり、1960年代には恋愛結婚が見合い結婚の数を上回るようになりました。「食べていくための結婚」も、経済的自立を目指す女性の増加に伴って少しずつではありますが減りつつあります。「あなただけを愛しています」という相手を特別扱いする行為、「この人生をお互いに助け合って幸せに生き抜くために手を組みましょう」という思いを「結婚」という形にする時代になったのです。

あなたの場合、夫が10年前に浮気をし、「その女とは別れた」とのことですが、それをきっちり解決することなくうやむやにしたまま結婚生活を送ってきた。あなたはそのストレスを会社の男性とのデートで晴らしている。結婚の目的を@「あなただけを愛している」とA「幸せな人生作りの同志」の2つと考えるなら、@はすでに崩壊しています。Aは中身をどう考えるかによって違いますが、夫と別れるのか、あるいは会社の男性とさらに親しくなって浮気に発展してもこのまま結婚生活をだらだら続けるのかはあなた次第ということです。

ご自身の価値観で判断してください!
(文:大関洋子)

2019/01/17(木)
第152回【恋愛編】「結婚しないと公言している彼の子がお腹に…」
【Q】
彼とは友達の紹介で知り合いました。お父さんが会社を経営していて、将来は彼が会社を継ぐことになっています。お互い両親に紹介し合い、今は両親公認の半同棲状態です。周りには「結婚秒読み」と映るので、「いつ結婚するの?」とよく言われますが、実は彼は結婚する気がないんです。付き合い始めて間もないころから、「僕は結婚しないよ」と言われていて、私もそれを承知の上で付き合ってきたので、これから先も結婚はないと思います。彼は「愛情を紙切れ1枚に託すなんておかしい」と言います。そう言われると私も「その通り」と思うのですが、一人になって考えると「私と彼との関係って何も担保のない不安定なものなの?」と不安になり、このまま彼と付き合っていて幸せになれるんだろうかって感じてしまうんです。

そんな矢先、彼の子を妊娠しました。認知はする、養育はすると言ってはくれるんですが、結婚しないでそんなこと保証されるわけはないし、不安で産まない方がいいのでは?と迷っています。

【A】
あなたは、彼から嫌われたわけでも、捨てられたわけでもなく、「結婚」という「制度」を嫌って「婚姻届」を出さないと言っている相手に不安と不満を持っています。日本の結婚制度の歴史を辿ってみると、古代では恋愛と結婚の境目は明確ではなく、男女の関係は平等でした。平安時代になると、夫が妻の家に会いに行く通い婚を経て、同居するのが一般的になります。通い婚は、妻はひたすら待つだけで、夫が訪ねてこなければ離婚、他に愛人を作ってもどうすることもできないという辛いものでもありました。

鎌倉時代から戦国時代になると、武士が権力を持ち、家父長制が成立します。女性の地位が低くなり、妻が夫の家に嫁入りするようになります。すると、妻は夫の所有物と考えられるようになり、女性は夫を自分の意思で選ぶことができず、武家の結婚では「相手を味方につける」あるいは「油断させる」ことを目的に結婚が決められ、愛情や人柄で結婚を決めるなどはできませんでした。

江戸時代になると、幕府は上下の秩序を守るため「家」をすべての基礎とするようになります。女性は父に従い、結婚してからは夫に従い、老いては息子に従うという三従の教えにより低い地位に置かれ、子どもが生まれない妻は「三行半」という短い文書で離婚されても文句は言えなかったので、妻は夫に自分以外の女性=妾 を勧め、その子を自分の子として育てることもありました。

明治時代になると、政府は民法を制定し、一夫一婦制の法律婚を規定しましたが、権利は主として男性にあり、女性、特に妻には義務ばかり負わされ、結婚によって無能力者とされました。夫の同意がなければ大きな買い物もできず、ましてや自分の意思で離婚を決めることもできませんでした。大正、昭和になり、戦争が始まると国家維持のため、家制度や家族に対する統制が厳しさを増し、男女平等の世の中を作ろうとした平塚雷鳥をはじめとする女性らの思いや機運はかき消されていきました。

第二次大戦が終わり、1945年、日本も終戦を迎えると、これまでの状況とはがらりと変わり、日本は民主主義国家として生まれ変わります。日本国憲法第24条には「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し」とあり、「夫婦は平等」と規定されています。とはいえ、現実は憲法の理念通りでなく、大昔からの、あるいは戦前の家制度の名残は、社会慣習や私たちの意識の中に根強く残っていて、「嫁にやる」「嫁にもらう」など、今でも使われていて、結婚で夫の姓に改正する女性は98%にものぼります。こうした結婚制度の歴史の中で、婚姻届を出さない「事実婚」を選択するカップルも、新しい動きとして出てきて、結婚に対する考え方が多様化してきています。

さて、あなたの彼がそういった権力や時の政府に統制されない、利用されない「2人の愛」を基本に、あなたとあなたのお子さんたちを愛し続けたいという筋の通った考え方の持ち主なら、現行の法律や歴史的結婚観の先を行く男性として、多少不安はおありでしょうが、あなたと妊娠したお子さんを大切にしてくれるでしょうから、その辺のことをよく聞き、話し合ってみてはいかがでしょうか?

(松井久美氏(高知新聞記者)「結婚の歴史」を参考にさせていただきました)
(文:大関洋子)

2018/12/20(木)
第151回【職場編】上司に「生理かな?」声をかけられるのが…
【Q】
就職2年目です。それなりの規模の会社なので、同じ部署に女性が30人ほどいます。学生時代にはひどくなかった生理が就職してからひどくなり、生理の時にはつい顔をしかめるようになりました。私が辛そうにしていると周りの女子社員は「生理休暇取ったら?」と言ってくれますが、上司が男性なので言いにくく、取ったことがありませんでした。1年ほど前、話をするのも辛くなって休暇を申し出たんですが、上司は「わかりました」と言っただけで簡単に休暇を取らせてくれたので、“こんなんだったら、早く生理休暇を取ればよかった”と思ったんです。

ところがその後、生理が近くなると上司の方から「辛くなったら休暇を取ってもいいからね」と言ってくるようになったんです。気を遣ってくれるのはありがたいんですけど、私が顔をしかめたり、無愛想にしていると「生理かな?」と…。いつも生理のタイミングで言われるので、私の生理の日をメモしているみたいなんです。「生理休暇取ったら?」と言ってくれた女子社員の中に生理休暇を取る人は一人もいないし、結局私だけがすごく嫌な思いをしているんです。

【A】
「生理休暇」とは、生理痛などで働くことが困難な従業員の女性が、使用者に請求して休暇を請求できる制度で、医師の診断書などは不要です。働く女性を保護するため1947年に制定された労働基準法に盛り込まれました。ところが、この生理休暇を取得した人の割合は1%を割り、わずか0.9%に落ち込んだことが厚生労働省の調査でわかりました。

1965年には4人に1人が取得していたのに、2014年4月〜2015年3月末までの間に生理休暇を1日でも請求した人の女性従業員の割合は、0.9%に下落しています。4人に1人が取得していた1965年度の26.2%をピークに1985年に9.2%、2004年には1.6%となり、最新の調査ではついに1%割れになってしまいました。

生理休暇を請求する人の激減には様々な理由が考えられますが、その1つは、休暇中の賃金を有給にするか、無給にするかは定めがなく、それぞれの企業に委ねられていることです。2015年の調査(一定規模以上の事業所)で、有給としている事業所は25.5%。2009年度には、42.8%の事業所が有給としていたので、半分近くに減っています。しかし、2015年の全国労働組合連合の7522人に対する実態調査では、約半数の女性が生理痛を抱え、そのうちの17.8%の女性が月経時に毎回鎮痛剤を服用すると回答し、31.8%の女性が時々服用すると回答しています。それでも生理休暇を取っていないと回答した女性が86.4%に上ります。

なぜこんなに取得率が低くなったのか厚生労働省の調査では触れられていませんが、無休の事業所が増えたことに加え、あなたのように上司から月経の日を予測されているようで「はずかしい」「生理であることを知られたくない」という人も多いようです。日本における「性の閉鎖性」も影響しています。また、男女雇用機会均等法により、生理休暇を取ることは男性との比較で不利と考える女性がいること、企業側の意識の中にも生理休暇を取るような女性は使いづらいといった意識が根強くあり、それが職場の雰囲気となり、休暇取得を妨げているということもあるでしょう。

全労連の調査で、生理休暇を取っていない人に取れない理由を聞くと、最も多いのは「人員の不足や仕事が多忙で職場の雰囲気として取りにくい」です。

あなたの場合、親切のつもりでかけてくる上司の言葉がかえって取りづらくしているわけですが、職場の女性の皆さんと話し合って、上司に改めてもらうよう申し入れてみてはどうでしょうか。今は、結婚や妊娠の予定を尋ねることもセクハラとして扱われ、やってはいけないこととなっていますので、上司の意識改革が必要ですね。
(文:大関洋子)

2018/12/06(木)
第150回【子親編】「義母が義兄夫婦と同居したいと…」
【Q】
3年前から夫の両親と同居しています。義父は79歳、義母は76歳で、今は元気なんですが、義父が脳梗塞で倒れたことがあり、それをきっかけに同居しました。夫は次男ですが、義兄の結婚が遅く、高校生と中学生の子どもがいるので、すでに子どもが独立した私たち夫婦が同居することになりました。両親とも穏やかな人で、同居することに抵抗はありませんでした。不満を感じることはありません。ところが、ここ半年くらい義母が義兄夫婦と住みたいと言いだしてしまって…。夫が言うには、子どものころから義母は義兄のことを可愛がっていて、差別されていたって言うんです。確かに兄弟そろった時には、義母は義兄にべったりなように感じます。義父が兄嫁より私のことを気に入ってくれていて、私に優しくしてくれることが気に入らないようにも思います。義母の主張はどんどん強くなるし、かといって簡単に義兄夫婦と入れ替わるというわけにもいかないし…。私がもう少し義父との距離を取るようにすればいいのでしょうか。

【A】
3年前から夫のご両親と同居され、何とか2夫婦で穏やかに過ごしてこられたのに、半年ほど前から義母が長男夫婦と住みたいと言い出し、その思いがどんどん強くなるのでどうしたらいいかと困ってのご相談ですね。

あなたはまずこちらに相談される前に2つの大切なことをおやりになっていません。まず、1つは義母がその話をだれに訴えたのかはわかりませんが、誰に訴えられたにしても半年もその思い、願いを放っておかれたように思います。なぜなら、その義母の願いがどんな理由からなのか、推測でしかわかっていないからです。たぶん、夫から聞いた話では昔から夫よりも兄を可愛がっていたとか、もしかしたら私のことを義父が兄嫁より気に入っていて、私に優しくしてくれることが気に入らないように思いますとか、すべて伝聞推定の話です。義母は、全く違う理由でそうおっしゃっているのか、あなたが考えているようなのか、本当のところはわかっていません。

もちろん、後者の理由であればあなたに言いづらいでしょう。でも、それならそれで、あなたがもし、このまま一緒に住んでほしいと思うなら、あなたの気持ちを義母に心を込めてお伝えになるなり、お願いするなりなさってはいかがですか?

もしあなたの考えていたことと全く違って、例えば、自分たちが亡くなった後の遺産相続問題を考えてのことであるとかならば、全く違うアプローチを皆でする必要が生じることでしょう。まずははっきり、しっかり、しかし思いやりを持って義母にそのわけについてお話を聞いてください。その理由が何であっても義母の望みは望みとして…。

もう1つの大事なこと。あなたは義兄夫妻が義母の希望を受け入れてくださるか聞いていないんじゃないですか?夫からでも、あなたからでも義母の希望を伝え、受け入れが可能かどうか聞いてみましたか?

悩んでいるより、まずこの2つの大切なことをなさってください。今のあなたの悩みは「せっかく私が我慢して両親を3年も見てきたのに、思いを仇で返すような義母の態度が気に入らない」とただそれだけのようにしか思えません。

2人の息子をそれなりに苦労して育てた76歳の義母の願い(もちろん義父の願いも)が叶うよう尽力してあげてください。この話し合いの中で、今まで蓋をしてきたパンドラの箱からいろいろな不満不平が飛び出すかもしれませんが、それがまた、ご一家を新しい絆で結び直すことになることと思います。
(文:大関洋子)

2018/11/29(木)
第149回【親子編】「姉妹で同じ男の子を好きになってしまって…」
【Q】
高校2年生と1年生の娘がいます。姉妹で同じ男の子を好きになってしまったらしく、口も利かない状態がずっと続いているんです。元は姉の方のボーイフレンドだったんです。とは言っても、1対1でお付き合いするような関係ではなく、仲のいい男女が5、6人で遊んでいるっていう程度のです。そんな様子を見ていた妹の方がその中の1人に告白をしちゃったことで、姉妹の関係が悪くなってしまって…。そうなると、姉の方も妹にボーイフレンドを取られるわけにはいかないっていうことで、「私の彼氏でしょ!」と突然関係が近いことを言い出すし…。娘たちを分け隔てなく育てようとしたことが行動や嗜好が似たようになってしまったみたいなんです。いろいろな人に「くだらない、放っておけば」って言われるんですけど、口をきかない状態が何ヶ月にもなるし、何より心配なのは、どちらが彼の気持ちを捕まえて性関係を持つかという競争になっているように思うからなんです。2人で競っていると歯止めがきかなくなりそうで、とても心配です。

【A】
アメリカの発達心理学者エリクソンは、人生を8つのステージに分け、それぞれのステージにおいて発達課題があり、人が精神的に幸福な人生を歩むためには各ステージでその発達課題を健全にクリアすることが大切と述べています。そして、あなたのお子さんの年齢、思春期の発達課題は「葛藤の自己受容」と言っています。

表面的に観ると、いかにも年子の姉妹で1人の少年を奪い合っているように見えますが、実は長女も次女も、それぞれ姉と妹を自分と比較しながら「自分とは何か?」を模索しながら葛藤し、自己否定と自己肯定を繰り返しているのです。この時期、子どもの体と心は人生で乳児期に次いで大きな成長と変化を見せ始めます。体の外と内の両方において第二次性徴が現れ、体が「大人」に変容していくと同時に、親、姉妹、他の「大人」「仲間」などとの距離を作り始めます。この体と心の発達に伴って、容姿、容貌、スタイルを他と比べて気にしたり、性格や能力の優劣を競ったりします。

特にこの思春期の発達課題の大きなものとして「性」についての悩みと葛藤があり、異性と健康的に交流を楽しむ経験を持つことが大切です。異性や性についての関心や衝動などの悩みと葛藤の多くは人に話せない自分だけの心の秘密になるので、基本的には大人の力では解決できないものです。自分の「あるべき姿」を作り上げ、その次元から現実の自分を評価し、価値づけるようになります。はじめはこんなことで悩むのは自分だけだと考え、自分を特殊視し、全般的に自己否定傾向を強めていきますが、友達との交流の中の温かい理解の中でそれらの葛藤や悩みを持ちつつ生きていくことを受け入れるようになっていき、「自己受容」を基礎とした自己や外部に開かれた柔軟な自我ができていきます。

妹は姉の親しくしているグループの仲間であるその少年に信頼感もあり、身近に感じて告白したのでしょう。姉の方は、妹のその行動が刺激になって、あたかも彼は自分の恋人であるかのような思いにかられ、2人が競って彼の気持ちを射止めようとしています。

相談した人から「くだらない、放っておけば」と言われたとのことですが、「くだらない」どころか、発達段階上とても大切な時期です。ただ、親が教えたり、お説教したりすることではないので、何ヶ月も口をきかない2人の娘を普通に扱い、温かく見守ってください。ある日、何かのきっかけで、何事もなかったかのように話をするようになりますから。そして、あなたには2人の姉妹しか目に入っていないようですが、その少年も思春期の自分探しをしていると理解し、それぞれの関係性の中で悩みながら、性の問題も含め、課題をクリアしていくことを信じましょう。
(文:大関洋子)

2018/11/01(木)
第148回【夫婦編】「私、不倫してるんです」
【Q】
職場の妻子のある上司と関係を持ってから2年になります。これまで不倫なんて考えたこともありませんでした。2年前、私がインフルエンザで5日ほど休んだ時、彼が心配して、果物とか飲み物を持ってお見舞いに来てくれました。その時パジャマ姿の自分を見せてしまったことで急に距離が縮まったというか…。夫は気の利かない人で、私が具合の悪い時でも果物や飲み物を買ってきたことなんてないし、その時も高熱の私が夫の食事を作っていたんです。だから彼の優しさに驚いたし、新鮮な感覚でした。その後、男女の関係になるのに時間はかかりませんでした。お見舞いのお礼に、私が食事に誘って、次に彼が私を誘って、3回目に一緒に食事をした時、ホテルに部屋が取ってあって…。今の職場は5年になるので、私も彼のことがよくわかっているし、彼も私のことをわかってくれていると思います。夫とはお互いよく知らないうちに結婚してしまったので、今はまるで彼が夫のように感じることもあります。お互いに不倫ですから、罪悪感がないわけではありません。でも彼との関係の方が自然のような…。私は離婚をしてもいいと思っていますが、彼の方が難しいみたいで…。でも、このまま、夫と生活していくのは難しいように思います。

【A】
マイナビのアンケート調査によると、ダブル不倫の相手は職場の上司という答えが一番多く、きっかけは「困っているときに優しくされた」というもので、まさにあなたのケースにぴったりです。

そもそも不倫をする人たちの気持ちの中には、日常生活に刺激が足りず、しかもダブル不倫で双方に家庭があれば、本気にならずに非日常的なスリルを味わうことが出来、相手が未婚で本気になられるというリスクがないということがあります。既婚者同士であれば、「家庭を壊さない」のが前提であり、別れ際にも面倒を起こさずいつでもやめられるという利点があります。しかも2人だけの秘密、禁断の恋に恋してしまい、お互いそれぞれの配偶者や会社にバレたらヤバいというドキドキ感とスリルから、いやが上にも2人の関係は親密になって盛り上がり、ハマってしまいます。しかし、あくまで「家庭を壊さない」という厳しいルールのものとです。あなたのように、その厳しいルールを自ら破りたくなっていたら、この不倫は終局へ向かっています。

あなたは離婚してもいいと思っているようですが、あなた自身が彼は離婚は難しいと言っているではありませんか。女性がダブル不倫をする理由の一つに「夫に不満」というのがあります。しかし、男性のダブル不倫の理由は「家庭も仕事も順調で不満はないけれど、刺激がない毎日のストレス解消」というのが多いのです。

進化論的に言うと、ヒトの配偶システムとしては、一夫多妻制のゴリラと乱婚型のチンパンジーの中間で、一夫一妻と一夫多妻のグループの真ん中あたりに位置していると考えられています。言うなれば、決まった相手以外とちょこちょこ浮気をする人もいるというのが人類の進化の過程のようです。

あなたの場合、インフルエンザで弱っている時、優しくしてくれた浮気相手の上司と、そんな時でも食事の支度をさせた夫とを比較して、優しくしてくれた上司に軍配を上げていますが、男が女を口説く時には、上司があなたにしてくれたくらいのことはあなたの夫だって他の女性には出来ていると思いますよ。2年という年月はそろそろ年貢の納め時。彼はそろそろあなたとの不倫に飽きてきている頃かもしれません。彼やあなたの配偶者にバレて離婚されたり、多額の慰謝料を請求されたり、会社からの信用をなくして退社を余儀なくされたりする前に、足下の結婚生活を見直してはどうでしょうか。
(文:大関洋子)

2018/10/18(木)
第147回【恋愛編】「彼が私をつけてくる?!」
【Q】
うちの会社に週1くらいの頻度で営業に来る男性がいるんです。来始めて3ヶ月くらい経った頃、終業ぎりぎりの時間に来たことがあって、食事に誘われました。取引の業者さんと二人で食事っていいのかなあとは思ったんですけど、いい人そうだったから食事に行きました。その後、彼がうちの会社に来るのはいつも終業ぎりぎりになって、その度に食事に誘われるので、何度か食事に行きました。最初は私も「これって恋に発展するかも…」って思っていたんです。

ところがある日、私が自宅の最寄り駅で降りたら、彼に偶然会ったんですよ。会社からは電車で30分くらいかかる駅ですからそんなことってすごく低い確率ですよね。彼の家は全然違う方向って言っていたのでびっくりしました。彼が「営業できたんですけど、奇遇ですね」って言うので、「そんなことあるんですね」なんて返していたんですけど、その後、何度も彼が私の後をつけてきている気配を感じたんです。会社に営業に来た後食事に行くのは続いていたし、私も彼に惹かれるところもあったから、普通にデートに誘ってくれれば、もちろん付き合うのに、声もかけずにつけてくるようなことが何度もあると気持ち悪くて、早く別れた方がいいと思うようになりました。彼に直接聞いてみると「えっ、そんなことするわけないじゃない!」と言われてしまって。まだ証拠はないけれど、私は絶対彼がつけてきてると思うんです。

【A】
1999年10月28日にJR桶川駅前で女子大生が殺害された「桶川ストーカー殺人事件」がきっかけで、やっと「ストーカー規制法」が制定されました。この事件は、元交際相手の男を中心とする犯行グループから被害者がストーカー行為を受け続けた末、若い命を奪われたのです。当然、警察署へは被害届が出されていたのですが、大変遺憾なことに警察はこれを軽く見たためか、殺人を防ぐことができませんでした。警察署の不祥事として大きな問題になりました。とても悔しく悲しい事件です。

その後成立したストーカー規制法は次の8項目をストーカー行為として規制の対象にしています。
ア.つきまとい 待ち伏せ 押しかけ うろつき
イ.監視していると告げる行為
ウ.面会や交際の要求
エ.乱暴な言動
オ.無言電話 連続した電話 ファクシミリ 電子メール SNS
カ.汚物の送付
キ.名誉を傷つける
ク.性的羞恥心の侵害

この法律で“つきまとい”というのは、特定の人に対する恋愛感情、その他の行為の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、その特定の人、または家族に対して、つきまとう行為を指しています。
ストーカー行為をする人の特徴は、人格が未成熟で自己中心的、相手の立場に立って考えることができないタイプで相手を支配しようとします。ボーダーライン系(境界性人格障害)と呼んだりします。
また、ナルシスト系(自己愛性人格障害)は自信、自負心が強く拒絶したい相手にストーキングする者が多く「挫折愛タイプ」とも呼ばれます。その他、サイコパス系(反社会的人格障害)では、自分の感情、欲望を相手の感情とは無関係に一方的に押しつけるタイプで、性欲を満たすための道具として相手を支配するのが特徴です。
精神病系、パラノイド系など妄想によるつきまといもありますが、あなたの場合はボーダーライン系の感じがします。この場合、性格は外交的、社交的ですが、「孤独を避けるための必死の努力」をします。すべてのタイプに共通するのは相手の感情に想像力を働かせることができず、甘え、思い込み、欲求不満を攻撃に変えて解消するところです。

あなたは彼の熱心さに「これって恋に発展するかも…」と期待を寄せたわけですが、その後の「声もかけずについてくる」ようなことが何度もあったとのことですから、これはもう明らかにストーカー行為の「つきまとい」に当たります。これをやめさせるのはなかなか難しいのですが、「突然の関係遮断」は逆効果を呼ぶことが多いので、関係を断ち切るタイミングを誤らないようにしてください。嫌われようとする行為も被害を拡大して傷害事件につながることがあるので注意が必要です。信頼できる上司に相談することは大切ですが、この上司が正義感で直談判したりするのも相手を刺激してしまう場合が多く、やはりタイミングが大切です。もし、相手が攻撃的になってくるようであれば、即警察へ通報してください。
とにかく、自分の命を最優先に考え、警察に通報する勇気を持つことです。会社に営業に来る男性とのことですから、上司にも相談しつつ、少しずつ心身の距離を離していき、今のうちに関係を絶つようにしてください。
(文:大関洋子)

2018/10/05(金)
第146回【職場編】「海外勤務を経ないと管理職なれない」
【Q】
大学卒業後、すぐに今の会社に就職して今年で12年です。その間に結婚、出産をして、育児休暇を半年取らせてもらいました。うちの会社は、女性が復帰しやすい環境で、子育てしながら働いている女性も少なくありません。男性で育児休暇をとる人もいるくらいです。ところが管理職はほとんどが男性、女性はほんの一握りです。なぜかというと、海外勤務が管理職への条件になっているからです。公表されているわけではないけれど、知らない人はいません。海外勤務には3〜6ヶ月くらいの短期の勤務と2〜3年の長期勤務があって、短期勤務をクリアして課長、長期をクリアして部長候補みたな…。子育て中の女性にとって高いハードルです。なので、女性は係長までがやっとなんです。「そろそろこいつは邪魔」って思うと、人事から「3ヶ月海外勤務をしてくれる?」と打診があるんです。単身赴任なんてできるわけないから断ると「じゃあ、後輩を赴任させるけどいいかな?」って言われて、海外から戻ると後輩が上司になってたりするんです。立場が逆転すると勤めにくくなって、辞めていく女性もいます。海外勤務しなくても、管理職が勤まらないわけはないのに、こんなの女性をターゲットにしたリストラです。まさか役員まで目指してるわけじゃないけれど、せめて課長くらいにはなりたいじゃないですか!

【A】
「日本のジェンダーギャップ指数、過去最低を更新 114位に」という報告書が昨年11月2日にダボス会議を主催する「世界経済フォーラム」から発表されました。ジェンダーギャップ指数というのは、男女格差の度合いを示すもので、日本は世界144カ国中114位となり、過去最低だった前年の111位からさらに後退しています。
ジェンダー格差指数は「経済活動への参加と機会」(経済参画)、「政治への参加と権限」(政治参画)、「教育の到達度」(教育)、「健康と生存率」(健康)の4分野の14項目で男女平等の度合いを指数化して順位を決めます。日本の指数を見てみると「政治参画」分野の悪化が著しく、前年の103位から123位へと大きく順位を下げています。国会議員の男女比は129位で、前年の122位からさらに順位を下げました。「閣僚の男女比」も50位から88位に順位を下げていますが、2018年10月3日の朝日新聞の報道では「第4次安倍内閣発足」という見出しで、その横には「女性登用は片山氏のみ」と添えられているので、もっと順位が下がることになるでしょう。2014年の組閣で5人だった女性閣僚が、その後の改造で3人、2人となり、ついに今回1人になってしまいました。安倍首相の掲げる「女性活躍社会」というのが、単に人気取りのかけ声だけに終わっていることが明らかです。「閣僚として女性が仕事をやり遂げることで社会に変革が起こる」と言っていた首相ですが、今回女性閣僚が1人しかいないことを追求されると「日本は女性活躍社会がスタートしたばかり」と言い訳をし、「これからどんどん入閣する人材は育ってくる」と答えました。現時点での、女性議員には人材が乏しいといっているように聞こえますが、閣僚には民間からの登用も可能ですから、女性活躍社会へ本気で取り組まないことの表明というところでしょうか。さらに「各国と比べて女性閣僚の比率は少ないと認めざるを得ないが、2人分、3人分の発信力を持っている仕事をしてもらえると期待している」とわけのわからないコメントをしました。
首相が女性で、産休明けに議会に出席した妻に代わって、TV司会者の夫が赤ちゃんにミルクを飲ませたり、おしめを替えたりしている様子が報道されたオーストラリアに比べ、とても寂しく悲しい気がします。
政治参画に続いて低いのが経済参画で、日本では政治や経済の分野での格差が深刻であることがよくわかります。そして、この格差は教育の面にも現れていて、「女の子はそんなにガツガツして大学まで行かなくていい」という価値観が今でも根強く残っています。「どうせ女性は家庭に入って子育てをすることになるのだから」と医学部の入試で差別が行われているという報道はつい先日のことです。

まさにこうした日本の社会で頑張っているあなたの悔しさ、怒りはたくさんの女性が共感するところです。厳しい状況ではありますが、賛同してくれる男性も増えている今、あなたのように声を上げていきましょう。ちなみに「単身赴任」という働き方は日本独特のものらしく、外国へ一人で赴任すると、「なぜ妻と子どもは一緒に来ないのだ?」と驚かれることが多いと聞いています。

あなたの健闘を祈ります。というか、一緒に女性も普通に課長や部長になれる世の中を作っていきましょう。先日、私の研究所でお話しいただいた中山こずゑさん(パシフィコ横浜の代表取締役です)などはその先端を行くお一人です。
(文:大関洋子)