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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2015/08/07(金)
第77回【恋愛編】「彼からの返事が減って…」
【Q】
高校は女子校だったし、大学に入るまで男の子と付き合ったことがなかったんですけど、大学3年になったころ、私のことを好きって言ってくれる男の子がいたので、付き合うことにしました。
男の子と付き合うのは何から何まで新鮮で楽しかったし、私も彼に惹かれるようになったので付き合い始めて一月くらいでホテルに行きました。
ところが、それまで、毎日10回以上LINEでやりとりしていたし、週に2、3回は会ってもいたのに、急に彼からのメッセージが少なくなって、ほとんど会うこともなくなりました。
私からは、「おはよう」と「おやすみ」のメッセージは欠かさないようにしているんですが、彼から返事があるのは5回に1回くらい。
私が送るメッセージは、いつも200字くらいなのに、彼からの返事は「うん」か「そうだね」ばっかり。
彼は、「今、忙しい」って言うんですけど、LINEくらいできるじゃないですか。
「私のこと好き?」ってメッセージを送ったら、「うん」っていう返事がくるし、私も彼が好きだから、今は1日に10回くらいメッセージを送っています。でも、やっぱり彼からはほとんど返事が来ないんです。

【A】
「返事が来ない」ということ、それが返事だと思ってください。
もし、あなたが誰かから来たメッセージに返事を送らないときがあるとしたらどんなときですか?
そう、内容が当たり前すぎて、返事をすることもばかばかしい(返事をしなくても相手はこちらの気持ちをわかってるはず)と思うときか、あるいは相手に腹を立てているときか、相手に興味がなく面倒くさいと思うときですよね。

さてあなたの場合はそのうちのどれに当たりますか?
彼を怒らせるようなことをした心当たりがないとしたら、あなたが返事のない彼の気持ちを察することが出来ているわけではないようなので、彼はあなたに対する興味をなくしていると考えるのが自然でしょう。それどころか、200字ものメッセージを1日に10回も送りつけてくるあなたに興ざめし、興味をなくしているところを通り越して、うっとうしくてムカついているかもしれませんね。
ぜひ次の恋愛からはメールの返事の回数が少なくなりはじめたら「うっとうしがられはじめたな」と反省し、メールの返事の言葉が「うん」とか「そうだね」とかしか返ってこなくなったら、「あ、嫌われちゃったんだな」と覚悟を決めてください。

あなたは返事が5回に1回くらいしか来なくなりしかも「うん」とか「そうだね」という短文でしか返ってこなくなってからも「私のこと好き?」と聞いたり、1日に10回ものメッセージを送りつけたりしていることは、相手の気持ちを考えず、あなたが自己満足のためにしているだけで、結果として彼の別れたいという気持ちを強めるだけです。

私たちは言葉で相手の気持ちを確かめようとしますが言語で伝わる本音は5分の1くらい。中には10分の1くらいという心理学者もいます。人の本心は、言語ではなくむしろ非言語に現れるもの。即ち行動です。言葉は嘘をつくことができます。
あなたが彼に「私のこと好き?」と聞いて「うん」と言わせたいからと言って本当は彼の気持ちが離れていることにあなたも気づいていますよね。会うこともなくなり彼からのメッセージはこない。
こうなる前に彼の表情や目、手足や身体の動きから彼の気持ちを察する必要があったのです。今までもしあなたが自分の気持ちを中心に行動してきてしまったのならこの体験から「相手の立場を理解する」ことが恋愛や社会生活では必須であることを学ぶべきです。
最後にもう一つ。
もし、一度、あるいは数回の男女の関係で、今の事態になってしまったとしたら、彼はもともとそれを目的にあなたに近づいたのかもしれませんね。
あなたも、そう割り切って付き合うか、そうでないのなら、もっと時間をかけてお互いを理解し合えるような関係の築き方をしましょう。

(文:大関洋子)

2015/07/16(木)
第76回【職場編】「後輩の女性に惹かれる私」
【Q】
今の会社に勤めて5年になります。
大学の時には一応彼氏いて、性関係もあったんです。妊娠も経験しました。
私の中には産むことも選択肢としてあったんですが、彼には全くその気がないようなので、堕ろす決断をして一人で病院に行き掻爬しました。
就職してからは、男女何人かで飲みに行ったり、食事に行ったりはしましたが、二人だけの交際をする気にはなれず、心がときめくようなこともありませんでした。

ところが、今年入社してきた女性に心がときめいてしまったんです。
初めて会ったときに、ずいぶんかわいい子が入ってきたって思ったんですけど、その後は顔を合わせるたびにドキドキしちゃって…。女子会なんかもやりますから、気の合う女の子もいるんですけど、彼女に対しては明らかに違う感情です。ちょっとでもそばにいたいっていうか…。
彼女にも彼氏はいないみたいだし、私と仲もいいのでこのままでもいいんですけど、彼女に彼氏が出来たらどうしようって不安です。
もちろん、彼女は私がそんな風に思っていることは知りません。

【A】
性別は男と女の2種類で、男は女を、女は男を性愛の対象にするという常識だけにとらわれていた時代、私達は多くの事を見失ってきました。
しかし今、時代はやっと多様な性のあり方を許容できるリベラルな社会へと近づいてきたように見えます。そういった時代背景の中であなたは「後輩の女性に惹かれる私」や「彼女に彼氏ができたらどうしようと不安」でご相談してくださっているんですね。

これまでの社会では同性に惹かれる人は異常というレッテルを貼り、「同性愛者」とひとくくりに呼び、差別の対象にしてきました。
今でもメディアの世界では「おねえタレント」と呼ばれる人たちはそのことで笑いをとったりしています。
しかし同性愛者のセクシュアリティも異性愛者同様さまざまなのに、メディアや社会は同性愛という言葉の響きの中に「いつも恋愛やセックスのことを考えている人たち」というような差別的なものを含んで使うことが多いのです。同性愛者への差別的偏見はその人たちの性行為が生殖に結びつかないという宗教上の理由で4世紀後半から犯罪とみなされ、処罰や治療の対象とされてきた長い歴史があります。20世紀に同性愛に関するさまざまな反差別運動や解放運動が起こり、同性カップルに異性カップルと同じ権利の保障を与える動きが日本でも始まっています。
つい先日、全米では同性婚が認められましたが、日本は大きく後れていますね。

ご相談者のあなたも知らず知らずにこうした社会の流れや動き、特にメディアの影響力を受けて生きています。あなたが自分自身のセクシュアリティ、すなわち、どんなものやどんなことを性的と感じるかという事柄に正直に向き合った時、後輩の女性に惹かれたという事態を大切にしていいわけですが、その時、色々なまわりの影響もあなどれないという事も考えておいてください。
その影響を受けている事のひとつに大学時代の恋愛と妊娠、掻爬という出来事があります。
この恋愛の結末が折角授かった命なのに、自分は産むという選択肢もありながら一人で掻爬に行くという不幸な結末に終わったことの影響です。
男性への失望と不信が強くあなたの心と身体に残っているのでしょう。

そして同性愛者の長い暗い差別の歴史がなくなり始めた今、あなたが妊娠や掻爬という事態からは安心で安全な後輩の女性に惹かれた面もあるのかもしれません。
いずれにしても自分の性的指向、即ち性的魅力を感じる対象を正直に認め、自らの心と身体の動きを見守ってください。

(文:大関洋子)

2015/07/02(木)
第75回【子親編】「結婚に反対している義母の気持ちが変わらないのは…」
【Q】
結婚して12年になります。
私が再婚、夫が初婚だったこともあり、夫の母には反対されました。
その時点で義母ときっちり話をすればよかったんですが、夫が「母も気持ちが不安定になってるし、こんな状態で母に会って気持ちを逆なですることもないし、父は気にせず入籍していいって言ってくれてるんだから、そうしよう!」と言うので、入籍しました。
誰もがそのうち母の気持ちも和んで許してくれると思っていたんだと思います。

ところが、母の気持ちは変わりませんでした。私は孫を産めば気持ちが変わるのではないかと5年前に子どもを作りました。それでも変わりませんでした。
さすがに私も業を煮やして、夫に「(お義母さんとは縁を切るとか)はっきりさせようよ」と言ったのですが、夫は「そのうちわかってくれると思うよ」の一点張りで、状況を変えようとしません。
それで、私もわかったんです。お義母さんがずっとそんな風な態度をしているのは、夫のお義母さんに対する態度が原因じゃないかって。
そう思うと、義母との関係ではなく、夫との関係そのものを見直すべきなんじゃないかと思うんです。

【A】
全くその通り。
「義母との関係ではなく、夫との関係そのものを見直すべき」というあなたの言う通りです。
その通りではあるのですが「見直す」時、あなたは義母との関係を「はっきりさせよう」としない夫を責めるつもりではないでしょうね。もしそういう視点からの「見直し方」をするならば、義母との関係だけでなく夫との関係もぎくしゃくして壊れてしまいます。
ましてやあなたの「はっきりさせる」ことの内容が「お義母さんとは縁を切る」などという考え方だと夫とのいい関係を作る見直しにはなりません。昔でも「親が子を勘当」して「縁を切る」ことはありましたが、「子が親との縁を切る」ということはなく、せいぜい出来るのは「縁を切るつもり」で「関係を持たない」と心で決めることくらいでしょうか。

でもそれは、夫との関係を見直さなくてもあなた一人心の中でそっと「お義母さんがそのうちわかると夫は言うのだから、このまま待ってみよう」と決めればすむことですよね。
ただ、そう決心するのに義母との関係をよくするために孫を産んだというほどのあなたの気持ちを夫に理解してもらうことが必要です。あなたには「孫を産めば気持ちが変わるのではないかと子どもを作った」、義母に自分たちの結婚を許してもらいたい、出来れば祝福してもらいたいという強い気持ちがあるのです。

お義母さんに喜んでもらうためにお子さんを作り、そのお子さんがもう5歳。その気持ちを夫にわかってもらうアプローチをしてください。そして、せっかく授かったお孫さんです。夫と義母の関係の距離より、あなたとお義母さんの距離を近くする役目、絆になってくれるはずです。
夫との関係を見直すということよりはまず、あなた自身が再婚であることのこだわりからお義母さんとの距離を遠くしてしまっていませんか?
それが夫と義母の距離を近づけてしまっているということはよくあることです。
夫には「私と子どもでお義母さんのところへ行ってくるからパパはお留守番しててね!」とでも宣言して、母の日、誕生日、お盆、お正月、何でもない日等々、積極的にお義母さんに関わってみてください。お孫さんの顔を見せに行ってみてください。
大事なのは「あなたと子どもが行き、夫は行かない」ことです。
あっという間にお義母さんとあなたの距離は縮まり、仲良くなれるはずです。

(文:大関洋子)

2015/06/18(木)
第74回【親子編】「毎日女の子に電話をしている息子」
【Q】
中学2年生の息子がいます。
以前は、居間でテレビを見ていることが多かったので、「勉強しなさい!」としばしば注意していたのですが、最近、夕飯がすむとすぐ部屋に戻っていたので、てっきり勉強でもしているのかと安心していました。ところが、部屋の前を通ったら中から声が聞こえてきたのでノックをして部屋に入ると、携帯電話で話をしています。しかも相手は女の子のようで、その後も様子を見ていると毎日電話をしています。
時には1時間を超えるときもあります。
男の子同士で部活動の話でもしているならともかく、女の子となんて毎日用があるわけないのですぐにやめさせたいのですが、ちょっと注意をしたら「うるせえ!」と返ってきました。
携帯電話を無理矢理取り上げるわけにもいかず困っています。

【A】
困りますよねぇ、こういう時期の子どもの扱い。
特に相手がいる行為は親としてはとても困ってしまいます。
その上、相手が異性となると益々悩んでしまいます。
「今度、保護者会に行ったら相手の女の子のお母さんに何か言われるんじゃないか、言われる前に謝った方がいいんじゃないか」とか、「本人同士の問題なんだから放っておこうか、でもその前に女の子の名前は聞かなきゃいけないし、でもまた「うるせえ!」って言われたらどうしよう?」なんて、このことが気になって気になって仕方ないことでしょう。

あなたのお子さんが男の子だということも悩みに拍車をかけていますよね。
中学生とはいえ「男は加害者、女は被害者」という構図があなたの頭の中にはあるでしょうから、益々責任を感じてしまう。もちろん事件が起きているわけでもないのに、中学2年生といえば、高校受験や部活動の大切な時期。そんなときに毎晩毎晩1時間もの電話、時には1時間たっても壁越しに聞こえる息子の声にあなたは神経をとがらせ続ける毎日。お疲れ様です。

確かにご心配はわかりますし、毎晩1時間以上というのはなんとかしたいところではありますが、発達段階から考えると、とても正常な発達をしている証拠でもあるということをまず認識してください。
あなたや私の年代、時代から考えると一家に一台しかない電話で1時間以上も話されていたらそれだけで大問題。しかも電話代がべらぼうになって、また大問題。
それでも隠れて毎日電話をしている中学生、高校生のカップルはたくさんいました。
思春期真っ只中の息子さんにとって、たぶん初めての恋愛。
その一大イベントを親がわけもなく邪魔する(と息子さんが感じる)と、この初恋は「親や周囲に反対されている悲劇の大恋愛」となり、本人たちは自ら作り上げた「ロミオとジュリエット」の世界に浸り、反対される電話はやめて内緒でこっそり会うことになり、早急な性の関係ができたりもします。

まだ3ヶ月、半年続いているわけでもないなら「毎日ではなく、もっと短くしなさい」ときっぱり1、2度言う程度にして様子を見てはどうでしょう。たぶん、ほとんどのお子さんは2〜3ヶ月で卒業するでしょうから。

(文:大関洋子)

2015/06/04(木)
第73回【夫婦編】「俺だって忙しいんだぞ!」
【Q】
結婚して10年。夫婦って何かあったときに一緒に乗り越えられるからこそ夫婦なんだってずっと思ってきました。
先日、私が体調を崩し3日ほど寝込んだんです。高熱で起きようにも起きられなくて…。結婚してからこんなこと初めてです。子どもに何か食べさせて学校に出さなきゃならないと思っても立ち上がることもできなくて、仕方なく「あなた、お願いできますか?」って夫に頼んだんです。
夫も状況はわかってるし、今まで夫に頼んだことなんてないんだから、当然「わかった。俺がやるからおまえはゆっくり休んでろよ」くらいの答えが返ってくると思ったんです。
ところが夫の口から出た言葉は「俺だって忙しいんだぞ!」。結局、夫が子どもに食べさせて学校に出してくれたんですけど、その一言で夫に対する信頼が一気に崩れてしまって…。それからずっとぎくしゃくした関係が続いています。

【A】
どひゃ〜っていう感じですよね。まさかの夫の返事に高かった熱がもっと上ったことでしょう。子どもさんは何とかごはんを食べさせてもらって学校へ行き、そこは事無きを得たわけですが、無事に終わらなかったのは、あなたの胸の内!!
「俺だって忙しいんだぞ」とは何という暴言!

結婚10年この方、出産の時ほんの数日入院しただけの私。多少熱があってもどこかが痛くても、這うようにして家事育児をこなし、夫や子どもを支えてきたと思っていたのに!私がはじめて「お願いできますか?」って下手に出て頼んでいるのにィ!期待した「わかった。俺がやるからおまえはゆっくり休んでろよ」という言葉のカケラもなく「俺だって忙しいんだぞ」とは何だぁ!と何度も叫びたくなったことでしょう。「おまえはゆっくり休んでろよ」のやさしくいたわりのある言葉はなかったとしても、「わかったよ」くらいで終わっていたらまだしも…。

もちろん、高熱の出ているあなたに
「冷たいジュースなら喉を通るかい?」
「アイスクリームでも買ってきておこうか?それともおかゆなら食べられる?」などというやさしい言葉は全くなし。

う〜ん、きついですよね、こういうときのこういう夫の言動。これで結婚生活10年の積上げが全部ガラガラと音を立てて崩れた感じ。高熱にうなされながらあなたの心に“離婚”の2文字が浮かんだことでしょう。が、熱が下がってみれば現実には「離婚」するには実家も周りも「別になぐられたわけじゃないんだしぃ…」と取り合ってくれそうもないし…。
実はこういうことって結婚生活の中で何度も何度もくり返されて夫婦は生きていくんです。「私の期待したセリフが返ってこない!!」この繰り返しかもしれません。
人は一人ひとり違うDNAを持ち、違う感じ方、違う考え方、違う言動をするものなのです。「これが人間の本質だ」と自分に言い聞かせつつ、それでもあなたの夫は子どもには食べさせてくれたのですから、もしかしたら、はじめての体験にとまどってあなたを激怒させる言葉が出てしまった、あなたが病気になるという思いもよらない出来事にショックを受けてのことだったのかもしれません。
それだけあなたを頼ってきてしまった自分を、その後の満員の通勤電車の中で反省しているかもしれません。

熱が下がった快気祝いにとでも言って、ちょっとお茶でもと誘って、「あの時は忙しかったのにありがとっ!」とでも言ってみてはいかがでしょう?
まだ腹が立っていたらムリかもしれませんけどね!

(文:大関洋子)

2015/04/13(月)
第72回【恋愛編】「両親より私だろっ!」
【Q】
彼とは2年付き合っています。
大学で知り合ったのですが、学生時代はお互い遊ぶことに夢中で、恋愛・結婚という関係には発展しませんでした。卒業して3年したころ、たまたま駅で彼と会ったんです。
学生時代とは別人のように落ち着いていて、大人という感じでした。
彼も私に対して同じような感情を持ったらしく、そのときから結婚を意識したお付き合いが始まりました。学生時代4年も含めれば知り合って6年なので気心は知れています。とは言え、私はもう少し彼とお付き合いをしてから結婚を考えたいと思っているんですが、彼は私の両親にあいさつに行きたがるんです。
友達として会ってくれるならいいんですけど、彼の様子だといきなり「お嬢さんを僕にください」みたいなことを言い出しそうで…。
結婚は私と彼との問題なんだから、両親よりまず私なのに、彼の外堀から埋めよう的なやり方にどうしても納得ができなくて、「こんなやつだったんだ?!」とむしろ別れようかと迷っています。

【A】
まあ!何だか勿体ない話じゃありませんか?
いえ、あなたがどれだけ才色兼備の女性かはお会いしていないので分かりませんが、6年も付き合っていれば彼は当然、結婚を考えてあなたのご両親にごあいさつしたいと思うでしょうに。
なぜそれが家と家の古いしきたりを重んじて外堀から埋めようとしてると考えるんでしょう。
確かに「婚姻は両性の合意による」と法律にもうたわれていますが若い2人がこれから家庭を作っていくのにまだまだ両家の親に支えてもらう場面もあるでしょうし、何よりそれぞれの家の息子と娘が一生を共にしようとする人物に会いたいのがご両親の想いではありませんか?「お嬢さんを僕にください」みたいな古いTVドラマのようなシナリオを心の中に描いているのはあなたなのです。

あなたは「外堀から埋めようとしている」と言っていますがご両親は気に入ってくださると思っての言葉ですよね。ご両親が外堀なら、本丸のあなたは、外堀から埋められるのが嫌だということで、まだ落城したくない、ということですよね。6年も付き合っている彼がこんなにも熱心に礼を尽くしてご両親にあいさつしたいと言ってくれているのに。
最初に言った通り、あなたは彼よりもっといい人が自分と結婚してくれるに違いないと思ってこういう古いやり方をする人とは別れようとしているようですが、残念ですが、あなたのように謙虚でない方は彼以上の人物が好きになってくれることはまずないと思います。
もし彼が私の息子だったら「やめといたら?」と母としては言いたいところです。
ここへご相談くださったことをキッカケに自分を見つめ直してみてください。
彼がどんな思いで6年間あなたと付き合ってきたか?
彼がどう考えてあなたの両親にあいさつに行きたいと言っているのか?ちゃんと相手の立場に立って考えてみてください。それでも彼が信じられないのならこの交際はやめたらいいでしょう。

でも彼以上の男性はあなたの前に現れないと思いますよ。
だって、あなたは人として一番大切な「相手の気持ちを思いやる」ということが全然できていない女性だからです。私は心理カウンセラーとしてこんな厳しいアドバイスをしたことは初めてだと思います。
あまりにも思い上がった、思いやりの心に欠けているあなたに反省してもらいたいからです。
そして何かに気がついたらむしろあなたも彼のご両親のところへあいさつに出向いてはいかがでしょうか。

(文:大関洋子)

2015/03/27(金)
第71回【職場編】「社内にグループが…」
【Q】
私の会社にはちょっと人気のある男性課長がひとりいて、その人にごまをすろうとする集団が2つあるんです。A子率いるAグループは全員がきれい系、B子率いるBグループは全員が可愛い系っていう感じ。表だって対立しているわけではないけれど、陰ではお互い相手のグループをののしり合ってるし、それぞれのグループで飲み会をやったり旅行に行ったり…。
私はどちらのグループにも属してないんですが、それはそれで大変。どちらのグループからも誘いがあるんです。私は、ひとりの男性を巡って社内に対立したグループがあるなんて、とっても嫌だし、みんなで仲良くやれる職場がいいと思うんですが、どちらからの誘いにも乗らないでいたら、そういう私のような人たちを第3のグループみたいに言い出して、対立をあおろうとしてくるんです。

【A】
第3勢力かぁいいなぁ…。AにもBにも組みしない。
AかBか、白か黒か、0か100かという区分ってどうしても「〜せねばならない」「人は〜でなければ幸せではない」「人は〜でなければ生きている価値がない」という考え方で自分を追い詰め人と敵対する生き方になってしまいます。その結果、自分もまわりの人もとても生きづらくなるのです。
ひとりの男性課長をめぐって「きれい系」と「可愛い系」ってバカバカしいというか子どもっぽいというか、要するにどちらのグループも女であることを売り物にしてその男性の気持ちを引きつけようとしているだけでAグループBグループと分けるほどの価値もありません。

2つのグループ共に同じ穴のむじなです。ののしりあっているといってもこれも「目くそ鼻くそを笑う」の類であなたが真剣に問題にする事ではありません。
仮にどちらのグループが彼の気を引いたとしても、今度は一人の男性課長をそのグループ内で取り合い奪い合いの争奪戦が始まるだけです。
男に媚びを売って自分たちの方へ意識を持ってこようとしているような人たちって低劣極まりない人々の集まりです。もし本気でその人に自分の女性としての魅力で媚びを売ってでも振り向かせたいと思うのであれば、グループで徒党を組むことなどせず、自分一人でしっかりきれい系でも可愛い系でもせいぜい気張って彼を誘惑するでしょう。それさえもできず数を頼りなんて、デモ隊じゃあるまいし、大人の女性のやることではありません。

その中でどちらにもつかず第3グループとして耐えているあなたやその仲間はなんと常識をわきまえたちゃんとした女性たちでしょう。きっと当の男性もA、Bどちらのグループの人に魅力は感じないはず。かえって迷惑だと心の中で思っています。そういう男性だから人気があるのでしょうから。

どうかつまらないグループ分けの立ち位置でもう悩まないで、淡々、粛々と仕事をこなしてください。会社は中学生のような(中学生の皆さんごめんなさい)恋愛ごっこ(ごっこにもなってない)をする場所ではありません。とはいえ、こういう雰囲気の中で淡々と仕事をするのもうっとうしいことは分かります。が、自分の感覚に自身をもって仕事をしてくださいね。

(文:大関洋子)

2015/03/13(金)
第70回【子親編】「新しい義母との関係をどうしたらいいか…」
【Q】
夫とは結婚して20年になります。
夫は長男で、夫の両親とは10年前に同居しましたが、義母は3年前に亡くなり、義父一人になりました。私から見ると義父は地味な人に見えたので、義母亡き後は、一人で生きていくのかなあと思っていたら、義父が若いこともあり、昨年再婚しました。
義父とは10年同居しているので、新しい義母より私の方が義父のことはよくわかります。
それが原因なのか、義母はいつもよそよそしく私たちになかなか気持ちを開いてくれません。
義母も再婚ですが子どもはなく、この状況で義父万一のことがあって義母だけが残るようなことにでもなったらと思うと、気持ちがすごく重くなります。

【A】
あなたのご相談は「義父が義母より長生きして私たち夫婦と3人で暮らすことになったらどうするの!」ということですよね。
でも、それだったら心配ご無用。こういうケースで再婚の義母がその息子夫婦と同居を続けるという例はまずありませんから。あなたもおっしゃっているように「義母はいつもよそよそしく私たちに心を開いてくれません」という状態ですから、なおさら義父亡き後、向こうからすれば義理の息子夫婦と同居したいはずはありません。遺産を半分手にしたら、それなりの彼女にふさわしい一人暮らしを選択するはずです。

むしろあなたが本当に気分が良くないのは、自分が10年も同居して面倒を見てきた、義母亡き後の3年は義母に代わって私が義父を支えてきたつもりだったのに、私の何が不満で、私にとっては見ず知らずの女性を突然家に入れるのだろう。その上、義父が先に逝けば、息子(夫)が相続するはずだった財産の半分は彼女のものになってしまう。
失礼!あなたを責めているわけではないのですよ。
誰だってあなたの立場だったらそう思います。それが当たり前ですよね。そして、地味な方だと思っていた夫の父親が、母を送って3年しか経たないのに義母を忘れたかのように他の女性と仲良くして、籍まで入れてしまった。義父には義母を想って一人で生きてほしかった。そしてかわいそうな義父を支えて義母の元へ送る…。

そんなシナリオを心の中に描いていたのに筋書きが狂ってしまったのですから気持ちが落ち着かず、その女性にも良い感情を持てないでしょう。相手も「よそよそしく」「心を開かない」状況になっていて、双方辛いことですね。どうかこの際、考え方を大転換して、義父の生きる力とエネルギーを称え、もし義父が倒れるようなことがあっても、面倒は彼女が妻としてすべて見る覚悟があるはずですから一切をお任せするとして、肩の力を抜いてホッとされてはいかがでしょう。

「義母亡き後、義父を最後まで看取った殊勝な嫁」という役は下りることになりますが、親族や世間も誰も「嫁の面倒見が悪いから再婚した」などとは言いませんから、安心してその方にお義父さんの最後おお任せしてしまいましょう。
そしてお義父さんが新しい妻である彼女と楽しそうにしていることをその息子である夫と喜んであげてください。その方があなたもお義父さんたちもずっと幸せになれますから!

(文:大関洋子)

2015/02/26(木)
第69回【親子編】「娘がダイエットを始めた?!」
【Q】
一月ほど前、小学6年生の娘が「将来の夢」という題の作文を書いていました。
何を書いたらいいか迷っていたので、いろいろ話を聞いてやったところ、「パティシエになりたい」と自分のイメージが湧いてきたようで、なぜパティシエになりたいと思ったか、どんなパティシエになりたいかといったことを一生懸命書いていました。
いろいろなことに興味がある子で夕飯のおかずを作ったり、お菓子を作ったり…。
誕生日のプレゼントにお菓子作りの道具をねだったりする子なので、気持ちが変わらないうちは応援してやろうと思っていました。ところが最近になって、急にお菓子作りをやめてしまったんです。
どうやら、好きな男の子が出来たらしく、ダイエットをすることにしたみたいなんです。
確かにやや太り気味なので、ある程度は痩せた方がいいとは思います。でもまだ6年生。
男の子にあまり興味を持たれても困るので、もう一度お菓子作りに興味を向けさせようとしているのですがうまくいきません。

【A】
お子さんはとても順調に「人」としての発達をし、成長しつつありますね。
母親の胎内に新たな生命が芽生えたその瞬間から、命は絶えず成長を始めます。
この世に生まれ出て死を迎えるそのときまで、人間は常に変化を続けるのです。
人間以外の動物のほとんどは、生後すぐに親と同じ状態になり、あとは成長せず死を迎えてしまうのに、人の場合は2歳くらいまで急速に成長したあと、成長がゆっくりにはなりますが、12〜13歳頃になるとまた、著しい成長をみせます。この時期を「思春期」と呼び、この著しい成長を「思春期スパート」と名付けています。

お子さんはまさにこの時期に当たり、成長に「スパート」をかけていると思われます。
たぶん、不定期かもしれませんが月経も始まっていることでしょう。
この時期には身体的に急激に成長し、その変化に心がついて行けずいらいらしたり、自我、自意識が芽生えるので親に反抗したりして、周りを戸惑わせることもあります。

この時期の特徴の最大なものが「親や教師といった今まで頼っていた大人よりも友人との関係を大切にする」という点です。親や先生に頼らなくても一人で生きていける気分になり、大人の真似をしたり背伸びをした行動を取りたがり、親などの身近な大人に対しては反抗的になります。
今まで興味を持っていたことではなく、新しい作業や経験を好み、「自分てどんな子?」という内面からの問いが起こってもいます。同姓の友達と過ごす時間やおしゃべりすることを大切にするのもこの時期で、「相手からどう思われているか」「相手から良く思われたい」という思いも大きくなり、人からの評価も気になって、不安や喜びの感情の起伏が激しくなったりもします。
同性との仲良しグループの中で、異性への興味関心が話題になってもいきます。

お子さんの「将来の夢」が今までの「パティシエ」ではなくなり、お菓子作りや食べることをやめて自分の容姿や体重を気にかけるようになったのも、著しい発達の現れなのです。
「男の子にあまり興味を持たれても困る」とおっしゃっていますが、これも大変大事な発達段階の一つで、この時期に感じる幼い初恋は成熟した大人の恋愛が出来るようになる「恋のトレーニング」です。

今、何より大切な発達課題は「私って誰?」「自分とは何?」と自分に問いかけて、自我同一性と言われるアイデンティティの確立が、20歳くらいまでに出来ることです。
「将来の夢」の変化やささやかなダイエットを暖かく見守ってあげてください。

(文:大関洋子)

2015/02/12(木)
第68回【夫婦編】「私はおまえの道具か!」
【Q】
先に結婚した友達に言われたんです。
「男って結婚したとたんに態度変えるよぉ。例外はないと思う。あんたも気をつけた方がいいよ」。
“何言ってんだろっ!?”と思えていたのは、結婚する前まででした。
私の彼はいつも私に気を遣ってくれるし、多少のことには動じない。しかもいちゃいちゃしたい時にはいちゃいちゃしてくれるし、結婚後のことなんて心配したことありませんでした。
なのに、彼女の言うことが理解出来るまでに1ヶ月もかかりませんでした。
結婚する前は、私の家に来ると掃除機をかけてくれたり、料理をしてくれたり…。
結婚してすぐのころは、すっと一緒にいられる嬉しさから、なんとなくいちゃいちゃ過ごしてたんですけれど、徐々に普通の生活になってくると、彼は何にもしなくなったんです。
「ちょっと掃除機かけて」とか「洗い物して」って頼んでも、「なんで俺?おまえ主婦だろっ?!」って言うんです。私だって働いていて専業主婦じゃないんだから、家事は平等に負担してくれないと…。
結婚前と同じ人とは思えません。私はおまえの道具じゃなーい!

【A】
そうなんですねえ。
今でもまだ結婚相手の女性を一家の労働力と子孫繁栄の道具として売り買いするような風習が残っている民族もあるようで、結婚相手の女性の親に牛何頭贈るというようなことや日本の結納金などもその名残とも言われています。あなたもあたかも牛何頭分かと引き替えに労働力として貰われてきたような感じなのですね。

当然のことながら、結婚の目的が無意識にしても労働力の確保であるとすれば、その雇い主である彼は「ここは働きやすいよ〜、いらっしゃ〜い!」と甘い言葉と好待遇であるかのような宣伝文句であなたを誘い込んだことでしょう。そして一旦雇用契約が結ばれてしまえば雇い主の思うつぼ。
昔から「釣った魚には餌をやらない」と言ったではありませんか。どこかのブラック企業みたいに使い放題。友達が「男は態度変えるよぉ」「例外ないと思う」と言ったのが1ヶ月で理解出来たというのはあまりにも早い変化ですが、良くある話ではあります。このままこの路線で行くと、まもなく妊娠、出産、子育ての道具としての働きがあなたに要求されるのは、火を見るより明らかです。
一刻も早く「私はおまえの道具じゃない!」と声を上げる必要がありますが、ちょっと待って!

あなたは、結婚前と結婚後で何も変わりませんでしたか?
ご相談の中に「ちょっと掃除機かけて」とか、「洗い物して」とか、結婚後頼むようになっている場面がありますよね。たぶん、結婚前のあなたはかいがいしく「あなたは座ってて!私がやるから」と言って掃除をしたり料理を作っていたんじゃありませんか?
雇う側も雇われる側も必死の売り込み作戦をするのは世の常。

今のあなたは専業主婦ではないとはいえ、出産子育ての道具、いえいえ、子育てともなれば夫の経済力に頼ることになるのが多くの女性のたどる道であるとするならば、男たちは今から「おまえ、主婦だろっ?!」と先制攻撃を仕掛けるというわけです。
「男は例外なく女を自分の思うままに動く道具化する」と友達が言うごとく、大昔から生命を宿して母乳を与えて子どもを育てる女性は、どうしてもある時期、男性の援助によってその一大事業を行う必要があり、その代償のように男たちは女性に労働を強いる傾向がありました。それでも生命をはぐくむという大プロジェクトは男には不可能な仕事でありますから、お互いそれぞれの役割を大切に認め合い、道具化することなく支え合って生きて行ってください。

女と男の関係性はその時期その時期によって変化するものです。いつまでもいちゃいちゃするだけの関係ではなく、あなた自身も結婚に何を求めるのか、二人で何を作り出すのかよく考え、話し合うようにしましょう。ちなみに「例外」の男性もたくさんいると思いますよ。

(文:大関洋子)