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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2022/05/23(月)
第233回【夫婦編】「15万で足りるわけない」
【Q】
結婚して15年、中学1年生と小学5年生の息子がいます。夫とは仕事の関係で知り合い、3年間お付き合いをして結婚しました。男として「可もなく不可もなく」っていう感じだったんです。一緒にいて面白いわけでもないけれど、それがかえって安定した男に見えたっていうか…。結婚生活も面白くはないだろうけど、まあそれなりに「いい家庭」が築けるかなって。結婚前には分からなかったんですけど、結婚して分かったのは、「この人、私と家庭を築こうっていう気がないんだ」っていうことです。家事や子育てをほんのちょっとは手伝ってくれるんですけど、夫とか父親の義務みたいにやるだけで、私や子どもたちへの愛情なんて全く感じられないんです。夫婦生活のすべてがそんな感じです。夫婦って何だろうって思っちゃいます。そして、一番困るのは、夫が私に渡す生活費が月15万円しかないってこと。夫の給料がいくらなのかも知りません。「増やして」って言っても「これ以上は無理。あとはおまえが働いて何とかしろ」って言うんです。夫の様子からしてそんなにないわけないと思うんです。扶養の範囲を超えて働くなんて無理だし、塾や今後かかる教育費のことも考えると不安でしかありません。

【A】
女性が結婚相手に求める条件として「三高」(高収入・高学歴・高身長)という言葉がバブル期に流行しました。今は「三優」(私に優しい・家族に優しい・家計に優しい)という言葉に変わりつつあります。30年くらい前の調査では、世界各地37の文化圏の男女に結婚相手の経済力の重要度について尋ねた結果、日本は勿論のこと、アメリカ、オーストラリア、ザンビアなど万国共通で、女性は結婚相手の経済力を優先順位の1位に挙げています。(1993年.Buss&Schnitt)30年たった今も言葉は「三優」に変わりましたが、2021年12月1日、一般社団法人日本リレーションシップ協会調べでは女性が結婚相手に求める三条件を聞いたところ、「経済力」がダントツの1位となり、2位が価値観、3位人柄となりました。

私たち祖先の女にとって、夫に経済力があるかどうかは自分や子どもの生死に直結する大問題でした。狩猟が上手でたくさんの獲物を女や子どもに与えられる男を夫に選んだ女は、そうでない男を選んだ女より長く生き延びてよりたくさんの子どもを残せたことでしょう。
今は洞窟の外に出て危険な狩りをするわけではありませんが、あなたの夫は「家族に愛情もなく」「家事育児もほんのちょっと手伝うだけ」とのこと。「家庭を築こうともしない」というのですから、もし洞窟時代だったら、さしずめあなた達親子は生き長らえなかったかもしれませんね。夫から「お前が働いてなんとかしろ」と言われても、家事育児に明け暮れた15年。仕事のブランクがある上に、男女同一賃金、同一労働同一賃金などという法律はあっても、男と同じ仕事に就けるという現実はないのですから、あなたが「無理」というのもわかります。

しかし考えてみれば「可もなく不可もない」男性を「安心」と感じて夫に選んだのが失敗。その「安心」が「不安」に変わったわけですから、二人のお子さんのためにも、自分の選択ミスを補うためにも一念発起、勇気を出して仕事に就いてみましょう。外に出てみればあなたにもいい刺激になるし、夫も頑張るあなたを見て生活費を増やしてくれるかもしれません。
それ以前に夫の給料がいくらなのかも知らず、「増やして」と言っても「これ以上無理」と言われ、あなたは「夫の様子からそんなはずはない」と思っている(女遊びをしている、ギャンブルにはまっているとかお考えなのでしょうか?)という家計のやり方がまず間違っています。まずは夫に給料をきちんと聞いて、あなたがいくら働けばいいかを夫としっかり話し合うことから始めてください。

(文:大関洋子)

2022/05/18(水)
第232回【恋愛編】「SEXのことは譲れない?」
【Q】
優しい人だと思ったんですよねえ。デートは私の行きたいレストラン、遊びに行きたいところ…。
私が「××に行きたい」って言えば、彼の行きたいところが違っても喜んで連れて行ってくれる。それが彼の私に対する優しさだと思ったんです。1年経った今も、そこのところはあまり変わらないので、彼が優しさだと思っているのはそういうことなんだなって思います。でもこの前、ホテルに誘われた時、会社で嫌なことがあったし、体調もいまいちだったから「今日はやめよっ」って言ったんです。そしたら怒ったわけじゃないんだけど「いつも君の言う通りにしてあげてるんだかいいじゃん?!」って言ったんです。「この人そんな風に思ってたんだ?」ってびっくりしました。あまり気乗りがしなくても付き合ってあげることだってあるんですよ。食事のこととか、遊びに行くところとかでそんな風な態度を取ったことないので「SEXのことは譲れないってことなんだなあ」って思いました。男って、どんなに優しい人でも性欲のことは譲れない一線なんでしょうか。性のことって私も大事に思うけど、どちらかの欲求の問題じゃなくて、2人の問題ですよね。

【A】
66年前、1956年に公布、翌1957年に施行された法律に「売春防止法」があります。これを読んで字のごとく「売春」となっていて、「性」を売る側、主に女性だけを対象にして補導したり処罰したりする法律です。買う側の男性への処罰は明記されていません。何度も女性国会議員や一般の女性たちから見直しの必要が叫ばれてきましたが、抜本的な法改正はなく、多少の手直ししかされず、66年間も「性」を売る女性たちが処罰されてきました。今年4月やっと超党派の改正案が通り、2024年4月に施行されることになりました。

この長く続いた「性行為を行うこと」で対償を受けとることを防止・禁止する法律、売春防止法第一章第一条(目的)では「売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであることにかんがみ、売春を助長する行為等を処罰するとともに、性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子に対する補導処分及び保護更生の措置を講ずることによつて、売春の防止を図ることを目的とする」とうたい、第二条では「「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」と定義しています。

要するに、66年間も続いた男女不平等な法律にさえ「対償を受け、又は受ける約束で行う「性行為」は、「人としての尊厳を害するもの」と規定されているのです。法として規制しているのは「不特定の相手」ではありますが、特定の相手だとしても「人としての尊厳を害するもの」というのはまったく同じです。特定の相手との関係とは、本来お金を伴わず、相手を気遣う関係であると考えれば、むしろその方が「尊厳を害する」ということになるとも言えるかもしれません。

彼が今までの「優しさ」「いつも君の言う通りにしてあげてる」ことと引き換え(対償)に「性行為」を要求したことで、あなたが「人としての尊厳を害された」と感じ、「SEXのことは譲れないってことなんだなあ」と思ったことは、とても大切なことなのです。はるか昔の狩猟採集時代、干ばつなどに見舞われてどんなに探し回っても食べられる木の実1つ、草の根1つ見つからない、そんな時にたまたま獲物を仕留めた一人の男がいて、その男とのSEXと引き換えに食料を手に入れた女性が、そうしなかった女性より生き延びた時代があったかもしれません。男がSEXと引き換えに何かの資源を提供すると、その性行為は愛のコミュニケーションではなく、限りなく売春に近い「人としての尊厳」を害するものになるのです。生きることの目的が「種の保存」だけでない現代社会における男女の関係として、あるべき姿ではありません。
売春防止法には「対償を受け、又は受ける約束」と「不特定の相手」という2つの条件が挙げられていますが、今後、もしあなたが彼と結婚して夫婦になった時、夫から渡される生活費が、「性行為」や家事育児の対償にならないことを願っています。



(文:大関洋子)

2022/05/06(金)
第231回【職場編】「男と女では汗の意味が違う」
【Q】
また夏がやってきます。
私の職場では、男性外回り、女性内勤とほぼ決まっています。ある程度は希望も出せるので、女性でも外回り、男性でも内勤ということもありますでも、会社は希望を通してくれるのに、私達社員がそうしないんです。以前、外回りの営業で男性より優秀な結果をだしていた女性の先輩がいたんです。「課長も近い」なんて言われてました。
夏になると外回りは大変で、クールビズと言っても上着は欠かせない。営業に行くのにタクシーは使えない。歩いている時はシャツだけでも、営業先でまさか汗でグショグショで下着が透けるようなシャツというわけにもいかないので、上着を羽織るんです。でも冷房で身体が冷えるまでは汗が噴き出るじゃないですか。うちの会社に戻ってきても同じなんです。自分の会社では上着は羽織りませんけど、そうすると汗で下着が透けたり、脇汗のシミが見えたり…。ノースリーブだったりするともっといろいろ見えますよね。それが男性社員の視線の餌食になるわけです。それってかなりきついんです。それが原因で、先輩も昇進を諦めて内勤に戻りました。男だって女だって汗かくのは同じじゃないですか。でも汗の意味が違うんですよ。

【A】
まったくその通りですよね。
せっかく男性より優秀な結果を出していた女性の先輩、「課長への昇進も近い」とまで言われていたのに、「彼女のかく汗」が男性社員の視線の餌食になり、それが原因で昇進も諦めて内勤に戻ったとは…

そもそもその先輩が「汗」をかいてでも外回りの仕事を一生懸命やっていたのは、彼女がその仕事が好きだし、何よりも外回りをして会社に貢献したいという気持ちがあってのことだったんですよね。農耕時代なんて、女も男も区別なく「汗水垂らして」畑を耕していたんですものね。そうやって男女ともに働かないことには生きていけない時代には、女の汗が男の視線の餌食になるようなことはなく、男女ともに「汗水垂らして」働くことは美徳でした。

ですから、汗にまつわる故事、ことわざ、慣用句も多く存在します。「人のためにひと汗かく」「汗水流す」「汗と涙(血)の結晶」「額に汗する」「玉の汗を流す」等々、苦労をいとわず一生懸命働く様や大変な苦労や努力を重ねた末に得た成果のことを指しています。「冷や汗をかく」「汗顔の至り」「手に汗を握る」にしても、男女を問わず恥ずかしさや危険な状態、緊迫して緊張したりする様子を表しています。こう考えてくると、男の汗と女の汗の意味を違って考えるのも、現代社会におけるジェンダー、明らかに性差別です。

企業の「ダイバーシティ(多様性)」の普及は1990年代から言われ始めて、未だ実現にはほど遠く、令和2年(2020年)に経済産業省は「ダイバーシティ2.0一歩先の競争戦略へ」と題して、性別や年齢、人種、障害、価値観、ライフスタイルなど、「表層的」「深層的」いずれの差別もしないでという呼びかけをしています。
服装や化粧の強制をしない、男性の化粧も可とした企業もあるかと思えば、「#KUTOO」(靴と苦痛をかけて名付けた)運動に代表される女性の靴については、未だに航空会社や百貨店など、ヒールの高さ4〜6p、着地面の幅は2〜4pと細かく規定しているところもあります。ただ、生命保険会社などでは、ヒールの高い靴とスカートでは、緊急避難時の対応ができないとして、スニーカー勤務を奨励する企業も出てきています。

「#KUTOO」運動は「表層的ダイバーシティ」への動きでわかりやすいのですが、あなたの相談のような「汗」の問題は、「深層ダイバーシティ」に関わる価値観のずれですから、なかなか改善は難しいのですが、多様な価値観を受け入れられる社会の風土作りが大切なので、あなたの考えを周囲に「#MeToo」し続けてください。
(文:大関洋子)

2022/04/20(水)
第230回【子親編】「同居してやるって言ってるのに…」
【Q】
結婚して15年、42歳になります。夫の両親とは割と近くに住んではいるんですけど、お義母さんの負担も大きいだろうと、2年前同居を前提に2世帯で暮らせるようキッチン、トイレ、浴室が2つずつある家を建てました。義父とは同居の話もしていたので、まさかとは思ったんですけど、義母に反対されてしまいました。義母は、建築の費用を自分たちに半分くらい出させようと私が企み、夫を説得して2世帯住宅を建てたと思っているらしく、夫とは口をきくのに私とはそれ以来1度も口をききません。費用のことなんて言ったことも考えたこともないんです。どちらかと言えば、夫が同居に積極的で私はむしろ反対だったんです。私の本音は、費用を全部もってくれても、長い間私が介護をしなければならなくなるかもしれない同居は嫌です。義母は周りに「息子と孫とは同居してもいいけど、嫁とはね…」と言っているそうで、私も義母に「こっちが同居してやるって言ってんだよ!」って言ってやりたいです。

【A】
まったく!
あなたの怒りはもっともです。自分の親さえろくに面倒看てやれないのに夫の親と同居して24時間勤務で看てやろうというのに何よ!
その「息子と孫とは同居してもいいけど、嫁とはね…」っていう台詞!

あきれてものも言えない…。でも言わないと腹が立つから言うけど、「息子におむつを替えてもらえば?!あなたたちとの同居に積極的だった親孝行息子のことだから、きっとあなたのおむつくらい替えて、おしりを拭いてくれるでしょうよ!」「えっ、息子にそんなことさせられないし、自分も恥ずかしくて嫌だ?!でしょ、でしょ?!そうやって結局最後は嫁の私にその仕事が回ってくるわけ。長男の嫁なんだから、やって当たり前?!そんなこといつから誰が決めたのさ?!」

家父長制になってから、私たち女は幼いころは父親の言うことをよく聞き、おしとやかで優しく、兄たちがウナギを食べていても私たちは安いサンマ。いたずらをしても兄たちは叱られないのに私たち女の子は「そんなにおてんばだといいところにお嫁に行けませんよ!」と叱られる。おとなしくしていてやっと「いいところ」へお嫁に行けたと思ったら夫が「白いものを黒」と言えば、私たちも「黒」と言わなくてはならない。その夫との間に出来た子どもは正真正銘夫との間の子どもなのに、「おれは仕事が忙しい、子育てはおまえの仕事」と今で言う「ワンオペ育児」を強いられ、たまにお風呂に入れただけで、「おれは育児を手伝ういい夫だろっ」と豪語する。「手伝うって何?あなただって子どもを作った当事者でしょ!」

日本では、家事、育児、介護、これらは当たり前に女の仕事です。そして一銭の対価も支払われない「アンペイドワーク」です。男たちが命がけで家族のために洞窟からマンモス狩りに行っていた大昔ならいざ知らず、未だに「アンペイドワークは女がやって当たり前」という感覚が残っています。そしてその中でもこの「夫の両親との同居」は、もっとも夫婦関係に影響していて、姑と同居している人の8割以上がストレスを感じると回答していて(ハルメクWEB)、離婚に発展することもあります。
お義母様は、自分がアンペイドワークで苦労してきたので、嫁がそれをしないのは腹立たしいのでしょう。あなたはお義母様と育った時代が違う上に環境や価値観まったく違う赤の他人。幸いキッチン、トイレ、浴室が2つずつあるとのこと。まず物理的距離を置いて、女同士ということで少しずつ仲良くなってください。それにはあなたの夫があなたとお義母様の間に入って関係を築くのではなく、あなたが夫とお義母様の間に入るような人間関係になるよう努力してみてください。
(文:大関洋子)

2022/03/28(月)
第229回【親子編】「スカートの方がかわいいよね」
【Q】
女子高2年生の娘がいます。娘の高校は式典の時などの正式な制服はワイシャツ、ベスト(ジャケットと同じ生地の)、ジャケット、スカートの組み合わせなんですけど、3年前から毛糸のベストやセーターも可、1年を通して式典以外は制服用のパンツも可になったんです。1年生の冬、娘はパンツで登校していました。登校の様子を見ていると、パンツは20人に1人くらいだったでしょうか。パンツの子はパンツの子で固まっている傾向もあるように思います。春になっても娘はパンツのままだったんですけど、ほとんどの子がスカートになったんです。男子はいないとはいえ、“パンツだと差別されたりしないのかなあ”と思った私は、つい「女子高生はスカートの方がかわいいよね」と言ってしまったんです。“あっ、まずい”って思ったんですけど、娘は口をきいてくれなくなり、夏のどんなに暑い日でもパンツで登校していました。ところが、秋の終わりくらいからスカートを履き出したと思ったら、今度は雪が降ってもスカートで通学してるんです。この冬はパンツの子はほとんど見かけなくはなったのですが。私が「寒くないの?」と声をかけても“ふん”という態度で聞こうともしません。娘と普通に口がきけず困っています。

【A】
「女子高生はスカートの方がかわいいよね」はご自分でも“あっ、まずい”と思ったんですよね。よくわかりましたね。「女子高生がパンツだと差別される?」というあなたの感覚の中に「女の子はスカートを履いておしとやかで可愛げにしていた方がいい」という「女性はこうあるべき」という固定概念があります。やっとお子さんの高校でも式典以外はパンツが可になり、1年生の冬からパンツで通学していたのに「それは可愛くない」というメッセージを送ってしまったんですね。

そもそもスカートの歴史をひもとけば、古代ヨーロッパでは性別を問わず男女共にスカートのような形状の衣服を着用していました。スコットランドに伝わる伝統的な衣装の「キルト」はタータンチェック柄が有名で、行事などの正装として用いられる男性用のスカートです。戦いに従事して乗馬や激しい動きが必要な男性にとってスカート状態の衣服は活動的でなく、農耕文化を持つアジア圏での労働者が着用していたパンツが欧州にも伝わり、その機能性から男性たちの支持を集め、男性の衣服として普及していったと言われています。

男子がパンツを履くようになったころは、女性が男性と同様の服装をすることが許されない風潮があり、中世以降はスカートの内側にフープを入れて大きく広げる立体的なデザインや装飾がなされ、女性が美しいスカートやドレスを身につけることは父親や夫の富や権力の象徴だったという歴史もあります。女性しかスカートを履かないのではなく、かつての女性はスカートしか履けなかったのです。
第二次世界大戦を機に、女性も活発に動けるパンツスタイルが増加していくことになりました。日本では農作業にモンペを履いていましたが、工場などでも作業のしやすさからズボン(英語のパンツに対して仏語のズボン)を履く女性が増えていきました。
女性がズボンを履く権利を求める運動は様々な男女平等の権利を求める運動と連動して進んできました。日本で女性が選挙権を獲得したのも女性がズボンを履けるようになった第二次政界大戦後のわずか80年ほど前のことです。

最近やっと、男性と同じようにかかとの低い靴が女性にも公式の場で許されつつあるのはご存じの通りです。そうは言ってもNHKニュースの天気予報コーナーをみると気象予報士の女性が動きづらいにもかかわらず、やたらと高いヒールの靴を履いているのが気になります。

Me Too運動でやっと手に入れたパンツスタイルをお子さんは意識するために着用していますよね。小学生の時から男子が先で女子があとの男女別名簿を使っている学校教育や相も変わらず時代遅れな男性・女性像を流し続けるメディアの中で、お子さんは古い既成概念の母親に抵抗を試みているのでしょう。もしかすると誰か気になる男の子でもできてスカートを履くようになったのかもしれませんが、お子さんの一人の人間としての生き方、主張を、あなたの古い感覚を押しつけるのではなく、見守ってあげてください。
(文:大関洋子)

2022/03/22(火)
第228回【夫婦編】「“私は家政婦じゃない”と思う私の心に…」
【Q】
やっと子育ても終盤を迎え、子育てから解放されて自分らしい生き方でも探そうかなあと思っています。子どもとの関係はすごく変わりました。でも変わってないことがあります。夫との関係です。男女の関係って、出逢ってから死ぬまでに3回変わる時があると思っていました。結婚する時、子育てが終わる時、夫が退職する時です。今は2番目、子育てが終わる時だと思うんです。「男は仕事、女は家庭」みたいな状況が一変すると思っていたんです。ところが夫にはそういう意識がないらしく、何も変わりません。帰ってくる時間も、帰ってきてからの態度も変わらない。帰って来るなり「風呂」「飯」「寝る」…。夫は私を家政婦くらいに思っているんでしょうか。「男と女」から「父と母」になり、もう一度「男と女」になるぞって思っていたのに、夫の意識は結婚してからずっと「雇い主と家政婦」で、もしかすると死ぬまで変わらないのかもしれないと思うようになりました。でも一番問題なのは、そういう夫ではなく「私は家政婦じゃない」と思いながら、心の中に「人生、その方が楽かも」っていう気持ちがある私なんです。

【A】
「雇い主と家政婦」という夫婦関係に異議を唱えながらも「その方が楽」と思っている自分が問題だときちんと「自分の問題点」を捉えているんですね。夫に「私はあなたの家政婦じゃない」と思ったり言ったりしながら、実は内心「それが楽」と思っている自分に向き合っていない人が多いのも現実です。

35年前に男女雇用機会均等法が成立し、社会で働くのには男も女も平等であると定められました。法律はできたものの実際は絵に描いたもちであって、女性が働いて男性と同じ待遇、同じ給料を得られる職種や職場はごくわずかです。男が外で働き、女が家で家事育児というパターンは大きく変わってはいません。そして家事育児という仕事にはあなたのいう「夫という雇い主」からの給与の支払いはなく、生活費を与えられるだけの「アンペイドワーク」(支払いのない仕事)と呼ばれています。家事育児だけでなく親の介護、しかも、自分の親は勿論、夫の親の介護まで妻に任せて当たり前という状態はまだ沢山あるのが実態です。

今年もジェンダーギャップ指数が156カ国中120番目という低い順序を示しています。これは先進国の中で最低レベルです。この指数は「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野のデータから作成され男女格差を測っています。男性に育児休暇が取れる制度があっても取る人はごくわずか、それも1週間とかいう短い休暇で本当にそれで子どもが育てられるわけでもありません。まあ、ないよりはいいのですが、女性は家事育児介護などに費やす時間は約8時間、それに比べて男性は約3時間というデータも出ています(子育て世代の平均・男女共同参画局)。しかも、これは女性も働いている場合の統計なので、あなたのように「主婦」として「家政婦」代わりに家事育児をなさっている場合、夫の家事育児時間は限りなく0に近く「めし、風呂、寝る」という生活になります。

2019年に韓国の女性作家が自身や姉のことをテーマに描いた「82年生まれ、キム・ジヨン」という小説は世界16カ国で翻訳、映画化もされ、大きな共感を呼びました。女性が家事育児介護の中で、心のバランスを失っていく様子が異例の大ベストセラーとなって社会現象をまき起こしています。
あなたが「その方が楽」な自分を責めず、少しずつですが男女差別のない社会づくりをすすめられたらいいですね。
(文:大関洋子)

2022/03/04(金)
第227回【恋愛編】「俺を長時間待たせただろ!」
【Q】
彼とは付き合って半年です。夏に友達と河原でバーベキューをしたんですけど、その時友達の彼氏が連れてきたのが今の彼です。彼が来ることを聞いていなかったので、ちょっと戸惑いました。バーベキューって器用か不器用かとか人柄とかわかりますよね。彼は器用で気の利く優しい人と思ったので気に入ったんですけど、彼が私をどう思ったかはよくわかりません。でも付き合うことになって「初めて会った時、かわいい子だなって思ったんだよ」って言ってくれたので…。私は半年間いい関係が続いていたと思っていたんです。でも先日ファミレスに食事に行った時、なかなか注文が決められない私に向かって彼が「ウザいんだよ。この前洋服買いに行った時も俺を長時間待たせただろ!」って言われてしまいました。私は、相手が決められずに待っている時間も2人の楽しい時間の一部と思っていたのでものすごくショックでした。ファミレスでの注文のことだけなら“よほどお腹が空いていたのかな?”ですんだと思うんですけど、服を選んでいる時のことまで言われると…。これからそんなことにまで気を遣わなきゃならないの?って思うと不安しかありません。

【A】
人が「待てる時間」は人それぞれです。その人の性格だったり、その時の事情だったり、待つ人と待たれる人の関係性だったりで違います。人によっては恋人や夫が返ってくるのを待って一生を過ごす人もいると思えば、あなたの彼のように5分か長くても10分くらいの注文が決められないあなたに怒ってしまう人もいます。そしてあなたは楽しんで待っていてくれたと思っていた洋服選びの時間も「俺を長時間待たせただろ!」と言われてしまったんですよね。

残念ですが明らかに彼はあなたのことをもう好きではありませんよね。もし本当に愛していれば、二人で一緒にいられれば、たとえどこで何をしていても楽しいはずです。洋服を選んでいるあなた、メニューを決めるのに迷っているあなた、そんなあなたをそばで見ていたり待っていたりするだけで幸せを感じるもの。「初めて会った時かわいい子だなって思った」とのことですが、その気持ちは半年もたたないうちに消滅してしまった、あるいは「かわいい子」の意味が最初から矮小化したもだったのですね。
だからといってあなたは「自分は初めかわいいだけの子だったんだ」と落ち込まなくて大丈夫です。多分、彼は洋服を買った後、ファミレスで食事をした後、あなたと性行為をしたかったのかもしれませんし、洋服を買うあなたと洋服を選ぶお手伝いをすることやゆっくり決めたメニューを美味しそうに食べることを楽しむのではなくて、それらは「仕事」のように「早く済ませて」やること=性行為をしたいと考えていたのかもしれません。

進化論的に言えば男性はなるべく多くの回数、多くの女性と性の関係を持てば自分の遺伝子のコピーをたくさん残せるわけですが、それは昔々もはるか昔、私たち人類が類人猿からヒト科ヒトとして二足直立歩行をしはじめたころのこと。今はそれでは人間の本能の部分だけであなたと付き合っていたことになります。
私たちヒトは長い進化の中でお互いの違いを認め合い支え合い、関わり合って生きてきました。人間の本質の3つの基本は「ひとり一人違うこと=多様性」「関わり合って生きること=関係性」そして、それらがあって「選びながら生きること=創造性」なのです。

あなたも、バーベキューで「彼は器用で気の利く優しい人」と思ったとのことですが、もしかするとあなたの選択の基準=器用は、原始人に当てはまるのかもしれませんね。これから相手を選ぶ時、単純に器用不器用で選ぶのはやめた方がいいですね。もっといろいろな価値観があるはずですよね。
(文:大関洋子)

2022/02/14(月)
第226回【職場編】「職場の彼と付き合いたいのに…」
【Q】
半年ほど前出会い系のアプリに登録したら、彼氏?ができました。ネットでの出会いって公言しにくいんですけど、付き合ってみたら彼はとっても優しいし、大きな欠点も感じていません。ただ、もともと私には職場に気になっている5歳年上の男性がいて、たぶんですけど彼も少し私のことが気になっていると思います。でも職場って難しいんですよ。仕事上でしか彼のことを知らないし、彼もおそらく私のことをよく知らない。だから、仕事のことで指示をされたり、注意をされたりすることばかりで、彼の優しさに触れることができないんです。私は彼が声をかけてくれるのを待ってたんですけど、一応上司っていう立場だから部下の女子社員に声をかけるとセクハラになるって指導を受けてるみたいで絶対声はかけてはくれないし、私から上司に声をかけるなんてもっとできないし…。どうしたら付き合えるようになるんでしょう?それで仕方なく出会い系アプリを使ったんです。そしたら、職場の彼には感じられない優しさを感じちゃって。でも、本当は職場の彼と付き合いたいんじゃないかっていう自分もいて、どうしたらいいかわからなくなっちゃってるんです。

【A】
あなたの悩みを整理すると3つになります。あなたには職場に「この人」と思い好意を寄せている男性がいる、そしてその人も少しだけれど自分を気にかけている様子がある、しかし5歳年上の上司なのでセクハラになることを恐れるためもあってか彼から声をかけてはこない、声をかけるのは指示するときと注意するときだけ。だから彼の優しさに触れることはできない。こんな情況は『全ての恋愛ドラマの始まり』なのにあなたはそれに気づいていない。それがまず第一の問題。

2つ目はそのため具体的に優しい声をかけてくれる男性を出会い系アプリで探して付き合ってしまい、その優しさを「本物の優しさ」と「勘違い」している。

そして3つ目は、あなたもちゃんと気づいている「セクハラ」問題。男女雇用機会均等法(1972年施行)によって「職場において従業員の意に反する性的な言動が行われること」を全て厳格に禁止しています。これには対価型と環境型などがあって対価型は昇給、昇格させる代わりに性的な行為を求めるとか性的な行為の要求に応えてくれなかったため希望していない部署に異動させるとかがこれに当たります。環境型はアダルト系のポスターを貼ったり、飲み会でお酌を求めたり料理を皿に取り分けたりすることやカラオケでデュエットを強制すること、休憩中に性的な内容の会話をすることも含まれ、そのことで訴えられたケースもあります(平成27年2月)。

厚生労働省の資料では事案ごとに「労働者の意に反するか」「就業環境を害されるかどうか」を個別に判断する必要があるとしています。「事業主の皆さん 職場のセクシャルハラスメント対策はあなたの義務です!!」という大見出しで厚労省のホームページで事業主に警告文を出しています(平成27年)。これほど事業主に義務が課せられ反すると当然罰則があるわけですから、どれ程厳しく社員教育がされているか、特に男性上司が女子社員に対しては厳しい対応が求められています。確かに職場での恋愛のキッカケが難しくはなりましたが、この法律前の野放しのセクシャルハラスメントの時代を体験している者としては必要な法律だと思います。

さて、あなたの知恵と工夫でこの男性上司とお茶なり食事なりする方法を考えてみてください。簡単に、それこそ性の遊びを求めて優しくしてくる男性と交際するより、職場で真剣に働く上司の男性との恋を実らせる工夫と努力をする方がそれこそ真の恋の醍醐味です。さあ素敵な恋愛ドラマの幕開けですよ!!
(文:大関洋子)

2022/01/31(月)
第225回【子親編】「父と母の関係がこんなにも悪いとは…」
【Q】
父が新型コロナウイルスに感染して入院しました。子どもたちも独立して、今は父と母、私と夫の4人暮らしなんですけど、食事もなるべく時間をずらしたり、離れた場所で取るようにしていたおかげか、父以外はPCR検査陰性で、父がどこで感染したのかわかりません。出歩く習慣もない人なんですけど、以前は公民館の市民講座に通って、そこで知り合った人たちとお茶してきたりもしてたので、もしかするとそのころの人たちとまだお付き合いがあるのかもしれません。母は、女性も混ざっているせいかそのころの人たちとのお付き合いを快く思っていなかったみたいで、父に対して「自業自得」という態度で、入院していることに対しても心配しているというより「せいせいした」と感じているようにしか見えません。父が感染したことで父と母の関係がすごく悪かったんだっていうことがわかったんですけど、病院に様子を見にも行けず心配なんですけど、退院してきたあと、父と母にどう接したらいいか困っています。

【A】
あなたは「父が退院してきたあと、父と母にどう接したらいいか困って」ご質問をされているんですよね?
結論から言うと、「ご両親お二人のことはお二人に任せてください」ということです。
大人であるお父様とお母様が長年かかって夫婦関係を築いてきた結果、こういう関係が出来上がっているのですから、それをどう再構築なさるかはあなたが「困る」問題ではありません。にもかかわらず、あなたが「“困って”問題視していること」、そのことが「問題」です。そして、何か「問題」だと感じることがあなたに起こってきた時、それはその「問題」があなた自身に何かを訴え、考えさせようとして「問題」として出てくるのです。

今回、あなたに何か言いたくて出てきてくれた「問題くん」をまとめてみましょう。何か問題が出てきた時こそ、あなたが考え、自分が変われる時なので、「問題」を大切に扱っていただくために「問題」に「くん」をつけることにします。これはブリーフセラピーと呼ばれるものの1つのやり方です。
今回のあなたに出てきてくれた「問題くん」は、「父と母の関係がこんなにも悪かったんだ」ということですよね。この「問題くん」はあなたに何を言いたくて出てきたのか?

@あなたはこんな仲の悪い父と母に育てられてきたんです。それじゃ家庭が安心基地としての役割を果たしていなかったですよね。だから今まで生きてきていつも心配ばかりしてきたんですね。子どもは外で何か失敗しても家に帰れば「よしよし」と話を聞いてくれる父や母、暖かい家庭があって、また外へ飛び出していけるものです。それがあなたにはなかったんですね。それでもよくここまで頑張ってきましたよ。
Aもしかして私と夫もどちらかがコロナなどで入院したら、父と母のように「せいせいした」という関係になっていたらどうしよう。「私の知らない夫」がいたらどうしよう。

等々、心配になっていますよね。あなたは自分の父と母の関係にあなた自身の夫婦像を見ているのです。
さあ、お父さんが退院してきたあとのことはお二人に任せて、あなたはこれまでと同じように接してください。そしてせっかく、今回のことであなたに何か言いたくて出てきてくれた「問題くん」の声なき声をしっかり聞いて、自分の生育歴からくる「心配症」、そして「私の知らない夫」さんをもう一度理解するように努力してみてはいかがでしょうか。
(文:大関洋子)

2022/01/14(金)
第224回【親子編】「幼児番組って…」
【Q】
幼稚園に通う6歳の娘と4歳の息子がいます。朝夕に子ども向けのテレビを観せています。私が子どものころから続いている番組もあって、幼児教育にはいいかなっていう気持ちと懐かしさから観せてるんですけど、ジェンダーが問題になっているのに、幼児向けの番組はそれとは正反対のことをやっているように感じて、このまま子どもに観せ続けていいのかなあと迷ってしまうことがあります。つまらないことですけど、うちの場合、父親(おとうさん)が一緒に観ることの方が多いのに「おかあさんといっしょ」だし、この前昔の映像が流れてきた時は「やるきまんまんマンとウーマン」の映像に驚いたんです。男の子と女の子が三輪車で遊んでいる映像に「はずかしかいじんをぶっとばし」、大きな魔王に立ち向かう女の子の映像に「こわがりまおうには ウインクこうせん」と歌がかぶって、女の子がウインクしてハートを飛ばしてやっつけたんです。こんなことやってたんだなあと思いながら「今の時代にこんな映像流していいの?」とすごく疑問に感じました。確か紅白歌合戦は「紅白」色を薄めて「カラフル」がテーマだったような…。大人の番組をジェンダーフリーに近づけても、もっとも影響のある子どもの番組がこれじゃダメですよね。

【A】
「ジェンダーが問題になっているのに、もっとも影響のある子ども向けの番組がこれじゃあダメ」というあなたのご意見に全面的に賛成です。むしろもっと腹を立てているかもしれません。おっしゃる通り「おかあさんといっしょ」というタイトルといい、「はずかしかいじん」や「ウインクこうせん」に至っては呆れかえるばかりです。

社会はやっとジェンダーフリー、ジェンダーからの解放、「社会的につくりだされた男女の違いから起こる不平等」から自由になることの大切さに気づき、強迫観念のように迫ってくる「男らしさ」「女らしさ」が、いかに個々の人間を縛りつけ、多くの弊害を引き起こしてきたかの反省に立って前を向いているところなのです。それなのにマスコミがこの状態では日本のジェンダーギャップ指数が他国に遅れているのは仕方ありません。

世界経済フォーラムの2021年発表の順位は総合順位(経済・政治・教育・健康)は156カ国中120位でした。先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果となっています。1位2位3位のアイスランド・フィンランド・ノルウェーにしても長い男尊女卑の歴史の中から、それがいかに人間としての幸せを損なうものかに気づいて改革してきた結果なのです。日本でもジェンダー・フリーの理念に基づいて子どもたちの教育に関わる教材やカリキュラムの見直しが行われ、家庭科の男女共修や制服の見直し、男女混合名簿などが整備されつつあります。が、教育現場ではまだまだ暗黙のうちに伝えられるジェンダーの固定観念があふれています。

小学校の先生は女性が65%を超えるにもかかわらず、校長先生や副校長、教頭先生は80%が男性だったり、高校の教育現場は校長先生は95%が男性です。性別に関わらず誰もが等しく教育を受ける権利は憲法で保証されているにも関わらず、男女の大学進学率や専攻分野の格差はまだまだ大きいのが実態です。それは「子ども達本人の考え」というより私たち大人の中に男の子は大学以上の学歴を67%の親が望み、女の子は44%の親しか大学進学を望んでいないという統計からも分かります。

医科大学で女子学生を入試で差別していた事件はまだ最近のことです。政府も1986年の男女雇用機会均等法から30年経ってやっと女性活躍推進法が2015年に成立しました。女性にとって生きづらい社会は当然、男性にとっても生きづらい社会です。私たち自身の中にまだ残る隠れた男女差別の意識に気づくこと、そしてあなたのような考えを持ち、マスコミにも意見を言ってくださることをお願いします。
(文:大関洋子)