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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2020/04/06(月)
第181回【職場編】「休んでいる私に対する社内の雰囲気が…」
【Q】
我が家は夫と小学2年生の娘、4歳の息子と私の4人家族で、夫も私も正社員として働いています。新型コロナウイルスの件で小学校が休校になってから、私が会社を休んで子どもを見ています。当初、学童と保育園は休まないということでしたが、うちの地域はなるべく自粛してほしいと言われ、結局私が休むということになったんです。なんとか有休を使わずに休めることにはなったんですが…。休みも長くなり、溜まった仕事もあるので、先日夫に休んでもらって出社したら、雰囲気が最悪なんです。うちの会社はテレワークができないので全員出社していて、休んでいるのは2人だけ。派遣の人が切られたため、正社員の仕事量は2倍くらいになっていて、休んでいる私ともう1人の女性に対する風当たりが半端じゃありません。表面上は「大変だね」って言ってくれているんですが、私たちにムカついているのはよくわかります。特に女性社員の態度がひどくて、終息したあとのことを考えると不安でたまりません。

【A】
4月3日(土)の朝日新聞夕刊には「感染加速 世界100万人」「死者5万人」「爆発的患者増」「欧州 医療崩壊の危機広がる」等々大きな見出しが躍っています。今朝4日(日)の朝刊には、「自宅療養 窮余の策」「死亡いかに減らすか」「家族感染リスク見えず」と緊迫した社会状況が掲載されています。そして、その隣の面には「「休校延長」小中の4割超」とあり、74市各教育委員会に状況を聞いたところ通常通り新学期を始めるのは36市区、再開を延期するのが35市区、未定が3市区。再開する市も「検討の余地あり」の様子が書かれています。

このような未曾有の状態の中で、あなたのご家庭には小学生と保育園に通っている2人のお子さんがいて、ほんとにご苦労されていて大変だろうとお察し申し上げます。テレワークのできない会社で、全員が出社しているとのことですが、今はまだギリギリのところ、瀬戸際と小池都知事が言っていますが、多分、もう何日かすると「特別措置法」に基づく「緊急事態宣言」が出るかもしれません。日本医師会の会長さんは「もうそうしてくれないと医療崩壊する」と記者会見で言っていましたので。

そうなると、さすがに会社を休まずにはいられないあなたたち2人に対して、女性社員がムカついてひどい態度をとる余裕はなくなります。「自粛要請」が出ても、外国のように守らない人を拘束したり、罰則はありませんが、会社としてもなんとか工夫をして規模を縮小して社員を休ませたり、会社自体を休業したりしなければならない事態が目前だと思います。

日本人の歴史を振り返ると、戦時中には特攻から生きて帰ってきた青年というのは名誉ではないし、お国のために死んで当たり前という雰囲気に押され、それに国民がなびくという同調圧力がかかっていました。あなたの会社でも「私はこうやって新型コロナ感染が広がる中、会社のために頑張っているのに、小さな子どもがいるからといって、大手を振って休んでいるなんてずるいじゃない!」という無言の同調圧力があなたにかかっていて、とてもつらいことと思います。

終息したあとのことを「不安でたまらない」とおっしゃっていますが、新型コロナ感染がどこで誰から感染したかも経路がたどれなくなっていたり、有名なコメディアンが医師たちの必死の尽力の甲斐もなく亡くなられたりすると彼女たちもあなたが自宅にいなければならなかったことをしっかり理解するに違いありません。
(文:大関洋子)

2020/03/27(金)
第180回【子親編】「母が外出をやめない」
【Q】
父が他界して83歳の母が1人暮らしをしています。車で10分ほどのところなので、特に問題もなく、ヘルパーさんに来てもらったり、デイサービスを利用したりして、楽しく生活しているみたいでした。

新型コロナウイルスの感染が怖いので「落ち着くまで休めば」と話したんですが通い続けていました。ところが施設からしばらく休業する旨の連絡をもらいました。私はホッとしたんですが、母は家にいるのが嫌らしく、デイサービスは週に2日だったのに、休みになってからは毎日出かけるようになったんです。どこに行っているのか聞いてもまともな答えが返ってこないので、先日後をつけてみたら、デイサービスに一緒に通っていた男性と喫茶店でお茶してるんです。喜んでデイサービスを利用していた理由がよくわかりましたが、時期が時期だけに外出はさせたくないので困っています。母も感染リスクは十分承知しているはずなのに、相手が男性だとまともな判断力が働かないんでしょうか。

【A】
今日の朝日新聞朝刊には「デイサービス休止 不安と焦り」という大きな見出しが載り「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、名古屋市が一部地区の全デイサービス事業所に休業を要請して間もなく2週間。独居や老老介護の高齢者への支援をどうするか。感染予防は。介護現場の対応は割れた」「名古屋市、126カ所に休業要請、割れた対応」「独居で入浴や食事が難しい人に限り(1日3〜4人)サービスを続ける」「区社協の内山和美事務局長は「多くの家族から『デイに行かせたい』と要望があるがあまり大勢だと感染予防の趣旨に反してしまう」と苦悩する」「家族、リハビリの早期再開を」等々の記事が紙面一面に綴られています。

そしてその横には、日本老年医学会理事で東京大学教授の飯島勝矢さんの「外出控える高齢者、衰え防ぐには 動かない時間減らす」という見出しで「テレビばかり見ている、誰かと話すこともない − そんな日々を続けていると筋肉が減り、フレイル(虚弱)が進みます。免疫力や抵抗力、体の回復力も落ちます。2週間の寝たきりにより失われる筋力は7年間分の量に匹敵する」「まず、動かない時間を減らすことが大切です」「人と交流して話すことはとても大切で認知機能の衰えを防ぐことにもつながります」という記事があり、「人混みは避けた方がいいですが」「大勢が集まる機会が減る今こそ、家族や友人、近所の人らで支え合ってください」と結んでいます。

長々と新聞記事を引用しましたが、要するにあなたのお母様は新型コロナウイルス感染防止のため休止になったデイサービスの苦境を、日本老年医学会理事の飯島先生の提言通り実行していらっしゃることになります。そして「恋」はすべてを燃やし尽くすほど強く体内のホルモン分泌を活発にすることも医学的にエビデンスのある通りで、そのホルモン分泌はまさに免疫力、抵抗力をつけ、コロナウイルスに対抗できること間違いありません。

心理学的に申し上げるなら、お母様は好きな男性と一緒にいる、お茶を共にする、話をする、等の行動によって、多幸ホルモンと呼ばれているオキシトシンの分泌が活発になり、免疫力、抵抗力を増していると言えるでしょう。このホルモンは幸せホルモンと言われる如く、生きる喜びを湧き出させてくれます。

「喫茶店でお茶」「母も感染リスクは十分承知」とのこと、お母様も人混みは避けたりして感染予防には気を遣ってらっしゃることでしょうから、むしろお母様の「恋」を暖かく見守ってあげてはどうでしょうか。もしかしたら、あなたは外出による感染の心配より、お母様の「高齢の恋」に違和感、嫌悪感を抱いていませんか。

(文:大関洋子)

2020/03/27(金)
第179回【親子編】「息子というライバルに負けて」
【Q】結婚して18年、中学3年生の息子がいます。妻が私をどう思っているかわかりませんが、私は愛情を感じていないわけではありません。そうは言ってもお互いに愛情を感じていると思える瞬間はほとんどなくなりました。そんな瞬間があったのは結婚して5年間くらいだったでしょうか。妻は高学歴、高収入ということもあり、割と強いタイプです。そういう妻に惹かれて結婚したんですけど、リスペクトされないことにちょっと疲れました。しかも、妻といい関係を続けようとした時、邪魔になるのが息子なんです。女親が男の子をかわいがるなんてよく聞く話ですけど、息子がかわいがられているというよりは、妻の愛情のすべてが息子に注がれていて「私と息子がライバル関係にある」、そんな感じです。息子とのライバル関係に敗れた私の居場所は家庭にはない気がして、気持ちを外の女性に向けようかなんて考えています。

【A】
オーストリアの精神科医、ジークムント・フロイト(1856年〜1939年)は精神分析の創始者として知られています。彼は神経病理学者を経て精神科医となり神経症の患者を治療するうちに、その病気の根底に、無意識の意識、「潜在意識」があることを発見し、たくさんの精神病患者を治しました。

フロイトの理論の中心となったひとつに「コンプレックス理論」があります。彼のいう「コンプレックス」とは「心のくせ」「心の偏り」という意味で、自分の内なるコンプレックスに振り回されていると生きづらく、損ばかりしてしまいます。しかもそれを「潜在意識下」、要するに無意識でやっている、とあなたのように家庭崩壊の危機につながってしまいます。人の言動の裏に潜むコンプレックスを知っていると、そのコンプレックス、心のくせ、心の偏りを刺激する言動をコントロールでき、自分や相手の抵抗(不機嫌、反発、怒り)を予防でき、行動や考え方を変化させ、危機を回避することができます。

ここであなたに知っていてもらいたい「心のくせ」は、フロイトが「エディプス・コンプレックス」と名付けた無意識の意識です。彼の提唱した5つのコンプレックスの中の典型例で、4〜5才の子どもはだれもが異性親を好きになる傾向があり、異性親はその子を好んで愛する傾向があるという理論です。ギリシャ神話の中で占い師の宣託で川に捨てられたエディプス王子が成人して、実の親とは知らずに父を殺し、母と婚姻する悲劇から名付けられた理論です。

このエディプス感情が青年期まで続くようであれば子どもにとっても両親にとっても生きづらくなりますが、息子さんが中学3年生ということですから、あなたが妻にリスペクトされない、相手にされないことに不満や怒りを抱いて息子をライバル視することは、ますます、無意識のうちに自ら、このコンプレックスの渦に巻き込まれて家庭危機を招くことになります。まもなく息子さんは母離れする、もうしている、と思いますので、後は妻が子離れするのを助けるように、高学歴、高収入とのことですから、夫として彼女を支え、できるだけ、結婚して5年間くらいのことを思い出し、2人で食事や旅行に誘い出して、息子さん抜きの共有の時間を持つようにしてください。

あなたが「他の女の人に…」という気持ちは、フロイトのいう5つのコンプレックスの最後「退行コンプレックス」といって、いくつになっても幼児性が抜けず、人に頼ってばかりいるくせを実行することになり、ますます妻のリスペクト(尊敬)からは遠くなるのでおやめになり、夫婦の愛を回復するよう努めてください。
(文:大関洋子)

2020/02/06(木)
第178回【夫婦編】「念願の家は建てたけど…」
【Q】
ちょっと郊外になってはしまいましたけど、昨年土地を買って夫と相談しながら間取りを決め、家を建てました。35年ローンを払い続けると思うと不安もあるけれど、今後の生活設計にマッチした間取りの家が建てられるということで思い切ったんです。ダイニング、リビング、書斎、寝室、子ども部屋2つ、客間。大きな家ではないけれど、収納も多く作って、とても気に入った家になりました。ところが、家が建つと「俺の帰りが遅い時は先に寝てていいよ。書斎も客間もあるから、起こさないようにそっと寝るから」とか言って、客間で寝るようになったんです。今では早い遅いにかかわらず毎日です。今後の夫婦生活のことも考えて建てたはずの家だったのに、家庭内別居のきっかけを作ってしまっただけでした。「寝室で寝れば?」と何度か言ってはみましたが、寝室で寝ることはありません。こんなことのためにローンを組んだのかと思うととてもやるせない気持ちです。

【A】
折角、念願の家を建てたと思ったら家庭内別居のきっかけを作ってしまっただけとは…。
今後の生活設計にマッチした間取りの家として子ども部屋を2つ、夫婦の寝室も書斎や客間とは別に作って、性の関係を含めた夫婦生活も充実させようと意気込んで「夫と相談しながら間取りを決めた」はずなのに…ですよね。あなたは「夫と二人で相談」した「つもり」だったのですが、実は既にこの時、夫とあなたの「夫婦の関係性」と「夫婦という価値観」がずれいていたんですね。大きく「今後の人生設計」が夫とあなたでは違っていたということでしょう。35年ものローンが組めたということは夫の年齢はまだ若いわけで、あなたが土地を買って自分好みの設計で家を建てることに夢中になっている間に、夫の心は少しずつ離れていったのではありませんか?

人生の大きな目的のひとつが「小さいながら郊外に素敵な家を建てること」に向ったあなたと、これからその家と土地のために何があっても35年は働かなくてはならない人生を背負った夫との心のズレにあなたは気づかなかったのでしょうか…。あるいは、あなたの夫はあなたの夢のような幸せを壊さないために仕事に熱中しているうちに、帰宅してあなたと食事をしたり話したり、性の営みをするのはわずらわしくなってしまったのかもしれません。

近ごろ、色々な理由で家庭内別居を選択する夫婦が増えています。離婚の前段階としての家庭内別居もありますが、もちろんあなたの場合は少なくともその気はまったくなく、夫も家庭内別居の始まりは「俺の帰りがおそい時は先に寝てていい、起こさないようにそっと寝るから」ということでした。ですから夫が円満に離婚をするための一つの準備をしている、(離婚の理由となる「夫婦関係の破たん」の条件として長期間の家庭内別居とセックスレスがあります)とは思えません。自分好みの家が建てられたことであなたは夫に「私の夫だから」と過度に要求しはじめたり、夫だからやって「当然」と思ったりはしていないでしょうか?

ちょっと古い統計ですが、2016年厚生労働省の発表では結婚した夫婦が62万1000組、離婚した夫婦が21万1140組だそうで、単純に割ると約3分の1が離婚していることになります。「ゆるやかな離婚準備」でもある「家庭内別居」の解消に向けてしっかり自分と夫と向き合ってください。

(文:大関洋子)

2020/01/31(金)
第177回【恋愛編】「彼との性行為は辛いだけ」
【Q】
月経が2週間遅れて、なんとなく胸も張ってきたような気がしたので、妊娠検査薬で調べたら陽性だったんです。初めての経験で目の前が真っ白になりました。産婦人科でも妊娠と言われました。まだ結婚は考えていなかったので、堕ろすしかないと思いましたけど、堕ろすにはお金もかかるし「妊娠した。あなたの子だよ」と彼にも話しました。私自身の責任とは思うんですけど、私一人の子どもじゃないわけだし…。彼の反応は「えっ?!」ていう感じで「産んで」でもなく「堕ろして」でもなく…。でも彼の態度からは産んでほしいというような感じを受けました。結局、彼にも納得してもらって堕ろしたんですけど、授かった命を奪ったっていう罪悪感ていうか、とても悲しい気持ちになって、妊娠が恐怖でしかなくなったんです。その後彼との性行為は、悲しい気持ちを思い出すので、辛いだけになってしまいました。

【A】
あなたはまだ混乱していて自分が何を相談したいのか整理できていませんね。初めての妊娠にどぎまぎし、相手の彼はハッキリ産んでとも堕ろしてとも言語化しなかったけれど、態度では産んでほしそうだった。それなのに、結婚を考えていないあなたは彼に納得させて堕ろした。そして「授かった命を奪った」罪悪感にさいなまれて悲しい気持ちになり、妊娠が恐怖でしかなくなった。その結果、彼との性行為は辛いだけになってしまった。

あなたが相談したいのは@初めての妊娠で目の前がまっ白になって「産んでほしそうな彼を無理やり納得させて堕ろしてしまったことか?A結婚を考えていなかった自分が妊娠してしまった不注意さか?B授かった命を奪った「罪悪感」なのか?Cそのため新しい命を授かる喜ぶべき「妊娠」という出来事が恐怖にしか思えなくなったこと?なのかD彼との性行為が辛いだけになって困っているのか、だから彼と別れたいと悩んでいるのか?@〜Dのどこが中心の相談でしょうか?

勿論、この5つの悩み事は一連の出来事ではありますが、どこに焦点を当てるかで答えは大きく違ってきます。望まない出産を避けるために行われる人工妊娠中絶(堕胎)の歴史は古くは平安時代の「今昔物語集」の中にも薬草を煎じたり母体に衝撃を加える乱暴な方法が登場しています。刑法では「堕胎」は犯罪となっていますが、1948年に制定され1996年に「母体保護法」に改正された法律によって「経済条項」が拡大解釈され、他国に比べ規制は緩くなっています。あなたが主に悩んでいるのは授かった命を、この緩くなっている法律の流れで中絶してしまった罪悪感でしょうか?昔と違い中絶の手術が母体の命まで奪うことは少ないとはいえ、女性の心と身体に大きな負担と傷を残します。

妊娠という事実は当然相手の男性にもしっかり背負ってもらわなければなりません。ここの時点であなたは結婚を考えていなかったので堕ろすことを前提にして彼に「あなたの子だよ」と言っています。堕ろすためのお金が必要で言っています。そこでしっかり「僕たちの赤ちゃん産んでほしい、結婚しようよ!」と言えなかった彼にも問題がありますが、「中絶ありき」でそのお金のために「あなたの子だよ」と言ったあなたには「なぜ結婚を考えていなかったのか?」を踏み止まって考えてほしかった。性の遊びだったのなら今回のことでその行為が辛いものになっているのは仕方のないこと。この体験から学んでください。
(文:大関洋子)

2020/01/16(木)
第176回【職場編】「女子会は勘弁してほしい」
【Q】
うちの会社は男性7割、女性3割。管理職はほとんどが男性で課長職以上の女性管理職は1人しかいません。どこの会社も大差ないと思うんですけど、重要な仕事は男性、どうでもいい仕事は女性、みたいなところはありますよね。そんな職場なので女子社員はみんな不満に思っているんです。なので、どうしても女子は女子でつるんで、女子会で愚痴を言い合うことになっちゃう。でも私、女子会嫌いなんです。社内ではっきり言えばいいのに、言うわけでもなく女子だけ集まってグチョグチョ言ってるだけ。愚痴の他には「××はカッコいい」とか「結婚するならああいう人」とか…。結局、女性差別は、女性が働きたくないことに原因があるんじゃないかって思ちゃう。もちろん、社会的に差別されているのも事実なんですけど…。私は男性と同じように働きたいのに、女子会なんかに参加してると働きたくない女子と同じに見られちゃうし、愚痴ったり、男あさりしてるだけじゃ楽しくないじゃないですか。参加しないと私も愚痴の対象にされちゃうので、どうしたらいいのか困ってます。

【A】
今でも結構、目にしたり耳にしたりする言い方に、「女のわりに優秀だ」とか「女にしておくのはもったいない」という褒めているんだかバカにしているんだかわからないような(本当にはバカにしているわけですが)言い方をされることがあります。また、男まさりの女、という言い方はあるけれど、女まさりの男、とは言いません。

仕事でも発明でも、冒険でも芸術でも、人間が成し遂げた偉大な業績のほとんどはすべて男のものであり、たまに女性で優れた能力を発揮する人がいると、このような言われ方をするのです。

芸術の分野では「女流」という冠を頭につける言い方があって、作家でも女性は「女流作家」、棋士なら「女流棋士」とか俳優も女性は「女優」と言われます。優れた人は基本的に「男性」であって、「女流」というのは男性のレベルまではいっていないけれど、女性の中では優秀というような意味合いで使われていると考えられます。映画だって舞台だって「女性」が主役でないと成り立たないようなものでも、「俳優」は「男」の人を差し、女性はわざわざ「女優」という場合がほとんどです。今はマスコミも注意しているようで「女優の樹木希林さん」とか、「女優の吉永小百合さん」とは表記したり言ったりせず、「俳優の」と変わりつつありますが…。
そういった状況に対し、私たちが違和感を覚えるほど、世の中は、「優れた人」=「男性」という方程式が出来上がってしまっているのです。フランスで1949年に発表されたシモーヌ・ド・ボーヴォワールの「第二の性」に「人は女に生まれない。女になるのだ」という有名な一文があります。彼女は人間にも生物としてのメス・オスはあるけれど、他の動植物から区別される独特な存在としての人間のあり方を決めているのは、どんな「生理的・心理的・経済的宿命」でもなく、それは「文明の全体」なのだ、と言っています。「女らしく」とか「男らしく」という偏見がまだまだ生きている現在の文化文明の中で「私は男の人と同じように働きたいから女子会は勘弁」というあなた自身にもまだジェンダーバイアスがあるのでしょう。男達が居酒屋であなたのことを「女にしておくのはもったいない」と言ってくれても誉めているわけではないし…。

「小泉環境相、計2週間の育休」という見出しの記事が新聞や雑誌に踊っても、世の中の男が皆、そうできるわけでもないことなど考えて、女子会の参加不参加はあなた自身が決めてください。弱いと思われていた女達が上下の身分に関係なく力を合わせて起こしたいくつもの革命(「元始、女性は太陽であった」と書いた平塚らいてうしかり「#MeToo」「“KuToo」も)もあったことも思い出して…。
(文:大関洋子)

2019/12/24(火)
第175回【子親編】「いきなり同居を言い出され…」
【Q】
結婚して30年、子どもたちも独立して、ようやく楽になるかなあと思った矢先、義母から「同居を考えてもらえない?」と言われました。夫は長男なので覚悟はして結婚したんですが、「負担だろうから同居しなくていいよ」と義父母が言ってくれたので、同居は考えていませんでした。2人で施設に入る話もしていたので安心していたんです。ところが突然同居の話なので…。義母が言うには、ヘルパーを頼んでいたんだけれど、義母の見ていないところで義父がヘルパーさんの身体を触ったり、卑猥な話をしたりしたと言うんです。ヘルパーの会社から電話があって、こういうことが続くと伺えなくなると言われたんだそうです。義母はもし施設に入って同じようなことがおこるとしたら、いたたまれないし、施設を追い出されるのではないかと思ったらしく、同居を考えたらしいんです。義父はそんな人に見えないし、認知症というわけでもないと思うので、もし二人で生活するのが大変なようなら、2人で入れる施設に入ってくれるのがいいと思うのですが、どう話したらいいか困っています。

【A】
今年の総務省の発表した推計人口によると、70才以上の人口は2618万人で総人口に占める割合は20.7%、初めて2割を越えたとの事です。超高齢化社会への早急な対応が迫られる現状が改めて鮮明になった年でもあります。この年齢層の方達は1947〜49年生まれ「団塊の世代」と呼ばれ戦後生まれで、必死に働いて今の日本を復興に導いた人たちでもあります。しかし、あなたのように、介護、介助などの支援が必要となってくる年齢でもあります。

社会的にも高齢の運転の車が逆走して罪のない方が命を落としたり、ブレーキとアクセルを踏み間違えて大事故を起こしたりと、車の事故だけでも枚挙にいとまがありません。免許の更新に高齢者の認知症の検査が厳しくなってはいますが、事故が防げないのが現状です。あなたのお宅では、義父のヘルパーさんへの性的接触や卑猥な話で困っていらっしゃるわけですが、現役時代には全然そういった行動のない方が突然そうした行動に出るようになったとすれば、充分、認知症の疑いがありますので、今すぐ同居とか施設とかを決めるのではなく、まず義父の行動、言動をヘルパーさんやその事務所の人におわびがてら確認してみてください。

嫁の立場のあなたではなく、息子であるあなたの夫の出番です。妻であるあなたに「負担だから長男だけれど、同居はしなくていいよ」と言ってくれた男性ですからそのくらいのことはやってくれるでしょう。それと同時に早急に同居してほしいという義母の不安な気持ちを夫婦2人でゆっくり、しっかり聞いて上げてください。

先にあげた「運転免許」の返納の場合、多くはご家族が大変な思いをして奪うように返納させていますが、お義父様のようなヘルパーの体を触ったり、卑猥な話をするようになった夫を見たり聞いたりするのは長年そんなこともなく2人で人生を乗り越えてきたお義母様には、人生の最後で何とも悔しくやり切れないお気持で怒りや不安で冷静ではなくなっていらっしゃることでしょう。お義母様の愛情が不足していたとかいう問題とはまったく別のことですので、お義母様を責めたりせず、あなたがたご夫婦で受けて止めて上げつつ、認知症の診療にお義父様をお連れください。「健康診断」と言うのが通りやすいようです。
そして診断の様子で同居をしても嫁のあなたに同じ問題が起る可能性も大きいので、訓練を受けた専門家のいる施設入居も視野に入れてご相談ください。施設にも有料老人ホームをはじめ特養「サ高住」と呼ばれるサービス付高齢者向住宅、医療管理下で入居できる介護老人保健施設(老健)、軽費老人ホーム(主に自立あるいは要支援の高齢者が比較的少ない費用で入居できる)等々、お義父様の症状と経済的な状況を考えて、ケアマネージャーも交えて相談してください。まずはお義母様の気持ちを聞き支えることが一番です。


(文:大関洋子)

2019/12/06(金)
第174回【親子編】「娘が年上の男と付き合ってる?!」
【Q】最近、高校2年生の娘の様子が変なんです。1日何度もお風呂に入ったり、何やらサプリメントのようなものをインターネットで注文したり、お小遣いで買えないような服を着ていたり…。娘と話をしていると、時々年上の男と付き合っているようなことをほのめかすんです。はっきり聞いてみようかとも思うんですが、嘘をつかせるのもどうかと思うし、逆に本当のことを言われても、対応に窮してしまうのは分かっているので、簡単に聞くわけにもいかず困っています。娘が外出している時に部屋を探ってみましたが、新しく買ったらしい下着やコンドームは見つけたんですが、付き合っている相手は分かりません。「成人男性が高校生と付き合うと警察に捕まることもある」と話してはおいたんですが…

【A】
「成人男性が高校生と付き合うと警察に捕まることもある」とあなたが母親として娘さんに話されたのは「青少年保護育成条例」のことですよね。これは地方公共団体の条例の一つで、青少年保護育成とその環境整備を目的に地方自治体で公布した条例の統一名称なので都道府県、市町村により正式名称や内容に多少の違いがあります。東京都では1988年と1997年の2度、都議会に提案されたのですが否決され、2005年にやっと可決されました。

この条例では18才以下の青少年と成人の男女が「淫行」「わいせつ行為」「みだらな性行為」「みだらな性交」を行うことを処罰規定としているのです。そもそも「淫行」「みだらな性交」とは何か?1985年、最高裁では「心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交または性交類似行為」「単に自己の性的欲望を満足させるための対象」として条例違反とするという判例があります。合意の上の性行為は処罰にはなじまず、自発的な性行為や売買春ではない性行為を規制する条項はなく、婚姻可能年齢を女子16才とする法律とも矛盾が生じ、未だに議論のあるところです。婚約をしてまじめに交際をしているカップルはどうなのか、男女共に18才以下の場合行為者が青少年ということで罰則適用しないということなど、問題は山積です。
「性行為は何才からなら行ってもいいか?」などという基準から考えるのではなく、あなたの娘さんの「恋愛」、「恋愛まがい」の交際が娘さんの心身に傷を残すことにならないかどうかということが一番大切なことです。

コンドームを持っているとのことなので妊娠やエイズのことは自分でも気をつけているようですが、人を愛することの素晴らしさと苦しさを娘さんが深いところで葛藤しているか、年上の男性との「性」の接触がただめずらしく、刺激になっているのか、など、そっと見守りながら、母親として問い詰める態度ではなく、話を聞くようにしてはいかがでしょうか?新しい体験に、きっと心も身体も悩んでいることはたくさんあると思います。「嘘をつかせるのもどうかと思う」とおっしゃっていますが、「お小遣いで買えないような服を着ていたり…」とあるのが気になります。その辺りはまっすぐに尋ねてみる方がいいと思います。援助交際のような関係は心身に危険ですし、それこそ青少年健全育成条例の違反・処罰規定でもありますから。
(文:大関洋子)

2019/12/06(金)
第173回【夫婦編】「風俗バイトがばれた?」
【A】結婚して6年です。夫とは、アルバイトをしていたスナックで24歳の時出会って、1年後にでき婚しました。5歳と3歳の子どもがいます。下の子が1歳になったのを機に、2人を保育園に預けてフルタイムで働き始めたんですが、家賃と光熱費、保育料、車のローンや維持費など、毎月決まって出て行くお金を差し引くと、2人の給料では足りません。仕方なく、勤めていた会社を辞め、週に4日、デリヘルで働くことにしました。出勤日も自分で決められるし、それまでより時間も半分くらい、しかも収入は倍以上になったので、しばらくこれでやっていこうと思っていたんですけど、洋服を2着といつもより高めのコスメ用品を買ったことで、夫から問い詰められてしまいました。デリヘルで働いているなんて言えないので、適当にごまかしたり、黙って夫の勢いが弱くなるのを待ったり…。なんとかその場は繕ったものの、学生時代にキャバクラでアルバイトをしていたことを知っている夫は、風俗バイトをしてるんじゃないかと強く疑っていて、私が隙を見せたらスマホを覗こうとしているみたいなんです。

【Q】
「風俗バイト」に対するハードルの高さは、人により大きく異なります。多くの女性にとって大変高いハードルですが、あなたの場合、「学生時代にキャバクラでアルバイトをしていた」ということもあり、多くの女性より低いということでしょう。性の営みに対する価値観を単純に善悪で述べることはできないので、個々の持つハードルの高さと言っているわけですが、「風俗バイト」には、他の一般的な職業に比べて、大きなリスクを伴うということは、しっかり考えなければなりません。妊娠はもちろん、エイズや梅毒、淋病などの性感染症、犯罪に巻き込まれる可能性の高さなど、数倍、数十倍ものリスクを伴います。しかも、それがあなただけでなく、あなたを介して家族に及ぶ危険もあります。また性行為は、夫からの離婚の申し立て理由にもなります。あなたは、お金のことを中心に考えているようですが、そういったリスクも充分に考える必要があります。

ハサミムシという虫をご存知ですか?尾の先についた大きなはさみが特徴で、このハサミを振りかざして、敵から身を守ったり、獲物を捕まえたりします。人間が石をひっくり返すと、石の下に身を潜めていたハサミムシがあわてふためいて逃げ惑いますが、中には逃げずに勇敢にハサミを振り上げて威嚇してくるハサミムシもいます。見ると、そのハサミムシのそばには、産み付けられた卵があり、母であるメスのハサミムシは大切な卵を守るために、逃げることなくその場でハサミを振り上げるのです。そして冬を越して春に卵がかえるまでの40日から80日もの間、餌を捕ることもなく、飲まず食わずで卵に体を覆いかぶせ、時には卵にカビが生えないように1つ1つなめたり、空気にあてるために卵の位置を動かしたり、ずっと卵を守り続けるのです。

やっと待ちわびた子どもたちが誕生しても、孵化したばかりの幼虫は獲物を捕ることができず、甘えてすがりつくかのように母親の体に集まっていき、なんと子どもたちは母親の体を食べ始めます。母親は逃げるそぶりも見せずむしろ子どもたちに腹のやわらかい部分を差し出す様子がよく観察されるそうです。(参考・稲垣栄洋「生きものの死にざま」)
生物の進化はそれぞれの種によって異なりますが、動物にとって次の世代を残すことは重要な仕事であり、生きとし生きるもの全ては限られた命を懸命に生きて、種の保存をしてきました。

あなたには子どもたちを育て、家族を守ろうとする強い決意がおありですが?洋服を2着と高めのコスメ用品を買ったことで夫から不審に思われ適当にごまかしているとのこと。とてもお子さんや家族を守るための行動とは思えません。ご自身にとって何が1番大切で、誰が1番大事な人なのか、しっかり考え直し、何のために生きるのかを見つめ、考え直すことをおすすめします。

売春の歴史は最古の例の1つは紀元前の古代オリエントにおけるものであり、売春は世界最古の職業と言われたりもします。日本では10世紀の初め頃、遊女や白拍子といった人たちが、婚姻制度が対偶婚(単所双方の気の向く間だけ関係が続き)から排他的持続的な単婚制へと移行したのに応じて、男性が女性のセックスを金で買うという行動が広がったものと言われています。近世では貧しい女性が家族のために劣悪な環境で働かされ、多くの遊女たちが若くして命を落としていった歴史もあり、1956年に売春防止法が制定され、その流れに一応の終止符を打ったという歴史があることも申し添えます。

(文:大関洋子)

2019/11/07(木)
第172回【恋愛編】「彼との経済的格差が…」
Q.
1年ほど前、親友の結婚式で彼と知り合いました。彼は8歳年上の36歳、今では結婚も考えるようになったのですが、どうしても引っかかることがあります。それは、彼の育った環境や今の生活と私のそれとがあまりに違いすぎることです。彼の実家は豊かで大きな家に住み、一家全員が一流大学出のエリート。それに比べて私の実家は貧しくて小さなマンション暮らし、私はかろうじて大学は出ているものの両親は田舎の高校卒。“玉の輿”とも言えなくはないけれど、彼のご両親が私や私の両親のことをどう思っているのか、本当のところは分からないし、彼とデートをしていても、身の縮む思いで、一流レストランで食事をしても美味しいなんて感じる余裕はなく、家に戻るとぐったりしてしまいます。周りはうらやましがるんですが、最近は彼との関係を苦痛に感じることもあります。彼は優しい、非の打ち所のない男性なのですが、格差による苦痛に耐えられなくなるのではないかと不安でしかたありません。

A.
昔から「釣り合わぬは不縁の元」と言って「格差婚」はまあ、うまくいかないことが多いと言われています。「玉の輿」に乗ったように見えてもそれは実は「茨の道」だったということもよくあることです。

さて、あなたが不安に思って「彼との関係を苦痛に」感じ、いずれ「耐えられなくなるのでは?」と不安に思っている、でも別れてしまうには「彼は優しく非の打ちどころがない」男性だから、何とも勿体ない、どこでどうしたらいいのだろうと悩んでのご相談です。

もし、あなたがこの格差の不安を乗り越えて結婚、もちろん、結婚とはその人と同じ人生を共有する、ということですが、したいという思いが強いのであれば、以下の2つのことができるかどうか自分に問うてみてください。

1つ目は『相手の価値観を尊重できるかどうか?お互いの違いを認め、よく話し合って2人の人生設計をすり合わせる努力ができますか?』ということです。
お互いの違いの中には@金銭感覚、何にお金をどう使うか、どういう分野にお金を使っていこうとしているか?A教育観、子どもをどう教育するか?塾や家庭教師にお金をかけるか、学校外の体験を重視するのか等B自我の成熟度、自己肯定感、自己効力感の違い、適切な自己肯定感が育っていないと自分の価値観を確認しようとして強い嫉妬心や相手を束縛してしまうC日常生活での態度、マナーやモラルの違いを許容できるか?許容範囲を超えていれば、先へ行く程、お互いが耐えられなくなり離婚の原因になります。使う言葉(敬語が使えるか相手をどう呼ぶか)、食べる時に音を出す、すぐ切れる、人の陰口を云う等々、この4番目は割と大人になってからでも、自覚して努力すれば変えられるものです。資質も必要ですが「品性」は努力で変えられます。

もしあなたが何とかこの「格差」の不安を乗り越えたいと願うなら、2つ目に自分に問うてほしいことは「相手のために自分はどう変化できるか?」そして、もっと大切な自分への問いは「自分はどういう生き方をしたいのか?」という問いかけです。「格差」があることを「自分がその格差を受け入れられるか」という問いでもあります。もちろん、卑屈になるのではなく、彼と対等の立場で、という意味です。金銭的に豊か、偏差値の高さは幸福度と比例するものではありませんから。彼も格差を感じていないわけはないのでしょうけれど、少なくともあなたの話からは、彼は格差を乗り越えているようにも思われます。格差を乗り越えられていないのはあなただけでは?まず、あなたの中にある差別意識(もしかして、自分より劣っているものを見下したりしませんか?)をなくしましょう。
ただ、もし、彼があなたに教え諭したり、経済的な優位差を利用して、少しでもあなたに忍耐を強いるようなことがあれば、格差を乗り越えるのは難しいので、そういう場合は、すぐに別れることをお勧めします。
(文:大関洋子)