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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2016/12/05(月)
第108回 【夫婦編】「ベタベタだけの夫じゃ、不安」
【Q】
結婚して2年になります。知り合って3年で結婚しました。
基本的には優しい人かなあ…。男性は結婚すると変わるなんて言われますけど、そういうところもありません。最初の1年くらいは、相手はどんな人とか、何考えてるんだろうとか、お互いに探っていたんです。ぼろは出さないようって言うか…(笑)
そのうち彼も力が抜けてきて、ナチュラルな感じになったんです。彼のナチュラルな感じっていうのは、場所も考えないベタベタなんですよ。それが愛情の表現だと思ってるみたい。そういう風にオープンな人って日本の男性には珍しいので、最初私も悪い気はしなかったんです。「フランス人みたい!」なんて思っちゃって。特に嫌なところもないし、結婚ていうことになったんですけど、彼って全然変わらないんです。もちろん、そんな彼と結婚したわけですけど「彼って一生このまま?」って考えると、将来が不安で…。
私の気持ちの中には、「頼れる夫」っていうのもあるのにベタベタだけではあまりにも頼りなくて…。

【A】
いいですねえ。いいですねえ。このまま共に白髪になるまでベタベタ夫でいてくれたら、いいですねえ。確かにおっしゃる通り、フランスのシャンゼリゼ通りには白髪のご夫婦が仲よく手をつないで歩いていたり、中年のご夫婦が、青になった交差点の人混みの中で立ち止まってキスをしていて、そこだけ人の流れが迂回していたりしました。ぜひ日本でもこんなカップルを流行らせたいなあと20年位前に思いました。
今では日本でも若いカップルはベタベタしていますが、あなたのように結婚して2年経っても内でも外でもベタベタという夫婦は珍しい。もう一度申し上げますが「彼って一生このまま?」とおっしゃるように「一生このまま」でいてもいいですね。特にそのベタベタがナチュラルで対象が妻のあなたに限っているようですし…。
ただし、問題がひとつ、それはそんな彼をあなたが「将来が不安」とか「頼れる夫に」とか感じ出していることです。はじめはあなたも優しい人だし、愛情の表現として悪い気はしなかったんですよね。それなのに2年経つうちに、あなたと彼の価値観がズレてきたところが問題。まあ女性は種の保存の主たる役割として妊娠、出産、それに続く授乳や子育てがありますから、心身共にそれに備えて大人になっていきます。小中学生、いや人によっては高校生、大学生でも精神的には女性の方が発達過程が早い。同級生の男の子は子どもに見えた経験をお持ちの女性も多いでしょう。
勿論、性差や発達は統計的な概念で直接個人に当てはまるものではないし、性差が性役割を正当化する根拠には絶対なり得ませんが、彼のベタベタがうっとうしくなり頼れる夫がほしくなったのも一理あると思います。
お話の様子では彼も、外、社会ではとりあえず一人前の人間として働いているようですが、そこで変に人にベタベタしたり依存性があったりすると、人格形成上、心配ですが、ベタベタするのは妻のあなたに限っているようですので、あまり心配せず、お子さんでもできればきっと赤ちゃんにメロメロになるタイプでしょうから、それまでのちょっとの間、あなたも甘えながら待ってみてはいかがでしょうか?
お子さんが一人、二人とでき、社会でも後輩や上司から頼られる立場になってくると、彼もあなたにまで手が廻らなくなって、「あ〜、昔はよかった」などとベタベタしているカップルを見て、思う日が遠からずやってくることでしょう。
まっ、日本文化の中ですから人前ではあなたがやんわりと彼をたしなめるようにしてはどうですか。
(文:大関洋子)

2016/11/17(木)
第107回 【恋愛編】「占いを信じている彼」
【Q】
彼とは付き合って半年です。彼の前に付き合ってた男性はどちらかというと乱暴だったんで、彼はとっても優しく感じてます。でも…。
この前、食事に行ったときのことなんですけど、「オレ、今日金運が悪いんだよ。スマホで星占い見たら“財布落とすかも”って。だから、今日は財布を置いてきちゃった。悪いけど、食事代出しといてくれる?」って。せいぜい2000〜3000円のことだから、その時は黙って出したんですけど、彼、占いとかほんとに信じてるみたいで、「今日は東の方角はダメ」とか「今日のラッキーカラーは赤」とか、ほとんどの行動を占いみたいなもので決めてるんです。
最初は冗談だと思ったんですよ。だから私も彼に合わせて、「じゃあ今日は西ね」とか「どう?この赤い服…」なんてやってたんです。
ところがどうも本気らしいってことが分かってきて…。私の気持ちより占いが優先なんです。
でも、まさかねえ、大人の男性がほんとに本気なんてこと、ないですよねえ?

【A】
どんなに科学や文明が進んでも人間の知恵だけではどうにもならないってこと、たくさんありますよね。
ほんの一瞬の差が生死を分けたり、あの時のあの人との出会いが人生の幸不幸を分けたり…これを私たちは「運命」とか「運がいい・悪い」とか言っています。
そして悔いても悔いてもどうにもならない別れとか、あの時こうしていればとか、ああやっていればとか…。自分を責めても責めても後悔しきれないこととかを悩んで悩んで悩み抜いて「もうこれは死ぬしかない」となった時、私たちは「運命」とか「運」とかいう言葉にすがって、「ああ、これは運命だったんだ。運が悪かったんだから仕方がない」とあきらめることによって、死の淵から這い上がって生き延びるのです。
あなたの彼のようにあまりにも簡単にほとんどの行動を“占いみたいなもの”で決めているとなると、「運命」に立ち向かうための努力とか、「運」にたどり着くまでの努力とかをせず、「運が悪かった」と他力本願的にあきらめてしまうような生き方になります。
努力して努力して、死ぬほど苦しみ、それでもどうしようもなくて「運が悪かった」と自分を納得させ生き延びるしかない時が人生には何度かあります。それをあまりにも軽々しくたかだか2000〜3000円の食事代をあなたに払わせるために「金運が悪いから払っといて!」と言うようでは、これから先、何が起こっても努力無しに「占いが凶だから」の一言で片付けられてしまうことでしょう。たとえ、あなたと別れることになったとしてもです。
占いの歴史は古く、古代では政治さえ左右していた時代もあります。亀の甲のひび割れの仕方(亀甲占い)で政治のやり方を占ったり、本当の犯人を見つけるため熱湯に手を入れさせて(ぬかだち)犯人を見つけたり、まったく非科学的なものから、太陽や星、風の動きを研究したり、あるいは多くの事例から割り出して吉凶を決めるものまで、様々ありました。
とはいえ、今の世の中、あなたの彼の「占い優先」の生き方は、もし本気だとしたらあまりにも無責任と言わざるを得ません。また本気で信じていないとすればもっとひどいことで、あなたとの関係を手軽に自分勝手に決めるための隠れ蓑に使っているということでしょうから、どんなに前の彼より「乱暴でなく優しい」とあなたが感じているとしても、それはまやかしの優しさ。すぐに別れることをお勧めします。
(文:大関洋子)

2016/11/04(金)
第106回 【職場編】「扶養の範囲内って頭にくる!」
【Q】
今年も11月になりました。この時期になると憂鬱になるんです。
うちの会社は女性の割合が多くて、それも主婦のパートの。主婦向きの仕事が多いんです。1日6〜7時間、週に3〜4日勤務なんていう人が多くて、扶養の範囲内で働きたいって感じ。この時期になると年内の給料が103万円を超えないように勤務を調整するんです。私たち社員がパートの人の分まで働かなきゃならなくなっちゃって…。
会社に何とかしてほしいって言っても求人広告にお金を出して人を増やすにはあまりにも短時間で短期だから、会社も何もしてくれません。
結局、私たちみたいな社員の負担が増えるだけなんです。負担が増えたって給料が増えるわけじゃないから頭にきますよね。パートの人たちが出勤したときの給料を私たちに回せって言いたいです。
国も会社も悪いんですけど、扶養にこだわって仕事をセーブしちゃう主婦の人たちって、一人の人として経済的に自立しなくていいんですかねえ?子育て中なら分かりますけど、子育てが終わった人も同じなんですよ。離婚の危機とかなったらどうするんでしょう?

【A】
あなたのお怒りはよく分かります。まったくこの「扶養の範囲」ってやつ、何なんでしょう。あなたのような社員はしっかり税金を取られるのに、主婦のパートの税金が控除されるって制度。
この制度が始まったのは1961年で、妻の収入が103万円以下の場合、給与所得控除の最低補償額65万円と基礎控除38万円が適用され、本人に所得税がかからないのと同時に夫にも配偶者控除(ここが問題なんですね)が認められ、所得税が減額される。103万円を超えて働くと夫婦合算の手取りが逆転してしまって働いた分が反映されない結果になるので、妻はそれ以上働くことにブレーキをかける。そのことで、あなたのような社員に負担がかかることになるわけです。
まあ、この103万円の壁というのも、1987年に「配偶者特別控除」という制度が設けられ逆転現象を是正できるようにはなりましたが、夫や妻の収入によって控除額が階段状に低くなります。
この制度の始まりは「内助の功」をルール化したもので、「夫が外で稼ぎ、妻が家庭を守る」という家族像を固定化している制度だという意見もあります。主旨としてはあくまでも扶養控除から別枠の控除で、低所得の人たちにも最低生活を認めるための優遇措置の一種で、専業主婦の家庭を優遇するためのものではなかったようです。ただ、現状としてはあなたが「この時期憂鬱になり」「頭にくる」という事態が起こっています。
あなたの怒りの解決方法として国がこの制度を見直すことが基本ですが、今年、政府と自民党の間でかなり踏み込んだ話になり、2017年からはこの制度が「配偶者控除」から「夫婦控除」に換えるというところまで来てまとまるのかに思いましたが、「配偶者控除」をなくすことへの抵抗も根強く、選挙を意識する中、結局見送られることになりました。男女平等へ一歩踏み出せるところでしたが、今のところそちらへ舵を切る見通しは立たなくなりました。
また、会社としても限られた期間のことですから求人広告を出す費用対効果を考えると何もしてくれないでしょう。
こうなると変化を期待するのは難しいですから、「頭にくる」と腹を立てるだけ「損」と考えて、ご自分の「考え方」か、「感じ方」または「行動」のどれかを変えてみませんか?
これをカウンセリングでは「認知行動療法」と言います。原理は「不幸な出来事が起こるから人は不幸になるのではなく、その出来事をどう受けとめるかだ」ということです。あなたのように「パートの主婦が休んだ」=「私の負担が増える」=「頭にくる」と考えるのを自動思考と言います。これをあなたも言っているように「パートの主婦が休んだ」=「私は社員として働く」=「一人の人として経済的に自立している!」=「離婚の危機が来ても大丈夫!」というように変えてみましょう。
コツは、はじめは「うそっ!」と思っても何度も何度も自分に言い聞かせてみることです。何度もそう言い聞かせることで、だんだんその気になれると思いますよ。
(文:大関洋子)

2016/10/20(木)
第105回 【子親編】「息子の嫁との関係が…」
【Q】
2年ほど前に息子が結婚しました。結婚直後は同居したんです。
同居を始めて1ヶ月くらいしたころ、突然息子に「今、マンション探してるんだ」と言われました。ずっと同居すると言ってくれていたのに、突然だったので理由を聞いてみたんですが、「まだ新婚だからね」と言葉を濁されました。
それから2週間ほどして出て行きました。私一人になってしまったのでちょっと寂しくはなりましたが、しばらくしたら戻ってくるだろうとあまり大げさには考えていなかったんです。
ところが先日、買い物に行ったとき、偶然息子たち夫婦を見かけて…。たぶん私が先に気づいたんです。近づいていこうとしたんですが、向こうも私に気づいたらしく、急に嫁が息子から離れて、私の視界から消えました。嫁が明らかに私を避けている様子が分かったので、息子のところに行っても私は嫁のこと触れなかったんですが、息子も一切嫁のことには触れないんです。
そういえば、別居してから息子は時々うちに来ますが、嫁は1度も一緒に来ません。なぜなのか私はまったく思い当たることがないので、これから息子夫婦とどう付き合っていけばいいのか困っています。

【A】
冷たいようですが、これからも息子さん夫婦とはそういう関係で付き合って行かれるしかないでしょうね。
なぜなら、息子さんの妻にそこまで避けられているのに、あなたの方は「私はまったく思い当たることがない」とおっしゃっているからです。
息子さん夫婦が同居して1ヶ月くらいで出て行かれたとのこと。その間に何があったのか思い出してみてください。あなたに思い当たることがなくても、向こう、息子さんの妻(嫁)の方にはどうにもあなたと一緒に住んでいられないことが数々あり、息子さんもその様子を見るに見かねたということでしょう。息子さんもあえてその理由をあげつらってあなたを非難せず「新婚だからね」と言葉を濁して去って行かれたのは、息子さんのあなたに対する優しさと、同時に事の深刻さを含んでいます。
いわゆる嫁と姑の問題は、その間に息子が入ってどうにか出来る問題ではありません。息子が嫁の肩を持って「母さんのこういう言い方、ああいうやり方、直してもらえないかなあ…。そうしないとうちのやつがかわいそうだよ」などと言おうものなら、あなたは直すどころか「息子はすっかり嫁にたぶらかされて、今までの優しい息子が変わってしまった。嫁はなんて性悪な女なの!」と意地悪になって、嫁をいびることになりますよね。
また、もし息子さんが嫁に「おまえなあ、母さんも年だし、そういつまでもあの勢いで生きてるわけでもない。もう少しお袋に合わせてやってくれよ」とでも言おうものなら、もっと大騒動が持ち上がり、「私よりお母さんの方が大事なのね。私出て行きます」と別居から離婚の事態に発展することもないとは言えません。
息子さんの選択はけっこう正しくて、言葉を濁しつつ、同居を解消され、ご夫婦は何とか仲良くやっておられるご様子。隠れてしまった嫁の気持ちを詮索せず、隠れたことに触れなかったあなたも賢いと思います。
息子さんが一人で訪ねてこられたときには、嫌みにならない程度に旅行のお土産や彼女の好きそうなちょっとした小物などを持たせたりして、あなたが歩み寄る努力をしつつ、ご自分の何がそんなに相手を遠ざけてしまったのかを考え、とりあえず、今は別の楽しみを見つけて過ごしてください。ご自分の生き方のくせを見直す最後のチャンスかもしれません。
まれにあることですが、もし息子さんの嫁がメンタルに問題を抱えていて、人間関係をうまく築けない人だとしたら、そういう場合も「こうしろ、ああしろ」と言えば言うほど相手の心にダメージを与えてしまいます。余計なことを言わず黙って見守ってあげてください。
(文:大関洋子)

2016/10/06(木)
第104回 【親子編】「姉弟で仲がよすぎて…」
【Q】
結婚して15年、中学1年生の娘と、小学6年生の息子がいます。
決して友達がいないというわけではありませんが、どちらかというと二人とも内向的で、友達と外で遊ぶというよりは、家で本を読んだり、工作みたいなことをして何か作ったりするのが好きです。
小さい頃から二人でとても仲がよく、小学校入学前は、ほとんどの時間を一緒に過ごしていました。小学校に上がってからも同様で、私としては徐々にでいいから友達と遊ぶ時間が増えてくれたらいいなあと思っていました。
姉が中学生になり、部活動も始まりましたから、これで別々の行動が増えてくれるだろうと思ったのですが、今も変わらず二人で過ごす時間がほとんどです。思春期を迎え、そろそろ異性に興味を持ってもいい時期なのに、姉弟と一緒に過ごしている時間ばかりで、ちょっと心配になってきました。

【A】
アメリカの教育学者、ロバート・J・ハヴィガースト(1900−1991)は、「人は乳児期、児童期、青年期と段階を経て発達していく。そしてそれぞれの段階にはそれぞれの発達の目安となる達成課題がある」と言っています。
人は赤ちゃんから一足飛びに大人になるわけではなく、一定の順序、方向性を持って発達していきます。社会に適応し、人格を形成する上で、各発達段階に応じて達成しておくべき社会的、心理的課題があり、それを「発達課題」と呼んでいます。
人生の発達段階で次の段階にスムーズに移行できるようにするには、それぞれの発達課題をクリアしていくことが必要です。各段階の課題を避けて通ったり、クリアできなかったりした時は、心身の不調があとの段階で現れたり、社会とうまく適合できず、生きづらさを感じたりします。
ハヴィガーストは、乳幼児期、児童期、、青年期、壮年期、中年期、老年期の6つに人生の段階を区分し、社会的役割や習得すべき身体的技量など発達課題をそれぞれ6〜10個ずつ具体的項目として示しました。そしてその中に児童期には「遊び仲間とうまく付き合うことの学習」「男子あるいは女子としての適切な社会的役割の学習」、青年期には「両性の友人との新しい成熟した人間関係を持つこと」「男性または女性としての社会的役割の達成」を挙げています。
要するに、あなたは中学1年生の娘さんと小学6年生の息子さんがこの「発達課題」をクリアしていないと感じ、心配してご相談されたわけです。けれども人間は他の動物と異なり、発達にはかなり個人差や柔軟性があります。早くに発達課題をクリアしてしまったり、ゆっくり乗り越えたりしてどこかで積み残した未消化の課題をやりこなすこともあります。ですから、発達課題「姉弟以外の遊び仲間とうまく付き合うことの学習」が今クリア出来ていないとしても、あまり窮屈に考えず、1つの目安と考えてください。
お子さんは学校、部活動もちゃんとこなしていますし、この年齢では無理に引き離すのではなく、少し環境を変えたり、体験を広げたりすることを促す工夫をされてはいかがでしょうか?
あなた自身もママ友とのお付き合いや仕事などで、ご家庭から外へ出てみるなどしてみてください。
万葉の時代のように交通機関もなく人口も少なかった頃には、姉と弟、兄と妹などの恋愛も多く、万葉集の歌の中にも恋愛の歌が残っていますが、今はそんな遠い昔とはまったく違った社会環境ですから…。
(文:大関洋子)

2016/09/15(木)
第103回 【夫婦編】「誠実な人だと思っていたのに…」
【Q】
最近、私が出かけて帰りが遅くなる日は、必ず夫が私の予定を確認するようになったんです。「今日は、どこに行くんだっけ?」とか「何時に帰るの?」とか…。「何で?」って聞くと食事のこともあるから」と言っていたんです。
ところが、先日夫がお風呂に入っているときスマホが鳴って、画面に「明日は都合が悪くなっちゃった、ごめん?」って表示されるじゃないですか!びっくりしましたよ。だって翌日は私が出かけることになってた日だったから。
翌日、夫が私の予定を確認しないので、私の方から「今日は帰りが10時過ぎになるよ」って言ったら夫は「いちいち言わなくてもいいよ」って。私も黙っていられなくて「あなたは予定がなくなったんだよね?昨夜、LINEが来てたよ」って言ったら、「おまえは人のスマホを勝手に見るのか!?」っていきなり逆ギレしたんです。
誠実だと思って結婚した夫にだれか女性がいる、しかもこういうときに逆ギレする人なんだって思ったら、この人との時間ていったい何だったんだろうって虚しくなってきました。

【A】
こういう場合、私たち女性の取る立場は3つあります。

1つは、子どももいないのなら「こういう人だったのね!」と慰謝料を取って離婚する。

もう1つの方法は、お子さんでもいるとすぐ別れるというわけにもいかないでしょうから、放っておく。放っておくんです。気がすむまでやらせてごらんなさい、そう長続きはしませんから。スマホが鳴ろうが携帯が鳴ろうが、夫のものには決して手を触れてはなりません。夫が風呂に入っている隙を狙ってそんなものを覗き見るなどというゲスなことはしてはいけません。
心理学的に言えば、人は自己防衛本能があるので他者から何か働きかけられると必ずそれに反応して自分を守ろうとします。今回のご相談の場合がまさにそれですね。守ろうとして逆ギレしています。そして、反対されればされるほどそれが刺激となって燃え上がり遊びが遊びでなくなります。
浮気は男の甲斐性などと言って、女性が我慢させられていたのは昔のこと。私という妻がありながら他の女性とこっそり隠れて付き合うような誠意のない男とはキッパリ別れた方がいいに決まっています。こういう男は、妻に隠れて秘密裏に事を運ぶスリルがたまらないらしく、たいていはくせになっています。生き方のくせですから繰り返します。男の中には、原始時代、サルが人間に進化した頃の名残りを未だに持っていて、たくさんの牝ザルと性交渉を持って自分の遺伝子を残そうとする輩がいるんです。今は種の保存のために不特定多数の異性と性交渉を持つことが優れた牡のやることではなく、逆に文化文明、人間としての質が劣っていることの証拠になってしまうのに…。
大型類人猿の中で人として進化した私たちだけは、種の保存を目的とせず、愛、コミュニケーションの手段の一つとして性行為します(最近の研究ではボノボというサルも人と同じ性行動を取ることが分かってきましたが)。

最後の手段は、この進化した人間のコミュニケーションの最大のものである「言葉」を使って話し合ってみることです。アサーションスキルというコミュニケーション法があります。自分の気持ちも我慢したり抑えつけたりするのではなく、出来るだけ素直に相手に伝える。ただし、相手の気持ちもくみながら、出来るだけ双方が傷つかずに伝え合う方法です。もしかしたら、結婚生活の中で、普段からこのコミュニケーションが欠けていたのかもしれませんね。自分自身のことも振り返りながら、夫に気持ちを伝えてみてください。
(文:大関洋子)

2016/09/01(木)
第102回 【恋愛編】「そんなに簡単によりを戻せるか!」
【Q】
半年ほど前、2年お付き合いをした彼と別れました。もうちょっとで結婚って思ってたんですけど、ぎくしゃくしちゃって…。二股かけてたんじゃないかと思うんです。だって、急に冷たくなったというか、さめた感じになったから。しかも別れて1月もしないうちに、友達に「彼と別れたの?知らない女の人と歩いてたよ」って言われたし…。
そんな彼と先週偶然会ったんです。彼が先に気づいて「元気にしてる?」って声をかけてきて、「お茶する?」って。つい誘いに乗っちゃってお茶してたら、彼が「より戻そうよ」って言うんです。「彼女いるんでしょ?友達が見たって」と言ったら、「それただの友達。彼女って言えるのはおまえだけだもん」って。
そう言われて嬉しい気持ちもあったんですけど、彼って誰にでもそういうこと言う人だから「そんなに簡単によりを戻せるか!」って断ったんですけど…。ほんとは迷ってるんです。

【A】
「ほんとは迷ってる」のなら、とりあえずよりを戻してみたらいかがでしょうか?
まだ彼に未練があるのに意地で断ってしまったままでこの恋愛を終わらせてしまうと、そのことがずーっと心の中でわだかまってしこりになり、次の新しい恋愛に進む障害になることがあります。

アメリカの精神医学者パールズ(1893~1970)は、これを「未完の行為」と呼んでいます。「あの時こうすればよかった、ああすればよかった」と後悔する気持ちが心のフィルターに目詰まりを起こしてしまい、真っ直ぐな判断が出来なくなってしまうと言うのです。そしてそのフィルターの目詰まりを処理する技法を工夫し提唱しています。
パールズは、過去の経験の分析ではなく、全体を見て「今、ここ」における体験を重視し、現在の自分の気持ちの統合を目指しました。これは彼自身、恋愛中に神経症になり、精神分析医の分析を受けた体験が基になっていると言われています。
パールズの提唱したセラピーは「ゲシュタルト療法(全体像を見るというような意味)」と言います。したくても出来なかったこと、言いたくても言えなかったことがいつまでも心に残り、「未完の行為」になります。甘えたいのに甘えられない幼少期を過ごした人が、いつまでも悲しい思いを秘めていて、なかなか幸せな気持ちで人生を生きられなくなった、そんな時に効果のある療法です。

「よりを戻す」にあたって、いくつか自分の胸に聞いてみましょうか?
「そんなに簡単によりを戻せるか!」と一度断った私に、「じゃあ、あなた、簡単じゃなければより戻すわけね?」「簡単じゃないって、どうやってクリアすればいいの?」…、
この自分の質問に「決まってるわよ!彼が土下座して、どんな女より君が素晴らしい!君が素敵!君を愛してる!」「君との別れは、僕が悪かった。魔が差した、気の迷いだったんだ…」等々、私の言ってもらいたいことを彼に言ってもらえれば気がすむ?別れて1月もしないうちに 一緒に歩いてた女。「また同じことするの?」「絶対ない、ない。君以外の女に興味ない」とでも言ってもらえばいい?
きっとそれくらいで気がすむかもしれません。でも、実際は別れたあなたに「より戻そうよ」と軽々しく言える彼。そんな「生き方のくせ」はそう簡単には直りません。
それでも、それを覚悟でそのままの彼を愛せたら、そう、あなたが変われたら、きっと彼も今度は彼の「生き方のくせ」を直すことでしょう。
(文:大関洋子)

2016/08/18(木)
第101回 【職場編】「夏場の社内は嫌い!」
【Q】
夏場の社内って嫌いなんです。体臭だかオーデコロンみたいな変な臭いが充満してるし、女子社員の格好も…。うちの会社ってけっこう人の出入りがあるから、そこそこ冷房は効いていて、じっとしてる女子社員は足が冷えないように机の下ではブランケットとかかけたりしてるんです。なのに、ほとんどの女子社員がノースリーブなんです。それってあり得なくないですか!
一応、薄手のカーディガンとかは持ってて、寒くなると羽織ったりしてるんですけど、前は開いてるでしょ。けっこう胸元が出てたりしてすごく気になるんです。「あんた、何しに会社に来てるんだ」って言ってやりたくなりますよ。
上司だって「仕事にふさわしい格好して来い」とか注意すればいいんです。ところがむしろ反対で、いっつも社員の胸元とか腕とか見ちゃったりして…。どっちもセクハラですよね、私は不快なんだから。
でも、上司が誰かに何かしているわけでもないし、他の女子社員は自分で好んでやってるわけだし、そんな中で私だけ「それってセクハラです」なんてとても言える雰囲気じゃないんです。

【A】
まったくあなたのおっしゃる通りで、夏場は社内に限らずエレベーターや電車の中でもこういう状況に出くわすことがけっこうありますよね。見たくないものを見せられたり、かぎたくない臭いをかがされたりすることって。
「セクハラ」とあなたが言っているセクシュアルハラスメントは2007年4月に改正された「男女雇用機会均等法」第11条に「事業主は職場において行われる性的な言動で当該労働者が不利益を受けたり就業環境が害されることのないよう適切な措置を講ずる」ことの必要性が義務として生じていると明記してあります。
改正前は「当該労働者」の文字が「女性労働者」となっていて、セクハラは男性から女性に行うものと限定されていましたが、改正により男女を問わず被害者、加害者になり得ることになりました。
裁判例などではかなり深刻な例もありますが、上司が「結婚はまだ?」とか「妊娠は?」などと聞くのも受け取る側の受け取り方によっては充分セクハラやモラハラになり得ます。

この連載でも何度か取り上げていますので、お読みいただいている皆さんはもうご存じのことと思いますが、職場の壁にヌードのカレンダーなどを貼ったりするのもセクハラになります。
あなたの場合、見たくない女性社員の胸とか腕とかが目の前にあるわけですから不快になる、男女機会均等法第11条の「就業環境が害される」に充分該当するケースと思います。もともとこの法律は、それまで男性から性的いやがらせや圧力をかけれられ、退職を余儀なくされたり、自殺にまで至ったりする女性を守るというのが基本精神でした。
今回のご相談は、そこまでのこととは思いませんが、もしどうしても不快感が止まらず、仕事の能率が落ちてしまう場合は、ある程度の規模の会社のようですので、社内にある相談窓口に苦情を申し述べることは出来ます。

この法律では、「迅速かつ適切な対応」を行い「行為者及び被害者に対する措置を適切に行う」よう定めてあります。さらには「相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずる」ことも決められていますので、原則的にはあなたのプライバシーも守られます。

ただ、女性社員の制服がないらしいあなたの会社で真夏にノースリーブの腕や襟の大きく開いている胸元を「見苦しいもの」「いやらしいもの」と感じるあなたの感覚こそ、本質的なセクシュアルハラスメントに当たらないか、あなたご自身が再考してから相談窓口に行くかどうか決めてくださいね。

(文:大関洋子)

2016/08/04(木)
第100回 【子親編】「何でも私?義姉さんがいるでしょ!」
【Q】
84歳の父と80歳の母がいます。54歳の兄は30歳の時に結婚して、義姉と子ども2人の4人で5年前から実家に同居することになりました。
私は夫と子ども2人で、実家から車で1時間ほどのところに住んでいます。先日、父が体調を崩し入院騒ぎになりました。結局入院せず自宅で療養することになったのですが、体調を崩して3日目に「ちょっとこっちに来てお父さんの面倒を見てよ」と母から連絡がありました。「お義姉さんがいるでしょ?!」と言ったら「よくやってはくれているけど、嫁は嫁だから…」と言われてしまい、結局私が毎日実家に通うことに。両親の面倒を見るということで兄が実家で同居することになったのに何で私?別に、実家の財産と引き替えに兄が両親の面倒を見ることになったというわけでもないけれど、これじゃあなんで兄が同居することになったんだか…。私は苦労を背負い込むだけですか?

【A】
昔から「いつまでもあると思うな親と金 ないと思うな運と災難」という言われますが、あなたにはこの意味本当にはまだ分からないでしょうねえ…。お母さんも嫁の悪口を言うわけではなく「よくやってはくれているけれど、嫁は嫁だから…」と言ってくれている。毎日実家に通うことになった「私」に兄や兄嫁が感謝こそすれ「財産狙い?」と言う態度で見ているわけでもなさそう。
その上あなたの夫が「俺と子どもの面倒は?」とか「メシは?」という風でもなさそうですね。要するに、あなたはかなり恵まれた状況で「いつまでもあるわけではない親」の面倒を見てあげられることになったというわけです。
「これじゃあなんで兄が同居することになったんだか」わからないとか「私は苦労を背負い込むだけ?」とか、なんともったいないことを言っているんだか!

確かに「両親の面倒を見るということで兄が実家に同居することになった」といういきさつはあり、現に兄夫婦が同居してくれています。兄さんの家族とあなたの両親はこの5年間ほぼ何のトラブルもなく同居してきたわけです。兄さんはともかく、義姉さんとの関係もお母さんの「よくやってはくれているけれど」という言葉に表れていて、文句を付けるほどのことではない。でも80代半ばの父親が自宅で療養することになったのをきっかけに父はもちろん、母も、むしろ母が娘の顔が見たい、娘に甘えたいと思ったんじゃないですか?

車で1時間のところまで毎日通うというのも今まで何もしてなかった(?)あなたにとっては大変な負担かもしれません。そこはお義姉さんともよく相談して1日おきとか3日に1回とか、お母さんに納得してもらうとかしてはどうですか?

結局、なんだかんだと実労働は同居の義姉さんがやっているわけですから、あなたは「いい娘」として最後に親孝行できるチャンスを与えてもらっていると考えてください。米国のアルバート・エリスは1955年頃に「出来事によって人は悩むのではなく、出来事の受け取り方によって悩み落ち込むものだ」と考え、その考え方、認知の仕方を変えれば人は幸せになれるとして「認知行動療法」の1つである「論理療法」を提唱しました。この機会を「私が苦労を背負い込む」と自動的に考える(これを自動思考といいます)のではなく、親孝行のチャンス、私を必要としている人がいる、私の出番!と考えてみてください。
そしてもう1つ。親の面倒を見る=義姉、「女の仕事」と考えるのもあなたの「自動思考」ですよ。
(文:大関洋子)

2016/07/22(金)
第99回【親子編】「娘がいてよかったと思ってたけれど…」
【Q】
大学2年生の娘と高校2年生の息子がいます。息子は部活に夢中で、朝早く出て帰りもかなり遅い時間です。息子については、ほとんど私の出番はなくなりました。娘の方は、小さいころから私と仲がよく、一緒に買い物に行ったり、食事の支度を手伝ってくれたり…。もちろん今でも仲良しで、日曜日はほとんど一緒に出かけます。息子だけだったら寂しい一生でしたけれど、娘がいてくれて本当によかったと思っていました。
ところが先日、娘と買い物に出かけたとき、娘の友達が男性と楽しそうに手をつないで歩いているのに遭ったんです。思わず娘に「あなた好きな人いないの?」と聞きました。「うん」、いないよ」と普通に答える娘に、さらに「寂しくないの?」と聞くと「お母さんと買い物するの楽しいから寂しくないよ。男友達ってなんかめんどくさいし…」と返事が返ってきました。
その時、思ったんです。「20歳になる娘に恋人がいないってなんか変」って。もしかして、私と仲良くしているのが原因でしょうか?

【A】
やっと「私と仲良くしているのが原因」で「20歳になる娘に恋人がいないってなんか変」と気づいてくださったんですね。
まさにおっしゃる通りで、母親と仲良くしていれば「男友達ってなんかめんどくさい」と逃げていられて「楽」な日々を送るわけです。
ですが人間の基本は「対人関係」をうまく出来るように成長し、互いに関わり合って生きていけるようにすることにあります。

人の成長の発達課題で重要な点はそれぞれの年代で周囲の人とどう関わるかです。その課題をクリアしてこそ、人は必要な対人関係スキルを身につけて生きられるようになります。
幼少期には親、特に母親と心身共に距離が近い関係にあり、その中から信頼関係や自立を学び、徐々に意識が親以外の第三者へ向いて行きます。
小学校の高学年から中学生の年代では親よりも友達との関係を大切に感じるようになり、特に同性の友人と仲良くして“どこに行くのも一緒”という時期があります。
この年代の次は青年期、思春期。異性とためらわずに交流する準備として、同性の友人を相手に人との心身の距離感をうまくとるトレーニングの時と言われています。この時期の発達課題を学んで初めて異性ともよい心身の距離が取れるようになり、恋愛、結婚をし、次世代への受け渡しがうまくいくわけです。

今、日本で話題になりつつある、アドラー心理学の提唱者であるアドラーは「子どもの教育で最も重要なことは“対人関係能力”を育てることである」と言っています。
人間の心は社会との関係の中で作られ、どのような人間関係にもうまく適応できるように子どもの成長を促すことが大切であると述べ、それを「共同体感覚」と呼んでいます。そしてこの感覚を身につけるには「相手の立場に立ってその心のあり方を想像する」という共感の能力を育てることだとも言っています。
(和田秀樹著「フロイトとアドラーの心理学」より)
この感覚は、人は生まれつき持ってはいるが潜在的な可能性であって、放っておいても身につかないものなので、ちょうど「自転車乗りの練習」同様、トレーニングが必要です。この共同体感覚が未熟だと自分の利益しか目に入らず、人との良好な関係が築けなくなり、心に対人関係の問題を抱えやすくなります。
気がついた今、娘さんから心身の距離を置くようにして、母との「楽」な対人関係から、他者、第三者との共同体感覚を失敗や苦労を経験しながらでも育てるように心がけてください。
これは、あなた自身のためにも必要なことですから。

(文:大関洋子)