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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2014/10/17(金)
第60回【子親編】「私の前と姑の前で態度が違う夫」
【Q】
夫の実家を建て直し、3年前から夫の両親が1階、私たち家族が2階と3階の2世帯住宅に住んでいます。玄関は別々ですので同居と比べると楽ですが、義母は何かと我が家の生活に口を出します。ある程度は仕方ないと思いますが、私が気に入らないのは夫の態度です。夫に義母に対する文句を言うと、私には「俺から義母さんに強く言っとく」って言うのに、そういうことがあった後は、むしろ義母の態度がおかしくなるんです。最初は、夫が義母に文句を言ってくれたから、義母の態度がおかしくなると思っていたんですけど、夫に「義母さんもそんなに先が長いわけじゃないんだから、我慢できるところは我慢してくれよ」って言われ、夫は私の前と義母の前では態度が違うんだっていうことに気づいたんです。夫は義父には厳しい人なので、義母にもちゃんと話してくれていると思っていたんですが、どうやらどちらにもいい顔をして、夫が私と義母の関係を悪くしていたんです。

【A】
夫との両親、特に母親との関係は夫を間に立てようとするとこじれます。あなたが気づいたように「我慢できるところは我慢してくれよ」とあなたに言っている通り「夫が義母との関係を悪くしている」んですから。こう言われればあなたは腹が立つわけです。
当然、自分の母親には「俺からあいつに強く言っとく」と言っているのでしょう。人の言動には、必ず「目的がある」という心理学からすれば、夫は妻と母親の両方から頼りになるいい夫、いい息子と思ってもらいたい人なのでしょう。ところが、その目的は大外れで、このように妻は立腹して相談しているわけですし、母親の方も嫁の愚痴を嫁の代わりに言いに来る息子に決していい気持ちではないでしょう。

こういうどちらにもいい顔をしてどちらからもよく思われようとする中途半端なやり方は結局どちらからもよく思われないばかりか、結果として間に立った夫、息子を自分の味方にしようとする「夫・息子争奪戦」へと発展し、泥沼化していきます。問題の本質はどこかへ行ってしまい見えなくなって、いわゆる嫁姑の醜い争いにしかなりません。

あなたはちゃんと「夫が私と義母の関係を悪くしていた」と分析しているのですから、このやり方は今日限りきっぱりやめましょう。そして、この悪いやり方の形跡を消去するためにちょっと勇気を出してください。一階に住んでいるお義母さんの所へ何かあなたの作った夕飯のおかずの一品でも持って降りていき、「お義母さん、どうもこの味付けうまくいかないんです!いつも××さん(夫の名)はおふくろの味はちょっと違うんだよなあ…って言ってあまり食べてくれないんです。味付けのこつを教えてもらえます?」とでも言ってみてください。あなたは「玄関は別々なので楽」と言っているし、「私が気に入らないのは“我が家の生活に口を出す姑ではなく夫の態度”」とはっきりしていますから、きっとこの作戦でうまくいくと思いますよ。
「口を出すのもある程度仕方ない」とも思っている賢いお嫁さんでもあるのですから、2〜3日に一度くらい、料理の味付けや夫の好き嫌いや変な癖やらについて、お義母さんの知恵を借りに行くという名目でお義母さんと仲良くなってください。

あなたたちの生活に口を出したがっているお義母さん、すっかり喜んでいろいろ教えてくれるでしょう。そして段々「全くウチの息子ったら小さい頃から人にいい顔して自分てものがなくてね。いい人って思われたいために本当は損ばかりしているのよ。本人は気づかないのかしらね?あらっ、私がそういう息子に育てたってこと?はははっ、ごめんなさいね!」というふうになること間違いなし!

夫はこの際抜きにして、自分でお義母さんと仲良くなる作戦に切り替えてください。夫も大喜び、夫の両親も、そしてあなたもハッピーになれますから。
さあ、勇気を出して実行してみてください。嫁姑の関係が泥沼化しないうちに!
(文:大関洋子)

2014/10/02(木)
第59回【親子編】「月経が始まった娘に…」
【Q】
小学5年生の娘の月経がちょっと前に始まりました。
赤飯を炊いてお祝いをしてあげようかとも思ったんですが、月経をことさら意識するみたいなこともある意味で女性差別につながるかなあと思って、「おめでとう。よかったね」と声をかけただけですませました。

娘をかわいがっている夫ですが、わりとクールな人なので、夫も「おめでとう」くらいですむのかなあと思ったら、洗濯機のそばにあった娘の汚れたパンツを見て明らかに動揺している様子。
それに追い打ちをかけるように、娘が男のお友達の話をしたものだから、娘への対応が急によそよそしくなってしまいました。思春期を迎え、男女関係が難しくなる時期に、娘にとって最も身近な異性である夫の態度の変化がとても気になります。

【A】
男にとって自らの身体の中から毎月決まって血を流す女は、何とも不思議な生き物に映るようです。そもそも女と男の根本的な違いがここなので、お互いここのところはよくわからない、よくわからないところにはなるべく触れない方がいい、したがって自分(男)という生き物とは違いのはっきりした娘とは距離を置く、よそよそしくなる。こういう結果が今の夫の態度の変化だと思われます。

動物の中には人のようにペニスなどの外性器の違いでオスとメスの区別がついたり、ライオンやシカのようにたてがみや角のあるなしで性別が区別できるものもいます。
でも、ペニスのあるなしやたてがみや角のあるなしの外見的違いがなく、オスとメスの区別がつきにくい生き物、たとえばサンマやアジのような魚がどうやって区別するかというと精子を作るのがオスで、卵子を作るのがメスというような区別の仕方。
この精子と卵子の受精卵によって新しい生命が誕生するわけですから、オスとメスの違いはシンプルだけれど、重要な違いですね。ところがお互いここのところは自分の身体に起こることではないのでよく理解できず、まさに「君子危うきに近寄らず」と避けて通ろうということになるわけです。

もし、あなたに男の子がいたら精通のあった日を言えますか?
男の子の精通も女の子の初潮同様、前兆はあります。
女の子は初潮が始まる頃に胸が膨らみ身体全体が丸みを帯びた柔らかい線に変化しますが、男の子の場合は、身体が筋肉質になり声変わりして喉仏が出てきたりします。
でも精通はいつ?と聞かれても、女の子のように出血するわけではないので、母親は気づかないことがほとんどです。ある日、パンツの数が少なくなっていたり、子どもの部屋のゴミ箱に捨ててあるティッシュからそれと気づいて、「あーっ、この子も男になったんだぁ」と感じるかもしれませんね。
そんなときには、息子さんと距離を感じたりすることと思います。

たぶん、あなたの夫も、自分の娘との違いを目の当たりにして、戸惑いや自分の一部のような気がしていた娘が他の男のものになっていくという嫉妬、一抹の寂しさなど、複雑な感情の整理ができなくて困っている状態なのでしょう。父親として自然にそれを受け入れ、娘の成長を喜べるようになるまでの過渡期と考え、お子さんのことではなく、むしろ夫婦の今後の生き方や性の関係に目を向け語り合ういい機会ととらえてはいかがでしょうか。

(文:大関洋子)

2014/09/18(木)
第58回【夫婦編】「風俗通いがエスカレートしている夫」
【Q】
夫のスーツをクリーニングに出そうとしてポケットに何か入っていないかと探ったら、キャバクラらしい店の女の子の名刺が出てきたことがありました。
仕事関係の方とのお付き合いもあるし、キャバクラくらいとあまり気にはしていませんでした。

ところが先日、財布を忘れたと駅に着いた夫から電話があり、私が駅まで持って行くことになったんですが、つい中を覗いてしまったんです。
覗いたりすることないんですけど、「いくらくらい持ってるのかな」っていう程度の軽い気持ちだったんです。そしてら、「××さんてとっても優し方ですね。また指名してください」て書いてある女の子の名刺を見つけてしまいました。名前も偽名だし、たぶんデリヘルです。
「まさか夫が…」と思ったんですけど、その後も別な女の子の名刺が出てきました。
このまま放っておくか、それともきっちり話をするか、迷っています。

【A】
ギクシャクするのを覚悟して、「きちっと話をする」しかないでしょう。
男という生きものには二種類ある気がします。
「恋人や妻以外の女性には、性的な興味を持たない男性」と「決まった恋人や妻がいるのにそれ以外の女性の性に常に関心がありチャンスさえれば決まったパートナー以外と性交渉を持ちたいと思っている男性」の二種類です。その中間もいるにはいます。
「恋人や妻以外の女性に興味関心はない事はないけれど、人としての理性がブレーキをかけて実際にはパートナー以外の女性とは性関係を持たない男性」のような…。この人は前者に入れておくことにしましょう。

一夫一婦(妻)制の結婚制度の歴史はそう古くはなくて、租庸調の税を納めさせるための権力者がとった制度から始まったと言われています。
元々、私達人類は繁殖期以外でも性関係を持つことが出来、その行為によって授かった生命は、他の動物と違い、極めて未熟で生まれ、ちゃんと歩いたり危ないことと危なくないことの区別がつくまでには、少なくとも3年はかかります。
これらのことから男性は、自分の子であることの確証を得るためにパートナーを独り占めしようとし、自分の遺伝子を持っている我が子のためなら少なくとも3年はその母と子に獲物を持ってくる。女性も子供が何とかと育つ3年間くらいは男性にそばにいてもらわないと困る。そういった駆け引きの中で、関係の安定している(居場所が特定しやすい)一夫一婦制は権力者の税を得るための法的な制度ともなりました。

こう考えてくるとあなたの夫が妻以外の女性と性関係を持っているというのは、人間としての理性に欠け、種の保存の欲求に突き動かされる種類の男性ということにほかなりません。
一夫一婦制がゆるやかであった時代は女性に対してもそこから逸脱することにゆるやかでしたが、今は「浮気は男の甲斐性」とか「女性は性欲を我慢できるが男性は我慢できない」などといった誤った風潮がはびこっているため、男性にだけ縛りが緩くなっています。

特定のパートナーであるあなたがありながら、他の女性の性を求める風俗、デルヘルという場で性を商品化して買っている。そういう行為を放っておく?確かに止めれば止めるだけ陰に隠れてコソコソやるようになるのかもしれませんが、このまま放っておけばいつかは直るというものでもありません。
自分の正直な気持ちを「きちっと話」してください。もしそのことでもめて、離婚話に発展するとしてもです。法的な慰謝料はあまり高くはないのですが、今後の長い夫婦生活を自分の気持ちを抑えて生きていくのではなく、二人で質を高めるよう、ここでは充分言い合ってください。
もっとも夫には言い返す言葉はないはずですが…。

残念ながら、あなたは人として質の低い男性を選んでしまったわけですので、「きちっと話をして」夫婦関係を再構築するよう努力してみてください。

(文:大関洋子)

2014/09/03(水)
第57回【恋愛編】「簡単に男を信じられない私」
【Q】
彼は3歳年下の職場の後輩です。お付き合いを初めて2年になります。
私は、一度結婚に失敗して、5歳の娘を一人で育てています。
彼は、お付き合いする前から私がシングルマザーであることを知っていたんですが、それでも恋愛の対象としてお付き合いを初めてくれました。

最初、私は恋愛というよりは、職場の友人としていい関係でいられればと思い、お茶をしたり、食事をしたりしているつもりでした。
そのうち、娘も一緒に食事をしたり、遊びに行ったりするようになったんですが、すっかり娘が彼になついてしまって。彼は、そろそろ結婚をと考えてるみたいなんです。
彼はいい人だとは思うんですけど、前の結婚のことを考えると、どうしても男を簡単に信じることが出来ません。もし彼との間に子どもが出来たら、前夫の子をかわいがらなくなるのではないかということも心配です。

【A】
望んでいたチャンスが訪れたとき、それに応じる事は案外難しいものです。
あの偉大な科学者マリー・キコリーでさえ危うくチャンスを逃しかけたと語っています。運命が自分に何をさせようとしているのか、自分に何が求められているのか、それを感じたならば、素直にそれに従ってみることも大切だと思います。
失敗するのではないかうまくいかないのではないかなどと悩んで、その出会いをやり過ごしてしまわないように…。

運命の出会いという瞬間が一生のうちに、何度かやってきます。
あなたが前の結婚で傷ついて男を簡単に信じることができなくなっている気持ちもわかりますが、お付き合いを始めた時3才だった娘さんが5才になるまでにすっかりなついていらっしゃるんですよね。2年という年月、3才から5才までの小さな娘さんに信頼されている男性をあなたも信じてみてはいかがですか?

結婚して彼との間の子ができたら今の娘さんを可愛がらなくなるのではないかとも心配していらっしゃいます。確かにそういう事例のご相談もないことはないのですが、ごく少数です。自分たちの子どもができたら前夫の子をかわいがれない男は2年間も娘さんをかわいがってなつかせられないと思います。

カウンセリングのゲシュタルト療法の創始者パールズ博士は「過去も未来も今、目の前にないものである。実際に体験しているのは“今ここ”だけだ。
過去と未来は実際には存在しない、だから大切なのは“今ここ”にある事をどう受けとめるかだ」と言っています。過去や未来のことをくよくよ考えることで心のフィルターが目づまりをおこして通りが悪くなり、本当にやりたいことが素直にやれなくなってしまうわけです。やってみないことは何も始まりません。

せっかくの出会いや彼の想いに耳や心を閉ざさずに、とにかく彼をパートナーとしての新しい人生を考えてみてはいかがですか?
娘さんの天使のように純粋な判断力を信じて…

(文:大関洋子)

2014/08/22(金)
第56回【職場編】「女を利用して営業するな!」
【Q】
私は総務部で事務職をしています。
営業職ではないけれど、会社を訪ねてくるお得意先の社長さんや営業の皆さんの窓口になることもよくあります。そういうお得意先の皆様に「外で打ち合わせをしませんか」とか「今度飲みに行きませんか」とか誘われることもあります。私は事務職なので、本来の役目から言えば、接待や営業は範囲外と理解して、プライベートなお誘いとしてやんわりと断ってきました。

ところが先日、お得意様のTさんからお誘いを受けているところに社長がいて、「Tさんは、君に用があるって言っていらっしゃるんだから、外で話をしてあげてくださいよ」と言われました。
Tさんはいつも私を変な目で見ている気がするし、社長もそれを知ってるはずなのに、女を武器にしたみたいな営業を仕掛けようとしている会社のやり方には納得がいきません。

【A】
このようなケースは完全にセクハラですねえ。俗っぽい言い方をすれば、色仕掛けの営業とでも言いましょうか…。男性にちやほやされるので、それをあまり嫌がらない女性も多く、なかなかなくならないのですが、あなたはそういう営業のための接待が嫌なんですよね。あなたのそういう感覚、大事にしましょう。

社長はあなたが営業職でなく事務職なのにもかかわらず、あなたの性的な資質を利用して営業成績を上げようとしていると考えられるわけですから、当然セクハラに当たると考えるべきで、訴えれば社長は法的制裁を受けることになるでしょう。社長から身体を触られるとか、飲みに誘われるとかの直接的なセクハラではないにしても、本来社員がそういう状況にならないよう努めなければならない社長の責任ですから、性的資質を利用しようとしたことだけでなく、そういった状況から守らなかったということだけでも、責任は免れませんね。

昨今、セクハラについてはかなり厳しい基準が設けられていて、男性の上司が部下の女性に肩たたきやマッサージをさせたり、その逆に女性の上司が部下の男性に宴会で裸踊りをさせたりなどというのは当然のこと、男性が女性にお茶くみを強いる(女性の上司が男性にという場合もあるでしょう)、宴会でお酌を強いる、特別な事情がないのに水着の女性(あるいは男性)のポスターやカレンダーを貼ったりするなどというのも、セクハラです。
ですので、どうしても嫌で、やめさせるための強硬手段を取るとい言うなら、法的手段に出るというのもありですが、あなたの場合は、社長に法的制裁を科そうとしているわけではなく、現状、なんとか顧客に気に入られている私を、性的な道具として営業に使わずに、きっちり事務職としての仕事をさせろということですよね。
あなたの相談からは、会社にそれほど多くの不満を持っているとは考えにくいので、たとえ法的手段に訴えてあなたが勝ったとしても、そのことで働きづらくなっては元も子もありません。

本来は、こういうことを一つ一つきちんと社長や上司と筋を通して話し合い、自分の本来の仕事は事務職であること、今回のように営業として顧客を外で接待することは採用時の業務内容に含まれていないこと、その上、誘った男性顧客があなたに対し、女性として好意を持っている(あるいはよくない意味で女性として興味がある)ことを知っている社長が、それをあえて利用して職務命令とも取れるやり方であなたに指示を出したことは、職務命令違反であるときっちり告げて断るべきでしょうが、これにはよほどの勇気と決意が必要で、時には会社を辞めることすら覚悟しないとできないことです。

とはいえ、とても腹の立っているあなた。勇気を出して、社長にはっきりあなたの気持ちを伝えましょう。お得意様の前で、「Tさんは、君に用があるって言っていらっしゃるんだから、外で話をしてあげてくださいよ」なんて言える社長さんとあなたの関係は、よほど悪いか、かなりいいかのどちらか。いい関係なら、今回のようなことは2度と起きないはず。まず、あり得ないとは思いますが、もし悪い関係でこじれるようなら、退社も覚悟で臨んでみてください。

(文:大関洋子)

2014/07/31(木)
第55回【子親編】「女性にオープンな義父」
【Q】
義父は68歳。
定年退職して家にいるんですが、多趣味というか、人を集めるのが好きというか…。琴をやったり生け花をやったり…。
もともと兄弟が多かったために、お盆やお正月に親戚が集まるための広い居間があるので、お琴や生け花の先生を呼んで、近所の女性の皆さんとお稽古をしています。
退職後の男性が「濡れ落ち葉」になることが少なくないことを思えばよほど増しなんですが、お稽古仲間とはいえ、そういう女性の皆さんが台所に入ったりすることを嫌がらないどころか、積極的に手伝ってもらったりしちゃうんです。
お湯を沸かしてお茶を入れるくらいはいいんですけど、冷蔵庫に買ってきたものを入れたり、冷蔵庫の中のものでお茶請けを作ったり…。
義母がどう思っているかはよくわかりませんけれど、私は嫁としての立場がなく、「台所には来ないで!」と叫びたくなります。義父の女性にオープンな性格も大事にしてあげたいんですけど、嫁の立場ももっとわかってもらいたいんです。

【A】
「何の問題も無し」です。
むしろあなたと義父母の関係はとても良いと言えます。
義父は嫁であるあなたをすっかり信用し切っているから自分の友人を平気で台所まで入れるのでしょう。その上義母は多分夫のこういうやり方に慣れていて何も不満はないようですからなおさらのことです。

当然永い結婚生活の中で夫の生き方に異義を唱えた時期もおありだったでしょうが(嫁という立場のあなたでさえ「台所は私のもの!」という思いがあるのですからましてや妻ならばもっともっと不快な思いや「台所には来ないで!」という思いをされたことでしょう)、言っても言っても妻の思いを聞く夫でもないことを悟られて「夫のしたいようにさせておく」という処世術を身につけられたのでしょう。

そして息子の妻であるあなたのことも永年つれ添った古女房と同等に扱っているわけです。しかも集めている女性たちは琴や生け花の先生や生徒さんたち。
いいですねえ、これも。あなたもおっしゃっているように「濡れ落ち葉」になるどころか上品で文化的なお仲間の女性たちに囲まれて楽しい日々を送っていらっしゃるわけですから。
そしてお義母様は台所もオープンに心もオープンにしていらっしゃって気をつかうこともやきもちをやくこともせず、永年培った「夫とはかかわらないというかかわり方」を修得されているようですね。

きっとお義父様はお義母様のそういうかかわり方が心にさびしくてそういった女性方を集めていらっしゃるのでしょうから、あなたもできれば「嫁の立場」などという古い考え方は捨てて、人生の大先輩たちに「あらっ、素敵!それどうやって作るのか教えて下さい!」とか「お琴の音色って癒やされますよねえ」とか「まあ、このお花、こういう風に生けると一段と可憐ですねえ!」とか、お義父様のそばでお仲間に入れてもらってはいかがでしょうか?

お義父様はきっと停年までの永い間、堅いお仕事、公務員とか警察関係とか管理に追われる日々を送り、長男としてご兄弟の面倒をみてのご勇退。退職後は優雅に人生を送りたい、そして仕事でかかわってきた武骨で人を蹴落してでも自分が上にいこうとする男たちではなく、穏やかで優しい女性たちに囲まれて人生を終りたいと思っていらっしゃるのではないでしょうか。

あなたのように人に気を使えて優しい女性を妻にできた息子のことをちょっぴりうらやましいと思っていらっしゃるかもしれません。あなたのお連れ合いも、全く安心し切って、両親をあなたに委ねていらっしゃるようですから。

(文:大関洋子)

2014/07/17(木)
第54回【親子編】「娘だってしっかり怒ってよ!」
【Q】
小学1年生と3歳の娘がいます。
夫はサラリーマンですが、それほど残業もなく、朝8時に家を出て帰宅は7時から9時の間くらい。ほぼ毎日娘2人と朝食、夕食を摂ります。そんなせいか娘たちは夫になついていて、娘たちを怒るのは私、甘やかすのは夫みたいな構図が出来ています。
私が怒って厳しい顔をしていても夫の顔は緩んでいるので、怒っても効果がなくだんだんやることがエスカレートしてきました。

先日は、トイレに買った覚えのないガムの包み紙が落ちていたので娘たちを問い詰めると、下の娘がスーパーのお菓子売り場から持ってきてしまったものらしく、2人でこっそり食べていたというのです。とてもショックでした。
夫に「大変なことなんだからあなたも怒ってよ!」と頼んだのですが「男の子なら殴って叱るのもありだろうけど女の子だろっ。優しくし言って聞かせればそのうちわかるよ」と言って2人を膝の上にのせてニヤニヤしながら話すだけです。

【A】
全くあなたのおっしゃる通りですね。
ちょっと見には父親はお子さんたちと朝晩食事を摂り、母親のあなたが厳しく叱り優しくフォローをして子育てのバランスが取れているように見えますが、「男の子なら殴って叱るもありだろうけど女の子だろっ」という言葉から、これは明らかな「男女差別」です。

ましてや今回のように、たとえ3歳の娘さんであっても、ほしいからといって売り場から黙って持ってきてしまう行為、その上お姉さんと2人でトイレでこっそり食べていたという行為から、「悪いこと」と知っているのは明らか。それを「ニヤニヤしながら話す」などもっての外です。そして「男の子なら殴って叱る」というのも、二重に間違った子育てです。一つは、「男の子なら」「女の子なら」という差別的子育て、もう一つは「殴って叱る」という暴力的子育て、その二つの点で大きく間違った子育てになってしまっています。

「男の子なら」「女の子なら」という性の違いを考ええる子育てが必要なのは、思春期に女の子には初潮があり、男の子には精通があるということを心がけておくことくらい。
それも、女の子は毎月出血するのだから大変でいたわるべき存在だとか、昔のようにけがれのある身体だから女は参加すべきでない(たとえば陶芸の窯焚き、大工さんの建前、高野山の女人禁制など)とかいう方向での性の違いにならないことが大切なのに、あなたの夫は、すでにこの流れにしっかり乗って子育てをしてしまっています。
このまま育てると2人の娘さんたちは「私は女なんだから」と人に甘えたり媚びたりして生きるようになり、その代わり「女なんだから」とやりたいことを我慢して男の人に従って生活するのが当たり前という女性になってしまいます。

この万引きという犯罪行為を3歳の娘さんは重大なこととは思わず行ったわけですが、行為の重大さについて、きちんと教えて叱る必要があります。
ここで大切なのは、二つ目の「男の子なら殴って怒る」、「女の子なら優しく膝の上に乗せてニヤニヤ話をする」ということにならないこと。「殴って叱る」は、男の子であろうと女の子であろうと、基本的に間違いです。
暴力的な子育ては、将来、子どもの心に大きな傷になってのこり、子から親への暴力になったり、人生に自信がなくなったり、決していい結果につながらない上、子から子へと引き継がれていってしまうこともよくあります。

ここでは、人々が物を作り、それを私たちがお金で買うことでその人たちが生きている社会の仕組みをきちっと話し、父親が毅然とした態度を取ることで、3歳の娘さんも、「もう絶対しちゃいけない」とわかるはず。

どうか今回のこと以外でも夫婦でよく話し合い、「男の子だから」「女の子だから」という男女差別的な子育てや暴力的子育ての考え方を変えてもらうよう努力してください。そして、あなた自身の中にも「だって私、女だから」などという内なる男女差別がないか点検してみてください。

(文:大関洋子)

2014/07/17(木)
第53回【夫婦編】「帰宅した夫から香水の匂いが…」
【Q】
夫は4月に課長に昇進しました。すごく喜んでいたんですけど、最近、夫の帰りが遅くなり、日付が変わることもあります。
管理職って大変だなあと思っていたんですが、あるとき帰宅した夫から香水の匂いがしたんです。最初は、満員電車の中で付くこともあるし、どこかの飲み屋で付くことだってないわけじゃないなんて思っていたんですが、だんだんそれが頻繁になり、しかもいつも同じ匂いだって気づいたんです。

そしてついに、夫のスーツから名刺が…。店名や源氏名からするとどうやらキャバクラ。夫に問いただすと、管理職になると社内だけでなく社外の人との付き合いも増えて、キャバクラで接待することもあるって言うんです。
そうかもしれないけど、いつも同じ匂いなんておかしいと思いませんか。
私には、夫の言葉は苦し紛れの言い訳にしか聞こえないし、理由はどうあれ、香水の匂いを付けて帰宅するような接待なんて絶対許せません。

【A】
あなたは最後に「香水の匂いを付けて帰宅するような接待」を「絶対許せない」とおっしゃっています。
本音のところは「特定の女性と関係を持つ夫」を「絶対許せない」のですよね。
こういう情況がしばらく続くとどうしても感情的になり物事の後先が見えにくくなるのが人のさがです。ちょっと立ち止って自分の感情を整理してみましょう。
まず「絶対許せない」のは「こういう接待のやり方」なのか「こういうやり方をする夫」なのか?「接待のやり方」も「香水の匂い」をつけてこなければいいのか?
自分の心に聞いてみてください。自分の前に空の椅子を置いて、その椅子にあなた自身が座っていると思って「あなた!(自分の心に呼びかける)すごく怒っているけど、何にそんなに怒っているの?!」って声に出して聞いてみるといいでしょう。

そして次にその椅子ご自分が座ってみると「そうね〜、えーと私が怒っているのは、接待のやり方とか香水の匂いとかではなくて、ある特定の女性と夫が親しくなっているらしいってことが不安で心配で怒っているのよ」という答えが自然に出てくると思います。
そうしたら又、その椅子から離れて「そうかぁ、そうなんだあ…。特定の女性と関係を持たれると、あんた捨てられちゃうかもしれないもんね。それで怒ってるんだね。で、絶対許せないって、許せないとどうするの?」と言ってみて、再び「怒っている私」の椅子に座ってみて下さい。

すると「ウーン、絶対許せない私。ウーン、何ができるんだろう。”絶対許せない”って夫に怒鳴る?つかみかかる? すると夫は”仕方ないだろう社外の人への接待だから”と言い訳をしつつ次からは、香水の匂いを焼き肉の匂いで消すためにその女性と焼き肉屋に行くか、ホテルで無香料の石けんを使って(うちの妻は匂いに敏感とわかったから)シャワーを浴びて帰る、なんていう自衛策をとる。
すると私は、夫ってそんな風に妻をだましてまでそういう女性と関係を持ちたいような男だったんだ!と…。だとしたら絶対許さなーい!もう離婚しかない!」そんな結論にたどりつくまでに5分とはかからないと思います。

このように自分の中の葛藤しているもう一人の自分と向き合って自分の本音を確かめるために空の椅子を置いて立場を変えてやり取りする方法を「エンプティチェア法」といいます。
さてそこで「離婚だあ!」となってみてやはりその前にやる事は、夫との関係性の見直しでしょうかねぇ。日本の男性の多くは、管理職になり接待費が自由に使えるようになると特定の女性と付き合うようになり、それを「男のカイショウ」みたいに考えるようですね。

経済的に自立してない女性は、簡単に離婚もできないので、悔しいけれど有効な手段がない。逆説的ですが日付が変わって帰ってきた夫を、「遅くまでお疲れ様!」とねぎらって(悔しくても“優しく”)、冷たい水やおしぼりでも用意して「今日の接待うまくいきましたか?」とでも声をかけて上げてください。

今ならきっと1週間位で帰りも早くなるはずです。
キャバクラの香水の女性より妻との時間を共有する方が、夫にとって居心地がいいことに気づいてもらいましょう。

(文:大関洋子)

2014/06/12(木)
第52回【恋愛編】「愛情には束縛はつきものですよね」
【Q】
彼とは付き合い始めて2年になります。とても優しい人なんですが、不安になることがあります。
彼って、私を束縛しようとしないんです。私も束縛されるのは嫌なんですけど、彼の場合それが極端ていうか…。何度部屋の前まで送ってもらっても、彼は絶対部屋に上がろうとしないんです。いつも扉の前で「じゃあ」で終わりなんです。

買い物を頼んだこともあったんですけど、そういうときでも、絶対ピンポンは鳴らさずに、まず「あと10分くらいで着くよ」とメールが来ます。そのあと着く寸前に「もう着くよ」っていうメール。
そして、最後は「今、玄関のドアノブにかけておいたから」というメール。もちろん私がピンポン鳴らしてといえば別ですが、そうでない限り、顔も見ずに帰っちゃうんです。「何で?別にいんだよ」って言ってみたことがあるんですけど、彼は「君には君の生活があるだろ。君の生活の邪魔はしたくないから」って言うんです。

そんなふうに私のことを大事に思ってくれてるんだとも思ったんですけど、それって、僕のことも束縛するなよっていうメッセージにも取れるし、愛情がないっていうふうにも取れますよね。愛には多少の束縛は必要だし、私はそういうものがあって愛を感じられるんだと思うんです。

【A】
あなたも一度「束縛愛」というものを体験したらきっと、「もう絶イヤッ!」って思います。「愛には束縛がつきもの」なんて、やられたことのない人の台詞。「おまえは俺の彼女だよな? その携帯に入ってる男の名前、どういう関係のやつ?」なんていうことから「君は僕の妻だ!僕が君をどう扱おうと僕の勝手でしょ!」というDVの夫まで、「愛は束縛するもの」という思い込みと偏見がどれだけ私たち女性を人間扱いしていないかわかると思います。

究極は「疲れてるから今夜は無理」という妻や恋人を自分の欲望だけで、夜半にたたき起こし、性の相手をさせる男。もうここに至ってはレイプそのものです。さすがにそこまでは行かないにしても、夜遅くご機嫌で帰って、買ってきたおみやげをうまいから食べろと強要したり、月がきれいだから、外へ行って見てみろと「眠い」というパートナーを無理矢理引っ張り出そうとする男たちは、程度の差こそあれ同類項。妻や恋人が自分の思い通りにならないと怒鳴ったり、ものに当たったり、果ては殴る蹴るの行為に及ぶ、これらのDV行為は、皆「愛は束縛」という意識の表れです。

あなたは「多少の束縛」とおっしゃっているので、前述のような束縛がいいとは思っていない。でも、2年もの間、いつも部屋の前で「サヨナラ」、買い物は玄関のノブという彼の態度はどんなものだろう?そして、「君の生活の邪魔はしたくない」という、恋人同士にしては何とも不可解な(?)言葉。「多少の束縛」が愛の証と思っているあなたにとって、あまりの束縛のなさが愛への不安をかき立てるということですね。

まず、「愛する」ということと「束縛する」ということは、対局の考えだということを理解してください。そしてあなたの方から「部屋に上がって!」とか「泊まっていって!」とかしっかり意思表示をしてみてはいかがですか?「私がピンポン鳴らしてといえば別」とおっしゃっているのですから、意思表示をすることで、彼もそれなりの行動を取るのではないかと思います。あなたの方から誘うような形になるので、少し勇気がいるかもしれませんが、彼からあなたに嫌なことを強要するタイプではないようなので、あなたの中でここから先はまだダメという意識があるのなら、それ以上のことはしないはずです。
もし、それでも「上がらない、泊まらない」ということであれば、彼はあなたにあまり関心がない、あるいは関係をそれ以上縮めたくないと思っているのかもしれませんので、この交際は根本的に考えた方がいいかもしれませんね。

「束縛=愛」という方程式は全くの誤りですが、相手へのあまりの無関心さは「愛」とは対極とも言えます。あなたが心配しているように、彼はあなたとの関わりを深めることによる面倒くささを嫌っているだけのようにも映りますので、家庭での食事さえ一人で自由に食べたいという徹底した自由主義
者かもしれませんね。

パートナーと暮らすということは、それ自体お互いの人生に深く関わり合って多少邪魔し合ったり、助け合ったりしながら生きるということですから、彼は結婚という形を望んでいないのかもしれません。
ぜひ、あなたの方から意思表示をして、彼との関係が進展するように努めてみてください。もし、何も進展しないようなら、当然のことながら別れることも選択肢ですね。

(文:大関洋子)

2014/06/04(水)
第51回【職場編】「上司からの指示が私を通り越しちゃう…」
【Q】
「いよいよ30歳の大台かあ…」と考えていたとき昇進の辞令をもらい、係長になりました。部下に5人の主任を持ち、主任は下にそれぞれ3〜5人の部下を持っています。主任は主に現場の指揮を執るのが役割で、お店の店長といったところ。係長はデスクワークを中心に、現場の統括的役割を担います。主任までは、管理職といっても仲良しグループのリーダーみたいな感じだったんですが、係長になってデスクワークが中心になり、気持ちを引き締めて管理職として頑張るぞって思っていたんです。ところが、上からの指示が、私を通らず下へおりちゃうんです。最初は、私が新米だからかなって思ってたんですが、私と一緒に係長に昇進した男性はバリバリ仕事をしてる。上司にも、私に下ろしてくれるように話したんですが、「女のおまえの言うことじゃ、なかなか聞かないやつもいるだろっ。まずおまえが信頼される管理職になれ」って言われました。そんなこと言われたって、私を通り越して指示を出されてたら、信頼のされようがありません。

【A】
20人前後の部下を持つ係長に昇進されたとのこと、おめでとうございます。そうなるまでにはそれなりの努力や人には言えない苦しいこともあっただろうとご推察申し上げます。それを乗り越えての係長就任だったのになんたる差別!あなたが憤慨されるのも当然です。

一緒に昇進した男性は部下に指示を出してバリバリ仕事をしているのに、「(私の部下へは)私を通らず下へおりちゃう」という憤り。私があなたを立派だなあと感心したのは、その指示命令系統を不審に思って上司に直談判されたことです。自分が飛び越されていることに気づきもしなかったり、気づいてもうやむやにしたりしないできちっと「私に下ろしてくれるよう話した」とのこと。仕事のできる上司なら、これだけであなたを「係長に昇進させてよかった。見所のあるやつだ」と思ったはず。あとは上司の言うように「女のおまえの言うことじゃ、なかなか聞かないやつもいるだろっ」という女性蔑視の偏見を「まずおまえが信頼される管理職になれ」という忠告に従って(あるいは従ったように見せかけて)クリアしましょう。

私が学生だった50年ほど前「今に見てろっ!男なんて追い越してやる!」と男に追いつけ追い越せと頑張っていました。女性が男性化することが男女差別をなくすことだと思っていたのです。
おそらく今、60代70代を迎えた世代の私たちは、皆そう思って頑張ってきたのですが、それがそもそも男女差別を生み出すもとだったようです。男性の方が女性よりも上だから男性と同じようになりたいと考えていたわけですから。

現代の映画でも感動を呼ぶ映画や小説の多くは、女性は「男性を陰で支える女性」として描かれています。先日観た「神様のカルテU」でも宮崎あおいさんが、桜井翔君を立てる妻役をとてもかわいく演じていました。「武士の献立」の上戸彩さんもそんな感じでした。それでも少しずつは変わってきています。宮崎あおいさんは、写真家という設定でしたし、「武士の献立」の上戸彩さん演じる“春”は、夫より4つも年上で離婚された出戻りの女性で「離婚された出戻りの身」と恐縮するのを余貴美子さん演じる姑に「当地では戻りがつおが脂がのっておいしい」とかばわれていました。50年前は、自己犠牲のみの妻や恋人が圧倒的人気でしたが、近年では個性豊かな強い女性が「自分の持ち味を活かしながら夫の人生を支える」という表現に変わってきているように思います。

男女平等の世の中でないと女性だけでなく男性も幸せになれないはずなのですが、現実の世の中は、急には進まないものですね。焦る気持ち、腹の立つ気持ちはよくわかりますが、長い歴史の中で起こっていること。長い時間を要するとは思いますが、ご一緒に手を携えて進みましょう。少子化で世の中が立ちゆかなくなりつつある現在は、女性を認めさせる絶好のチャンス!「世の中は女性で成り立っている」くらいの気持ちを持って進みましょう。少なくとも私たち女性が産み育てている息子たちにだけは「女をなめるなよ!」とでも言って子育てしましょうか!

(文:大関洋子)