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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2019/10/03(木)
第170回【子親編】「長男て、そんなに偉いの?!」
【Q】結婚して15年です。夫は7歳年上の52歳、3人兄弟の末っ子で、62歳と55歳の兄がいます。実家は、戦後すぐに今のところに引っ越したとのことで、地域ではある程度の力を持っています。8月にはお祭りがあったり、お盆だったりで、兄弟が毎年集まるんですが、外に出ると近所の人たちから声をかけられるのは1番上の兄。当然と言えば当然ですけど、兄の家は遠方で、ほとんど実家に顔を出すこともなく、両親に何かあった時には、すぐ近くに住んでいる私たちが面倒を見ています。1番上の兄は、両親と一緒に住むつもりはないと言っているし、2番目の兄も「俺も」みたいな雰囲気で、今のままだと私たち夫婦が両親の面倒を見させられそうなんです。なのに、実家に3人が集まると仕切っているのは1番上の兄。しかも、両親が亡くなったら墓を守るのは長男でなければダメみたいな…。結局、面倒を見させられるだけ見させられて、兄がすべてを持って行くってことになりそうです。義父はもちろん、地域の人たちも、それが当たり前と思っているみたいなんです。なんか、変な理屈で納得がいきません。

【A】
かつては親の介護を長男の嫁が担うことが多かったのですが、今は誰もが親の介護をする可能性が高い時代になりました。そのため兄弟姉妹の間で介護にまつわるトラブルが増えています。

介護まではいかなくてもあなたのように、長男は遠方に住んでいて「何かあるとすぐ近くに住んでいる私たちが面倒を見る」ことになります。一番上の兄、長男は遠方の上、「両親と一緒に住むつもりはないと言っている」とのこと。二番目の兄、次男も同様、となると三男夫婦が「面倒を見させられそう」と不平不満になっています。
その不平不満の元はといえば、「面倒だけは私たちが見させられて、日常的に長男に仕切られ、ご近所だけでなく義父までがこの家の墓守は長男=遺産は全部長男が相続!?」という事ですよね。

確かに旧民法970条には、「長子相続」のきまりがあって、前近代社会では家の財産は個人的な私有財産ではなく「家産」とされ、その直系家族の維持=家の存続とされていました。家制度は前近代社会の基礎になっていたので、政府も「戸主」となった長男には財産の全相続権は勿論、結婚や家族の身分関係の変動についても同意を必要とする権限を与えていました。この1898年(明治31年)に制定された民法は第二次大戦後日本国憲法の発布と同時に(24条に反するとして)、1947年(昭和22年)5月3日を以って廃止されました。

ただ、「家族の扶養義務」(民法877条)や「夫婦同姓」の戸籍制度の規定などは、古い家制度の名残としてそのままです。現民法上では法律上の家制度は廃止されたものの、「名残り」の規定はまだ法的には残っているし、地域や社会全体としては長子=長男がどんなに遠くに住んでいても、たまにしか顔を出さないとしても、「実家の冠婚葬祭を仕切るのは長男」と決めて、生まれた時から特別扱いすることが当たり前、という文化が残っています。あなたの不平不満、そして財産相続の不安はよくわかります。こういう歴史と風習の中で起きている社会現象だということを踏まえたとしても、介護、親の面倒を見るという長男夫婦の絶対逃れられない役割だった負の部分だけは「兄弟みんなで」と言われて、遺産は長子相続というのではたまったものではありません。お祭りなどには三兄弟そろうようですし、あなたが一番身近で面倒を見ているのは皆知っているのですから、普段から、ご両親の気持ち、意思をそれとなく伺ったり、経済的状況も三兄弟で本音で話し合えるといいですね。
(文:大関洋子)

2019/09/20(金)
第169回【親子編】「娘がDVにあっている?」
【Q】
25歳の娘がいるんですが、最近様子が変なんです。大学在学中から付き合っていた彼氏がいて、もしかすると結婚なんていう話になるのかなあと思っていたんですが別れてしまったらしく、1年ほど前から帰宅も早くなり休日も家で過ごすことが多くなっていました。特に落ち込んだり、暗くなったりということもなかったので、そのうちまた彼氏でもできるだろうと思っていたんです。ところがここ数ヶ月、付き合い始めた男性がいるらしいんですけど、帰りが遅い日とか、出かけた休日とか、彼氏と一緒にいたらしい日ほど、帰宅した後、とても暗いんです。先日はカバンの取っ手が切れたとか言って、カバンを紙袋に入れて帰ってきたり、顎にあざみたいなものがあったりもしました。どうしたか訊いたんですが、「ちょっとぶつけた」と言うだけでちゃんと話そうとしません。今までの明るかった娘とは明らかに様子が違うので、もしかしてデートDVにあっているのでは?と心配しています。

【A】娘さんは明らかにデートDVにあっています。
デートDVはとても深刻な問題です。なぜならば、暴力の被害者である娘さんは、暴力を受けているにもかかわらず、それを「愛情」と感じていて、恋人である彼から離れることができないからです。
このまま放っておくと娘さんの命にも危険が及びますので、娘さんによく話を聞いてください。これが面倒なことに、叩かれることを愛情だと勘違いしているわけですから、かなり抵抗するでしょうが、まずは娘さんを責めたり否定したりせず、話を聞いてあげてください。

「付き合っているならこれって当たり前」「それが出来ない私が悪いから叩かれる」「彼からの連絡には即レス」「彼と一緒にいるためなら友達との付き合いはやめるのが当たり前」「記念日には私が彼にプレゼントするのが当たり前」「彼が望むなら私が嫌な時でもHするのは当たり前」、どんなことを言われても従うのが当たり前と思っていながらも、心のどこかでは「当たり前かなあ?」と疑問にも思っているものです。「それってやっぱり変だよね」という気持ちに、本人が焦点を当てられるよう丁寧に話しかけてください。

恋人のいる女性のうち、44.5%がデートDVを経験しているという統計があります。若い女性のうち約半数が何らかの形でデートDVの被害者です。娘さんのようにあざができたり骨折したりする「身体的暴力」、日常生活を管理しようとしたり、それに抵抗すると家族や友達にも危害を加えると脅したりする「精神的暴力」、嫌がっていても性的関係を強要する「性的暴力」、お金を借りて返さない、物を買わせたりデート費用を出させたりする「経済的暴力」の4つがあります。

国連では、毎年11月25日を「女性に対する暴力撤廃国際日」としていて、11月12日から2週間、内閣府や関係省庁では「女性に対する暴力をなくす運動期間」として、紫(パープル)のリボンの配布などもしています。

娘さんとお二人で専門の相談窓口に行かれるのがいいのですが、彼と別れられないようでしたら、家族からの相談も受け付けてくれるので、DV相談ナビ 0570-0-55210 にお電話なさってください。(他に「女性の人権ホットライン」050-070-810)
もう一つ、娘さんが自分で選んだ恋人が次々暴力を振るう相手になるとしたら、生育歴の中で、両親、父が母に暴力を振るっているのを見たりした経験があるのかもしれません。よく考えて、そういうことがあったとしたら、しっかり謝罪してください。
(文:大関洋子)

2019/09/05(木)
第168回【夫婦編】「毎月15万円を手渡され…」
【Q】
就職した会社で先輩として私を指導してくれたのが今の夫です。真面目で、きっちりしている人だったので、この人とならいい家庭が築けるのではと、2年で会社を辞め結婚しました。今は専業主婦で小学4年生の息子がいます。子どもが小学校にあがるのを機に一戸建てを買いました。その辺りまでは思い通りの家庭生活ができていたと思います。ところが3年前、子どもの学校に出かけることも増え、少しはおしゃれもと中古のブランドバッグを3万円で買ったことで夫の態度が変わったんです。「こんなもの買うお金がどこにあるんだ?!」と怒鳴られ、それまで私に任されていたお金の管理を夫がするようになったんです。今は、毎月15万円を夫が私に手渡し、その範囲内でやりくりしています。夫の給料がいくらなのかも分かりません。子どもにかかる臨時の出費はその都度夫にお願いして出してもらいますが、必ず一言愚痴を言われるし、光熱費や電話代も15万円の中でやるように言われているので、毎月ほぼ赤字の状態です。「せめてあと2、3万円」とお願いしたところ「おまえのやりくりが下手なんだ!」と怒鳴られました。子どもが中学になるまでは、働きに出ることも許されていません。このままでは、生活が行き詰まってしまうので、夫に知られないような短時間で高収入の仕事に出ようかと考えています。

【A】
あなたの言う「短時間で高収入の仕事」って何を想像して言っているのでしょうか?しかも「夫に知られないような」と。何か特別な特技でもお持ちでもないようなので、ご自分自身を売り物にしようと思っていませんか?

「子どもの学校に出かけることも増え」、中古とは言えブランドのバッグを買うという行為が夫の怒りを買ったとのことですが、本当に小学校に行くため?だったのでしょうか?ママ友の中で優位に立ちたい、ちょっと目立って男性から声をかけられたいという潜在意識が無意識に働いたのではありませんか。

そもそもご夫婦は、お子さんが6歳になる時にはすでに一戸建てを購入されています。お子さんは4年生の息子さん1人のようですが、家族計画の中で一人っ子でいいと決められたのでしょうか?お子さんをどう育て、そのための資金をどう蓄えるかなど、熟慮された上での一戸建て購入だったのでしょうか?

一戸建て購入までは「思い通りの家庭生活」とのことなので、ご夫婦とも、何を人生の中で大切にするかの価値観はほぼ同じだったのでしょう。まあどちらかというと、無形のもの、形のないものに価値を置くより、有形のもの、形あるものに価値を見いだし、そこに他者との優位性を感じるという消費志向の強い価値観をお持ちのご夫婦ですよね。まず、家とか持ち物とかにお金をかけるタイプの価値観なのでしょう。
だったら妻であるあなたがブランドバッグを買っても当然のことなのに、何かあなたの潜在意識に「外へのアピール」を感じた夫は、それをきっかけに収入の額も明かさず、15万円で家計を仕切れと言う。しかも光熱費、電話代もその中から、お子さんの臨時の出費はその都度お願いする、その上必ず一言愚痴を言われる。あなたの夫はあなたを支配したいと言うことですね。

毎月渡される15万円が多いか少ないかの問題ではありません。夫の年収も知らされず、その上、妻が働きに出るのは子どもが中学に上がってからと言う。これでは、毎月お手当をいただいて生のお相手をしていた昔のお妾さん、二号さん。その上、家事育児を受け持つ家政婦役もやらされ、あなたには何の人権も与えられていません。ジェンダーギャップの極みです。短時間、高収入の仕事を夫に内緒で始めることを考える以前に、ご自分の、ご自分たちの人生のあり方をよく考え、話し合ってください。当然離婚も視野に入れながらです。
(文:大関洋子)

2019/08/29(木)
第167回【恋愛編】「彼のいいところを訊かれても…」
【Q】
学生時代に仲の良かった5人で食事をしました。2人は既婚で子どももいて、私とあと2人は結婚を考えている彼氏がいます。5人が集まるのは5年ぶりだったので盛り上がりました。既婚の2人は、家庭の自慢話、未婚の2人は彼氏のいいところや悪いところ、楽しかった旅行の話、ドキドキしながら彼の実家を訪ねた時の話とか、興奮しながら話してくれました。私も彼氏の話をしようと思ったんですけど何も話すことがないんです。旅行も人に話すほど楽しかったことなんてない、彼の両親にも会ったけれど“普通にいい人”と思っただけで、特に緊張したわけでもないし…。「彼のどこが好きなの?」って訊かれた時は困りました。見てくれは悪いし“気が利かなくて鈍感”っていう救いようのない悪いところばかり浮かんできて、いいところなんて全然浮かばないから、どこが好き?って言われても答えられないんです。仕方なく「ちょっと鈍感なとこかな?そういうのってこっちも楽だから」ってごまかしたんですけど、そんなの嘘ですよ。鈍感なことにいつも腹が立ってるん私は彼を好きなんじゃなくて、彼氏がいなくなっちゃうのが嫌なだけなのかも…。

【A】
動物個体が生きている究極の目的は、生き残り、子をつくり、自分の遺伝子を次世代に残すこと。ヒトを含む哺乳類ではふつう、妊娠期間中と授乳中は子をつくれないので、メスが一生のうちにつくれる子の数は限られています。メスは数少ない卵ができるだけ生き延びられるような戦略として、子どもによい遺伝子を伝えられるような健康で優秀なオス、あるいは、食べ物や隠れ場所など子どもが育っていくのに必要な資源をたくさんもったオスを注意深く選びます。(麻生一枝「科学でわかる男と女の心と脳」より)

あなたは友だちに「彼のどこが好きなの?」と訊かれて困っています。あなたの遺伝子ができるだけ生き延びられるためには健康で優秀なオスを選択しなければならないとすると、あなたは生き残り戦略がうまくいっていないことになります。困った挙句、「気が利かなくて鈍感」な救いようもない悪いところを、無理矢理、「そうゆうのってこっちも楽だから」とごまかしています。もし原始時代、洞くつの中でくらしていたとしたら「気が利かなくて鈍感」なオスではあなたも子どももアッという間に猛獣のえじきになってしまいます。だからあなたが彼の鈍感なことに腹を立てているのは動物の究極の目的である生き残り戦略としては正しい感情なのです。

ところがあなたは、その生き残り戦略の本質を無視して「彼氏がいなくなっちゃうのが嫌?」なだけで彼と付き合っているのですね。彼の健康で優秀なところをひとつも上げられずにお付き合いしていれば、いずれは破局がくるのは目に見えています。早々に彼とは別れて、生き残り戦略を立て直した方がいいでしょう。

ただし、物は見方次第で変わってくることも最後にお伝えします。あなたから見ると彼は「気が利かなくて鈍感、見てくれも悪い」と感じられるのかもしれませんが、別の人から見たら、「何があっても動じず、沈着冷静、人にお世辞を使わず、裏表がない。誠実で見てくれを飾ろうとしない質実剛健な人物」と見えるかもしれない、ということです。「コップの水が半分しかない」と思うのか「半分もある」と思うのか、コップにある水の量は同じでも見方が変われば逆になる例はたくさんあります。

この際、あなた自身の価値観をもう一度、見直してみてはいかがでしょうか?恋人にばかり求めるのではなくて自分がお相手から「どこが好きと言えば全てが好き」と言ってもらえるように。

(文:大関洋子)

2019/08/01(木)
第166回【職場編】「“スカートでないと”って何で?!」
【Q】
入社して2年目、主に不動産を扱っている会社で総務部に配属されています。1フロアに総務、企画開発、経理、営業など、いくつかの部署があり窓口業務もあります。顧客との直接対応があったり、直接対応がないにしても背の低いパティションがあるだけなので、役所みたいに訪れた人からは社員は丸見えです。そんなようなので、服装を管理されるのも仕方ないとは思うんですが、女性だけに制服があって、その制服がタイトスカートにジャケットです。男性はスーツですから女性もそれに準じているっていうのは分かりますがパンツはないのは…。この時期、外からいらしたお客様や外営業から戻った社員は汗だくで入ってきますから、エアコンはガンガン。なのにストッキングは厚手のものはダメで、膝掛けでは対応しきれないんです。外に出た瞬間、暑いと感じるよりむしろ冷えた身体が温められてホッとするほどです。女子社員何人かで上司にパンツも作ってほしいと何度かお願いしたんですが「女子の制服はスカートでないと…」と取り合ってくれません。

【A】
3月16日(土)の朝日新聞夕刊文化面に「少女漫画が問う 女性の現実」とういう見出しで「元アイドルが主人公の“さよならミニスカート”」と副題のついた記事が掲載されました。この漫画は作者の牧野あおいさんが「高校の時に先生から“スカートを短くしていたら痴漢にあうぞ”と言われて“何で被害者側が責められるのだろう”と理不尽に感じた」経験から「こうだったらいいのに」とうい思いを描いたものです。

主人公の女子高校生仁那は、同級生の男の子が「スカート、男に媚び売るためにはいているんだろう!」「(変質者に)触られて当たり前」と言うのを聞いて腹が立ち、髪を短く切り、スラックス姿で学校に通い、「スカートはあんたらみたいな男のためにはいてんじゃねえよ」と返します。小学生などの少女向けの月刊漫画誌「リボン」(集英社)に「さよならミニスカート」というタイトルで昨年の9月から連載が始まりました。「この漫画に無関心な女子はいても、無関係な女子はいないー」とうい宣伝文句を付けて。

連載直後から、ネット上には「気持ちを代弁してくれた」「リボンを読んでいたあの頃の私に読ませたい」などと共感の声が広がり、リボンは作品のホームページを開設して相田聡一編集長(43才)が「連載の面白さが伝わるまで、連載をし続ける覚悟」という異例のコメントを出しています。まだまだある無意識の役割や偏見に向き合う姿が反響を呼んでいるとうい内容でした。

追いかけるように7月の記事では「♯KuToo 変わる常識 職場のヒール見直しの動き」というタイトルで女性が職場でヒールのある靴を履くよう強いられることに異を唱える「♯KuToo」運動の広がりが報道されました。各業界でこれまでの常識を見直す動きが出てきたと書かれていました。

日本航空や全日空など大手航空会社はCAの服装について「黒のパンプス、ヒールの高さ幅3〜5」と定めています。車椅子の乗客に付き添って坂を下る時は、後ろ向きで進むと決められているそうですが、靴が安定しないため危険を感じることがあると言います。航空会社によっては、スニーカーを採用するところも出てきたと報じています。アパレル企業で働いていた女性は、指定されたヒール15cmの厚底ブーツで店頭に立っていて巻き爪になり、手術を受けたがそれでも「自分の足が悪いんだと思い込んでいた」と語っています。

すべての女性が同じスカート、同じ靴という意識を変える時がやっと訪れました。まだブランドショップの売り場などでは、「診断書を出せば指定の靴でなくてもいい」という程度の変革ですが、あなたもたくさんの仲間がいることを信じ、上司に「冷えた足腰を痛め働けなくなれば管理責任を問われるかも」などと訴え続けてください。

(文:大関洋子)

2019/07/18(木)
第165回【子親編】「子どもができないうちの同居は…」
【Q】
29歳で結婚して、3年経ちました。夫は3歳年上で、現在35歳。一人息子なので、将来両親と同居するということを前提とした結婚でした。両親ともまだ60代ですが、義父が軽度の心筋梗塞を患ったこともあり、そろそろ同居してほしいと言われました。今の住まいの整理もあるので、まだ同居はしていませんが、同居の準備というか、両親との生活に慣れるために、ちょくちょく泊まりに行くようにしているんです。泊まりに行くと必ず言われるのが子どものことです。結婚して3年ですから、両親の期待は分かります。私も子どもはほしいと思いますが、今のところ「もしできたら産もう」という程度のスタンスなんです。ところが、私の顔を見るなり「まだできないの?」と言われるし、食事の時はほぼ妊娠、出産、子育ての話です。同居は嫌ではなかったのですが、ここまで子どものことを言われると気が重くなり、同居は無理なんじゃないかと思うようになりました。

【A】
厚生労働省が2018年6月1日に発表した人口動態統計によると、2017年に生れた子どもの数(出生数)は前年より3万人余り少ない94万6060人となり、過去最少を更新しました。

一人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は1.43と2年連続で低下しています。全国で最も出生率が低い東京都はさらに下げていて、仕事と育児の両立環境に課題を抱えていることが浮き彫りになっています。さらに女性の人口そのものが減っていて、出産可能期とされる15歳〜49歳(8割の女性が25歳〜39歳で出産しています)の女性人口は2498万人と前年より1.3%減になっています。

この統計からするとあなたは出産適齢期でもあり、もし仕事を続けたい希望があれば、ご両親が孫の出生を待ち望んでいるわけですから、仕事と育児の両立環境の課題もクリアしていると思われます。ですが、ご自身もまだ32才、夫も35才という年齢、子どもは欲しいけれど「もしできたら産もう」という程度のスタンスとのこと。同居の準備で泊まりに行く度に「まだできないの?」と言われたり、食事の時には、ほぼ妊娠、出産、子育ての話。ここまで言われると気が重くなり、将来、同居を前提として結婚したのに、同居も無理!?と思うようになってしまっているわけです。

これは、心理学上もっともなことなんです。精神分析理論の創始者であるジークムント・フロイト(1856〜1939)は、人の性格を構成する機能は何であるか、それぞれの機能はどういう関係にあるかを「性格構造論」の中で述べています。その一つに「防衛機制」という観点があり、人は自分を守るためにいくつもの方法で他者からの侵入を阻止していると言っています。世の中に「防衛機制」を持たない人はいないとも言っています。

ですから、せっかくあなたは、「同居」するつもりだったのに、義父母から妊娠、出産のことで圧力をかけられているため、「できたら産もう」と思っていた気持ちを傷つけられ、「同居」さえ「無理」と思うようになってしまいました。とても残念なことです。本来、妊娠にまつわることは、夫婦にとってとても大切で、二人の深い愛に裏付けられて進む事柄ですから、いかに孫を待ち望んでいる義父母であっても介入すべきことではありません。
ただ、今後のことを考えるとケンカごしで、あるいは夫から両親に文句を言うというのもいい方法ではないと思います。

今日、私に相談されたままの気持ちを穏やかに義父母に話してみてはいかがでしょうか?
(文:大関洋子)

2019/07/04(木)
第164回【親子編】「親が口添えして何が悪いんですか」
【Q】
38歳で未婚の息子、バツイチで2人の子どもがいる34歳の娘、娘が1人いて結婚している28歳の息子の3人の子どもがいます。私自身は、現在夫と2人で幸せな生活を送っています。子育てに専念していて再婚する気持ちになっていない娘のことはあまり心配はしていませんが、結婚したことのない長男が気がかりでなりません。2年ほど前「子どもほしいだろ?」と訊いたら「子どもはいつだって作れるよ」と答えたので、誰か相手がいて結婚も近いのかなと期待したんです。ところがそれっきり。先日、1年ぶりくらいに家に顔を出したのでさりげなく訊いてみたら、付き合っている女性がいるって言うんです。家を行ったり来たりしているみたいなんで、果物とか、お菓子とか、「彼女にあげて」と息子に4、5回送ったんです。そしたら、電話で「何考えてるんだよ!付き合ってるのはお母さんじゃなくて僕!」と怒鳴られてしまいました。もうそろそろ年齢的に限界だし、私の周りには、お母さんが口添えして結婚させたっていう人がたくさんいるのに…

【A】
立派ですねぇ。38歳のご長男。あっぱれ、おっしゃる通りです。「付き合っているのは、お母さんじゃなくて僕!」です。その通り。お見事という他ありません。その女性と交際しているのはご相談されているお母さんではなく、ご長男なんですから。余計な差し出口は無用。百害あって一利なしです。

心理学的にもドクターフロイト(1856~1939)が、精神分析理論の中で100年前に提唱したように、人間は「潜在意識(無意識とも言う)の部分が大きくて、顕在意識の部分はほんのわずかである」ということなので、まるで馬という潜在意識に乗っている御者のようなものだと考えてもいいでしょうか。その馬のように大きな潜在意識は幼少期につくられると言われています。38歳になった今、自分以外の他者から指示命令されると、自分の生き方を邪魔された気がして、指示命令された逆のことをしてしまうことがよくあります。

もしかしたらご子息は「そろそろ、彼女を母親や家族に紹介してもいいかな」と無意識の部分では考えていて1年ぶりくらいに家に顔を出し、付き合っている女性がいると言ったのでしょう。せっかく、そういう感じになっていたのに、母親であるあなたが余計なことをしたので、カタツムリが殻から頭を出したら、その頭をツンツン突かれた気がして、又、殻の中に頭を引っ込めてしまいましたよね。
その上、「年齢的に限界」とおっしゃっていますが、子どもの授かる年齢ですか?それとも、38歳で独身では、昔「男やもめにウジがわく」と言っていたように、その年になって嫁に来てくれる人もいない息子を持つはずかしい母の限界ですか?そのどちらも、もう古いですよね。医学的にも、社会的にも、8050問題にはまだ間がありますし、そもそも、恋愛や結婚という人の心の中核をなす、繊細でナイーブで、ひとりひとり価値観の異なるはずのものに「年齢的にも限界」と言っているあなたの考えを改めてほしいものです。

さらに子育てに専念している娘さんは、心配していないという、その心は、女性はシングルでも子育てをしていればよくて、男性である長男は、その年齢には子どもの2、3人もいて妻や子を養ってこそ男というもの!という古いジェンダーギャップがあるのではないです?
どうぞあなたの古い固定概念を見直して、ご長男をそっと見守ってあげてください。
(文:大関洋子)

2019/06/19(水)
第163回【夫婦編】「何でも占いに頼る妻」
【Q】
妻が6年前、私の勤めている会社に入社してきて知り合いました。社員仲間で何度か飲みに行くうちに親しくなり、4年前に結婚、1歳の娘がいます。妻は、子どもが小さいうちは、子育てに専念したいということで今は専業主婦をしています。交際のきっかけは、私の血液型がO型、妻の血液型がA型だったこと、私の星座が獅子座、妻が射手座だったことがきっかけだったんです。妻が言うには、どちらも相性がいいので、結婚したら幸せになれると確信したんだそうです。私は冗談と受け止めて、妻も私と付き合いたと思っているので、そう言ってくれているんだと思ったんです。ところが、子どもがほしいとなった時、「牡羊座の子どもを産みたい」と言うんです。言われるままに6月に生まれるよう妊娠して、牡羊座の娘が出来ました。それだけではないんです。住まい選びインテリアもすべて風水や占いで決めます。占いも楽しむ程度ならいいですけれど、ここまで来ると…。私の人生とか子どもの人生とかが占いで決まるかと思うと将来に不安しか感じません。

【A】
我が国では昔から「大難は中難に、小難は無難に」と願って仏教ではご祈祷を、神道ではお祓いを行ってきました。日常生活の中で、今でも地鎮祭や交通安全祈願として車をお祓いしてもらったり、産まれた赤ちゃんを神社へ連れていってお宮詣りしたり、成長のお願いには7.5.3のお詣りをしています。結婚式も「人前結婚」をする人もいますが、多くの人は神様や仏様の前で結婚することを報告し、どんな時も助け合う事を誓い、末永い幸せを願います。この誓いはしばしば破られることがあるにしても、神仏に誓った「気持ち」は多少のブレーキになったり神様仏様に守ってもらっているという「気持ち」になったりします。

日本の古代史をひもといてみると、政治や裁判も全て占いでまかなっていた長い歴史があります。今、考えるとゾッとするようなことですが、古墳時代には「盟神探湯(くかたち)」といって犯人を決める裁判で、熱湯の中へ手を入れて、やけどをしなければ犯人ではなく、火傷を負えば犯人とされたり、亀甲占いとして亀の甲を焼いたり鹿の肩甲骨を焼いたりして、そのひびの入り方で政治や災害を占ったりしていた様子が古事記や日本書紀に残っています。邪馬台国を支配してと言われている卑弥呼は、占いの名手だったのでしょう。5世紀から8世紀の飛鳥時代にかけて中国から色々な占いが伝わり、現在、日本に残っている占いは、このころのものが現代に合うよう形を変えたものと言われています。

平安時代は、ご存知のように占い師が宮廷で大活躍をした時代らしく、「陰陽師」が明治3年に廃止されるまで、なんと日本の公的機関として長い歴史を刻み続けました。科学的研究や医学的文明も発達していない時代に、天候や災害、病気を占ったり、治したりするには、この「陰陽師」に頼るよりほかに仕方なかったのでしょう。今では天候は占うのではなく、気象庁や天気予報士が科学的データに基づき適確にお天気を予測してくれますし、病気も何かの占いではなく、多くの原因がほぼ解明され、それに対応する薬や手術などの治癒法が施されています。悪魔払いや除霊をする人もいますが、科学的、医学的文化の発展発達が私達の生活を快適にしてくれています。

さて、「妻が占いに頼っている」とのことですが、彼女の潜在意識の中に、特に幼児期に人間の力ではどうすることもできない出来事に何度か出会っているのだと思います。(精神分析理論)それがトラウマになり占いを信じ過ぎていると考えられるので、優しく、幼児期の忘れているような出来事を思い出し語ってもらってください。少しづつトラウマから解放されるでしょう。占いも気持ちを穏やかにしたり、希望を与えてくれたり、注意を喚起してくれたり、生活に潤いを与えてくれる程度になってくれたらいいですね。
そして困難なことは2人で乗り越えて行くようにするからねと、約束してあげてください。
(文:大関洋子)

2019/06/13(木)
第162回【恋愛編】「彼の気持ちが揺らいでしまって…」
【Q】
彼とは大学の理系学部の先輩後輩で、彼が2つ上です。私と彼との間では「私が卒業して就職したら結婚」ていうことで、ほぼ決まっていたんです。彼は、小さい会社ではあるけれど研究職、私は上場企業のエンジニアの卵ということで今年就職して、お互い希望通りの職に就くことができて、これで結婚って思ったんです。ところが、私の両親が彼の会社が中小企業で、就職して2年も経つのに、給料が私の7割にも満たないことで猛反対なんです。そんなこと分かっていたことなので、私も彼も乗り越えられると思っていたんです。なのに彼がついてこられなくなっちゃって…。別々に生活していると、彼の給料では余裕がなくて、食事に行っても遊びに行っても私がお金を出すことが多いし、私の両親の猛反対にあったことで彼がすっかり弱気になってしまって…。結婚すれば、生活も楽になるのに、彼は私に養われているみたいに感じるらしく、気持ちが揺らいでしまっています。

【A】
「彼の気持ちが揺らいでしまっています」とおっしゃっていますが、「揺らいでいる」のは、彼ではなくあなたではないですか?
彼の給料が私の給料の7割にも満たないことに「私の両親」が「猛反対」とも言っています。両親の猛反対にあったことで「彼がすっかり弱気になってしまって」とありますが、これも弱気になってしまったのはあなたですよね。その上、食事に行っても遊びに行っても私がお金を出すことが多い、と。親はもちろん、あなたの心が揺れる根底には「男は一家の大黒柱」「男が妻や子どもを稼いで養う」「男の給料は当然女より上」というジェンダーギャップの考えがあります。

確かに統計上は男女差が全くない国、アイスランドに日本が追いつくには100年以上かかると言われていますが、それでもギャップは僅かずつでも埋まりつつあります。1990年代には「主夫」という言葉も使われ、2000年の統計では、専業主夫が1万6千人、専業主婦が2万1千人と出ています。(国勢調査による)

「イクメン」などという言葉も普通に使われるようになって、男は外で仕事をし、女は家で家事育児が当然という固定概念が崩れてきました。その後、主夫の数は年々増加し、2005年には専業主夫2万1千人、兼業主夫3万人、2013年には、専業主夫の数が2.6倍になり、2015年には専業主夫世帯の割合が全体の5%。100世帯のうち5世帯は男性が外で働いて給料を取らず、家事育児をしていることになります。ここ5年で3倍も増加しました。

リーマンショックの影響もあるとは思いますが、2013年以降、緩やかに景気が回復しているにもかかわらず、専業主夫の割合が増えていることを考えると、必ずしもリーマンショックの影響とは言えません。「夫が失業したから」「夫が病弱だから」といったネガティブな理由だけでなく、「男が女、子どもを養う」という概念が薄れてきていると言えるでしょう。「男が女を養う」のではなく、「収入の多い方が少ない方を支える」という考えが根付きつつあります。

私の夫は、今から47年前、中学2年生の時の弁論大会で、「男尊女卑と女尊男卑」というタイトルで、「外で仕事、うちで家事」という役割は、本来性差ではなく、個の問題でなくてはならないと主張し、周りから非難を浴びたそうですが、その後実際にに専業主夫になり、社会に大きな影響を与えました。もしかすると、夫の出現がなければ、日本社会のジェンダーギャップは今よりはるかに遅れていたかもしれません。

アメリカを初めてする欧米諸国では、女性がトップにいる企業は珍しくなく、彼女たちは夫より高給を取っています。お互いに好きな仕事をしている、あるいは妻が社会進出を目指しているなど、それぞれの夫婦、家庭の事情で給料の高低を気にせず、幸せに暮らしている夫婦、家庭が増えています。どうぞ、まずあなたの根底にある「男と女」の役割を考え直してください。
(文:大関洋子)

2019/06/03(月)
第161回【職場編】「課長にはなったけれど…」
【Q】
今の会社に勤めて10年になります。先日、部長から「僕が君を課長に推薦したんで、近々人事から課長の辞令があると思う」と言われました。それから数日後、部長の言う通り課長の辞令がありました。同期の男性で課長はいないので、課長一番乗りです。結婚もしているし、子どももほしいと思っているので、いずれ産休と育休を取るだろうことは、部長はもちろん会社も分かっているので、思い切った人事をしてくれたととても嬉しく思いました。
ところが社内では、外向けのアピールのために女性課長を作ったともっぱらの噂で、そう言われてみると、他の課長の下には10人以上の部下がいるのに、私の下には3人しか部下がいません。しかも「女性政策課」という新しい課で、何をする課なのか全く指示がありません。これから課長として会社とどう向き合っていけばいいのかとても迷っています。

【A】
1985年に制定された男女差別を禁じる「男女雇用機会均等法」から30年近く経ってやっと2016年に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が施行されました。それも何年も前から女性官僚たちが発案し、「女性が輝く社会」を目指して国会に提案していたものが何度も廃案の憂き目を見た末、やっと制定されたものです。

「女性活躍推進法」と呼ばれ、「男女雇用機会均等法」から一歩進んで職場での女性の活躍を目指し、企業に女性登用などの数値目標や行動計画の作成を義務づけています。その正式名称の「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の示す通り、「働く女性の活躍を後押しします」という法律です。まさに今、あなたはこの法律を「絵に描いた餅」に終わらせることなく具現化されようとしています。

それがたとえ会社のイメージアップのための社外向けアピールだとしても、たとえ部下が3人しかいなくても、そしてその課の名称が今までなかった「女性政策課」という課であるとしても、揺るがずたじろがず、真っ向から辞令を受け取って、しっかり同期の中の先頭を走ってください。新しい課なので何をやったらいいか指示もないと言っていますが、それはすべてあなたに任されたということでしょう。

どう向き合ったらいいか分からないと弱音を吐いていらっしゃいますが、何十年、何百年という長い間、働く女性たち、働きたいと思っても働けなかった女性たち、そういう人たちや先輩たちが苦労して築いてきたものをあなた自身は苦労せず手にしたのですから、しっかり向き合ってください。

会社としては、出産、育児も考慮に入れてのモデルケースとしてあなたを登用、重用したのです。アンペイドワークと言われる育児、看護、介護のために、第一子出産を機に6割の女性が離職し、育児後、再就職する時はパートやアルバイトなどの非正規雇用が56.6%、それでも働きたくても働けない女性が300万人います。そして、女性管理職はたった1割しかいない現状の中での辞令です。

2018年のジェンダー指数は2017年の114位から少し上がって110位になりましたが、G7の中ではもちろん最下位。男女差別のないアイスランド、ノルウェー、スウェーデンに追いつくのは108年後とも言われます。女性管理職のモデルケースとしての不安はあるのは当然ですが、この歴史を踏まえ健闘をお願いします。そのためには夫の協力は必須ですね。
(文:大関洋子)