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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2014/05/08(木)
第50回【子親編】「お義父さんは私の料理が好み」
【Q】
結婚して5年。2年ほど前から夫の両親と同居して4人暮らしです。夫の帰りは遅いので、ほぼ毎日、3人で夕食です。同居を始めたころは、お義父さんの好みもわからなかったので、主にお義母さんが作って私は手伝いという感じでした。半年くらいしたころから、徐々に私が中心になって、今ではお義母さんが作ることはほとんどありません。
先日お義母さんから、「あなたの料理は脂っこいし、味も濃い、ご飯も堅い。主人の好みにも合わないし、身体にもよくないわ。私のを見習ってもらわないと」と言われてしまいました。確かにお義母さんのと比べるとその通りだと思うんです。でも、私はお義父さんに好みを聞いて作ってるんです。お義父さんは「あいつの料理は、脂っ気はなくて、味も薄い、ご飯はベタベタだろっ。
病人になったみたいで嫌なんだよ」っておっしゃっていたんです。だから、あえてそうしているのに、お義母さんは私に、「あなたは主人の好みを知らないでしょ。私の言った通りに作ってくださいね」っておっしゃるんです。お義父さんの好みに合わせて作ってあげたいんですけど、このままだとお義母さんとの関係がこじれそうです。

【A】
あなたはこの問題を「お義父様の“食事”を巡るお義母様との食い違い」ととらえていらっしゃるようですが、“食事”は単にきっかけであり、真の問題点の象徴的な出来事であると考えてください。あなたが“お義父さんの好みに合わせて作ってあげたい”けれど、“このままだとお義母さんとの関係がこじれそう”と感じていらっしゃるのはドンピシャだと思います。
要するに問題は息子の妻であるあなたをとても気に入っているお義父様とそれを敏感に察知したお義母様の嫉妬なのです。

とりあえず当面の摩擦を回避するために、お義父様のおっしゃる「脂っ気のない、味の薄い、ベタベタご飯」を作ってください。2年間同居していて、お義母様が最近こういうことを言い出したということは、食事以外のこと、たとえばお義父様のお風呂の支度や寝室のお掃除、外出時のお世話などでもいろいろ気に障ることが起きてきているはず。食事のことが最もよく見えるし、嫁であるあなたに文句を言っても差し障りがなく、その上「夫の健康を気遣っている妻」の立場として堂々と言えたのでしょう。

お義父様の好みを聞いて作るのは、全部でなく一品くらいにとどめておきましょう。お義父様には「私もお義父さんの健康を気遣っているお義母さんに教わって」といいわけをおっしゃってくだされば、あなたのことを気に入っているお義父様は「そうかい、それはありがとう!」とおっしゃるはず。それよりは、特別ご事情があるのでなければ結婚5年ということですから、お子さんをもうけられてはいかがですか?
そうすれば、間違いなくお義母様の意識はお孫さんに向き、お義父様のことなんかどうでもよくなり「私は孫の世話をするから、お父さんの食事はあなたに任せるわ」と必ず言うようになります。

私がお義父様の食事のこと以上に大事な問題と思うのは、あなたと夫の関係性です。帰りも遅く夕食も3人でとのこと。まるであなたはお義父様とお義母様と養子縁組でもしたかのよう。どうか夫との共有の時間を作るように話し合いをして、夫婦としての単位を大切にする努力をしてください。お子さんができない事情がおありなら、それを解消する方向を考えるとか、自分の持ち味を活かす仕事なり生き方成りを探すよう心がけましょう!

(文:大関洋子)

2014/04/24(木)
第49回【親子編】「高校は少しでもいい男子校に行ってほしい」
【Q】
来年、高校受験の息子がいます。
高校、大学と私立に通わせるのは経済的に厳しいので、高校はできれば公立に行ってもらって、大学だけは自由に選ばせてやりたいと思っています。
ここのところ、週刊誌上で大学入試の高校ランキングが盛んに取り上げられていますが、東大や慶応、早稲田といった有名大学の出身高校ランキングで上位なのは公立、私立を問わず男子校です。大学受験のことを考えて、ランキングのことを息子に話すと「そんなことわかってるよ!自分で考えるから口出さないで!」と怒鳴られてしまいました。どうも好きな女の子がいて、成績も同じくらいなので、共学の高校に一緒に入学したいみたいなんです。だいたい進学についての動機が不純だし、私としては、男の子なんだから将来のことも考えて、少しでもいい男子高に進学してほしいのですが…。

【A】
このご相談には、いくつか問題点があります。1つは「いい高校とは何か?」ということ。あなたは「いい高校」とは「いい大学へ入学できる偏差値の高校」と思っていて、さらに「いい大学」とは「いい会社に就職できる大学」、そして「いい会社」とは「高い給料で安定している会社」と考えている。けれども、それがそのままお子さんの幸せにつながるわけではないという点です。
あなたは、お子さんが小さいころから、「勉強のできる子がいい子」と思って育ててきたのではありませんか?確かに勉強のできる、成績のいいお子さんは「努力」「忍耐」「継続」などという面では優れていると思いますが、その反面、「想像力」「感性」「共感力」「個性」などを抑えて頑張っている子が多いので、自由で伸び伸びした発想がしづらくなったり、「自分らしさ」がよくわからなくなったり、「自分が何をしたいか」が探せなくなったりしがちです。「勉強ができる」「偏差値が高い」、そして「いい高校」「いい大学」に入学し、卒業できたということは、お子さんの職業選択の幅を広げるということはあるでしょう。

けれども、親がそれを「子どもの幸せへの一本道」と考えることは大変危険です。高校、大学くらいの年齢での重要な人生の発達課題は、「自分って何?」「自分はどこへ行こうとしている?」の問いに答えることです。この時期は「自己実現」に向けて「自己探索」をするためのモラトリアム期(猶予)といわれています。

本来なら、この年齢では、ゆっくり自分と向き合い自己発見をする、たくさんの友人との関係性の中で他者理解を学ぶ発達段階なのです。高校選びは、それを原点において、お子さんと話し合ってください。「将来どんなことをやりたいのか?」「どんな人生を送りたいのか?」なども話題になるでしょう。偏差値だけでなく、こうした人としての根本の問いについて、親子で話し合ったり、自分自身に問いかけたりした上で、志望校を決めれば、お子さんの「やる気」にもつながり、結果として成績が上がるということもありますよ。

2つ目は、「男の子なんだから」とおっしゃっていることです。現代社会において、男性が働いて女性が家事という状況があることは確かです。けれども、そろそろこの状況を変えて、性にとらわれることなく個性の問題として、男性も女性も自分に合った人生が送れるよう考えてあげてください。今以上にグローバル化が進んだときには、この状況が変わっていくことが必然です。
あなたの生きてきた時代をもとにお子さんの人生を考えるのではなく、これから先がどんな時代になるのか、しっかり考えた子育てをしましょう。お子さんの人生ですから、あなたがレールを敷くのではなく、お子さんの考えをよく聞き、尊重する姿勢が大切です。

そして最後に、たとえ中学生といえども一人の人間です。お子さんは「自分で考えるから口出さないで!」と立派に発達課題をクリアして成長しています。お子さんの成長を喜び、たとえ高校選択の基準の1つが「好きな女の子と同じ高校に行きたい」というたわいないことであったとしても家の経済的事情なども話した上で「自分で考え自分で選択する」というお子さんの意思を尊重する姿勢を持ちましょう。「口出さないで!」とはっきり言えるお子さんですから、そんなに大きく間違った選択はしないはずです。

うちの研究所にご相談にいらっしゃる皆さんが抱える問題は、出身校や会社のいい悪いには関係なく、夫婦の気持ちの問題、すなわち男性、女性の通じない気持ちの問題です。幸福感を一つに絞り込むのでなく、様々な観点から進路選択を考えるようにしてください。

(文:大関洋子)

2014/04/10(木)
第48回【夫婦編】「なんであなたの方がえらいのよ?!」
【Q】
夫は高校の時の同級生です。友達が恋人に変わってから4年間付き合い、25歳で結婚しました。今、結婚して6年、幼稚園年中の息子がいます。高校の時は、私の方がはるかに優秀、夫の成績は超低空飛行で、しばしば私が助けてなんとか卒業できたって感じです。夫の口癖は「わりーな、わりーな!」(わるいな、わるいな)でした。結婚するまで、ずっと私が関係をリードしてきました。ところが、結婚したとたんに夫の態度が急変したんです。「俺が喰わせてやる」だの「子育てはおまえに任せた」だの、とにかく私を家から出したくない様子。子どもも小さいので、まあそれは仕方ないかなあとは思うんですが、私は何をするにも夫の許可が必要になっちゃってます。「ちょっと実家に行ってきたいんですけどいいですか?」「友達と買い物に出かけてきたいんですけどいいですか?」、何から何までお尻に「いいですか?」が付きます。出かけたときは、帰りが夫より遅くならないよう気をつけているし、はじめから遅くなることがわかっているときは、夕飯の支度をしてから出かけます。いつも夫の顔色をうかがっている状態。「おめえはなあ、あたいよりずっと成績も悪くて、あたいが助けってやったから高校だって卒業できたんだ!いったい今の態度は何だ!ふざけんじゃねえ!」と叫びたい気分です。このまま一生生きていくって考えると、離婚も考えてしまいます。

【A】
離婚を考える前に「ふざけんじゃねえ!」って叫びたい気持ちをそのまま叫んでみてはいかがでしょう。あなたは「いい妻、いい母」を演じて6年間生きてきてしまったので、夫はそれでいいとつけ上がっています。夫とすれば男が「女、子ども」を「喰わせて」「子育てを女に任せる」のが「いい男」の見本だと思っている、そして6年間あなたが何も反論せず「〜していいですか?」と夫の顔色をうかがっているので、これでいいとと確信してしまったのです。結婚後急変したのは、あなたが仕事を辞めてからだったでしょう?男はまさに「女を喰わせてやる」立場になったわけです。そして子どもが生まれ、「子どもが小さいうちは」と育児に専念しているあなたを見て、ますます夫は「喰わせてやらねば!」と意気込んだことでしょう。そしてあなたも、家事と育児しかしていない自分に後ろめたさを覚え「〜していいですか?」とお伺いを立てるようになってしまった。

先ほど、叫びたいなら叫んでみてくださいと申し上げましたが、本来は6年間の結婚生活の中で、2人で話し合って築き上げてくるはずの関係でした。現在、家事育児も立派な1人分の仕事と認められ、離婚の際には財産は半分ずつということから見ても、あなたははっきり夫のやり方に異議を唱えてください。できれば、お子さんも年中になられたとのことですから、パートに出るとか何か仕事をしてみてください。

そして夫にも家事育児を分担させる。同級生だったときはあなたが助けて引っ張ってきたのに結婚して立場が逆転したのは、現金収入があなたになくなったからでしょう。あなたの夫のように「女を養ってこそ男!」という古い古い概念を持っている男たちは、まだまだたくさんいます。でも、こういう夫婦や恋人の関係は実はけっこう「男はつらいよ」なんです。嫌な仕事でも辞めるわけにもいかず、弱音も吐けず、うつになったり自殺を考えたりしてしまう人もいるくらいですから。私のところに相談に来た女性が、「そういえば、“パパはママに〜しろとか、〜するなとか威張ってるみたいだけど、本当はママが怖いんだって。それからね、ママのこと好きなんだよ、僕と一緒で”って言ってました」と語っていました。男たちは「好きで大事な妻と子どもは家に囲って養うもの」と勘違いをしている、私たち女性が勘違いさせているんです。

どうか、どうか離婚したり、叫んだりする前に、この関係が嫌なことをしっかり夫に伝えてください。社会的に女性が子育てしながら仕事をするのは大変だけれど、夫の協力を得て、ご自分も社会と直接関わる努力をしてください。これは息子さんを古い型の男に育てない次世代への大事な役割でもありますから!

(文:大関洋子)

2014/03/27(木)
第47回【恋愛編】「彼の本性は乱暴者?」
【Q】
彼とは合コンで知り合いました。それまでは、合コンなんてもろに男捜しっていう感じで、なんだか「不純」みたいに思っていたんですけど、誰でも知ってる某商社の男性だけだっていうので、思い切って初めて参加しました。みんな紳士ばかりで、“これが合コンかあ。けっこういいかも…”と思いました。その時一番優しそうだったのが今の彼です。見かけは優しそうっていうか、まあほんとに優しいんですけど、この前一緒に飲みに行ったとき、酔っ払って私に絡んだ人に“てめえ、何すんだよ。俺の彼女に絡むんじゃねえ!”ってすごんだんです。今にも殴りかかりそうな勢いでした。その時は「男らしい人!私を守ってくれてありがとう」って思ったんです。でも、時間が経つにつれ「これって、もしかして私に向くことだってあるんじゃない?」って思えてきて、彼の優しさは偽物のような気がしてきました。

【A】
その通り!私もあなたと同じように思います。彼の優しさは偽物って!
先日も妊娠7か月の女性から同じような質問がありました。飼い犬のゆきちゃんがカーテンにじゃれていたら、夫が「この野郎!」と怒って、ボカーンと蹴ったので、小型犬のゆきちゃんはキャイーンと泣いてコロコロ転がってうずくまってしまったというのです。それを見て、彼女はゾーッとしたそうです。

彼女の夫は、日ごろから親戚の甥や姪が騒ぐと「自分が父親なら殴ってでもやめさせる」と言っていたので、小型犬のゆきちゃんが蹴られたのを見て、お腹の子が殴られたらどうしようと恐ろしくなったと言っていました。でも彼女は、夫と喧嘩になることも恐ろしいので、何も言うことができず、そんな自分をどうしたらいいかと相談に来たのです。

「内観法」というカウンセリングのやり方があります。これは仏教の修行の方法から荒行の部分を除いて、自分で自分の心の内側を観る方法で、「身調べ」とも言います。自分の身近な人(多くの場合、母親からはじめます)との関わりを内観する(振り返って考える)だけの簡潔な方法です。内観3条項といって、@(母親に)してもらったこと、世話になったこと、A(自分が)して返したこと、B迷惑をかけたことの3つの事項を、幼少期から思い返していくのです。

内観の目的は、「こんな自分でも大切に愛されていた。生きていていいんだ」という自己肯定感が湧くこと。もう1つは、「母親との関わり方は、他のすべての人との関わり方に通じる」ことに気づくことなのです。
そして、@とBのなんと多くてAの少ないことよ!と気づき、他者との関わり方に大転換が起きるんです。

さて、あなたの彼の生き方は、酔って絡んだ人にすごんだように、力で脅せば自分よりも弱いものは黙るというやり方の典型で、本性は乱暴かもしれません。今の時点で“さようなら”をして、本当の優しさを持った相手との出会いがあることを祈ります。あなたは彼との出会いのきっかけを、「有名商社の男性」だからと言っていますが、自分自身と他者との関わり方についても、ぜひ一度内観してみてはいかがですか。

合コンに否定的だったあなたに立ち返り、なぜ合コンに否定的だったのか、なぜ合コンに参加することにしたのか、そのあたりに今後のあなたの生き方のヒントが隠れていると思います。
(文:大関洋子)

2014/03/13(木)
第46回【職場編】「私って女性として扱ってほしい!」
【Q】
私の会社はそれなりの規模で、私の勤務する部署だけで、女性の同期入社が5人、男性の同期入社が8人います。同期はみんな仲がいいし、先輩や後輩にもあまり嫌な人はいないので、勤めやすい会社かなあと思います。でも、どうしても嫌なことがあるんです。それは、同期の中だけじゃなく、先輩・後輩、しかも男女を問わず、私だけが女子の中で女性扱いされていないこと。確かに私は「ボンキュッポン」じゃないし、髪の毛も長くない。でも、一生懸命女の子らしくお化粧したり、振る舞ってるつもりです。まあ一応、先輩・後輩は“さん”付けで呼んではくれるけど、同期の連中からは苗字を呼び捨て。他の女の子はみんな名前か苗字に“さん”付けなのに・・・。男性から飲みに誘われるときも「おい、ほら行くぜ!」みたいな感じで、完全に男扱い。そのせいか、最近女子会には出にくくなっちゃってるんです。このままだと、恋愛・結婚なんて雰囲気全くないし・・・。私だって、男性から女性として扱ってもらいたいです。

【A】
男性の同期の人から「おい、ほら行くぜ!」みたいな感じで扱われるのが嫌なんですね。「女性として扱われたい!」とは、要するに、男たちから「弱くて自分たちより何もできなくて自分たち男が守ってやらなくちゃ生きていけない劣っている人間」として見られたいということでしょうか?
ちょっとそこまで言うと言い過ぎかな?

外国映画などに出てくる「レディーファースト」として、ドアは必ず男が開けて女を先に通す、道を歩くときは男が必ず車道側、重い荷物は男が持つ、タイタニック号のような避難の時はまず女、子どものような、「弱い」からいたわる、守るということが「女性として扱う」ということなんですよね。これが、習慣や文化の中で築かれている観念なのです。昔、女には、子どもを産み、母乳を与え、子どもが1人で歩き、1人で食べ、少しは安全に生きられるようになるまで、子育てに専念しなければならない数年間があった。その間、女性は、男たちが獲ってくる獲物を待つしかなかった。私たち女の身体は、赤ちゃんが安心して抱かれるのにふさわしく、柔らかくて温かいふくよかなものになった。

でも、そんな原始の時代から遥かに時代の下った現代では、女性も子どもを抱いて男性の獲ってくる獲物を待っている必要はなくなり、常に「弱いもの」として扱われる必要もなくなった。子どもを産み、母乳を与える、そんな役割こそ女性が担わなければならないけれど、人間の文化が生み出した様々な物や方法によって、女性も男性と「対等」の人間として生きられる時代になったのです。

きっとあなたは、男性たちからお荷物のやっかいな「女」ではなく、自分の身は自分で守れ、自分のえさは自分で獲得できる立派な1人の人間として認められているのではないでしょうか?

もしかすると、女性扱いされていないのではなく、男性から唯一認められた「女性」なのかもしれませんよ。

そのことに誇りを持って、今まで通りの短い髪とサバサバとした行動と容姿を自慢に思ってください。それこそがあなたの魅力なのですから。
(文:大関洋子)

2014/02/27(木)
第45回【子親編】「子どもは母親が育てるべき?」
【Q】
結婚して3年。まもなく2歳になる娘がいます。産休のあと、しばらく育児休暇を取りました。娘を保育園に入れて職場復帰をしようとしたんですが、うまく入園できなくて待機児童っていう形になってしまいました。無認可の保育園でも仕方がないかなと思っていたところ、事情を察した義母が「私が預かってもいい」って言ってくれたんです。夫の実家は、そう遠くないし、駅まで行くのに遠回りにもならない。しかもおじいちゃん、おばあちゃんが見てくれるとなれば、こんな安心なことはないので預けることにしました。ところが、預けてみて分かったんです。要するに、義父も義母も、子どもは他人の手に預けるのではなくて、母親が育てるべきと思っていて、自分たちが見ることで、私にプレッシャーをかけようとしていたんです。「子どもには母親が必要」とか「女は家を守らないと」とか、娘を迎えに行くたびに言われます。本来子育ては、女だけがするのではなく、夫だってするべきなのに夫にはそんなこと一切言わないんです。こんなことなら、無認可の保育園にしておけばよかったと後悔しています。

【A】
義父母の考え方は古い!全く古くさい理屈ですね。「子どもは母親が育てるべき」という考え方が長い人間の歴史の中で女性の自由を奪い、女性の社会進出を妨げてきました。男尊女卑の価値観の底辺にあるものです。この考え方がはびこっている限り、女性はもちろん男性も人間として自由に生きることができません。「女は内」という言葉のもう一方は「男は外」というきつい縛りがあるからです。やっと「家庭科男女共修」が定着しつつあるのに、女性の大学教授が「女は内にいるべき」などという暴言を吐いて時代に逆行しています。

そもそも人間以外の動物は自分の遺伝子を残すために必死で、多少の例外はありますが、雄は交尾が終わればさっさと次の相手を探しに行ってしまい、ほとんど子育てには関わりません。私たち人間は、他の動物とは異なる文化を創造し、科学を発展させ、「家庭」というコミュニティを作ってきました。それらを活用すれば、男だって充分子育てもできるし、掃除洗濯、家事全般こなせます。女だって宇宙にも行けるし、多機能細胞の研究もできる。ママになってオリンピックを目指すこともできます。

ましてや、あなたが職場復帰するために2歳のお子さんを義父母に預けている。お子さんにとっても義父母にとっても、とてもいい状況だと思います。2歳ならもう母乳も飲んでいないし、お子さんは祖父母の愛を一身に受けて幸せな時間を過ごしていますよね。

今まで、時代の流れの中で「子どもの発達心理学」がいいように利用されて「母親が育てない子は大人になって愛情不足からうまく自立できない」と言われたり、女性の労働力が必要になってくると反対のことが言われたりしてきました。そういった偏見に振り回されるのではなく、「子どもにとって何が最善か」を考えれば、祖父母に愛されて育っているお子さんは、安心安全な場と充分な愛に包まれているでしょう。そして「孫を預かる」という「出番」を持った義父母も、実はとても生き生きして張り切っているはずです。

義父母が古い考えに縛られ、それを言葉にするのは、あなたにとってはうっとうしいでしょうが、自分たちが手塩にかけた孫娘がとてもいい子に育つと「私たちが育てたから」と自慢する日も近いのではないかと思います。おそらく義父母のお気持ちの中には、「古い考え」もあるとは思いますが、それだけではなく、あなたの言動から子どもへの愛情が希薄と思っていたり、自分の孫を他人の手に預けることへの抵抗もあるのかもしれません。あなたに言わせれば、「そういう考え方そのものが古い」ということになるのかもしれませんが。

お義父様にとっても、お義母様にとっても、預かることが体力的に難しいということでなければ、あなたがもっと義父母にしっかり頼ってしまって、感謝の気持ちを述べる、あなたがお子さんと接しているときは最大限愛情を注いで接し、そういう姿をお義父様、お義母様にも見てもらう。そんな様子を見れば、外に働きに行っても決して母子の関係が悪くなるとは思わず、「子どもには母親が必要」とか「女は家を守らないと」とか言わずに、「孫のことは私たちに任せなさい」くらいな気持ちになるかもしれませんよ。まず、そこから始めてみてください。
(文:大関洋子)

2014/02/13(木)
第44回【親子編】「娘の選ぶ服は男の子用」
Q.小学6年生の息子と小学4年生の娘がいます。兄妹で仲がよく、小さいころからよく一緒に遊んでいました。小学校に上がってからも娘は同級生と遊ぶより、息子と一緒に息子の同級生と遊んでいます。先日、娘と洋服を買いに行きました。私があれこれ選んで娘に見せると、全く気に入らないらしく、「そんなの着たくない!」と完全拒否。何着選んでも、そんな繰り返しなので、「自分で選べば!」と娘に任せたところ、娘が向かったのは、男児用の売り場。そして躊躇なく男児用の服を選んで「これがいい!」というのです。「それは男の子用でしょ!」と言っても、「だってこのほうが着やすいもん」と譲りません。小学校低学年の子ならともかく、さすがに4年生ではちょっと…。今度は私が完全拒否。「女の子なんだから女の子の服を選びなさい!」と私が言うと、娘は「じゃあいらない!」と言って、結局買わないで帰る羽目に。女の子なんだから、女の子らしくしてほしいのですが…。

A.「第41回【職場編】」で述べた回答とちょっとかぶりますけれど…
「女の子は女らしく」私たちはどれだけ長い年月この言葉に苦しめられて生きてきたことでしょう。その裏返しはもちろん「男の子は男の子らしく」と言うことですよね。「女の子なんだからもっとおしとやかにしなさい!」とか「男の子なら泣くんじゃない!」とか…。よく考えてみると、意味わかんないって感じですかね。全く根拠が分かりません。
あなたの中に「女の子らしい服」=「フリフリやリボンなんかが付いていてかわいらしい」「ピンクとか黄色とかの明るい色」というような枠がしっかりできあがってませんか?

買い物に行くと「女児用」の服売り場はまるでお花畑のようで「男児用」の服売り場と遠くから見てもすぐ見分けがつきますよね。そして服をよく観察してみると、女の子用はボタンやホックが多く機能的にはできていません。機能よりかわいらしさを優先させてあります。実は私がよく着る服にもまさにそのようなのがあります。服全体にギャザーの入ったふんわりしたロングのワンピースなので、首の方から足を入れて肩まで持ってきたところで腕を通す。たったそれだけなので着やすいのですが、問題はそこから。まず首の後ろ側から背中にかけて30センチくらいのファスナーがある。もちろん上部にはフォック。これくらいならまだいいのですが、そのファスナーを隠すようにひらひらの飾り布が左右から2枚付いていて、ちょうどファスナーの上に来るところにボタンが5個付いている。しかも、玉のようなボタンで、ボタンの穴は紐状になっている。よほど身体の柔らかい人でないと腕を背中に回せないので、1人で着るのは無理。ボタンまできっちりするには人の手を借りることになります。いつも夫に手伝ってもらって夫婦円満?みたいな…(笑)
スカートとズボンなんていうのもまさに機能の問題を含んでいますよね。

スカートをはいた女の子は木登りや鉄棒、ジャングルジムはできません。女の子は活動的に動き回ることを禁じられていた長い歴史の遺産そのものなのです。女の子が「女の子らしい」かわいくて機能的でない服を着て、要するに「おとなしく」していなければならないとき、男の子は「男らしく」機能的で渋めな色の服を着て活発で元気で強くなければなりません。第41回でも述べたシンデレラや白雪姫の図式が現在に通じている典型ですね。娘さんは、きっと個性的で仕事のできるキャリアウーマンになることでしょう。芽を摘まず、彼女が選ぶ男児用の服を買ってあげてください。そして母親である私たちも、もう男女差別の再生産をするのをやめましょう。何百年もの昔ならいざ知らず、今は便利な家電もでき、法律さえも私たち女性を後押ししてくれています。「女は家庭で家事育児」「男は外で企業戦士」という方程式はもうやめにして、女の子でも活発に生きたい子はそのように、男の子でも家事や育児がしたい子はそのように生きられる世の中にしませんか?

あと2〜3年すると娘さんは思春期を迎え、ちょっと状況が変わるかもしれません。どういう状況が訪れたとしても、娘さんが自分らしく生きられるよう支えてあげてくださいね。
(文:大関洋子)

2014/01/30(木)
第43回【夫婦編】「理屈で私を言い負かす夫」
【Q】
夫とは大学の資格試験受験のためのサークルで知り合いました。彼(夫)は2年先輩で、リーダー的存在。女子学生のあこがれの的でした。サークルでは、論文を読み合ったり、議論したり・・・。彼の話はいつも明快で、的確。「こんなに頭のいい人がいるんだぁ?!」と思いました。知り合って1年が過ぎたころ、彼の方から声をかけてくれて、ドライブに行きました。運転もうまいし、連れて行ってくれるところも完璧。器用っていうんですかねえ。彼は資格試験に一発合格、私の卒業を待ってすぐ結婚しました。とにかく彼は誰から見ても完璧なんです。もちろん私から見てもです。でも、けんかをすると絶対折れません。すごい勢いで理屈を言い、私が反論できなくなるまで言いつのるんです。夫婦って、そんな関係じゃないですよね。私はいたわり合うのが夫婦だと思うんですが、夫は私に勝たないと気がすまないんです。ちょっと疲れました・・・

【A】
オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」という短編、若い夫婦の物語です。貧しい二人がクリスマスにそれぞれが相手に贈り物をしようと考えるんですが、なんとしてもお金が足りない。妻は夫に懐中時計の鎖を買ってあげたいと考えている。その時計は夫の父の形見だけれど鎖がなかった。夫は妻に、長く美しい髪をとめる髪飾りを買ってあげたいと思っていた。クリスマスの日、二人はお互いへの想いを込めて妻は夫に時計の鎖を、夫は妻に髪飾りをプレゼントした。その資金となったのは、それぞれが大切に思っていたもの。そう、妻は自らの髪を売り、夫は父の形見の時計を売って相手が喜ぶであろう品物を手に入れたのです。

時計のない夫への「時計の鎖」のプレゼント、髪の短くなってしまった妻への「長い髪をとめる髪飾り」のプレゼント。
あなたはこの短編を読んだことがおありですか?
夫婦とか恋人とかというものの基本が「愛」に基づいて構築される関係というあなた。夫婦の関係はあなたのおっしゃる通り「いたわり合い」や「思いやり」、得とか損とかを超越したところ関係のはず。でもあなたが彼を選択した基準は、「頭がいい」「リーダー的存在」「女子学生のあこがれの的」「運転もうまい」「器用」「資格試験一発合格」etc.。とすれば、彼を選択した時点で、お互いにいたわり合いとか思いやりとかは、ほぼ放棄したものも同然だったのです。ここまで完璧な男性が、夫婦げんかで理屈の合わないことで納得するはずはありません。正しいと思ったことは、絶対に正しいと主張するに違いありません。それがあなたにとって魅力だったのですから。でも夫婦って、あなたのおっしゃる通り「正しいか正しくないか」ではないんですよね。たとえ理論的、科学的には間違っているにしても、「そうかぁ、君はそう思うんだね」「あなたはそう感じるんだね」というふうに言い合いたいですよね。

疲れたあなたに提案です。
カウンセリング技法の1つに「役割交換法」というのがあります。人の立場が理解できなず悩んでいるときにお勧めしている方法で、あなたの場合なら、「妻が夫の」「夫が妻の」立場に役割を変えて演じてみる方法です。夫は協力してくれないかもしれないので、空の椅子を置き、そこにあなたが座っていると思って、夫の役になったあなたが空の椅子に向かって声に出して語りかけてみてください。これをエンプティチェア法と言います。きっと夫が言いつのる原因が「私にもある」ことに気づいていただけることと期待します。

夫婦の関係はどちらか1人で築くものではないはず。夫がすごい勢いで理屈を言う前にあなたが起爆剤を仕掛けているかもしれません。それに気づけば、頭のいい夫さんのこと、きっとすぐ理屈で言い負かすのではなく、優しい言葉をかけてくれるようになると思います。
(文:大関洋子)

2014/01/16(木)
第42回【恋愛編】「堅実で失敗を嫌う彼」
【Q】
今の彼とは、友達の紹介で知り合い、付き合い始めて1年です。野球で言うなら、攻撃より守備を固めて失点しないで勝つみたいなタイプ。いつだったか「失点がゼロなら、負けはないんだよ」って言ったことがありました。その通りですけどね。付き合い始めてから、土日のどちらかは絶対デートをしているし、平日でも食事を一緒にすることがあるので、相当な回数会ってると思うんですけど、待ち合わせで私が待たされたことって一度もないんです。私だって結構早く行ったことあるんですよ。でも、必ず彼が待ってる。いつだったか「どれくらい前に来てるの?」って聞いたら「今、来たとこ」って。そんなわけないのに・・・。それと、朝と晩に毎日メールが来るんです。それも5分の狂いもなく。内容は、「おはよう」「おやすみ」くらいのたわいもないことです。最初は誠実で優しい人だなって思ってたんですけど、さすがにちょっと変じゃん、って気持ち悪く感じてきました。

【A】
面白くないですよねえ、こういう人。いるんですけどね、けっこう。野球だって敬遠のフォアボールで打者を歩かせちゃったり、ちまちま勝つための作戦を使う監督のチームとか面白くないです。そういう試合運びをする監督は、勝ってるのに観客動員がうまくいかず監督解任なんてなっちゃったりしてね。やっぱり長嶋野球ですよね(笑)

人間失敗してもいいですから、精一杯逃げずに戦ってほしい。生物の中で失敗が許されているのは人類だけなんですから。他の動物は、失敗は「死」を意味します。失敗するやつは生き残れない、失敗しないやつだけが生き延びる。結果、失敗しないやつの遺伝子だけが受け継がれ、ますます失敗しなくなる。ちょっと冒険してみようか?なんて考えるやつの遺伝子は伝わらないんです。渡り鳥だって、いつも行く島は面白くないから、別な島にしてみようかな?なんて考えて、別の島へ飛んでいけば、ほとんど死が待っている。よほど運がよくなければ生き残れない。うまく生き残ったとしても、種の保存は難しい。先祖代々やってきたことを踏襲する以外に種を継続することが難しいのが人間以外の動物なんです。私たち人間だけは、選択が許され、万一その選択に失敗したとしても、100%死が待っているわけではありません。むしろその反対に「失敗は成功の母」という諺さえあるくらいです。ノーベル賞を受賞した科学者たちの多くが、実験の失敗の結果生じた化学反応などからノーベル賞に結びつく結果にたどり着いたと発言していることからもわかる通りです。こういう失敗の数々を重ねて動物の中で唯一「人」という種だけが文明や科学を限りなく発展させてきているのです。

長々と書きましたが、要するに、今あなたが「何かちょっと変じゃん、って気持ち悪く感じてきた」その感覚は当たり前なんです。まさに彼は「人」という種の本質であるところの「選択し、失敗を繰り返しながら進化を遂げていく」という特性を持っていないということになるからです。もっとはっきり言うなら「おまえは人間かぁ?!」ということなんです!

朝晩の5分の狂いもないメール、一度も待たされたことのないデートは、はじめは確かに誠実な生き方に映るかもしれません。でも、たった一度きりの人生。こんな風に判で押したような毎日の繰り返しで生きていきたくありませんよね。起こるはずのことが起こらなかったり、起こるはずのないことが起こったり、それの連続が「人生」というもの。そのとき2人で力を合わせて臨機応変に対応しながら生きていく。それが人生の面白みではないですか。
1年で違和感を感じたあなた。彼はあなた向きの人ではなかったようですね!
(文:大関洋子)

2013/12/20(金)
第41回【職場編】「媚びを売る女に腹が立つ!」
【Q】
私の勤めている職場は圧倒的な男社会です。上司に指示された書類を作って持って行くと、男性社員のものは即OKが出るのに、私だと「いつになったらまともな仕事ができるんだ?!」と怒鳴られて作り直し。この前なんて、同僚の男の子が忙しくて作れなかった書類を代わりに作ってあげたんです。その男の子が上司に持って行ったらすぐOKになりました。真実を暴露してやろうかとも思ったけど、その子に食事おごってもらっちゃったし暴露はやめましたけど、ただの差別だっていうことがよく分かりました。でもまあ、それはそれで、同僚からは差別されてないし、女だからって差別できないくらいの仕事をしてやるぞって思うんです。私が一番腹が立つのは、そういう差別をする男に媚びを売る女。同僚にもいるんです。私かわいいでしょみたいなブリッ子しちゃって、平気で尻振っちゃうやつ。「おまえみたいなやつがいるから私が差別されるんだ!」って叫びたくなります。

【A】
そのお気持ちよく分かります。女性の中に内なる偏見があって、「男は度胸、女は愛嬌」とばかりに任侠ドラマよろしく振る舞う男や女がこうした差別を助長させているのはおっしゃる通りです。私たち女性でさえ心の奥深くに「女はこうあるべき」という「常識」が根っこを張っていて、これを変えるのは容易なことではありません。男女差別をしっかり感じて怒っているあなたは小さい頃から「女だから〜しなさい」とか「女だから〜してはだめ」と親から言われずに育った数少ない幸せな女性なのでしょう。

実は私たちが普段から生活のよりどころとしている「常識」の中には「男は〜であるべき」「女は〜であってはならない」などという思い込みや矛盾が潜んでいます。生まれてすぐ着せられるベビー服にしても女の子のものはピンク色でレースのひらひらやリボンがついていて「かわいく」できているし、与えられるおもちゃも女の子は人形、男の子は自動車というように。幼稚園でも制服のあるところでは女の子はスカート、男の子はズボン。
男の子なら言葉遣いが多少乱暴になっても「男の子らしくなってきた」と肯定的にとらえられるのに、女の子だと「女の子でしょ、そんな乱暴な言い方はやめなさい」。それとは逆に、転んで膝をすりむいたりすると女の子には「よしよし、大丈夫?」となるのに、男の子だと「男の子でしょ、泣くんじゃないの!」。数え切れないほどの「常識」が私たちの中に刷り込まれていきます。絵本の中では、おとなしくてかわいくて優して、台所仕事の好きなシンデレラや白雪姫は王子様がやってきて幸せになれるのに、荒波の中王子を助け、自ら王子を追いかける人魚姫は声を失い、最後は泡となって消えてしまう。

小学校に入学して、名簿が男女混合名簿だったという方はほとんどいないのではないでしょうか。1985年のナイロビ世界女性会議で日本の男女別の名簿が問題になりました。1986年に男女雇用機会均等法、1999年に男女共同参画社会基本法が制定されましたが、現実は法律に追いついていません。

あなたが職場で腹を立てているのはよく分かります。実際にはあなたの作った資料なのに男性のものと勘違いした上司がすんなりと受け取ったエピソード。ほんとに腹に据えかねます。一緒に腹を立ててくれる女性、最近は男女差別を不快に思っている男性も少数ながらいるので、そういう方たちと手を結んで、おしゃべり会からでいいので勉強会(勉強などとは言わずに、まず理解者を中心の飲み会という程度の)でも始めてみてはどうですか。できれば男に媚びる女性もご一緒に。頭を銃で撃たれたにもかかわらず、「女の私たちも勉強がしたいのです」と言い続けるマララさんの勇気をたたえながら。
(文:大関洋子)