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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2016/09/01(木)
第102回 【恋愛編】「そんなに簡単によりを戻せるか!」
【Q】
半年ほど前、2年お付き合いをした彼と別れました。もうちょっとで結婚って思ってたんですけど、ぎくしゃくしちゃって…。二股かけてたんじゃないかと思うんです。だって、急に冷たくなったというか、さめた感じになったから。しかも別れて1月もしないうちに、友達に「彼と別れたの?知らない女の人と歩いてたよ」って言われたし…。
そんな彼と先週偶然会ったんです。彼が先に気づいて「元気にしてる?」って声をかけてきて、「お茶する?」って。つい誘いに乗っちゃってお茶してたら、彼が「より戻そうよ」って言うんです。「彼女いるんでしょ?友達が見たって」と言ったら、「それただの友達。彼女って言えるのはおまえだけだもん」って。
そう言われて嬉しい気持ちもあったんですけど、彼って誰にでもそういうこと言う人だから「そんなに簡単によりを戻せるか!」って断ったんですけど…。ほんとは迷ってるんです。

【A】
「ほんとは迷ってる」のなら、とりあえずよりを戻してみたらいかがでしょうか?
まだ彼に未練があるのに意地で断ってしまったままでこの恋愛を終わらせてしまうと、そのことがずーっと心の中でわだかまってしこりになり、次の新しい恋愛に進む障害になることがあります。

アメリカの精神医学者パールズ(1893~1970)は、これを「未完の行為」と呼んでいます。「あの時こうすればよかった、ああすればよかった」と後悔する気持ちが心のフィルターに目詰まりを起こしてしまい、真っ直ぐな判断が出来なくなってしまうと言うのです。そしてそのフィルターの目詰まりを処理する技法を工夫し提唱しています。
パールズは、過去の経験の分析ではなく、全体を見て「今、ここ」における体験を重視し、現在の自分の気持ちの統合を目指しました。これは彼自身、恋愛中に神経症になり、精神分析医の分析を受けた体験が基になっていると言われています。
パールズの提唱したセラピーは「ゲシュタルト療法(全体像を見るというような意味)」と言います。したくても出来なかったこと、言いたくても言えなかったことがいつまでも心に残り、「未完の行為」になります。甘えたいのに甘えられない幼少期を過ごした人が、いつまでも悲しい思いを秘めていて、なかなか幸せな気持ちで人生を生きられなくなった、そんな時に効果のある療法です。

「よりを戻す」にあたって、いくつか自分の胸に聞いてみましょうか?
「そんなに簡単によりを戻せるか!」と一度断った私に、「じゃあ、あなた、簡単じゃなければより戻すわけね?」「簡単じゃないって、どうやってクリアすればいいの?」…、
この自分の質問に「決まってるわよ!彼が土下座して、どんな女より君が素晴らしい!君が素敵!君を愛してる!」「君との別れは、僕が悪かった。魔が差した、気の迷いだったんだ…」等々、私の言ってもらいたいことを彼に言ってもらえれば気がすむ?別れて1月もしないうちに 一緒に歩いてた女。「また同じことするの?」「絶対ない、ない。君以外の女に興味ない」とでも言ってもらえばいい?
きっとそれくらいで気がすむかもしれません。でも、実際は別れたあなたに「より戻そうよ」と軽々しく言える彼。そんな「生き方のくせ」はそう簡単には直りません。
それでも、それを覚悟でそのままの彼を愛せたら、そう、あなたが変われたら、きっと彼も今度は彼の「生き方のくせ」を直すことでしょう。
(文:大関洋子)

2016/08/18(木)
第101回 【職場編】「夏場の社内は嫌い!」
【Q】
夏場の社内って嫌いなんです。体臭だかオーデコロンみたいな変な臭いが充満してるし、女子社員の格好も…。うちの会社ってけっこう人の出入りがあるから、そこそこ冷房は効いていて、じっとしてる女子社員は足が冷えないように机の下ではブランケットとかかけたりしてるんです。なのに、ほとんどの女子社員がノースリーブなんです。それってあり得なくないですか!
一応、薄手のカーディガンとかは持ってて、寒くなると羽織ったりしてるんですけど、前は開いてるでしょ。けっこう胸元が出てたりしてすごく気になるんです。「あんた、何しに会社に来てるんだ」って言ってやりたくなりますよ。
上司だって「仕事にふさわしい格好して来い」とか注意すればいいんです。ところがむしろ反対で、いっつも社員の胸元とか腕とか見ちゃったりして…。どっちもセクハラですよね、私は不快なんだから。
でも、上司が誰かに何かしているわけでもないし、他の女子社員は自分で好んでやってるわけだし、そんな中で私だけ「それってセクハラです」なんてとても言える雰囲気じゃないんです。

【A】
まったくあなたのおっしゃる通りで、夏場は社内に限らずエレベーターや電車の中でもこういう状況に出くわすことがけっこうありますよね。見たくないものを見せられたり、かぎたくない臭いをかがされたりすることって。
「セクハラ」とあなたが言っているセクシュアルハラスメントは2007年4月に改正された「男女雇用機会均等法」第11条に「事業主は職場において行われる性的な言動で当該労働者が不利益を受けたり就業環境が害されることのないよう適切な措置を講ずる」ことの必要性が義務として生じていると明記してあります。
改正前は「当該労働者」の文字が「女性労働者」となっていて、セクハラは男性から女性に行うものと限定されていましたが、改正により男女を問わず被害者、加害者になり得ることになりました。
裁判例などではかなり深刻な例もありますが、上司が「結婚はまだ?」とか「妊娠は?」などと聞くのも受け取る側の受け取り方によっては充分セクハラやモラハラになり得ます。

この連載でも何度か取り上げていますので、お読みいただいている皆さんはもうご存じのことと思いますが、職場の壁にヌードのカレンダーなどを貼ったりするのもセクハラになります。
あなたの場合、見たくない女性社員の胸とか腕とかが目の前にあるわけですから不快になる、男女機会均等法第11条の「就業環境が害される」に充分該当するケースと思います。もともとこの法律は、それまで男性から性的いやがらせや圧力をかけれられ、退職を余儀なくされたり、自殺にまで至ったりする女性を守るというのが基本精神でした。
今回のご相談は、そこまでのこととは思いませんが、もしどうしても不快感が止まらず、仕事の能率が落ちてしまう場合は、ある程度の規模の会社のようですので、社内にある相談窓口に苦情を申し述べることは出来ます。

この法律では、「迅速かつ適切な対応」を行い「行為者及び被害者に対する措置を適切に行う」よう定めてあります。さらには「相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずる」ことも決められていますので、原則的にはあなたのプライバシーも守られます。

ただ、女性社員の制服がないらしいあなたの会社で真夏にノースリーブの腕や襟の大きく開いている胸元を「見苦しいもの」「いやらしいもの」と感じるあなたの感覚こそ、本質的なセクシュアルハラスメントに当たらないか、あなたご自身が再考してから相談窓口に行くかどうか決めてくださいね。

(文:大関洋子)

2016/08/04(木)
第100回 【子親編】「何でも私?義姉さんがいるでしょ!」
【Q】
84歳の父と80歳の母がいます。54歳の兄は30歳の時に結婚して、義姉と子ども2人の4人で5年前から実家に同居することになりました。
私は夫と子ども2人で、実家から車で1時間ほどのところに住んでいます。先日、父が体調を崩し入院騒ぎになりました。結局入院せず自宅で療養することになったのですが、体調を崩して3日目に「ちょっとこっちに来てお父さんの面倒を見てよ」と母から連絡がありました。「お義姉さんがいるでしょ?!」と言ったら「よくやってはくれているけど、嫁は嫁だから…」と言われてしまい、結局私が毎日実家に通うことに。両親の面倒を見るということで兄が実家で同居することになったのに何で私?別に、実家の財産と引き替えに兄が両親の面倒を見ることになったというわけでもないけれど、これじゃあなんで兄が同居することになったんだか…。私は苦労を背負い込むだけですか?

【A】
昔から「いつまでもあると思うな親と金 ないと思うな運と災難」という言われますが、あなたにはこの意味本当にはまだ分からないでしょうねえ…。お母さんも嫁の悪口を言うわけではなく「よくやってはくれているけれど、嫁は嫁だから…」と言ってくれている。毎日実家に通うことになった「私」に兄や兄嫁が感謝こそすれ「財産狙い?」と言う態度で見ているわけでもなさそう。
その上あなたの夫が「俺と子どもの面倒は?」とか「メシは?」という風でもなさそうですね。要するに、あなたはかなり恵まれた状況で「いつまでもあるわけではない親」の面倒を見てあげられることになったというわけです。
「これじゃあなんで兄が同居することになったんだか」わからないとか「私は苦労を背負い込むだけ?」とか、なんともったいないことを言っているんだか!

確かに「両親の面倒を見るということで兄が実家に同居することになった」といういきさつはあり、現に兄夫婦が同居してくれています。兄さんの家族とあなたの両親はこの5年間ほぼ何のトラブルもなく同居してきたわけです。兄さんはともかく、義姉さんとの関係もお母さんの「よくやってはくれているけれど」という言葉に表れていて、文句を付けるほどのことではない。でも80代半ばの父親が自宅で療養することになったのをきっかけに父はもちろん、母も、むしろ母が娘の顔が見たい、娘に甘えたいと思ったんじゃないですか?

車で1時間のところまで毎日通うというのも今まで何もしてなかった(?)あなたにとっては大変な負担かもしれません。そこはお義姉さんともよく相談して1日おきとか3日に1回とか、お母さんに納得してもらうとかしてはどうですか?

結局、なんだかんだと実労働は同居の義姉さんがやっているわけですから、あなたは「いい娘」として最後に親孝行できるチャンスを与えてもらっていると考えてください。米国のアルバート・エリスは1955年頃に「出来事によって人は悩むのではなく、出来事の受け取り方によって悩み落ち込むものだ」と考え、その考え方、認知の仕方を変えれば人は幸せになれるとして「認知行動療法」の1つである「論理療法」を提唱しました。この機会を「私が苦労を背負い込む」と自動的に考える(これを自動思考といいます)のではなく、親孝行のチャンス、私を必要としている人がいる、私の出番!と考えてみてください。
そしてもう1つ。親の面倒を見る=義姉、「女の仕事」と考えるのもあなたの「自動思考」ですよ。
(文:大関洋子)

2016/07/22(金)
第99回【親子編】「娘がいてよかったと思ってたけれど…」
【Q】
大学2年生の娘と高校2年生の息子がいます。息子は部活に夢中で、朝早く出て帰りもかなり遅い時間です。息子については、ほとんど私の出番はなくなりました。娘の方は、小さいころから私と仲がよく、一緒に買い物に行ったり、食事の支度を手伝ってくれたり…。もちろん今でも仲良しで、日曜日はほとんど一緒に出かけます。息子だけだったら寂しい一生でしたけれど、娘がいてくれて本当によかったと思っていました。
ところが先日、娘と買い物に出かけたとき、娘の友達が男性と楽しそうに手をつないで歩いているのに遭ったんです。思わず娘に「あなた好きな人いないの?」と聞きました。「うん」、いないよ」と普通に答える娘に、さらに「寂しくないの?」と聞くと「お母さんと買い物するの楽しいから寂しくないよ。男友達ってなんかめんどくさいし…」と返事が返ってきました。
その時、思ったんです。「20歳になる娘に恋人がいないってなんか変」って。もしかして、私と仲良くしているのが原因でしょうか?

【A】
やっと「私と仲良くしているのが原因」で「20歳になる娘に恋人がいないってなんか変」と気づいてくださったんですね。
まさにおっしゃる通りで、母親と仲良くしていれば「男友達ってなんかめんどくさい」と逃げていられて「楽」な日々を送るわけです。
ですが人間の基本は「対人関係」をうまく出来るように成長し、互いに関わり合って生きていけるようにすることにあります。

人の成長の発達課題で重要な点はそれぞれの年代で周囲の人とどう関わるかです。その課題をクリアしてこそ、人は必要な対人関係スキルを身につけて生きられるようになります。
幼少期には親、特に母親と心身共に距離が近い関係にあり、その中から信頼関係や自立を学び、徐々に意識が親以外の第三者へ向いて行きます。
小学校の高学年から中学生の年代では親よりも友達との関係を大切に感じるようになり、特に同性の友人と仲良くして“どこに行くのも一緒”という時期があります。
この年代の次は青年期、思春期。異性とためらわずに交流する準備として、同性の友人を相手に人との心身の距離感をうまくとるトレーニングの時と言われています。この時期の発達課題を学んで初めて異性ともよい心身の距離が取れるようになり、恋愛、結婚をし、次世代への受け渡しがうまくいくわけです。

今、日本で話題になりつつある、アドラー心理学の提唱者であるアドラーは「子どもの教育で最も重要なことは“対人関係能力”を育てることである」と言っています。
人間の心は社会との関係の中で作られ、どのような人間関係にもうまく適応できるように子どもの成長を促すことが大切であると述べ、それを「共同体感覚」と呼んでいます。そしてこの感覚を身につけるには「相手の立場に立ってその心のあり方を想像する」という共感の能力を育てることだとも言っています。
(和田秀樹著「フロイトとアドラーの心理学」より)
この感覚は、人は生まれつき持ってはいるが潜在的な可能性であって、放っておいても身につかないものなので、ちょうど「自転車乗りの練習」同様、トレーニングが必要です。この共同体感覚が未熟だと自分の利益しか目に入らず、人との良好な関係が築けなくなり、心に対人関係の問題を抱えやすくなります。
気がついた今、娘さんから心身の距離を置くようにして、母との「楽」な対人関係から、他者、第三者との共同体感覚を失敗や苦労を経験しながらでも育てるように心がけてください。
これは、あなた自身のためにも必要なことですから。

(文:大関洋子)

2016/07/07(木)
第98回 【夫婦編】「友人とゴルフに出かけようとしたら…」
【Q】
子育ても一段落しました。
夫はサラリーマンで、朝早く出て、帰宅もそれなりに遅いです。土日が休みなので休日には親しい友人とよくゴルフに出かけます。私は子育てで大した趣味も持っていなかったし、夫が「ゴルフやってみれば?たまには一緒に連れて行ってやるよ」と言うので、1年ほど前からゴルフを始め、何とかラウンド出来るようになり、何人かゴルフ友達も出来たんです。
先日、男性6人、女性2人でラウンドすることになり夫に話したら「俺が家にいるのにおまえだけラウンドって何だ!」ってすごい剣幕で怒り出したんです。ゴルフスクールのメンバーとは何度か出かけたことはあるんですけどその時は「ああ」って言っただけだったんです。友達と出かけるのは初めてですけど、なんでそこまで怒るのか…。結局夫を無視して出かけたんですけど、それから夫とはまったく口をきいていません。

【A】
「夫婦」っていったい何なんでしょうね?恋愛かお見合いか、出会いのきっかけは違うにしても2人の男女が知り合ってそこに「愛」が芽生え「人生を共に生きたい」と思う。
あなたの場合は愛の結晶のお子さんもいる。それが数年もすると少しずつ色あせていく。中には付き合っていたときには分からなかった相手の人柄や生き方の癖が結婚して一緒に住むようになったとたんに「えーっ、まさか?!」と思うように変貌して「無理!一緒に住めない」とあっという間に離婚するというケースもありますよね。

決断が早い場合は子どももまだなく、巻き込むこともないので、心の傷は比較的浅く、次の相手を見つけることも難しいことではありません。小さいお子さんを連れての離婚はなかなか複雑になり出直しも厳しくなります。

あなたの場合、子育ても一段落し、夫が勧めたゴルフのラウンドに出かけようとしたのに「俺が家にいるのにおまえだけラウンドって何だ!」と怒り出して、それ以来口も聞いていない。あなたにすれば「たまには一緒に連れてってやる」という夫の言葉もあり始めたゴルフなのに、という気持ちでしょう。ゴルフスクールのメンバーなら「ああ」ですんでいたのに、男性のゴルフ友達6人、というのが気に食わず、しかも、その日は自分は何もすることがなく、家に置いてけぼりを食う。この2つが夫のかんに障ったんでしょう。
それにしてもそこまですごい剣幕で怒る必要はないのにねえ。今までの長い結婚生活の間、妻は俺の言う通り、俺がずっとリードしてきた、「一家の主役は俺」。妻は脇役であるはずなのに、俺が家にいるのに、妻が男友達とゴルフ?青天の霹靂だったのでしょう。

長い間の脇役、本当にご苦労様でした。名脇役で一生というのが好みならば、それも選択肢の一つでしょう。でも、今回のゴルフの問題の発端も、「ゴルフやってみれば?」という夫の言葉から始まったとのこと。決して夫を無視したわけではないのです。
今さら小説「人形の家」の主人公サラのように「私はあなたの人形ではありません」と言って家を出るわけにもいかないでしょうから、「あら、あなたも一緒に行く?」と言ってみるとか、少しずつ「私は私の人生脚本の主人公」という思いを尊重し合いながら、今後の生きる道を探るチャンスにしてください。

(文:大関洋子)

2016/06/16(木)
第97回 【恋愛編】「友達は騙されてると言うけれど…」
【Q】
彼とは写真サークルで知り合いました。何か趣味をと思って選んだのが写真です。シャッターを切れば誰にでも撮れると思って始めたんですが、なかなかいい写真なんて撮れません。それで少し本気でやってみようと入ったサークルに彼がいました。彼はプロ並みの腕前。私が彼に技術的なことを聞いているうちに彼が「あなたを被写体にして撮ってみたい」と私をモデルに撮り始めたことで親しくなりました。
今では週に5回くらいは撮ってもらっています。公園や街中での写真が中心ですが先日ビキニの写真までは撮りました。彼は、ヌードを撮りたいみたいなんです。私の気持ちはすでに恋愛モード。ヌードにも抵抗はありませんが、友達に話したら、「それ、絶対騙されてるよ。ヌードを撮ったとたんに関係が終わって、下手したら公開されちゃうかも」と言われました。彼は私の技術を上達させようといろいろ教えてくれているだけで、純粋な人だと思うんです。彼も私と同じ気持ちじゃないかな…。今度撮ってもらうときには、ヌードも撮ってもらおうか迷っています。

【A】
残炎ですが、友達の言う通りです。あなたは騙されています。
彼が本当にあなたの実態に興味を持ち、あなたを愛し始めているのなら、週5回もファンダーの中のあなたをキャッチするはずはないからです。親しくなるためのきっかけとしてあなたを被写体にしたいと望んだとしても週5回のモデルは多すぎです。

その上、初めは公園や街中でしたが次はビキニ姿、次はヌードとエスカレートしています。彼があなたを自分の大切な人、愛の対象と感じているならカメラのファインダーを通してあなたを捉えるよりは、もっと実態をより深く理解したくなり、カメラから離れての交際になるんじゃないですか?また、あまりにも着衣からヌードにするリズムが早過ぎはしませんか?
要するに彼にとってあなたは「被写体」としての興味に過ぎないと思います。大切な人をそんなに簡単に衣服をはぎ取って丸裸に出来ますか?彼から直接「ヌードになって」と頼まれてはいないようですが、あなたがそう感じるように仕向けられてはいませんか?

あなたが彼を一方的に愛し、彼の芸術のためにヌード写真のモデルになるという覚悟があるというのならそれはそれでかまいませんが、友達が言うようにそれは公開されるかもしれませんし、もっと悪く考えれば、彼はプロ並みの写真の腕を女性ハントのために利用しているのかもしれません。
ピカソは次々と愛人や恋人、妻を取り替え絵のモデルにし傑作を生み出しています。マティスも若い女たちを男女関係を持たずにモデルにしていますが、どの女性もピカソやマティスの「芸術」のため献身的に犠牲になっています。

あなたも彼の「被写体」として役に立つことで満足するなら騙されていることにならないかもしれません。彼が私を「愛している」から被写体にしていると考えると、あとで騙されたと嘆くことになると思います。特にヌード写真は友達の言うように公開、拡散される可能性もあり、用心した方が賢明です。こう言ってはなんですが、彼はこういう形で女性を手に入れる常習犯かもしれません。
自分をモデルに必要としている、自分を必要としている人がいるということに舞い上がっているあなたには、きっと厳しい答えになってしまっていると思いますが、この際、友達の忠告を大切にして、ヌードになるのは先延ばしにした方がよさそうです。

(文:大関洋子)

2016/06/02(木)
第96回 【職場編】「セクハラに感じない私って変?」
【Q】
毎年、私の恒例なんですが、夏を迎える準備に思い切って髪を切ります。真夏のロングヘアーは暑いし、海へ行ったり山へ行ったり、夏のレジャーには邪魔なので…。去年もかなり切ったんです。その時、男性上司から「髪、切ったんだ?!短いのもいいね!」って言われました。
上司の言葉を聞いた先輩や同僚の女性の人たちが上司に「セクハラはやめてください」と抗議したんです。女性の人たちが私に向かって「気分悪いでしょ?!そういう言い方してほしくないよね?!」と言うので、私はセクハラっていうほどには感じていなかったんですけど、一応うなずいたんです。上司から「申し訳なかった」みたいな謝罪があって終わったんです。今年も先日切りました。当たり前ですけど今年は上司は無言でした。でも「えっ、全然私のこと見てくれてないの?」って、私はとっても寂しい気がしたんです。去年のことがあるから、上司が私に声をかけないのも当然だし、かといって今の私の気持ちを女性の人たちに話すわけにもいかないし…。セクハラに感じない私は変ですか?

【A】
セクハラの基本的定義は「組織内の権力関係を背景にした性関係の強制」とされています。もう少し広義に「それを拒絶する立場にない人に対して向けられた性的関心」と定義する場合もあります。セクハラの加害者、被害者には誰でもなり得ますが、実際には男性が加害者、女性が被害者という事例が圧倒的に多いようです。

米国の雇用機会平等委員会(EEOC)のガイドラインでは、職場におけるセクハラを「代償型」(職場の上司が部下に対して雇用や昇進上の決定と引き替えに性関係を要求するような場合)と「環境型」(女性のヌード写真を掲示したり、卑猥な言葉でからかう等、女性にとって不快な職場環境)とに分類しましたが、どちらにも分類しにくいグレーゾーンのセクハラもたくさんあります。環境型には「言葉によるもの」「行動によるもの」「資格によるもの」があります。言葉によるものは「胸が大きい」「足が太い」「はげ」「デブ」などの身体に関する発言です。「今日はデート?」「まだ結婚しないの?」「子どもはまだ?」等、プライベートな事柄に触れるものも含まれます。

あなたの場合はこれに該当するとして、先輩や同僚の女性たちが上司に抗議したわけです。言われた本人は不快に感じたわけではないのですが、周りの女性たちにとっては性差別的に聞こえたのでしょう。元来、この場合の職場は髪の長短や容姿で採用されて仕事についているわけではないのですから、上司としては場を和ませたり、あなたへの励ましを込めた褒め言葉のつもりだったのでしょうが、不用意な発言だったようですね。

「申し訳なかった」と謝罪した上司は、もちろん今年は髪を短くしたあなたに無言でした。それを「全然私のこと見てくれていないの?」と思うあなたは性差別、性別役割意識から抜け出していないと思われます。もし男女が対等な立場で仕事をしているとすれば、あなたへの励ましや褒め言葉は髪型の変化ではなく、上司として仕事の成果を評価するはずです。上司のこの褒め言葉には「女は可愛ければいい」的な底意が感じられ、居合わせた女性たちを不快にしたものと思われます。
環境型の「行動によるもの」の一つに宴会などでのお酌の強要なども含まれますし、視覚型では職場のカレンダーにヌードやそれに近い水着の写真があるものを使用しているなどもセクハラです。男女が対等に生きることの感覚は長い不平等の中で失われています。私たち女性の中にある「内なる男尊女卑」を排除したいものです。

もしあなたがこの上司の男性に「見られていたい」という別な感情を持っているようでしたら、それは職場での仕事と切り離したお付き合いを考えた方がいいかもしれませんね。

(文:大関洋子)

2016/05/19(木)
第95回【子親編】「義父の入浴を介助していると…」
【Q】
結婚して20年、やっと子育ても終わりかと思ったら、今度は義父母の介護で両親と同居することになりました。80歳を目前に義父が倒れ、元気にはなったものの、手足に麻痺が残り、言葉も出づらくなったので、それを機にすることにしたんです。
義父母もとても喜んでくれて、私も夫も同居して良かったなあと思っています。ですが…。義父がお風呂に入る時、一人ではうまく入れないので、短パン、Tシャツになって、私が介助したり、身体を洗ってあげたりします。先日、身体を洗っている時にちょっとペニスに触れたんです。
私は何とも思わずいたんですが、次の時、義父がタオルを持った私の手をつかんでペニスのあたりに持って行くんです。私は手を引こうと思ったんですが、義父が持って行くのに任せペニスの周りをしっかり洗いました。それで終われば、まだ良かったんですが、その次からは、私が義父の身体を洗っていると、自身の手でマスターベーションのようなことをするようになりました。義母にも夫にも相談できず、とても困っています。

【A】
つい最近まで元気で頑固で威厳すらあった義父が倒れ手足に麻痺が残り言葉も出づらくなっただけでも戸惑うのですが、その上、入浴介助の時のこの様子にはうろたえ驚き、どうしていいか分からず悩んでいらっしゃることでしょう。

こうした場合、どうしても自分を対象として性の行為を求めていると解釈して義母にも夫にも言えず苦しんでしまいますが、こうした状態のお義父様は「息子の妻」を相手に性の欲求を覚え、満たそうとしたいわけではないのです。要するに「あなた」という個が対象になっているわけではなく、自分でも意思表示や自己表現がうまくいかないことに苛立ったり、不安を感じたりしている状態を何とか安心したいと思って、無意識に近い感覚の中で起こる行動だと受けとめてください。

幼い男の子が不安になったり緊張したりすると指をしゃぶったりペニスに触れたりする行動をします。お義父様の行為もそれに類する行為として受けとめてあげてください。ただあなたにとってはお義父様が正常な状態であれ倫理道徳に反する行為と感じ、耐えがたく思われるでしょうから、入浴介助の時だけお母様に担当していただいてはいかがでしょうか?
お義母様が身体的に無理な場合でもペニスやペニスの周辺の洗浄の時だけでも交代してもらってください。お義母様にそれも無理なら息子である夫でもよいのです。不思議に思われるかもしれませんが、たぶん息子さんにもペニスを任せたりするようになるかもしれません。意識が徐々に幼児退行現象を起こし、不安を静めるための1つの行動なのですから。

もちろん、夫とお義母様には、落ち着いて、こういう現象が起きたこと、意識ではなく無意識のうちに安心したいために起こる退行現象の1つであるらしいことをお話しください。
あなたのお義父様にだけ起こる現象ではないので、過度に騒ぎ立てたり、ましてや妻であるお義母様が「昔からこの人浮気性だったのよね。汚らわしい!」とののしったりしてはいけません。
人が人としてコントロール出来ていた意識が薄れ、最後の時へ向かって行くときの一過程と捉え、優しく対応してください。他の介護介助の場面で手荒く乱暴に対応してしまい、お義父様を不安にさせている面がないかも家族で点検してみてください。
もう1つ、ヘルパーさんにお願いして入浴介助をお願いすることがあるようなら、こういう現象が起こっていることをちゃんと伝えてください。専門家として対応してくれるはずです。

(文:大関洋子)

2016/04/21(木)
第94回【親子編】「息子との距離が難しい」
【Q】
高校1年生の娘と中学2年生の息子がいます。
娘の子育ては、ここまでうまくいったと思っています。小学生のころに反抗期があり、怒鳴り合ったことも何度かありましたが、中学生になるとピタッと収まって、話もよく聞くし、手伝いもよくするようになりました。今は私の主婦としての仕事の何分の1かは担ってくれているくらいです。
娘で苦労したという感覚がなかったので、息子に対しても娘と同じように接していたつもりなんですが、うまくいきません。中学に入ったころから私の言うこと聞かなくなり、注意しても無視されるようになりました。反抗期だからそのうち収まるだろうとあまり気にしないようにしていたんですが、夫に「おまえ、息子とべたべたしすぎだろっ。娘にはそんな態度じゃなかったぞ!今の様子じゃ、親からの自立にも妨げだ!」と強い口調で叱責されました。
私は娘と息子を同じように扱っているつもりだし、これまでの息子との関係だってそんなに近かったとは思っていません。でも、夫にそう言われると、私の何が悪いのかまったくわからず、息子との距離をどう取ればいいのか困ってしまっています。

【A】
息子さんとの距離が近すぎるようですね。
夫から見て「べたべたしているように感じるのはまさに「親からの自立の妨げ」と思います。ちょうど反抗期とのことですからこの機会に息子さんに心身共に近づきすぎず距離を置いてください。「息子に対しても娘と同じように接していたつもり」とおっしゃっていますが「つもり」なだけで「無意識」に息子さんにはべたべたしているのです。

1900年に「夢判断」という著書を書いた精神科医フロイトは、人の無意識の世界の研究で有名になりましたが、彼の学説の中に「エディプスコンプレックス」というものがあります。
ギリシャ神話の「オイデプス(エディプス)王」の物語から名付けられたコンプレックス理論です。
生まれた幼い王子がその国に災いをもたらすと占われ、王子は捨てられてしまいます。捨てられた王子は他家の王子として育ち、生まれた国との戦いで実父を殺し、若く美しかった王妃を、母と知らず妻としてしまうのです。それがわかった母であり妻である王妃は自死し、王子も目を剣で突いて自死しようとしますが果たせず、放浪の旅に出るという大変な悲劇です。
「コンプレックス」というのは「劣等感」というように訳されていますが、フロイト理論では「考え方の癖・偏り」とされています。フロイトは子どもたちは異性親に強く愛着を持つ癖があり、親の方も異性の子どもにより「無意識」のうちにより多くの愛情を注いでしまうという学説で、「エディプスコンプレックス」と呼びました。一般的には「マザコン(マザーコンプレックス)」と言っています。

思春期になり、女の子では初潮の始まるころ、男の子では精通のころにそれぞれライバルのように感じていた同性親を乗り越え、異性親への愛着を断ち切ることで、一人前の人として成長していきます。それまで息子は愛情の対象が母、娘は父なのですから、同性親はライバル視される存在なのです。子どもたちが身体が大人になり、心も大人になる過程で葛藤しつつこの状態を乗り越えて親から離れて行くとき、身体と心がうまく一致して大人になります。ところが、本人もわけがわからず親に反抗的になったりするのです。それが「反抗期」です。

これらの状態は「無意識」のうちに起こるので、あなたも「娘と息子を同じように扱っているつもり」でも、おそらくかなり息子さんに甘かったり近づいたりしているのでしょう。
どうか、意識して距離を置き、息子さんの自立の妨げにならないようにしましょう。関わりすぎず、信頼して見守るだけにして、手や口を出さないよう自分に言い聞かせてください。

(文:大関洋子)

2016/04/07(木)
第93回【夫婦編】「離婚届に印は押したのに…」
【Q】
結婚して15年になります。
夫婦としてうまくいっていたのは結婚して7〜8年くらい。
2年目に長女、翌年長男が生まれ、落ち着いて夫婦関係について考えることも暇もなく、ただ時が流れていたんですかねえ…。幸せだと思っていました。
ところが子どもが学校に上がるころになると、子どもに対する接し方や目指す家庭像とか徐々に違いがはっきりしてきて喧嘩になることもありました。最初は些細なことと思っていたんですが、実はそれが人生観の違いだったんです。お互い一緒にやっていくことは難しいと思うようになりました。下の子が小学校を卒業するのを機に私から離婚を言い出しました。
夫も同意して離婚届に印は押したものの出せないんです。もう2ヶ月になるのに未だに出せません。特に理由はないんですけど、辛かったことばかりでなく楽しかったことも脳裏に浮かんで、15年間が人生から消えてなくなってしまうと思うと、最後の最後で前に踏み出せません。

【A】
15年一緒に暮らしているとはさすがに簡単には別れられないでしょう。
暴力とか浮気とか買い物やアルコール依存などはっきりした状況が夫に見られれば自分も別れたいと思い、周りも「早く別れた方がいいよ」と言ってくれます。そういう状態でも、「優しい面もある」とか「昔は優しかったのだから私が悪いのかも」とか「私が何とかしてあげよう」等々と思って別れられない人も少なくありません。

あなたのように些細な違いと思っていたことが人生観の違いとわかるような場合、辛かったことばかりでなく、楽しかったことも思い出されて別れづらくなります。別れづらくなっている原因の1つは「人生観の違い」という抽象的なことが一緒にやっていくのが難しいと思うきっかけだということ。ただし、これはとても大きな違いで15年かかっても埋められないどころか、子どもの育て方、目指す家庭像の理想が徐々に離れていくばかりだったわけです。

このあと修復は難しいでしょうね。目に見えない心の傷なので、「まあこのままでも生きていけないことはないかぁ…」と思ってしまう。特に経済的に夫に負うところが多かった結婚生活だと、「このまま我慢していた方が楽?!」ということになりがちです。
もう1つの別れづらい原因は、動物実験でわかるような檻の中に入れた動物をいじめていると檻の出口を開けても逃げる意欲を失って、じっとうずくまったままになるという、その状態になってはいませんか?それでも自分の感覚を大事にして離婚を言い出し、夫も同意して離婚届を作成したあなたの勇気に拍手を送り応援したいと思います。

別れづらい最後の原因は昔ながらの風習、慣行、文化。「一度嫁したら墓場まで」と言われる意識、「妻は夫が多少妻の気に入らないこと、「飲む・打つ・買う」くらいのことをことをしてもじっと我慢するのがいい女。ましてや人生観の違いなどというよくわからないもののために女性の方から離婚を言い出すなんてひどい人!」という親や親戚や周囲の目、あるいは自分の意識が根強いのではありませんか?「そんな意識は持っていない」とおっしゃる人にも少なからず刷り込まれているものです。

15年というあなたが思い悩みつつ子どもを育てた日々は、決して人生から消えてしまうわけではなく、これからの充実した生き方の糧になること間違いありません。勇気をもって離婚届を出してください。その前に親権のこと、養育費のこと、財産分与のこと、しっかり夫や弁護士と相談することをお勧めします。

(文:大関洋子)