| この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。 主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。 ■大関洋子プロフィール■ (浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー) 1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。 著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。 |
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| 2026/06/01(月) |
| 第330回【子親編】「お互い拒否の両親」 |
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【Q】
夫の両親は、結婚して50年。義父が80歳、義母が76歳、昨年金婚式のお祝いをしました。仕事はしていませんけど、2人ともまだまだ元気で、毎日あちこち飛び回っています。義母は演劇や音楽が好きなので、しょっちゅう1人で都内へ出かけています。義父は人と関わるのが好きなので、お花の先生やお琴の先生にうちに来てもらって、近所の皆さんとカルチャーセンターさながら、定期的に講座みたいなものをやったりしています。ただ2人の関係がすごく悪くて、2人ともお互いに関わろうとしないんです。全面拒否ですね。義父は義母の作った物は食べない、自分の洗濯物も洗わせない、自分の部屋には絶対入れない等々、関わりを持とうとしないんです。義父のそんな態度をいいことに義母も義父との関係を拒否しています。介護が必要になった時には、当然私たちが見ることに抵抗はないんですけど、まだ2人とも元気なのに、2人の関係が悪いために、今の2人に今の状態のまま関わるのは、両方に気を遣わなくちゃならなくてすごく大変です。お義父さんの面倒を見ればお義母さんはどう思うか、お義母さんの面倒を見ればお義父さんはどう思うか、対応にとても疲れてしまって…。元気とは言っても両方が拒否し合っている状況では何が起こるか分からないので放って置くわけにもいかず、対応に困っています。 【A】 義父母の関係がすごく悪くて「全面拒否」でお互いに関わろうともしないことに気を遣って疲れてしまっている。優しくてとてもいいお嫁さんですね。お互い関わろうとしない義父母を何とかして関わらせたいとお考えなんでしょうが、今となっては無理なことです。昨年、50年の結婚生活を祝って金婚式をされたようですね。50年という半世紀をかけて作りあげた2人の関係が「関わらないという関わり方」と理解してください。 「何が起こるか分からないので放って置くわけにはいかず」と言っていますが、お2人は「関わらないという関わり方」をしていますので、良きにつけ悪しきにつけ、ほとんどご一緒のことはないので、万一あなたが心配するような脳出血や心筋梗塞?などになったとしても、救急車を呼んだり、心臓マッサージができるわけでもありません。「何が起こるか」の中に、2人が急接近してどちらかを傷つけるような場面も想像できません。2人が50年という年月をかけて選んだ「関わらないという関わり方」を尊重して、あなたはお2人を「放って置いて」ください。 それをあまりに冷たい態度だと思うなら、義母が嫌がらなければとの前提でですが、たまには一緒に演劇やコンサートに行ったり、義父のお花やお琴のお稽古や発表会のお仲間に入れてもらったりしてはどうでしょう。あなたにそうしたたしなみがないとしても、やってみると楽しかったり、ためになったりするかもしれません。その体験を義母や義父に楽しげに伝えて「今度は3人で行きましょう」などと無理に誘う必要もありません。 ただ、お義母さんと一緒の時はお義母さんとの時間を、お義父さんと一緒時はお義父さんとの時間を楽しめれば充分です。そのうち孫の誰かが「私もやりたい」と言って加わるようなことでもあれば、もっと楽しくなりますよね。お義母さんと一緒の時はお義母さんの息子(あなたの夫)の愚痴をお義母さんに訴えて、お義母さんは夫(お義父さん)の悪口をあなたに話す。2人で夫や息子を蚊帳の外にして義母と嫁が仲良くしましょう。 そういう生活の中で何かが変わるかもしれません。もちろん何も変わらなくてもかまいません。あなたの心配りや優しさはお2人に伝わると思いますよ。 |
| (文:大関洋子) |
| 2026/05/28(木) |
| 第329回【親子編】「子どもと何して遊ぶ?」 |
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【Q】
小学2年生の娘と保育園年長の息子がいます。私も夫も特にジェンダーフリー論者ではありませんけど、子どもが成人した時、ジェンダーが障害になって選択の幅が狭まったり、私たちの子育ての影響で悩んだりすることがないように、できる限りジェンダー的発想に基づいた子育ては避けようと、夫とは話しているんです。でもジェンダーバイアスにはすごいものがあって、私と夫にものしかかってくるんです。20年後くらいにはAIの進化でまったく違った世界になっているかもしれないのに、どうしても今を基準に子育てを考えてしまいます。夫は子どもたちが大好きで、時間を作っては子どもと遊んでくれるんですけど、この前私に「子どもたちと何して遊んでやったらいいんだろう?」と悩みを打ち明けてくれました。夫が言うには「男らしくとか、女らしくとかまったく考えてないつもりなのに、娘とは“おままごと”みたいなことして遊ぶのに、息子とだと“××レンジャーごっこ”になっちゃうんだよ。娘と“××レンジャーごっこ”できなくはないけど、息子と“おままごと”っていうのはねぇ。外で野球とかサッカーをしても娘には“今だけの遊び”って思うのに、息子には“将来はサッカーやらせようかな”って思ったりしちゃう」。夫の言うことは、まったくその通りで、私たちの接し方が子どものジャンダー的発想を養ってしまっていると強く悩んでいます。 【A】 ご夫婦でとても素晴らしい感覚をお持ちですね。給料の格差、社内での昇進格差、家庭内での性役割等、ジェンダーギャップを感じる方は多いと思いますが、親が子どもと遊ぶ時の内容にまで踏み込んで疑問を感じる方はそれほど多くないと思います。 結論から申し上げると、お二人がおっしゃる通り、どうしても男の子、女の子で遊びに差が出ますよね。これをすべてなくし、男の子、女の子でまったく同じ遊びをさせようとするのは無理です。子どもたちは、親子関係の中だけで生きているのではなく、社会の一員でもあるわけですから、様々なところから影響を受けます。それを無理矢理遮って子どもたちを育てようとすれば、子どもたちと周囲との間で摩擦が生じ、子どもたちは友達の中で孤立することになるかもしれません。大切なのは、どんな意識を持って子どもたちに接するかという親の姿勢です。あなた方の子どもに対する接し方は決して間違っていないので、これからも自信を持って遊んで上げてください。 人は誕生した後、周りの人たちから様々な働きかけを受けます。これを交流分析を考案した精神科医、エリックバーン は「ストローク」と呼んでいます。このストロークは人生早期の経験に基づいて、幼児は「自分はこういうものだ、周りの世界はこういうものだ」と決め、同時に「そのような自分がこの世界でどのように周りの人たちと関わり合って生きていくのか」を決める「幼児決断」をします。以後、この決めたものに従って人生を送っていくと言っています。そしてこの生き方の方向性を決める決断を「人生脚本」と呼んでいます。 自分では気づかないので、「無意識の人生計画」とも言われます。私たちは4歳の時までに自分の人生脚本の要点を決め、7〜9歳までに要点をこと細かに完成させると言うのです。この脚本は自分で決めたものなので、「再決断」をすることはできますが、ちょうどあなたの2人のお子さんはまさに両親を中心とした周りの方のストロークを受けて「人生脚本」を作っている時期に当たります。子どもの遊びは、年齢や性別、発達、好みによって特徴がありますが、最近は性差に囚われず多様な遊びを取り入れる傾向も強まっています。心理学や教育の観点からも性別に関わりすぎず、様々な遊びを経験することで、子どもの創造性、コミュニケーション能力の発達に良い影響を与えると言われているからです。幼児期には女の子はままごとやごっこ遊びが王道、男の子は乗り物やバトルごっこ、ヒーローごっこなど、力強さや勝敗を楽しむものを本人も好んだり、父母や周囲も古くからの「らしさ」を強調する遊びをさせてしまい、「女の子は優しくおしとやか」で「男の子は強さや勇気や外遊び」というステレオタイプになりがちです。年齢が上がるにつれて、性別にかかわらず楽しめる遊びも増え、ボードゲーム(囲碁、将棋なども含め)、スポーツなどもできるようになります、。プロスポーツの世界では、女性も活躍しています。つい先日は、競馬の世界で女性騎手が初めてGTレースで優勝しました。 また家庭の中では、男性が家事を担う時間も増え、料理を楽しんだり、育児を楽しんだりするようにもなって来ました。 最初に申し上げた通り、ご夫婦の対応は間違っていませんので、これからもお子さんとの楽しい時間を過ごしてくださいね。親のうち、どちらか片方が対応するのでなく、子どもたちと両親が一緒に遊ぶ時間をたくさん持つのもいいかもしれませんね。最も大切なのは親の背中を見せること。夫婦間のジェンダーギャップをなくし、男女平等な夫婦関係をしっかり築いてください。 |
| (文:大関洋子) |
| 2026/05/15(金) |
| 第328回【夫婦編】「私を慰めることで成り立っていた夫の優しさ」 |
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【Q】
夫とは2年間の交際を経て、昨年28歳で結婚しました。夫は大学の2年先輩でサークルで知り合ったんですけど、学生の時は別な彼氏と付き合っていて、その彼と卒業後も1年間一緒に暮らしていました。ところが彼が浮気していることが分かって別れたんです。寂しくて落ち込んでいる時、慰めてくれたのが今の夫です。学生時代には、今の夫の優しさが分からなかったんですけど、前の彼のことをごちゃごちゃ言ったりすることもなく、私に寄り添ってくれる姿勢とか、日常の振る舞いとか、すごく優しくていい人だっていうことに気づきました。夫のことを十分理解している気になって、結婚するならこの人しかいないと思ったんです。 ところが、結婚した途端、状況がガラッと変わりました。結婚生活がすごくしらけているんです。何が不満なのか説明できないんですけど、一緒にいても楽しくないし、ウキウキしません。立て直そうと思って、色々考えてはいるんですけど、「この人しかいない」って思った夫の優しさは、「私を慰めること」で成り立っていただけで、結婚して慰めることが必要なくなり、これから2人で何か作っていこうって思った時には、優しさを実感できなくなって、何もできない人って感じるようになりました。夫は私と語る言葉も持っていない感じです。この人とこれから先何十年も一緒にいるって考えると、どんどん気持ちが落ち込んでいってしまいます。 【A】 「結婚した途端、状況がガラッと変わった」「夫の優しさは“私を慰めること”で成り立っていただけ」「結婚して慰めることが必要なくなり、これから2人で何か作っていこうって思った時には、優しさを実感できなくなって、何もできない人って感じるようになった」と落ち込んでの相談ですよね。「2人で何かを作っていくこと」が恋人や夫婦の関係をより親密にすることはあなたも分かっていて、それが出来ないことに今後の生活への不安を感じている…。 人は大きな失敗や失恋などで気持ちが落ち込んだとき、「言語」より「非言語」で寄り添ってくれる方が、癒やされ、気持ちが楽になることがよくあります。親や身近な人を亡くしたりしたときも、どんな言葉をかけられるより黙ってそばにいてくれる、それだけで癒やされるものです。言葉はとても大切なものですが、大きな悲しみの前ではその力は充分に発揮されず、「どんな言葉もかけられたくない」と感じたりもします。 同棲していたほどの元彼と別れたあなたへの夫の対応は、まさにそんな状況だったのだろうと思います。あなたが言葉で慰められることを欲していなかったのです。「前の彼とのことをぐちゃぐちゃ言ったりすることもなく」ともおっしゃってもいるので、何か言われることで、元彼との関係を思い出したり、元彼を否定されたりすることも嫌だったんですよね。そんなあなたの気持ちに今の夫はぴったりはまったわけです。 言葉の始まりは、5〜10万年くらい前のホモ・サピエンスの時代に集団生活で複雑な情報共有、道具作りや未来の計画を伝え合う必要があり言葉が生まれたと考えられています。近年、200万年くらい前の遺跡が発見され、危険を冒し協力して得た大型動物の肉を家族や仲間で分け合うため、すでに言葉らしいものがあったのではないかと考えられるようになってきました。 木々を渡る風の音、鳥のさえずり、危険や喜びを表す様々な音から言葉を生み出した時、人間の世界は広がり、大きな発展をすることになったのです。 さてあなたは今の夫を「何もできない人」「私と語る言葉も持っていない感じ」と言っています。結婚前「結婚するならこの人しかいない」とあなたが思った夫は、結婚前と結婚後で変わりましたか? 「結婚した途端、状況がガラッと変わった」のは、夫ではなくあなたですよね。辛い悲しみから言葉で癒やされることを欲していなかったあなたでしたが、寄り添ってくれた夫のおかげで、気持ちを立て直すことができました。ところが、結婚して夫とどんな生活を作っていこうかと考えたとき、「非言語」で寄り添ってくれるだけでは、何かを生み出すことはできません。今、あなたと夫の間に必要なのは、「非言語」の関係ではなく、言葉によるコミュニケーションなのですが、どうやらそこが欠けているようです。 「癒やされたい」「慰められたい」という気持ちから「何かを生み出したい」となったあなたは、違ったものを欲しているわけですから、ここは夫との関係を仕切り直しましょう。「立て直そう」というより、むしろ夫との関係をゼロから考えてみてください。夫はどんな人なのか、あなたは結婚に何を求めているのか…。新たな恋愛をするくらいのつもりで、夫との関係を構築し直してみてください。うまくいかない場合は、結婚そのものを考え直すことになるかもしれませんね。 |
| (文:大関洋子) |
| 2026/04/23(木) |
| 第327回【恋愛編】「結婚の主役はだれ?」 |
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【Q】
今年32歳になりました。3年前地元にある結婚相談所に入会したんです。ここは会員に対する対応が丁寧で、トラブルも少なく成婚率も高いということで、入会を決めました。大手やマッチングアプリほど登録者数が多くありませんが、カウンセラーの対応は丁寧で、なかなか相手を選べない私にとことん付き合ってくれ、相手のいいところ、悪いところ、どんな生活設計が考えられるかなど、不安を払拭するようなアドバイスをしてくれます。成婚料で経営が成り立っているようなので当然なんですけど、最近その丁寧さが逆にうっとうしくなってきました。結婚して子どもを2人持つという家族像を描く人が多いので、私が男性から声をかけてもらえるのは35歳まで、それ以降は、金は持っているけれど、介護してもらうために結婚したいという高齢男性ばかりになってしまうと言うんです。そうなるとどんどん選択肢が狭くなってしまうので、相談所としても困るらしく、親にアプローチするようになったんです。親は結婚にすごく前のめりなので、私の気持ちに関係なく、話が進んでいったりします。気に入った相手がいると親も相談所もしつこくて、冷静に結婚を考えられなくなってしまうんです。結婚の主役は私なのに…。自分で相手を見つけるのは難しいので、相談所はやめたくないんですけど、こんなに嫌な思いをするなら結婚しないことも視野に入れようかと思うようになりました。 【A】 あなたが人生の一大事として「結婚」を考え、地元の結婚相談所に入会。「成婚」を迫られ、うっとうしくなり、「結婚しない」ことも視野に入れようかと思っての相談ですね。 「結婚」を年齢で限界を作ったり、相談所のスタッフが親にアプローチしてまで成婚をさせようとしたり、「結婚」の本質が思わぬ方向へ走り出してしまいました。元々、今のような一夫一婦制の結婚制度は、明治時代に制定された旧憲法の中にあるもので、そこには、家長の許可なく結婚できず、恋愛は「悪事」とみなされていました。(「やまとなでしこの性愛史」和田好子著)そのころは、親の勧めるまま、1〜2回のお見合いで結婚を取り決められ、何度かお見合いを繰り返すだけで非難されました。女性の婚期もごく短く、17、8歳から23歳くらいまで。23歳を過ぎると、「嫁き遅れ」と言われてしまうので、勝負は21歳くらいまででした。そうして結婚したら最後、離婚はとても不名誉で難しく、夫と別れて実家に戻った女性は「出戻り」という差別用語で悪口を言われたものでした。 本来、日本文化の中の「愛と性」は、もっとおおらかで緩やかに結ばれていた結婚だったのに、明治時代に「愛と性」を排除した兵隊要員としての子産みの道具となっていったのです。 現在は恋愛をスタートとした結婚が許される時代になりました。昔のように「夜這い」(元々はお互いに人生観の同じ、相性のいい相手を呼び合うところから始まり「呼ばい」と言われていたようです) 最近では、昔のように親戚や上司が相性のよさそうな男女を紹介しようとすると、職場では、パワハラ、セクハラと騒ぎになるし、親戚の人たちは、うまくいかず離婚にでもなると恨まれることになったりするので、紹介ということはほとんどなくなりました。 結果として紹介をプロに頼むとか、インターネットを利用するとかなるわけですが、プロに頼り過ぎると、あくまでビジネスですから、今回のあなたのようなことになったり、インターネットでは、騙されるということになったりすることが起こります。方法として、プロやインターネットに頼るということを一概に否定はしませんが、大切なのは自分がどんな人とどういう人生を過ごしたいか、築きたいかといった、あなた自身の価値観をしっかり持つことです。 人生100年時代と言われる昨今、結婚を子作りと結びつけず、老後を2人でどう過ごすかに目を向けた結婚の形なども現れ、どんどん多様化が進んでいます。出産年齢も、3、40年前までは30歳以上での初産は高齢出産とみなされ、医療的ケアが必要と位置づけられていましたが、今では40歳での初産も珍しいとは言えない時代になりました。結婚と子作りを結びつけて考えるにしても、単純に年齢から考えるのではなく、自身の価値観の問題と捉えて考えてみてください。 |
| (文:大関洋子) |
| 2026/04/14(火) |
| 第326回【職場編】「何で私が異動?」 |
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【Q】
今の会社に入社して5年です。入社して2年目くらいから同じ部署で同期入社の今の夫とお付き合いを始めて、昨年結婚しました。うちの会社は、夫婦で同じ部署は許されないので、年度替わりでどちらかが異動になることはわかっていました。部署の中での立場は、私も夫も次期係長候補で、ほんのちょっと私の方が給料は上で2人で競っている感じでした。部署の中では私に残ってほしいというムードがあって、直属の上司も私を残す方に傾いていたんじゃないかと思います。ところが異動の辞令が出たのは私で、夫はこれまでの部署に残ることになったんです。私と夫の間では「どっちが残ってもいいよね」ということになっていたんですけど、いざ私が異動っていうことになると、「もうすぐ係長と思っていたのに何で私?」という気持ちが整理できなくなりました。新しい部署に異動になると、慣れるまでに時間がかかるので、私の係長の話は遠くなります。辞令が出る前に、会社が私と夫に希望を聞いてくれたり、会社の方針をちゃんと伝えてくれたりすれば私も納得したと思うし、夫が異動っていうのもあったのかなとも思います。私を異動させたのは、出産と子育てのことを考慮したんだろうと夫とは話をしているんですけど、子どもを作らないっていう選択だってあるわけだし、こんなの絶対差別です。 【A】 社内結婚で希望していないのに女性側が異動させられるのは性別役割分業の古い意識によることが多く、あなたの場合はおっしゃる通り「女性差別」の感じを受けます。 特に「辞令が出る前に会社が私と夫に希望を聞いてくれたり、会社の方針をちゃんと伝えてくれたりすれば私も納得したと思う」とおっしゃっていることから、事前にお二人には何の相談もなかったということですね。そして直属の上司もあなたを残す方に傾いていた、2人とも次期係長候補だったなど、あなたの想像ではありますが、給料も若干違っていることを考えれば、あなたの自分勝手な思い込みとは言えないように思います。そういう中でのあなたに対する辞令です。 会社が「公私混同になるのを防ぐ」「周囲への配慮」「職場の人間関係の円滑化」などを重視したり、「夫婦のどちらかが上司、部下の関係になることによる評価の公平性」への懸念などから、夫婦を同じ部署に置かないというのは当然のことです。あなた方ご夫婦の場合も、どちらかが異動すること自体、問題はないと思いますが、夫婦お二人の間でお話ししている「あなたの妊娠、出産、それに続く子育てを考慮しての異動だろう」ということであれば、あなた方に相談があってしかるべきです。 乱用は許されないとしても、人事権は会社にあると考えられるので、難しい問題ではありますが、あなたが「女性差別」をされたという思いを強くお持ちのようなので、辞令は出てしまっていますが、それを撤回させるくらいの覚悟を持って、「女性側」が異動になった理由を聞くくらいのことはしてもいいのではないかと思います。それをすることで今までの部署に残る夫の昇進も見送られてしまうような会社なのでしょうか? 「女性側」の異動が「差別」によるものであるのなら、女性社員の中で「差別」があることを共有して声を上げることも必要なのかもしれません。 あなたが納得できないのは、「妊娠、出産、それに続く子育ては女性が負うべき負担」という漠然とした雰囲気があることだと思います。これは会社のみならず、おそらく夫婦の間に存在する意識でもあります。ご夫婦でお話ししているようではありますが、もう少し深いところで話をするよう努力してみてください。 |
| (文:大関洋子) |
| 2026/03/31(火) |
| 第325回【子親編】「両親の離婚で私たちの生活が…」 |
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【Q】
夫の両親が離婚を考えているみたいなんです。義父は離婚したくないみたいなんですが、義母はどうしても離婚したいみたいで…。義父は70歳、一度退職したんですけど、エンジニアとしてのキャリアを活かし、再雇用されたんです。再雇用と言っても以前とほとんど変わらず元気に仕事をしています。義母は67歳、まだまだ元気で、仕事こそしていませんが、写真が趣味で、友達と近所を散策したり、旅行に出かけたりして、写真集を出すのが夢と言っています。義母が離婚を考え出したのは、義父に縛られ続け、家事や子育てで自分の人生がなかったっていうことだと思います。言い出したときは、冗談だと思ったんです。でも、どうやら本気みたいで…。私も夫も義母の気持ちも理解できるんですけど、もし離婚ということになったら私たち家族や義弟の家族、義妹の家族など、両親にどう接したらいいのか…。つまらないことかもしれませんが、子どもたちへの説明や年末年始はどうするとか、今後別々の暮らしになった時、誰がどちらの面倒を見るのか、目の前に迫っている介護の問題はどうするのか…、これまで描いていた両親の介護の問題を含めた私たちの生活を一から考え直さなくてはならなくなり困っています。 【A】 離婚をするのは夫の両親です。あなたは自分にかかってくる負担を考えて悩んでいますが基本は当人同士の気持ちと意志に任せることです。あなたは義母からも義父からも何かしてほしいと頼まれたわけではありません。夫婦の問題が本人たち以外には分からないことですから見守ることしかできません。離婚するかしないか、義母は長い間、義父に縛られ続け、家事や子育てで自分の人生がなかったということなど、「だと思います」とあなたが言っているように、あなたの推定でしかありません。義父母のどちらかから、あるいは両方からあなたや夫に相談があった時に心配はしてください。「義母はどうしても離婚したいみたいで義父は離婚したくないみたいで」と言うように「みたい」の段階では、あなたにできることは何もありません。夫の弟や妹の両親への接し方などもあなたが悩んだり口を出したりすることではありません。まあ、もし夫の両親のどちらかから相談されたとしても、できることは限られていますよね。精神科医の和田秀樹さんが「つかず離れず婚 〜人生100年時代〜 夫との関係このままでいい? 義務感を捨てて自由に楽しく暮らすためのヒント 定年世代の新しい生き方」、社会教育や子育てなどの執筆活動をしている杉山由美子さんの「卒婚 〜これからの結婚のカタチ」など、ここ数年で第二の人生の過ごし方や考え方は、大きく変わり多様化しています。杉山さんの本の表紙には「自分らしさを取り戻すため夫婦の契約を結び直してみる」という言葉が書かれています。厚生労働省の人口動態統計によると2018年の離婚件数は208,333組、その後2002年をピークに減少し、同居期間が20〜25年の夫婦の離婚件数はほぼ横ばいで、17,125組となっています。パートナーに対する不満を抱えながら子育てを終えるまでは我慢し、夫が退職したのをきっかけに離婚に踏み切るという夫婦が一定数いるのです。そんな中での離婚以外の選択肢として「つかず離れず婚」や「卒婚」という夫婦の形態が登場しています。これまでの夫婦生活をいったん解消し、緩やかなパートナーシップは結びながら、「それぞれが新しい形で自由に自分の人生を楽しむ」というスタイルです。あなたは、ご自分の心配をするのでなく、義父母が離婚のことで辛くなり、相談をしてくるようなことがあれば、あまり具体的な意見をしたりせず、お気持ちに寄り添うようにしてください。 |
| (文:大関洋子) |
| 2026/03/23(月) |
| 第324回【親子編】「卒園式の服選び」 |
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【Q】
小学2年生の男の子と今年卒園の女の子がいます。保育園の卒園式というのは、一生に何度もない一大イベントですよね。そう思うと服装も大事かなって。上は男の子なので、服装と言ってもほぼお決まりの服しかなくて、色とか柄とかだけ選んだっていう感じでした。三つ揃えが流行ってるみたいで、着にくそうだなと思いながら、人気ランキングが上位の方で値段もそこそこのものを選んだんです。下は娘なので、かわいい服がいいかなということで夫にも相談しながら娘とも相談して決めたんです。ところが、ママ友が集まったときに、うちの子どもに着せようとした服の倍以上する服に決めたっていう人がいたんです。それを聞いた他のママ友も、うちもまだ買ってないからそれにしようかなと言いだしました。そりゃあ、値段が高ければいいに決まってます。でも、着るのは、卒園式と小学校の入学式のみで、他に着る機会はありません。たった2回のためにいくら出すかということなんですよ。夫にその話をしたら、「かわいいんだったら値段じゃないだろ」って言うんです。娘とはほぼ決めていたので、娘にも確認したら、高い服を着ることになったお友達が自慢げに「××円の服を着るんだよ」と値段で話したとか。娘にネットで服を見せたら、娘も高い方がいいと言いだしてしまいました。私も女の子なんだからかわいい服を着せたいと思いますけど、ちょっといき過ぎじゃないかと思います。息子の時はこんなことにはならなかったんですけどね。 【A】 あなたの相談からすぐ思い出したのは、昨年の小学の入学式の新聞記事の写真です。女の子は全員が振り袖に袴、男の子は全員が紋付きの羽織袴。記事は批判的というよりは「皆、かわいくてすごいね」というような取り上げ方でした。大船渡市三陸町の綾里小学校では、明治時代から毎年4月1日に入学式を行っていて、昭和40年代からは新入生が振り袖や袴姿で出席するのが伝統になっています。大規模な自然災害や山火事で自宅が被害を受けた人も、レンタルで和服を着たと岩手放送が報道しています。 昨年入学したのは8人で、入学式には「あいさつと返事をする」「自分の命を守る」という2つの約束を校長先生と交わして、4月8日から小学校での新生活をスタートさせますとあります。入学児童が8人という報道や大きな災害に遭っても、この伝統を守ることで町中の人たちが命の尊さや町の復興に向けて皆で力を合わせて小学1年生の新しいスタートにかける伝統を大切にしたのでしょう。確かに写真には保護者だけでなく町中の人たちが参加しているような写真もあります。この1年生たちの伝統の晴れやかな振り袖袴姿には「何があってもこの幼い命を守り未来を期待する」という多くの人たちの強い思いが込められています。 さて、あなたが悩んでいる卒園式の子どもの洋服は、卒園式と入学式の2度くらいしか着ないとのこと。三陸町の綾里小学校のように幼い命を町全体で守らなければならないという大人の決意の表現であるわけでもないのに親たちの間で子どもに高価な洋服を着せようとする同調圧力を感じます。卒園や小学校の入学はその子にとってはもちろん、親にとっても一生に一度の大切な人生の節目です。誰のための、どんな節目なのか、そういった節目の日に何がふさわしいのか、今一度ご家族で話し合ってみてください。あなたのお宅にはあなたのお宅の節目の迎え方があるはずです。「高価さ」だけを競うのではなく、節目にふさわしい喜びや感謝の気持ちが表現できる服装が選べるといいですね。お兄ちゃんの時は男の子だったからともおっしゃっていることから、あなたの中のジェンダーギャップも感じられます。まずは、お母さんとお父さんが卒園式の意義をしっかり考えることが重要です。 |
| (文:大関洋子) |
| 2026/02/27(金) |
| 第323回【夫婦編】「妊活に対する夫との齟齬」 |
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【Q】
結婚して5年です。今年33歳になりました。結婚前の私の理想の家庭像は男の子と女の子を1人ずつ持って4人家族。ちょっと大げさな言い方だけど、私も仕事を続けて子どもたちに私の背中を見せる。そんなイメージだったんです。子育てと仕事の両立って、当たり前のように言われているけれど、そう簡単じゃなくて、夫婦の意識というか夫の意識というか、そういうものがないとうまくいかないとは思っていました。昔と違って仕事と子育ての両立がしやすい時代になったとは思うんですけど、根本は夫婦の協力ですよね。結婚前は、当然夫とそういう意識を共有していたつもりだったんですけど、実際結婚してみると、夫と私の間に齟齬があり、夫は「家事育児を手伝う」という程度の意識だっていうことが分かったんです。私としては子どもが2人ほしいっていう気持ちを持ってはいるんですけど、「夫婦で子どもを育てていこう」という気持ちが萎えてしまい、妊活に積極的になれなくなってしまいました。夫は妊活に前のめりで、私の気持ちが萎えてしまっているのに、やたら子作りをせがむんです。私としては、夫の気持ちが変わらないなら子どもは作らないという方に傾きかけているし、子どもがほしいという気持ちを貫くなら、離婚も選択肢と考えているんです。 【A】 「82年生まれ キム・ジヨン」という小説を読んだことがありますか? 2023年に韓国で発売されると瞬く間に韓国はもちろん、世界中に広がり、19カ国語以上に翻訳され、映画化されました。韓国では136万部、日本でも23万部突破を記録しました。著者は、チョ・ナムジュ。彼女の姉の実体験をもとに、1人の患者のカルテという形で展開された、一冊まるごと問題提起の書です。カルテではありますが、処方箋はありません。小説らしくない小説とも言える等身大のヒロインと身近なエピソードで成り立っています。 なぜこんなにもたくさんの読者に共感されたかというと、まさに今あなたが悩んでいること、そのものがテーマになっているからです。現代の女性が直面する性差別、特に妊娠、出産、育児などに関する社会的な生きづらさや重圧、仕事との両立を望むジヨンの気持ちと夫の気持ちのズレを描き、世界の女性たちの共感を呼んだのです。 作品の中で「子どもを一人持とうよ。どうせいつかはそうなるんだから」と言う夫を彼女は「あなたは、まるでノルウェー産の鯖を買おうよ」とでも言うみないに何でもないことのように、悩みもせずにそう言った」と書いています。そして彼は「僕もちゃんと手伝うからさ。オムツも替えるし、授乳もするし、下着も煮洗いして上げるよ」と出産後も仕事を続けられるかという不安や子どもが生まれる前から預け先を考えている妻に冷静に話すのです。 女性たちの背景にある生きづらさ、少女時代からの家庭内での差別、就職活動や職場での性差別、育児によるキャリア断絶など、これまで蓄積された「女性としての重荷」が限界に達したキム・ジヨンの妊娠と出産、育児が全編を通して描かれています。精神科にかかるようになった彼女のカルテが原点ですが、「処方箋はない」とはじめに言った通り、再生への一歩は、彼女自身が自分の置かれた状態に気づき、周囲の理解を得ながら、少しずつ自分自身の言葉で社会と向き合い、人生を取り戻して、再生への一歩を踏み出そうとしていく姿で終わっています。 最近、私の研究所へもあなたと同じ悩みで「離婚も選択肢の1つ」と考えているカップルが何組か来ています。女性たちは「家事育児を手伝う」という男性の言葉に「本当に子どもがほしいんでしょうか?」と疑問の声を上げています。この役割分担の重みを男女で分け合うという問題提起は、世界でもやっと始まったところ、議論の対象になっておかしくないところへ来たという感じです。今までの「女は子どもを産んで育てて当たり前」、「それを手伝う男は立派」という感覚から、あなたのように「夫婦で」という感覚になる日が来るよう願っていますが、まだしばらく時間がかかるように思います。 気持ちを真っ直ぐ夫に話すことから始めてみてください。夫婦生活の根本的な部分なので、理解し合えないようなら、あなたのおっしゃる通り離婚も選択肢ということになるかもしれませんね。 |
| (文:大関洋子) |
| 2026/02/24(火) |
| 第322回【恋愛編】「ベトナム人の彼と結婚したい」 |
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【Q】
3年前、コンビニのアルバイトで彼と知り合いました。彼はベトナムからの留学生で、来日2年目でした。日本語を教えて上げたり、一緒にいろいろなところに出かけて、日本文化に触れさせたりしているうちに親しくなって、付き合うことにしたんです。なぜベトナム人の彼と付き合おうと思ったかっていうと、日本の男の子たちに比べて真面目で優しかったから。日本人の男の子って、優しいふりはするんですけど、ほとんどの男の子は「男の言うことを聞け」みたいになっちゃって本当は優しくないんです。何人かと付き合ったことあるんですけど、全然長続きしませんでした。ベトナムっていう国がそうなのかは分かりませんけど、少なくとも彼には女を見下したりするところがないんです。彼の友達のベトナム人も、日本人の男の子みたいじゃなくて、彼と同じように優しいんです。大学卒業後、彼も日本の会社に就職できたし、2年半付き合って彼のこともだいぶ理解できたので、結婚も考えるようになりました。うちの親も彼には何度も会っていて、とても気に入っていたので、結婚も賛成してくれると思ったんですけど、結婚の話をした途端、急に顔がこわばって、猛反対されてしまいました。結婚の話をした後は、彼と会おうともしないんです。文化の違いはあって、苦労はすると思うんですけど、女を見下すような男と結婚するよりはるかに幸せになれると思うんです。 【A】 アルバイト先でベトナム人の男性と知り合い親しくなり、結婚したいと両親に告げたところ猛反対され、どうしていいか困ってのご相談です。 両親も彼に何度も会っていて気に入ってくれていたので賛成してくれると思ったとおっしゃっているので、猛反対されたことは想定外だったのかもしれませんが、「文化の違いはあって、苦労はすると思う」ともおっしゃっているので、あなたの中には反対されることもあるとわかっていましたよね。親が娘の結婚に望むものは娘の幸せです。娘が幸せになるにはどのような結婚が理想かと言えば、最初からあまり苦労することなく安定した生活を送れるような結婚です。日本人同士の結婚でも、親に祝福される結婚をしたいと思うとある程度のハードルはあるのに、あなたの選んだ相手はベトナム人。しかもすでに生活基盤のしっかりした人ならともかく、まだ安定した生活を手に入れられていない相手。すべて娘の気持ちを尊重するという両親なら別ですが、猛反対に遭うのは当然です。 最近の日本は、外国人に対する風当たりが大変強くなっています。不法移民、不法滞在は許されないとしても、根拠のない誹謗中傷に晒されたり、時に具体的ないじめにあうこともあるのが現状です。「外国人による犯罪率が日本人による犯罪率よりも高い」というような検証の不十分な情報が拡散されたり、外国人を排除しようとのデモや集会も行われています。そういった現状から、あなたの両親も気に入っているとは言え、彼を信用しきれない部分があったり、理解するのが難しかったりして、あなたの一生に関わる彼との結婚を簡単に受け入れることができないのでしょう。ただ、外国人というだけでなく、ベトナム人であることも、反対の根本にあるのかもしれません。あなたの両親がというより、まだまだ日本に残っている差別意識も無関係ではありません。 さてあなたの彼の母国ベトナムですが、昨今日本との関係が急速に近くなった国です。アジア地域の中でも女性の社会進出が進んでおり、2024年のジェンダーギャップ指数は、145カ国中72位。日本の118位より大幅に順位は上で、国会議員の女性の占める割合は30%超と世界平均を上回っています。男女平等の促進に積極的です。実際には家庭内の役割負担や指導的地位への女性登用などの課題は残っていますが、国民性として明るく親切で、笑顔でコミュニケーションを取ることを好むとされています。あなたが彼に抱くイメージ、「日本の男の子たちに比べて真面目で優しかったから。日本人の男の子って、優しいふりはするんですけど、ほとんどの男の子は「男の言うことを聞け」みたいになっちゃって本当は優しくない」は、きっとその通りなのでしょう。 時間はかかるかもしれませんが、結婚に対するあなたの考えをご両親に話し、彼がご両親と会えるよう努力をしてみてください。「文化の違いはあって、苦労はすると思うんですけど、女を見下すような男と結婚するよりはるかに幸せになれる」というあなたの気持ちや彼の人柄がさらに理解されれば、ご両親の気持ちも変わっていくと思います。 |
| (文:大関洋子) |
| 2026/01/30(金) |
| 第321回【職場編】「ガラスの天井を打ち破るって…」 |
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【Q】
「ガラスの天井」って言葉分かります?「資質・実績があっても女性やマイノリティを一定の職位以上には昇進させようとしない組織内の障壁」(ウィキペディア参照)のことですよね。うちの会社に女部長がいるんです。大学卒業後入社して、今45歳なんですけど、ほとんどの部長が50代だから大抜擢ですよね。「今後は役員?」って、私も入社したてのころは憧れてたんです。うちの会社って頑張ればああなれるんだって見本みたいな…。でも入社して1年もすると「全然違うじゃん」て気がつくんです。上には女として媚びを売る、下はかわいい男の子ばかりを可愛がって、女にはは冷たい…。会社も絶対分かってるんです。分かってて「男女平等を実践してる会社」って外部にアピールしているわけですよ。私たち女性社員は、「騙されないんぞ!」って思うんですけど、女性社員の中には、部長のやり方をまねしようとする子もいて、分断されているというか…。そういう部長の態度に嫌気が差してやめちゃう子もけっこういるんです。私も退社も考えているんですけど、今の条件で別の会社に移るのもそう簡単じゃないし…。 【A】 「ガラスの天井」って透明なガラスでできている天井なので、その透明なガラスの向こうに大きな青空が見えるのに、ガラスが邪魔をして大空へ飛び出せない、すなわち能力や実績があるにも関わらず、性別や人種、マイノリティであるだけで、女性や少数派が企業などの組織内で一定以上の職位に昇進できない「見えない障壁」を示す比喩表現ですよね。透明なガラスのようにそこに障壁が存在している事が分かりにくいものの、確かに昇進を阻む要因としてあるものという意味で1970〜80年代のアメリカから広く使われるようになりました。 あなたが退社を考えているのも、45歳の女性の先輩が50代の男性がやっと獲得している部長の地位に大抜擢され、はじめは憧れていたけれど、結局この扱いは「うちの会社は偉いだろう!男女平等を実践しているぞ!」という人寄せパンダだった!その上、その女性は上には媚を売り、部下は男の子を可愛がり、あなたは、こんな生き方嫌だ!と思えてきた。あなたのように「無意識の偏見」アイコンシャスバイアス(「男は仕事、女はリーダーシップが実はない」という)があるという会社だということに気づいて、この会社をやめたいと思う。その上、その部長を真似して昇進しようとする女性と私のように思う女性とが分断されてる。何とも悔しいですよね。 日本では先進諸外国に比べて管理職や役員に占める女性の割合がとても低く、「ガラスの天井指数」は29ヶ国中28位という順位です。このためジェンダーギャップ指数は146ヵ国中116位にとどまっています。日本は「女性活躍後進国」と言われています。2020年までに指導的地位に就く女性比率30%を目指すとしていた政府の目標も未達成で先送りの計画に書き換えられているのが現状です。 さて、こうした現状の中で媚を売ってまで部長にはなりたくないと退社を考えているあなた。退社を考える前に、あなた自身が「ロールモデル」になるという道もありますよね。「あの人のようになりたい」と後輩が思ってくれる憧れの存在になる、そんな生き方も1つだと思います。ガラスの天井は堅いけれど、それを破れば青い大空へ飛び出せる可能性を持った組織の一員であることも忘れずに。 女性には何層にもなった「ガラスの床」と言われる障壁もあります。「天井」よりも細かい階層を指して使われます。例えば係長、課長、部長などたった1ランクの昇進を阻む壁、バリキャリを目指す未婚の女性、子育てをしながら働く女性、余暇を楽しむことを中心に据えて働く女性、働きたくない女性など目指すものの違いによって生じる壁、他にも職種による壁、例えば看護師、保育士、事務職、接客など女性に多く割り当てられる職種も存在します。 あなたの立っている層はどこなのか、しっかり確認して、自分の進む道を選択してください。もし選択が間違っていたとしても、やり直す機会は何度でもやってきますよ。 |
| (文:大関洋子) |