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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2017/04/27(木)
第117回 【恋愛編】「この変わり様は何?」
【Q】
つい先日、私の友達2人と友達の彼氏2人とお花見に行ったんです。けっこう盛り上がったんですよ。2人の彼氏とは初対面だけれど、2人とも優しいし、気は利くし…。私の彼は、ちょっと見劣りする感じかな。でも、まあ、今までけっこう仲良くやってるし、私には合ってるのかな、なんて考えていたら、彼が「ねえ、ちょっとビールが足りなくなりそうと思わない?」と他の人に分からないように私に言うんですよ。私はそんな風に感じてなかったので、生返事をしていると、彼が突然「ちょっとビール足りなさそうだから買ってきてよ。あそこの売店に売ってるから」と大声で私に言いました。「足りてますよね?」と私が他の4人に言うと「大丈夫!」とみんなが言っているのに、さらに彼が私に「おまえのそういう態度が、みんなを遠慮させてるんだよ。早く行ってきて!」と言いました。とりあえず買いに行きましたけど、足りなかったのは私の彼だけ。しかもそんな言い方されたことなかったのでびっくりしました。正直、この変わり様は何?って感じです。そろそろ結婚を考えていたのですが、急に不安になってきました。

【A】
あなたの彼は「男らしい」ってこういうことだと勘違いしているようですね。あなたの女友達2人とその彼氏2人の前で「男らしい」自分をアピールしたんです。「ほら、俺って彼女をこんなに自分の言う通りにできるんだぞ!」と見せつけて。

友達の彼氏は2人とも優しくて気が利く、それを見てあなたは自分の彼は「見劣りがする」って感じたんですよね。それを察したあなたの彼は、何とか挽回しようとして取った行動が、「おまえのそういう態度がみんなを遠慮させてる。早くビールを買ってきて!」という言葉になって彼らより気が利く自分と、自分の彼女を言葉一つで自由に動かせるぞという対応で、彼なりの「男らしさ」だったんでしょう。こんな様子では、彼は「男らしさ」だけでなく当然「女らしさ」も誤解していて、「女は気が利いて当たり前」「男の指図には黙って従って当たり前」という性役割を頑なに守ろうとしている人間だと思われます。

これまでの歴史の中で作られた社会的・文化的な性差をジェンダーと言います。「女は優しく、可愛く」「男は強く、たくましく」、「女の子にはピンクの服」「男の子には青い服」、「男は仕事」「女は家事、育児」といった考え方のことです。この「らしさは、生まれつき備わっているものではなく、育てられた環境や学習によって、あとから身につけるものです。

そういう中で、「らしさの性」のような従来の役割や不合理な性差別をなくそうというジェンダーフリーの考え方が広がり始めています。1993年にそれまで女子のみが必修とされてきた中学校での家庭科が男女共修に、翌年には高校でも共修となったり、男性作家の作品に偏っていた国語の教科書の教材も見直しが行われたりしました。けれども、まだまだ出席簿の順が男が先、女が後であったり、校長は圧倒的に男が多かったりするのが現状ですし、家では「お父さんが仕事で稼いでくれるから食べられる」という日常生活の中では、あなたの彼のように、あなたの友達の前で威張って見せることが「男らしくてかっこいい」と勘違いしている男性が多く、今年のジェンダーギャップ順位は、世界144カ国中111位だそうです。

結婚を考えていたようですが、この際考え直してはいかがでしょうか?この時感じた「不安」はとても正しいと思います。「おまえの態度」という「おまえ」という呼び方も男が上から目線で呼ぶ時にしか使わない言葉です。赤の他人に「おまえ」と言われたら喧嘩になるのに「おまえは一生俺のもの」と壁ドンされて喜んでいる時代は終わりにしたいものです。
(文:大関洋子)

2017/04/20(木)
第116回 【職場編】「女心ってあるじゃないですかぁ?!」
【Q】
社内のセクハラに対する意識はかなり変わりました。女だからって、ひどい対応をされることも少なくなりましたし、「お茶くみ、掃除は女の仕事」みたいな習慣もすっかりなくなりました。
飲み会で酌婦代わりにされることもなくなったんです。でも、上司の言い方がとっても気になって…。

悪い人じゃないのは分かってるんですけど、例えば、私が髪の毛を切ってくると「髪の毛切った?って言うとセクハラだよね」とか「“たまには食事をしながら打ち合わせをしよう”なんて言うとセクハラになっちゃうよね」とか言うんです。語尾でごまかそうとするんです。どう言ったってセクハラなのに…。私は不快ですよ。私だって女だから、容姿について褒められたり、気づいてくれたりするのはちっとも嫌じゃないし、食事に誘ってくれたりすることも嫌じゃないんです。どんなときにも女心ってあるじゃないですかぁ?!そういう私の気持ちって理解されないんですかねえ?

【A】
職場や学校でセクハラの被害が後を絶たず、知らないうちに異性に対して性的に不快な思いをさせている人もまだまだ多いのが現実です。
対象、被対象者の性別は男性から女性の場合が圧倒的に多いのですが、女性から男性、女性から女性など同性愛を伴う性的嫌がらせ、従来半ば公然と行われてきた「体育会系」の雰囲気の中で行われる男性から男性への性的いじめもセクハラと認められるようになりました。

1992年に上司をセクハラで訴えた晴野まゆみさんが全面勝訴したことがセクハラ防止ガイドラインの生まれる起爆剤となり、政府も1997年の男女雇用機会均等法の改正に性的嫌がらせへの配慮を盛り込み、その10年後の2007年の改正でその範囲を拡大し、男性への性的嫌がらせも配慮の対象としましたが、官公庁、政治家、裁判所に処そうという考えはなく、性的嫌がらせを「性差別」として扱っていませんでした。
ただ、事業主には従来の「配慮義務」よりは厳しくなり、是正指導に応じない場合は企業名が公表されるようになりました。しかし、しっかりした対策を講じている企業は少なく、セクハラの風習や習慣が残って放置されているのが現状です。

「相手の意に反して」不快な状態に追い込む言葉や行為を指すわけですから、職場の壁にヌードや極小ビキニなつけた女性のカレンダーが貼ってあるのもセクシャルハラスメントになります。宴会で女性上司が新人男性社員に裸踊りを強要するのもセクハラになりますが、これらの根底に流れている原点は、ジェンダーギャップの考え方です。
「女性は女性らしくこうあるべきあるべき」、また「男はこうあるべき」という思想が根強く残っていて、まさにあなたのような考え方の女性がいる限り、なかなか本当の意味でのセクハラはなくなりません。
「女心」ってどんな時もある、というあなたの「女心」とは「髪を切ってこんなに可愛くなった私を褒めて、誘って!」ということですよね?それは女であることを職場で強調しているだけです。いつまで経っても職場や学校で男女差別やセクハラがなくならないのは、「女は女らしく、優しく可愛く」、「男は男らしく強くあれ、泣くな!」のような概念が一人ひとりの胸の中にあるからです。
女や男という性で生きるのではなく、人としての質を高めて魅力あるあなたになってください。
(文:大関洋子)

2017/04/13(木)
第115回 【子親編】「80歳を超えた義父が結婚?!」
【Q】
一昨年義母が亡くなり、義父1人になったので、1年ほど前、義父に同居を勧め、現在夫と3人で暮らしています。
義父は義母に先立たれるとは夢にも思っていなかったようで、義母が亡くなってしばらくは放心状態でした。家もさほど遠くないので、ほぼ毎日私が義父の所に通って面倒を見てきました。義父も80歳を超え、引っ越すことには抵抗があったようなので、私が疲れてしまい、義母の一周忌を期にやや強引にではありますけれど、義父に同居してもらいました。

義父はまだまだ元気で、昼間は写真や盆栽の講座に通ったり、写真を撮りに出かけたりしています。そんな義父に好きな人ができたらしいんです。私も何度かお会いしたことがあって、最初はほほえましく見ていたんですが、先日、その女性と義父の元の家で生活することにしたからって言われたんです。しかも籍を入れるって言うんです。
相手の女性は20歳以上も年下で、私たちと同世代。50代の女性が80代の男性と結婚なんて考えられませんよね。ちょっと優しくされただけでその気になっちゃう義父の目を覚まさせたいのですが…。

【A】
「義父の目を覚まさせたい」って、なぜそんなことをしようとするんですか?!80代の男性が50代の女性と引かれあって結婚するって素晴らしいじゃありませんか。あなたはこんなお義父様がみっともないと思うような人なんですか?

その50代の女性が「後妻業の女」とでも?義父亡き後の財産目当てとでも思うんですか?仮にその女性がそうだとしてもお義父様が50代の女性と籍を入れて結婚し、1日でも幸せだなあと思ってくれて亡くなられたら、お義父様の遺産がたとえ何億円かあったとしてその半分をその女性に差し上げても惜しくはないでしょう。もし、そのことが悔しかったり、心配であったりしての反対なら、あなたも後妻業の女と変わらぬさもしい心の持ち主ということになってしまいます。
あなたが通ったり引き取ったりしてお義父様の面倒を見てきたのは何のためだったのでしょう。もしかして、世間体や財産のことでないのなら、やきもちですか?何度か会ったときは「ほほえましく見ていた」のに二人が本気で生活を共にし、籍まで入れるとなって、義父の本気度に嫉妬しているのでしょうか?
自分と同世代の50代なのが気に入らない?
いずれの理由にしても、息子の妻のあなたが反対することではありません。お義父様はお義母様亡き後、しばらくは放心状態、そのうち写真や盆栽の講座に通いまだまだお元気とのこと。あなたは80代の男性と20歳以上も年下の50代の女性が恋愛して結婚するなんて考えられないと言っていますが、68歳で45歳年下で23歳の女性と結婚した加藤茶さんや56歳で32歳年下で24歳の女性と再婚したラサール石井さんなど、芸能界ではよくあることですよね。芸能人なら認められて、80年間ごく普通に生きてきたお父様には反対するって変ですよね。

ちなみに江戸時代の有名な俳人小林一茶は、24歳年下の菊という女性と結婚しています。「やせがえる 負けるな一茶 ここにあり」「雀の子 そこのけそこのけ おんまが通る」「我と来て 遊べや親のない雀」など、どれも弱いものの味方の優しさにあふれた句です。この一茶を支えたのが24歳年下の菊でした。一茶は、50代、60代で三男一女をもうけますが、菊にも子どもたちにも先立たれ、その後62歳で雪と再婚。雪と離婚の後、64歳でおとと3度目の結婚をしますが1年あまりでやおに看取られ65歳の生涯を閉じています。一茶が亡くなったとき、やおは一茶の子どもを宿しており、一茶の血脈を校正に伝えていると言われています。

人生50年と言われた時代にもこうした恋や性を謳歌している男性もいます。女性の晩婚化、未婚化が叫ばれる中、父親くらいの年齢に魅力を感じる風潮もあり、お義父様の再婚をぜひ応援してあげてほしいと同時に、あなた自身の結婚観や人生観、価値観をしっかりと見直してほしいと思います。

(文:大関洋子)

2017/03/30(木)
第114回 【親子編】「ダイエットを止めない娘」
【Q】
中学2年の娘が、最近ご飯とパンを食べなくなりました。炭水化物ダイエットをしているらしいんです。好きな男の子ができたらしく、今のままでは相手にされないということらしいんです。女の子だからそんな時期もあるだろうけれど、どうせ長くは続かないと高をくくっていたんですが、もう1ヶ月です。確か痩せたんです。
でも、私から言わせれば元々そんなに太っていたわけでもないので、これ以上痩せてほしくないんですけど、止めないのは、学校で先生がダイエットの話をしたからみたいなんです。3年生も目前で子どもたちに目標を発表させたらしいんですけど、その時に先生が「私の目標は3キロ体重を減らすこと」って言ったらしいんです。そんなこと教師の言うことじゃないですよね。
露骨に先生批判をするわけにもいかず、娘にダイエットを止めさせるにはどうしたらいいか困っています。

【A】
2015年、「フランスで痩せすぎモデル禁止法」が審議され、「痩せすぎモデル」に対して規制が始まりました。この規制のきっかけは「痩せないとモデルになれない=痩せていることが美しい」という考えが、モデルの美しさを手本とする若い女性たちに蔓延し、ダイエットで死亡する人たちが出たためです。保健法を修正し体格指数(BMI)が一定基準を下回るモデルの雇用をモデル事務所に禁止する内容です。必要以上に細さを美化することを犯罪とみなし、違反した場合は最高で禁固6月の実刑と罰金970万円が科される場合があるとされています。
これにはフランスの3〜4万人の未成年の女性が拒食症に苦しんでいるという背景がありました。過度なダイエットから「ファッション業界が振りまくイメージは強い社会的影響力を持っている」と法案を提出したオリビエ・ベラン議員は指摘しています。

フランスのモデル事務所組合は、修正案が可決されれば、フランスモデル業界は競争力を失うと反発しつつ、拒食症を減らす法律の制定は「前向きな動き」と評価しています。過度に痩せたモデルの起用を制限する法律は、イタリア、スペイン、ベルギーなど複数の国ですでに法制化されています。イエスタデイ・ワンスモアやシングなどで有名なカーペンターズのカレンが過度のダイエットで死亡したことは、皆さんもご存じではないかと思います。

最近渡辺直美さんのようなタレントも人気にはなってきていますが、日本のメディアは、まだまだ「痩せている」ことを美しいこととしています。中学2年の娘さんが、好きな男の子ができ、その上先生から「私の目標は3キロ体重を落とすこと」などと言われ、自分もダイエットを止められなくなっているのは「美しい=痩せている」という考え方が日本の多くのメディアや大人たちにあるからでしょう。先生には早速、学校に行って話すか、電話、手紙などでお子さんの様子を保護者としての心配としてお伝えして「目標」を撤回し、生徒に謝罪してもらうようにしてください。

私の研究所へも過度なダイエットから拒食症になり、食べては吐くを繰り返していた女性が複数来ていました。何かを食べたあとは指やスプーンを突っ込んで吐き、155pで30キロ台でないといられなくなった10代の女の子もいました。月経も止まり、周りから見ると痛々しいほどになっているのに、それでも吐くのです。
ダイエットは、肥満で内臓や血圧、関節など、身体の健康に必要な人が専門家の指導を受けながら行うものと先生、保健の先生も含めて指導し直してもらってください。
名画に出てくる女性たち、女神たちの身体はとてもふっくらとして美しく描かれています。特に有名な「ヴィーナスの誕生」は成熟し丸みを持った身体の大人の女性が海から誕生する様子を描いていて、美しいものです。

(文:大関洋子)

2017/03/15(水)
第113回 【夫婦編】「単身赴任の夫が帰ってこない」
【Q】
結婚して15年になります。
夫は転勤が多く、自宅からそれほど遠くない場合は、夫に少し無理をお願いして、自宅から通勤してもらうのですが、遠方になると逆に子どもたちに負担はかかりますが、家族全員で引越をしてきました。
子どもが小さいときから数えると東京から始まって、大阪、福岡、札幌、そして東京と4回引っ越ししてきました。今はまた大阪ですが、子どもの受験のことがあり単身赴任してもらいました。2年になります。
土日はほぼ休みなので、最初は金曜の夜帰ってきて、月曜の朝少し早目に出て行くというパターンだったんですが、「夜遅いのはきつい」「朝早いのは辛い」と言って帰りが土曜になり、出かけるのが日曜になり、今では月に1度しか帰ってこなくなりました。
友達は「それって絶対女だよ」と言います。そう言われてみると私もそんな気がしてきて、子どもの受験を控え、とても不安になってきました。
【A】
夫がサラリーマンで、父親の転勤に子どもが小さいうちは家族全員で全国どこへでも転々と引っ越しをしてついて行く、子どもが受験期にさしかかると夫が単身赴任をする。よくあるパターンですよね。あまりに当然のように考えられていて、この不自然さが批難されることはなく、「大変ねぇ、でも仕方ないわよね」で片付けられています。
歴史的に考えれば、第二次大戦前までは、日本の人口の過半数を占めていた農家では、妻や子どもも含めた一家全員で農業に邁進することが当然でした。そして、その暮らしぶりは、土地と密着していたわけですから、あなたのお宅のように東京、大阪、福岡、札幌、そして東京と4回も流浪の民のように引っ越すこともありませんでした。
また、妻であり母であるあなたのような女性が生産労働に従事せず、家事、育児を第1の役目とする「主婦」という形の生き方をするようになったのも歴史的には比較的新しいのです。
もう少し詳しく歴史をたどれば、明治・大正期、産業化が起こり、主として土地を与えられない農家の次男以下が大都市に流入し、第一次大戦によって好景気になったことをきっかけにサラリーマンが登場。同時に国家に労働力や兵力として人的資源を安定供給する場としての家庭が必要とされてきたことが女性の専業主婦化していくという流れを生み出しました。
この流れは、第二次大戦後、1970年代まで続きます。
その後「これからは女性も仕事をする時代」という流れになり、兼業主婦が多数派を占めるようになり、女性が仕事と主婦業の二者択一、あるいは二重負担に悩むという状況が生まれました。
あなたは専業主婦で、子どもが小さいときは夫の転勤について引っ越し、今は受験のお子さんのため夫に単身赴任してもらい、大阪から土日毎に帰ってきてもらうという生活を2年続けてきたわけです。
夫の年齢もあがり、子どもも大きくなった今、夫が月に一度しか帰らなくなったわけを友達に「女だ」と言われ、「そんな気」になって不安になっていますが、どうか、大きな世の中の流れの中で、あなたも子どもさんも、そしてあなたの夫もバラバラにならざるを得なかった生活の仕方を選んできた我が身のこと、そして夫の身になって考えてみてもらえませんか?
ただただ浮気疑惑の不安に踊らされるのではなく、そんな生活に疲れた夫が寄港する港を職場近くに女性に求めたのかもしれないことを含めて、夫を理解するための共通の時間と場を持つよう努力してみてください。
(文:大関洋子)

2017/03/06(月)
第112回 【恋愛編】「彼はバツイチで29歳年上」
【Q】
彼はバツイチで29歳年上の58歳、父より2歳年上です。仕事の取引先の人だったんです。
最初喫茶店でお茶しながら仕事の話をすることが多かったんですが、だんだんお茶が食事になり、しばらくして仕事以外で会うようになりました。
彼は一度結婚に失敗しているせいかとても優しくて大人です。私、自分で自分をわがままと思うんですけど、そんな私を包み込んでくれるようにそのまま受けとめてくれるんです。これまで年上の男性と恋愛している女性を軽蔑していたんですけど、自分が年上の男性と付き合ってみると、大人の男性の魅力に圧倒されて、同世代と付き合いが幼稚に感じるようになりました。今は真剣に結婚を考えています。
でも、不安もあります。もし子どもができたとして、子どもが成人するとき彼は80歳。生きてるんだろうか、介護することになってないだろうか、その前に父と母をどう説得しようか…。
恋愛していて幸せなはずなのに、毎日が苦痛になってきました。
【A】
毎日が苦痛になってきているなら、この恋愛、ちっとも幸せじゃないですよね。しかも苦痛の種になっている彼の年齢のことっていくらあなたが悩んでも、考えても変わりようがありませんものね。
悩んで苦しんで考えて2人で乗り越えられるなら、今どんなに苦痛でもあえて悩むことも仕方がないでしょう。でも彼が29歳年上であるという事実は、いくら悩んでも現実なんです。
というか、あなたは父親より2歳も年上の男性だから、同世代の男性より優しくて包容力があり、父親が娘を可愛がるように可愛がってくれるのが嬉しくて、それで真剣に結婚を考えるようになったんですよね。
もし、その自分の選択を大事にするなら、子どもが生まれて成人式には80歳の父親であることや、もしかしたらあなたが介護しているかもしれないこと、もちろんご両親が諸手を挙げて賛成するわけもなく説得に手間取ることや、あなたが今、不安に思っていることのすべては、あなたが29歳年上の男性を恋人に選び結婚して人生の伴侶にしようとしたその時からついて回ることは自明の理!
なので、それが不安で毎日が苦痛なら、その選択を撤回する、すなわち29歳年上の男性と恋愛したり結婚しようとすることをやめることですね。わがままな自分を父親のように甘やかしてくれるから好きで、そこのところだけとって父親のように年を取っているところは不安だ苦痛だというのは、それこそわがままというものです。
私に折角ご相談くださったのに厳しいお答えをするしかありません。そして、もしこの厳しい回答を読んで、「それでも彼が好き、長い間介護したあげく、私より何十年も先に若い私と幼い子どもを残して死んだとしても、短い結婚生活の一日一日を本当に大切に生きていこう。めぐり逢えた幸せを感謝しよう!」とあなたが決意して考えを固めるなら、ご両親もキットこの愛を引き裂こうとはせず、応援してくださることでしょう。
今のように、わがままを受け入れてくれるところだけいいとこ取りし、介護はいや、幼い子どもが残されるのはいやなどという生半可な考えなら、お相手の方にも大変失礼になりますから、この恋愛はおやめになった方がいいでしょう。
(文:大関洋子)

2017/02/16(木)
第111回 【職場編】「私なりの努力の成果なのに…」
【Q】
就職して3年になります。総合職だと最終的にはお茶くみにされるなんていう時代遅れな話も聞いたので、営業を希望して、希望通り営業に配属されました。
営業で人脈を広げて、ある程度実績を積んだら、将来独立起業なんていう夢も持っているんです。営業の女性社員でそんな風に考えているのは私くらいかなあ?
みんなの話を聞くと、人脈を広げるっていうところはまでは一緒なんですけど、結局結婚相手探しっていうことみたいなんですよ。そんな程度だから、結果がついてくるわけないですよね。
そんなわけで、私の成績だけが目立ってるんです。もちろん私なりの努力の成果なのに、誰かに「枕営業してる」って噂を立てられちゃって、上司には呼ばれるし、みんなの目が気になって会社に出られなくなりそうです。

【A】
ひどいですねえ、あなたの勤めている会社。同僚があなたの好成績をねたんでなんやかや噂をするのはまあ仕方ないとして、上司に呼ばれたんですね?!これはもちろん、褒められたりかばわれたりしたのではなく「事の真偽を確かめる」ためみたいなことで呼ばれたんですよね。
もうこんな会社、セクハラとパワハラで訴えてやりましょう!
そして、それ相応の慰謝料をもらってやめましょう!
あなたのようにやる気もある女性は、きっともっとまともな会社で大切にされますよ。だいたい「枕営業」などという下品な言葉であなたの目立っている営業成績を非難するなど、もっての外です。
芸能界の「枕営業」が、度々週刊誌やネットで話題になりますが、「枕営業」とは、いつでも相手と寝られるように枕を持ち歩いているかのように仕事上の人間関係で性交渉を行うことを条件に利益を生み出す営業スタイルのことを言います。言葉自体も下卑ていますが、その心根がいやらしい!
あなたの一生懸命さを“あいつ、すぐやらせるんだって”みたいに噂している男たちや女がいる会社なんて、今ごろもう時代遅れ。会社全体が社会から取り残され、つぶれてしまうでしょうよ。そうなる前に、もっと前向きなあなたをきちんと評価してくれる会社を探しましょう。
根本的には、女は結婚して子を産み、家事育児に励み、夫を立て貞淑に尽くす、この思想、男女の役割を押しつけるジェンダーの考え方が問題なんです。
政府は「女性の輝く国にしよう」とかけ声をかけていますが、2002年に38,000件だったDVの相談件数は、2013年には10万件を超えています(内閣府)。しかも、検挙件数は2000件止まりです。民間シェルターのまとめ役をしている近藤恵子さんによると、DV被害の経験のある人女性は3人に1人で、20人に1人は殺されそうな目に遭い、3日に1人は実際に殺されているとのことです。
こういう土壌の中からあなたのようにやる気で頑張っている女性を「枕営業」と噂し、上司までがそれをかばうどころかあたかも真実のように真偽の確認をする。そんな状況が生まれているのです。
悔しいし、悲しいでしょうが、周りにいる信頼できる友人、知人、または専門家に力になってもらってあなたのような方が高い評価を得て本当に輝いていられる社会を作りましょう。
そのためには私も応援していきます。
(文:大関洋子)

2017/02/02(木)
第110回 【子親編】「私だけが孤立してしまって」
【Q】
結婚して2年になります。夫は一人っ子で大事に育てられたっていう印象の人で、乱暴なところのない優しい人です。あんまり我の強いところもないし、妻としては楽な夫ですね。よく周りからは「いいご主人ね」って言われます。
でもそれも良し悪しですよね、何でもお義父さんとお義母さんの言いなりなんですから。もちろん、お義父さんとお義母さんも、いい人なんですけど、細かいというか、お説教好きというか…。
結婚して間もないころから、顔を合わせる度に「夫婦は××であるべき」とか「××が夫婦生活のコツ」とか、まあとにかく私に教えてくれようとするんです。根本には、働いている私に対する文句っていうか、もっと妻らしく息子に尽くせっていうのもあるのかな?つい先日、私がちょっと自分の考えを話したら、義父とぶつかってしまって…。
それだけなら、大したことじゃないんですけど、私だけが孤立してしまって、お義父さん、お義母さん、夫の3人から責められているような構図になってしまって困っています。

【A】
何とも気分のよくない人間関係ですね。夫の両親も息子の妻にまで細かく、説教好きというのも問題ですが、最大の問題は夫がこの両親の言いなりだということです。
少年時代から両親に大事に育てられ、結婚した今でも夫としての責任ある行動が取れない。大人になりきれない成人の男性の心の病をアメリカのダン・カイリー博士は「ピーターパン症候群」という著書の中で、これは精神医学用語ではなく「誰でも持っている問題の一種である」と言っています。男性によく見られる症状で、ピーターパンの物語の窓から妖精のティンカーベルがやってきて、ネバーランドへ招待され、ネバーランドではいつまでも子どものまま大人になりきれないという話に基づいています。
特徴は、結婚したり子どもが生まれたりしても夫、父親として責任ある言動が取れず、無責任ですぐ他人へ責任転嫁する、妻や恋人に母親のような存在を求めるが人前ではプライドが高く男性らしく振る舞おうとする、さみしがり屋だが周りとの精神年齢に差があるため本当の友達ができにくい、ナルシストで男尊女卑の考えを持つ、などです。表面的には立派に見えるように振る舞うので、あなたも夫のことを「優しい人」「楽な夫」と言っていますし、周りからも「いいご主人」と言われていますね。
このピーターパン症候群は、病気ではなく20世紀初頭からメディアや政治動向が男尊女卑から男女平等へと向かう流れがあり、男の子の子たちの深刻な性役割の葛藤の中で出現したと考えられています。父親はしっかりした社会人で、母親は家事育児を問題なくこなす専業主婦、特に何不自由なく育った子どもの長男に多い傾向とされています。
改善するには、恋人や妻である女性が、ピーターパン物語の中の母親のように上手に世話を焼くウェンディのような役割を果たすのではなく、協力して一緒に冒険をする妖精ティンカーベルのように、時間とエネルギーをかけ、話をしていくしかありません。
義父母とやり合って摩擦を起こすのではなく、義父母とは適当な距離を置き、症状のチェックをしながら、年齢や立場相応の大人になってくれるよう支援してください。
お子さんがいないのであれば、離婚という選択もありますが、その場合、次の夫選びでもこのタイプを選択しないよう気をつけてください。
(文:大関洋子)

2016/12/15(木)
第109回 【親子編】「野球部のマネージャーというのは…」
【Q】
中学3年生の娘がいます。年明けには高校受験を控えていますが、甲子園の常連校に行きたいと言っています。夏の甲子園で女子マネージャーのことが話題になったのがきっかけで、マネージャーとして選手を支え、甲子園に行きたいと言い出しました。
これまで陸上で頑張ってきて、それなりの結果も残していたので、夏前までは女子駅伝で有名な高校に進学したいと言っていたのですが、今では野球部のマネージャーに傾いているようです。
自分で決めた目標ですから大事にしてやりたいという気持ちもありますが、男の子との関係や一人の人として自分自身が何かをするというのではなく、女子として男子を支えるという部分にどうしても抵抗を感じてしまいます。
男子野球部や男子サッカー部の女子マネージャーというのは、どう考えても性差による役割分担なので、将来、性役割の固定化につながっていってしまうのではないかと心配です。

【A】
全くおっしゃる通りです。私たちは生れた時から、いや生れる前から男か女かのどちらかに分類され、ずっとそれがその後の人生についてまわります。親やまわりの人がかける言葉も胎内の子が女の子か男の子かわかった瞬間から違ってきます。女の子なら「〜ちゃんはいい子よね。やさしい子ね…」、男の子だと「〜君!元気な子になるのよ!!」と呼びかけてお腹をさする毎日が始まります。
生まれようものなら女の子の産着はピンクや花柄の可愛いもの、男の子には元気のいいキャラクターものや男の子っぽい(と思われている?)色のものがお祝いに次々と送られてくることになります。おもちゃ類も同様です。女の子には乗り物やロボットなどのおもちゃは与えられず、男の子には人形やおままごとの道具は与えられません。本も同様で、年齢に即した男の子っぽいもの、女の子っぽいものが与えられることになります。節句もしかり。女の子にはおひなさま、男の子には鯉幟や兜差を多くの親やおじいちゃん、おばあちゃんが大喜びで買ってくれたりします。
そして幼稚園、小学校などの集団による教育が始まれば園をあげての男の子、女の子という区別が行われます。名簿順や制服、教材等々。まさに「女の子らしく」「男の子らしく」なることが人として普通で当然のように教育されます。
1992年までは家庭科は女子だけの必修科目でした。1993年になって中学校で、その翌年高等学校でやっと共修が行われるようになりました。それでもしばらくの間は女の子は調理実習、男の子は工作で本棚をつくったりコンピューターの勉強をしている学校現場がたくさんありました。有名男子高の男性教諭で強硬に「うちの学校の生徒は優秀だから調理など机上で学べば充分。家庭科室はいらない!」と言い張っていた先生を私は知っています。
校長先生やリーダー格のの先生に男性が多い学校で9年間の義務教育をされれば、あなたのお子さんだけでなく、ほぼ全員が女の子は人にやさしく、選手の汚れたユニホームを洗ったり、道具類の後始末をしたり、飲物の準備をするという補助的な仕事を、男の子はそういう女の子のためにも元気に勇敢に敵と闘い、勝利を勝ち取る誇り高い仕事をという風に考えるように育ちます。
今話題のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」も新垣結衣さん演ずる「森山みくり」が仕事として家事を担うという設定ですからまさにそういった状況の上に成り立っているドラマということが言えます。このジェンダーバイアス(=男女の性別による偏見)を解放して人々の行動や生き方を性別の枠組に押し込めず多様な個性が尊重される社会を作ろうという考え方「ジェンダーフリー」は歴史の上でやっと始まったばかりです。価値観は人それぞれなので、どちらが正しいと簡単に申し上げられることではありませんが、真の男女平等には「ジェンダーフリー」が必要でしょう。
お子さんとよく話し合ってください。
(文:大関洋子)

2016/12/05(月)
第108回 【夫婦編】「ベタベタだけの夫じゃ、不安」
【Q】
結婚して2年になります。知り合って3年で結婚しました。
基本的には優しい人かなあ…。男性は結婚すると変わるなんて言われますけど、そういうところもありません。最初の1年くらいは、相手はどんな人とか、何考えてるんだろうとか、お互いに探っていたんです。ぼろは出さないようって言うか…(笑)
そのうち彼も力が抜けてきて、ナチュラルな感じになったんです。彼のナチュラルな感じっていうのは、場所も考えないベタベタなんですよ。それが愛情の表現だと思ってるみたい。そういう風にオープンな人って日本の男性には珍しいので、最初私も悪い気はしなかったんです。「フランス人みたい!」なんて思っちゃって。特に嫌なところもないし、結婚ていうことになったんですけど、彼って全然変わらないんです。もちろん、そんな彼と結婚したわけですけど「彼って一生このまま?」って考えると、将来が不安で…。
私の気持ちの中には、「頼れる夫」っていうのもあるのにベタベタだけではあまりにも頼りなくて…。

【A】
いいですねえ。いいですねえ。このまま共に白髪になるまでベタベタ夫でいてくれたら、いいですねえ。確かにおっしゃる通り、フランスのシャンゼリゼ通りには白髪のご夫婦が仲よく手をつないで歩いていたり、中年のご夫婦が、青になった交差点の人混みの中で立ち止まってキスをしていて、そこだけ人の流れが迂回していたりしました。ぜひ日本でもこんなカップルを流行らせたいなあと20年位前に思いました。
今では日本でも若いカップルはベタベタしていますが、あなたのように結婚して2年経っても内でも外でもベタベタという夫婦は珍しい。もう一度申し上げますが「彼って一生このまま?」とおっしゃるように「一生このまま」でいてもいいですね。特にそのベタベタがナチュラルで対象が妻のあなたに限っているようですし…。
ただし、問題がひとつ、それはそんな彼をあなたが「将来が不安」とか「頼れる夫に」とか感じ出していることです。はじめはあなたも優しい人だし、愛情の表現として悪い気はしなかったんですよね。それなのに2年経つうちに、あなたと彼の価値観がズレてきたところが問題。まあ女性は種の保存の主たる役割として妊娠、出産、それに続く授乳や子育てがありますから、心身共にそれに備えて大人になっていきます。小中学生、いや人によっては高校生、大学生でも精神的には女性の方が発達過程が早い。同級生の男の子は子どもに見えた経験をお持ちの女性も多いでしょう。
勿論、性差や発達は統計的な概念で直接個人に当てはまるものではないし、性差が性役割を正当化する根拠には絶対なり得ませんが、彼のベタベタがうっとうしくなり頼れる夫がほしくなったのも一理あると思います。
お話の様子では彼も、外、社会ではとりあえず一人前の人間として働いているようですが、そこで変に人にベタベタしたり依存性があったりすると、人格形成上、心配ですが、ベタベタするのは妻のあなたに限っているようですので、あまり心配せず、お子さんでもできればきっと赤ちゃんにメロメロになるタイプでしょうから、それまでのちょっとの間、あなたも甘えながら待ってみてはいかがでしょうか?
お子さんが一人、二人とでき、社会でも後輩や上司から頼られる立場になってくると、彼もあなたにまで手が廻らなくなって、「あ〜、昔はよかった」などとベタベタしているカップルを見て、思う日が遠からずやってくることでしょう。
まっ、日本文化の中ですから人前ではあなたがやんわりと彼をたしなめるようにしてはどうですか。
(文:大関洋子)