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■分かってるつもり?男と女の胸の内■
この連載は、「浦和カウンセリング研究所」で扱ったカウンセリング、相談を基に構成されたQ&Aで、わかりやすいよう脚色された部分があります。
主に浦和カウンセリング研究所所長 大関洋子が執筆し、大関行政書士事務所が監修しています。

■大関洋子プロフィール■
(浦和カウンセリング研究所所長/NPO法人日本カウンセラー連盟理事長/臨床発達心理士/心理カウンセラー/上級教育カウンセラー)
1941年生まれ。高校で国語、音楽を教える。2002年、浦和カウンセリング研究所を設立。結婚、出産、男女の共生等の話題を社会に提起。新聞、雑誌、TV等、連載、出演多数。 教育問題、夫婦・家族の悩み、職場での悩みなど、年間のべ1,000人以上のカウンセリングをこなす。
著書に「この子たちを受けとめるのはだれ?」(文芸社)、「素敵なお産をありがとう」「セクシュアルトークで一家団ランラン」等。

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2016/01/21(木)
第88回【夫婦編】「風俗通いの言い訳が私の注意?」
【Q】
夫と恋愛しているころは、小さなことにはこだわらない鷹揚さに魅力を感じ、細かいことを気にしすぎる私の欠点をカバーしてくれると思って結婚しました。
ところが、結婚して一緒に暮らすようになると、夫の鷹揚さはだらしなさに映り、夫の行動がいちいち気になるようになりました。最初は見て見ぬふりをしていたのですが、だんだん注意するようになって…。
あるとき「脱いだ靴は下駄箱に入れてよ」と注意したんです。たぶんそのことがきっかけだったと思うんですが、夫の帰りが遅くなり、私がベッドに入るころに帰ってくるようになりました。
そんな生活が3ヶ月くらい続いていたとき、夫が風俗に通っていることが分かったんです。夫と話をしましたが「毎日毎日、文句を言われていたら俺だって息抜きが必要になるんだ。そんなにおまえに合わせなきゃならないなら別れよう」と言われてしまいました。
私は別れるつもりはありませんが、夫の風俗通いもそのままで、どうしたらいいか分かりません。

【A】
「別れるつもりはありません」とのことですが、この結婚、考え直した方がいいと思います。
「脱いだ靴は下駄箱へ」系の注意をいくら毎日されたからといって、風俗通い…。
話をすれば「毎日毎日、文句を言われていたら俺だって息抜きが必要」と居直られています。
全く問題をすり替えた夫の言い分で話になりません。妻が日常生活で細々と文句を言うのと夫が風俗に通うのとでは次元が違います。きっとあなたが以前のように日常の細々したことを「見て見ぬふり」という生活態度に戻したとしても、風俗通いは続くと思います。
もしかすると、今回のことの前から風俗通いをしていたのかも…。
その言い訳にあなたの細々した注意が使われたのかもしれません。おそらく、風俗通いを注意されるのもうっとうしいのでしょう。だから「そんなにおまえに合わせなきゃならないなら別れよう」と宣言しているのです。

別れるつもりのない妻を黙らせて、自分の生活態度を改めるつもりはないということですよね。
日常の生活でもうるさいことは言うな、風俗へ行くことも文句は言うなということでしょう。
そういう夫と別れるつもりがないのなら、夫のそれらすべてを無条件に認めるということになります。
昔なら、夫が日常生活でどんなにだらしがなかろうが、風俗のようなところに通おうが「黙って仕えるのが妻の美徳」みたいな時代もありましたが、今、この夫の言い分は許されないでしょう。とにかく風俗通いを妻が日常生活で文句を言う息抜きだという、まるで次元の異なることを正当化するための言い逃れにするのでは、話し合いになっていません。
それに「別れるつもりはない」言っているあなたも、恋愛中は「小さなことにはこだわらない鷹揚さに魅力を感じた」のに「だらしなさに映る」ようになっているのですから、生活に対する価値観の違いがはっきりしたということです。

残念ではありますが、あまりこの結婚にこだわりすぎない方がいいと思います。
まあ、もしそれでも夫を愛していると思うのであれば、何とか自分をなだめて夫のだらしなさは「鷹揚さ」に戻し、風俗通いも見て見ぬふりをするよう努力するほかありませんね。
それを生涯貫くのはとても辛いでしょうから、お勧めしたくありません。あなただけが我慢をする辛く悲しい夫婦関係になってしまいますよ。

(文:大関洋子)

2016/01/07(木)
第87回【恋愛編】「今年こそ男運を変えていい恋愛がしたい!」
【Q】
私ってとことん男運がないっていうかぁ…。
何度も結婚まであとちょっとっていうところまでは行くのにすんでの所でいつも別れることになっちゃって…。最初の彼はお互い両親にまで会って、結婚モードに入っていたのに浮気されちゃったんです。彼は「まだ結婚してないんだし遊びだよ」って言うんですけど、そんなの許せませんよね。
次の彼はけっこう高給取りだったんです。ブランド物をいっぱい持ってたりして。それに惹かれたわけじゃないけど優しかったし。ところがあるとき食事に行ったら、「あれっ、カードの入ってる財布忘れてきちゃった」って言うんです。で、私が払うことになったんですけど、その後は「あとで返すから出しといて」って言うことが多くなって。そんなことが何度かあると彼、派手だから私もいっぱいいっぱいになっちゃって…。
その後も何人かと付き合ったんです。でも、どこにどんな家を建てるかで意見が違ったり、親との同居のことでもめちゃったり…。私って尽くすタイプだから、友達からも「あなた、いい奥さんになるよね」っていつも言われるし、私も絶対そうなると思うんです。なのに…。
男運が悪いって私みたいなことを言うんでしょうか…。どうしたら男運を変えられますか?

【A】
そもそも「男運」とは何でしょうか?
どうなれば「男運」がいいと言うのでしょう?
あなたの「男運がない」というのは「何度も結婚まであとちょっとというところまでは行くのにすんでの所で別れる」ということなので、「結婚できる」ということが「男運がいい」ということなんですかねえ…。
よく読むと、ただ「結婚できる」というだけでは「男運」はよくないみたいですね。
浮気されない男、高給取りの男、どこにどんな家を建てるか、親との同居をどうするかetc. ほぼすべてあなたの気持ちを理解してくれる、まあ全面的にあなたの言い分を通してくれる、認めてくれる「優しい人」、こういう男性とめぐり会ってどこからも誰からも反対されず、祝福されて結婚へとゴールインする…こうなれば「男運がよくなった」と思うわけですよね?

さて、あなたはご自分のことを「尽くすタイプ」、友達からは「いい奥さんになるよねっていつも言われる」と言っていますが、本当にそうでしょうか?
そもそも「男運を変えていい恋愛をしたい」という人を尽くすタイプとは言いません。
だって「男運」にしろ「金運」にしろ「運」っていうのは自分で努力してどうにかしようとするではなく、天とか神とか仏とかにどうにかしてもらってよくなりたいと思うときに祈願して授けてもらうものでしょ?!もし本当にあなたが「尽くすタイプ」と思うなら、めぐり会った相手にしっかり尽くしてみてはどうですか?
「尽くす」って「どんな家を建てても」「親との同居もしなくても」彼がこうしたいと思うことを無条件に受け入れることなんじゃないんですか?一生懸命稼いだお金もあるだけあげる、女性と遊びたければ彼の気のすむまで遊ばせてあげる、そこまでして初めて「尽くすタイプ」と自称していいと思います。今のままのあなたは「えせ尽くすタイプ」というところでしょうか。

私は、「尽くすタイプ」の女性がいいと言っているのではありません。恋愛は結婚はそもそも両性の合意で成り立ち、二人の支え合いの共同作業で幸せを築いていくもので、どちらかがどちらかに尽くすというのは好ましい形ではありません。まずご自身が尽くすタイプではないことをよく自覚し、その上で「尽くすタイプ」が決していい恋愛に結びつかないと考えてください。
そして大切なことは、相手にばかり求めるのではなく、ご自身の内面を高めてください。そうすればきっと天も感じて「男運」をよくしてくれるかもしれません。

(文:大関洋子)

2015/12/17(木)
第86回【職場編】「忘年会の後の雰囲気が…」
【Q】
忘年会シーズン真っ只中。
私の勤める会社も、社全体の忘年会から始まって、各部、各課、同期の忘年会、そして最後はクリスマスも兼ねての友人たちとの忘年会と大忙しです。なんとなくみんな落ち着かない雰囲気かな…。
昔に比べるといきなり体を触られたりみたいなセクハラは減りました。
酔って絡んでくる上司はいるし、セクハラまがいのこともないわけじゃないですけど、我慢できないほどじゃないです。今、一番嫌なのは、忘年会の後の会社の雰囲気。
忘年会とか二次会で、男の上司とか同僚にべたべたする女子社員がいるんですけど、忘年会後はそういう女性に対する男性の態度が優しくなったり、親切になったり…。
私みたいに忘年会でべたべたしなかったりごまをすらなかった女性社員には対応が冷たくなるんです。男の方から手は出さないけど、男に寄って行かない女は相手にされない。これってひどくないですか。
結局、セクハラが巧妙になっただけですよね。

【A】
さすがに最近は「男は男らしく」「女は女らしく」しないと「嫁に行けない」「嫁にもらってもらえない」と言って子どもを戒める親はいなくなったものの、それでもこの「らしさ」は人の心の中ではしっかり根を張っています。昨日引退を発表した女子サッカーの澤穂希選手をはじめとしてチームのメンバーは奇跡的な勝利を日本の女子サッカー界にもたらしたとして皆の尊敬と感動を湧き起こしました。が、一昔前ならきっと「女らしくない」などと思う人もいたかもしれません。
ボーイッシュな体型や化粧っ気のない素顔、俊敏な判断力ときびきびとした動き。それらが重なってあの感動的な奇跡を起こしました。彼女らは一人ひとり毅然としていて、その上チームとしては佐々木監督のもと、澤選手を中心に力を合わせて戦っていました。
男性である佐々木監督も「一人ひとりの個性を大切にして、あまり監督である自分が出過ぎないようにしている」とうようなコメントをしたのを新聞で見たことがあります。

さて、彼女らが男性にべたべたしたり媚びを売ったりする図は想像できるでしょうか?決して彼女らは監督や男性ファンにごまをすったり媚びを売ったりはしないと思います。
むしろ、彼女らのそういう態度があれほどまでに素敵に魅力的に映るんです。
今まで男性的なスポーツと思われいたサッカー。昔の母親たちなら「足でボールを蹴るなんて!なんて女らしくないんでしょう」と嘆いたかもしれません。
さあ、今や世は「女性にだけ6ヶ月の再婚禁止期間があるのは違憲」(DNA鑑定でほぼ100%誰の子か分かる今としては「6ヶ月を100日に」というのはあまりにも時代遅れを感じますが)という判決が出たり、婚姻後の姓を別姓という選択が出来るよう国会で検討すべしという判決が出る時代になっています。

あなたの感覚は、まだまだ実際には世の中にはびこっている「女は男に媚びて可愛くあるべき」という「性役割」に違和感を覚えている素晴らしい感覚です。おっしゃるとおり、形を変えたセクハラですね。女性の水着のポスターを貼ってもセクハラとする法律は出来ても、まだまだ幼稚園や学校のほとんどが男女混合名簿ではなく男が先、女が後の男女別名簿、幼稚園や小学校の先生は圧倒的に女性が多いにもかかわらず、管理職の割合は逆に圧倒的に男性が多いという日常の中で育ってきた私たちは、この性役割から逃れていないのが実態です。
そして、これらを率先してなくす役割を果たすべき政治家も日本の場合男性がほとんど。しかも女性の議員の中にも差別的な性役割を容認するどころか、推し進めようとする人がいるほどです。

忘年会後のあなたに対する男性たちの冷たさには腹が立ちます。この性役割が続く限り男性は「男らしく」「馬車馬のごとく働いて妻子を養うべし」という文化の中で生き抜くことになります。男性にとっても楽ではない社会なはずなんですけどね…。きっと、男性の中には、あなたのように毅然とした女性に魅力を感じている人もいるはずですよ。

(文:大関洋子)

2015/12/04(金)
第85回【子親編】「父と母の関係が…」
【Q】
我が家は3世代同居で、夫の両親、夫と私、中学生の息子と娘の6人で暮らしています。
義父は76歳ですが、退職後はジョギング、水泳、ゴルフと第2の人生を満喫しているといった様子でした。ところが、1年ほど前からおかしくなったんです。何度も食事をしようとしたり、ちょっとしたことで怒ったり…。
穏やかな人だったのに、いきなり義母を叩いたこともありました。認知症と診断されました。同居ですから覚悟はしていたし、出来るだけ自宅で介護できればと思っているんですが、問題は義母なんです。義父と義母は仲のいい夫婦だと思っていました。
義父が元気なときは、いつも母が一緒で、2人で楽しそうにしていました。
義母は義父より5歳年下なので「あなたの面倒は私が看るから」と言っていました。
ところが、義父が認知症と分かったとたん手のひらを返すように父に冷たくなったんです。「早く死ねばいい」とか「早くどこか施設を探してちょうだい」とか言うようになりました。義父が分からないことをいいことに、虐待まがいのこともしたりします。
私は、両親を夫婦の鏡と思っていたので、最近の義母の言動は信じられません。どんな夫婦も最後はああなるのかなあと思うと自分たち夫婦のことも不安です。

【A】
あなたは今、二つのことで悩んでいらっしゃいますね。
一つは義母が認知症になった義父に対し手のひらを返すように冷たくなり、「あなたの面倒は私が看るから」と言っていたのが嘘のように「早く死ねばいい」などと言って、虐待まがいのことをするようになってしまい、「夫婦の鏡」と思っていた義母の言動が信じられずショックを受けているということ。もう一つはどんな夫婦でも最後はああなるのかなあ、自分たちも…と思うと不安でたまらなくなってくる、ということですよね。

まずご両親の事ですが、きっとお義母様は結婚以来、本当に楽しい生活ではなかったんでしょうねぇ。仲のいいふりをしていた、楽しそうなふりをしていたということなのでしょう。
お義母様がよほどのキャリアウーマンや資産家の娘でもない限り、結婚して子どもを産み育て、夫の世話をする、そういう主婦としての仕事の一つに仲のいい夫婦のふりや楽しそうなふりをすることも含まれていたのでしょう。

私のカウンセリングルームを訪れる女性のクライアントは言うまでもなく、カウンセラー養成講座を受講し、カウンセラーを目指す女性の皆さんも、胸のうちを明かせば一度や二度は「夫が死んでくれたらいい」と思ったことがあると言います。ある女性は「私って悪魔です。だって夫が早く死ねばいいとよく思うんです。時には殺してやりたいって思う事もあります。でもね、まだ小学生と中学生の子どもがいますから…。子どもたちが父親殺しの母を持つことになるでしょ?それはさせられないって自分を押さえるんです。私ってひどいですよね」と泣きました。

それ程に私たち女性は意に沿わなくても、若い頃から男性には従うよう躾けられ教えられて、そうしなければ生きていけない、そうしなければ損をする、そうしなければ幸せになれないと思い込まされて生きてきているのです。男の顔色をうまく読み男を立てる女だけが幸せになれるかのように。
どうぞお義母様を自由の身にさせて上げてください。
お義母様がおっしゃっているように、どこかいい「施設」を探してあげてください。自宅で介護したいというあなたの優しさには敬意を表しますが、お義母様は勿論、お義父様にとっても、手厚く介護してくれる施設で時々、お義母様やご家族がお見舞いに行かれるのが幸せな人生だと思います。
きっとお義母様も又、昔のようにいい妻のふり、仲のいい夫婦のふりがお出来になりますから。

そしてもう一つの大切なこと。あなたたちご夫婦がこうならないためには、あなたが「いい妻のふり」「いい母のふり」をしないですむ夫婦関係、「自分はどう生きたいのか」を自問自答して、自分の人生を自分で選択して生きていく毎日にしてください。
夫ともよく話をしてくださいね。

(文:大関洋子)

2015/11/19(木)
第84回【親子編】「下着を放りっぱなしの娘とアダルトサイトを見ている息子」
【Q】
中学3年生の息子と中学1年生の娘がいます。
娘は、どちらかと言えば小柄な方で、初潮も6年生でやっと。クラスの中でも遅い方でした。
体つきも女らしくなるどころか、まだまだ子どもで、最近やっと少し胸が大きくなってきたところです。
そうは言っても、半年ほど前からブラジャーを付けさせました。身体の発達と気持ちの発達って同時進行なんでしょうか、娘は性に対してもまだまだ無頓着で、下着類もその辺に放っぽりっぱなしで、全然隠そうともしません。
そういう状況の中で、息子の方はここ1年で急に成長し、体つきも大人っぽくなりました。
それに合わせてというか、最近私たちの目を盗んでリビングルームにおいてあるパソコンでアダルトサイトを見ているみたいなんです。どうもこそこそしているので、履歴を見たら思った通り、アダルトサイトの履歴が残っていました。そんな息子のこともあるので、娘の下着が見えるところにあるときは、私が慌てて片付けてます。兄妹は兄妹なんでしょうけれど、このままでいいのか心配で仕方がありません。

【A】
2人ともほぼ順調な発達段階の途中です。
娘さんが下着類をその辺に放りっぱなしなのは、今に始まったことではないのに、「月経があったり胸が少し大きくなったりしているのにそれらの下着類を無頓着にしている」、そしてそれが「性に興味を持ち始めた息子に変な刺激になるのでは?」と心配していらっしゃる。
娘さんと息子さんを合わせて心配するのはあなたの「性」に対する思い込みがあるように思います。
2人のお子さんへの心配は分けて考えましょう。

あなたの思い込みの1つは、男性は誰のものであれ女性の下着に興味と関心を抱くものと思っているところです。少年たちの中には、時には姉妹や母親の下着をタンスの引き出しから出して触ってみたという経験を持つ子たちもいますが、それはごくまれなケースです。
あったとしてもほんの一度とか、ほんの一瞬とかで、大多数の少年たちは本能的に家族血縁は性の対象から避けて成長していきます。
動物としてのも本能で、遺伝子レベルで血縁同士の結びつきが健康な子孫を残しづらいことを分かっている人間は、強い子孫を残すために自分とは遺伝子レベルで遠い関係の相手を求めるようになっていると言われています。ですから、息子さんに刺激になるから娘さんの下着を親が慌てて片付けるのではなく、娘さんには自分のものは自分で片付けるさせる習慣を付けさせてください。もちろん下着だけでなくです。

2つ目の思い込み、女性は月経が始まったりブラジャーを付けるようになったら、性と関わるものは隠すべき、という偏見です。月経用品はブラジャーは隠すのが大人の女の振る舞いというあなたの思い込みは、お子さんたちに「性は隠微で恥ずべきもの」という感覚を植え付けてしまいます。
娘さんには「女の子でしょ、片付けなさい!隠しなさい!」という叱り方は絶対にしないでください。「性」はもっとおおらかで健康で、男女共に生きる喜びの大きなものなのですから。

そしてパソコンでアダルトサイトをこっそり見ている息子さんは「悪いことをしている」と心配することが3つ目の思い込みです。昔は息子の部屋にアダルト雑誌が隠されているとかマスターベーションの形跡があるとかいうのが母親からの相談の定番でした。
それが、今ではパソコンで見ているというように変わってきました。元はと言えば大人が大人の男性をターゲットに売り出したもの。メディアがそれを商魂たくましく煽り、少年たちがそれに興味を持つのは当然。正常な発達段階にある思春期の少年をよくない方向の「性」に導いているのは大人なのです。それをただ叱って見せないようにするのは至難の業。

ネット上には、あなたの想像をはるかに超えた「性」の情報が氾濫しているのです。
むしろ、性にたどり着く前の愛とか友情とかを積極的に親子、兄妹、家族で語り合える雰囲気を親のあなたが工夫してみてください。
最大の思い込みは、あなたの「性」は恥ずかしいもの、隠すべきものという考えです。
もっとあなた自身が「性」を伸びやかに健康的なものと考えるように変わってください。

(文:大関洋子)

2015/10/30(金)
第83回【夫婦編】「妻から別れたいと言われて…」
【Q】
先日、妻から突然「別れたい」と言われました。
妻とは結婚して25年になります。お互いの友達の紹介で知り合い、1年ほどお付き合いをしたところで、私からプロポーズして結婚しました。
二人の子どもたちも結婚はまだですが、成人して一人で生活するようになりました。
そろそろ退職後を見据えて二人でどういう人生を送ろうかと考えている矢先だったので、私には状況がよく飲み込めません。私は仲のいい夫婦だと思っていたので、妻も私と同じ気持ちだとばかり思っていました。妻には「あなたと結婚したのは友達が次々結婚していく中で、自分だけが取り残されるという危機感からだった。愛情がなかったとまでは言わないけれど、子どもたちも成人したし、これからは自分らしい人生を送りたい」と言われました。私としては、何が何だか全く分からず、どう対処していいのか見当もつきません。

【A】
「思い込み」って怖いですね。
夫であるあなたは「仲のいい夫婦だ」と思いその上「妻も私と同じ気持ちだ」とばかり思っていたんですものね。ところが現実は全く違ってあなたと結婚した理由も「友達が次々結婚していく中で自分が取り残される危機感」からだったし「子どもたちが成人したら自分らしい人生を送りたい」と妻はその日の来るのを一日千秋の思いで待っていたわけです。

あなたは妻から「別れたい」と言われた時さぞかしびっくりしたことでしょう。
だからそれを「突然」のように思い「何が何だか全く分からず、どう対処していいのか見当もつかない」という状態に陥ったわけですよね。よくある思いですね。
下のお子さんが成人したわけですから少なくとも20年ちょっと、奥さんの気持ちは全くわからなかったということです。奥さんもよく我慢したものです。1年365日×20年。
1日1日、夫の言動に「イヤ、違う」「そう言ってもらいたいんじゃない!」「いえ、そうしてもらいたいんじゃない!」と心の中でつぶやいたり、時には叫んだりしながら、それでも何も言わずに日々を送り、時をやり過ごした。「どうせ夫は私の言うことを聞くような人じゃない」「どうせ私の気持ちをわかろうなんて努力してくれるわけがない」「子どもの前でお互い大声をあげてののしりあえば子どもの成長にとっていいわけがない」。

働いたお金を持ってきてくれなければ子どもは育てていけないし、私は手に職もないし、まあ子どもが成人するまではこのまんま、まあ同居人という感じでがまんしていたということなんでしょうが、あなたは夢にも思わなかったわけでしょ?そしてついにその日がやって来て「別れたい」と離婚を切り出された。

手遅れのようですが、あなたが気づかなかったのは奥さんが不満をちっとも言ってくれなかった、たとえそれが「どうせ言ったって怒るだけ」というあなたの態度にしても、夫婦の関係は2人で作っていくものなのですから、大急ぎで「ごめんなさい。あなたの気持ちにちっとも気づいて上げられなかった、と平謝りに謝って、何で言わないんだよという思いは飲み込み、「これからはあなたの気持ちを理解して、あなたがどう生きたいか、それに添って自分も生きるようにする」と心を込めて話してみてください。奥さんもあなたが心を込めてお詫びとお願いをすれば心が動くかもしれません。
お詫びやお願いをめんどうと思うようだと、奥さんの気持ちは動かないかもしれませんね。
お子さんの恋愛や結婚、孫の誕生などこれからまだ両親の出番や二人の喜びはあるはずです。

(文:大関洋子)

2015/10/15(木)
第82回【恋愛編】「彼女の前のめりな姿勢が怖い」
【Q】
今年の夏は、友人3人とバーベキューに行きました。
3人とも結婚していて子どももあり、賑やかなバーベキューになったんですが、そこで友人の連れ合いの友達という女性を紹介されました。結婚していない私のために気を遣ってくれたんです。
私は35才、彼女は29才。気立てのいい女性で、次は2人で食事でもということになり、また会うことを約束して別れました。
その後、3回ほど食事に行き、4回目はドライブに誘ったんです。
3時間ほど走りましたからゆっくり話が出来たんですが、彼女の話はすべて将来の家族のことなんです。どんなところに住みたいから始まって、両親との関係とか、子どもが何人ほしいとか…。
一般論として言っているつもりみたいなんですが、私との関係が結婚を前提としたものというのがありあり。私も、それなりの年齢ですから、女友達がいないわけでもないし、もう少しで結婚という女性もいました。彼女のあまりにも前のめりな姿勢がとても怖いんですが…。

【A】
「前のめりな姿勢がとても怖い」と言っていますが3回食事に行き、4回目のデートでドライブに誘っているんですよね。そのドライブの3時間の中であなたとの結婚を望むかのような話題が出たことを「前のめり」といい、それが「怖い」と言っているあなたはこの女性のことをあまり気に入っていませんね。
別に会った瞬間にビビッとこなくては結婚すべきじゃない、付き合うべきじゃないと言ってるわけではありませんが、友人夫婦の気遣いで出会い付き合い始めて、29才の女性が折角あなたに好意を示しているのに「怖い」という感覚を持ったようなので、これ以上お付き合いを続けるのはお薦めできません。

あなたにとってもですが、彼女にとってもいいことではないと思います。
最初に会ったときに「気立てのいい女性」という印象を持ち、3回4回と会っているにもかかわらず、いえ、会っているからこそ彼女はあなたに好意を持ち、あなたも自分に好意を持っていると思い込んで結婚を匂わすような話に振ってきているのでしょう。どんなところへ住みたいとか両親との関係、子どもが何人ほしいとか、あなたは「一般論として言ってるつもりみたい」と言いながら彼女の気持ちは、「私との関係が結婚を前提としたもの」とわかっている。それにも拘わらず、というかそれが「前のめり」で「怖い」というのですから、これ以上付き合っても無駄。というか彼女にも失礼というものです。

あなたと彼女の価値観がすでにズレているのですから、あなたは彼女の気持ちに共感することは難しいですね。第一印象は悪くはなく、このドライブもあなたの方から誘っているようなのに、彼女の思いはすでに片想いになってしまっています。
彼女のあなたへの好意が重い、怖いというのはあなたには結婚の意志がないわけですよね。2人のこの交際の目的は異なっています。あなたはまだ色々な女性と付き合うというか遊びたいようです。

どうか彼女とは距離を置いてあげてください。
相手の言動を少しでも「怖い」と感じたり、そう表現したりする感情は愛や友情とは遠いものです。あなたには女友達も、もう少しで結婚という女性もいたようですが、35才という年齢にしては人に対する姿勢が逃げごしのような気がします。
結婚を前提として相手と付き合うかどうかは別として、あなた自身の人への思いやりや相手の受け入れ方が浅いように思われますので、この際自分の対人関係の持ち方について考えたり気づいたりしてみてはいかがでしょう。

(文:大関洋子)

2015/10/02(金)
第81回【職場編】「夫婦別姓は当然と思う私って変?」
【Q】
半年ほど前に結婚しました。今の会社に勤めて10年。
社内だけでなく取引先の皆さんにも名前を憶えてもらっているし、今さら新しい名刺を作って名前を覚え直してもらうほどの意義を感じないし…。
だいたい、なんで女だけが結婚したり離婚したりする度に姓を変えなきゃいけないのかまったく理解できません。社内にもいるんです。
結婚したっていうことをあんまりみんなに言わない人だったんですけど、社内の書類書いたりするんで「えっ、結婚?!」みたいになって、そのうち元に戻って、また変わって…。
私はそれがとっても嫌だったんで、結婚してもそのままの姓で呼んでって言ったら、みんなそうしてくれてはいるんだけど、陰ではいろいろ言われてるみたいなんです。「結婚したのになんで変えないの?結婚したら普通変えるでしょ!」みたいな…

【A】
夫の氏を名乗るということとは若干違いますが、9月23日に時事ドットコムが「夫婦同姓の規定を改めない日本に対する国際世論は厳しさを増している。
国連の女性差別撤廃委員会は法改正を繰り返し勧告。別姓も選択できる制度を採用する国が増え、同姓を強制する国はほとんどないのが現状だ。」と報道しました。
国連は1979年、男女平等を目的に女性差別撤廃条約を採択して、締約国からの報告に基づいて実施状況を検討する女性差別撤廃委員会を設置しました。日本も85年に締結するにはしたんですが、委員会から2003年と09年に、民法が定める夫婦同姓、女性の再婚禁止期間、男女の婚姻最低年齢の違いを「差別的な規定」とされ、法改正するよう勧告を受けましたが、未だ日本は勧告に従っていません。世界の中で、リーダーシップを取ろうとしている安倍内閣にしては情けない話です。

「女性が活躍できる社会」を移民受け入れよりも先との発言もあったようですが、実際には民法に手を付ける気配すらないのが現状です。ただし、東京などの男女5人が計600万円の国家賠償を求めて起こした夫婦別姓訴訟では、一審・東京地裁は「夫婦別姓は憲法で保障された権利とは言えない」として請求を棄却、二審・東京高裁も維持のに対し、11月4日に最高裁大法廷が弁論を開くことになりました。大法廷が弁論を開く場合には、高裁判決を覆す場合が多いことから、違憲判決が出る可能性があります。

さて、どちらの氏かの問題に話を戻すと民法(750条)は「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」と規定しているのですが、実際は95パーセント以上の夫婦が夫の氏を名乗っています。あなたが感じる通り改姓をする女性側には生活上、精神上さまざまな不利益が生じます。夫婦同姓の強制は「氏名は社会的にはある個人を特定する記号であるが、個人にとっては自己の人格を象徴するものである」ことを侵害しかねません。
また「家名」「家を継ぐ」とする意識が根強くあり、「氏」が戸籍の編成単位とされる男系優位の「家制度」の名残とも見られます。女性が男性の姓に改姓するとしばらくは自分が自分でなくなったような違和感が生じたり、夫と妻の間の不平等感、自分の社会的実績が一時途だえた感、夫の家に吸収される感じ、あなたがおっしゃるように結婚、離婚、再婚などのプライバシーが否応なくわかってしまうことにもつながります。その上改姓につきものの手続きのわずらわしさ等々の問題点もあります。

1996年に法制審議会で5年にわたって夫婦別姓制度を含む民法改正案が審議され法務大臣に答申されましたが「家族の一体感が損なわれる」といったような議論が噴出したため法改正は進まず、現在でも別姓を例外措置としています。あなたのように考える方が多くなっている現在名字が違う夫婦や親子は一体感親密感が持てないのかどうか、そろそろもう一度考えてみる時ですよね。名前を「家」のものと考える発想は一人ひとりの個人より「家」とか「国家」の方を大切に考える考え方に通じるような気がします。もう時代は、「家」と「家」の抗争や結びつきを大切にしたロミオとジュリエットの時代ではないのですから家と家の抗争にまつわる悲恋や悲劇は終わりにしたいものですね。

かく言う私も女2人の姉妹のため最初の結婚では長男である夫の姓を名乗るのか、私の家名を絶やさぬよう私の姓を名乗るかで親や親せきが大もめにもめ、結局は私の姓を名乗ることになりました。
しかも、両親と養子縁組までしてです。そのことが結婚生活の中で「男性でしかも長男に名前を変えてもらった」「変えてやった」という思いをお互いが引きずることになり、夫婦関係がうまくいかない一因ともなりました。男性の方が姓を変えた場合は、「婿養子?」なんて聞くことも多いかと思いますが、どちらの姓を名乗ってもいいわけですから、民法上は「養子」とは無関係なんですけどね。
現在私は、再婚して私の姓を名乗っています。すると同窓会名簿などで私を見た人から「大関さんて結婚しなかったんだね」と誤解されたりもしています。

「結婚したら普通変えるでしょ!」と言われて居心地悪いでしょうが、そう遠くない時期に夫婦別姓が認められて、堂々とご自身の姓を名乗れる時代が来ることを期待しましょう。
その時には、姓を変えている人が「変」になっているかもしれません。

(文:大関洋子)

2015/09/18(金)
第80回【子親編】「入院中の義父が…」
【Q】
義父が大腸がんの手術をしました。
手術で全摘できるから、ほぼ完治するだろうと言われました。
義父は明るく賑やかな人なんですが、がんと診断されたあとはまるで別人で、ほとんど口をきかなくなってしまいました。手術は無事に済み、周りはホッとしたんですけど、そのあとが大変なんです。
それも私だけ。個室なので、面会時間をあまりうるさく言われないことをいいことに、私をずっと付き添わせて、何から何まで私にやらせるんです。挙げ句の果ては、体をさすれ、体を拭けなど、とにかく接触させようとします。義母だっていられないわけじゃないのに、義母にはほとんど口もきかず、「嫁がいてくれるっていうんだからおまえは帰れ」ってすぐ帰しちゃうんです。私、そんなこと言ってないし…。
別に義父の世話をするのがいやなわけじゃないです。でも、恋人同士じゃないんだから…。私ももう切れそうになります。

【A】
ご苦労様です。お疲れ様です。
お義父さんはまるで恋人か恋女房のように自分のそばにおきたがる。
あなたは「恋人同士じゃないんだから」と切れそうになっているというわけですね。それにお義母さんだって付き添えない状況じゃない。なのに私に「体をさすれ、体を拭け」と接触させようとする、あなたとすれば「役割が違います!」と叫びたい気持ちでしょうね。

ところでちょっと伺いますが、このお義父さんの息子であるあなたの夫とはとても仲のいいご夫婦でいらっしゃいますよね?あなたの夫はあ、あなたのことが大好きで大切にしてくれていますよね?
実は父親と息子の好む女性の容姿や性格や行動パターン、要するに「生き方」といってもいいでしょうか。それは全く同じといっていいほど、似かよっているのです。
生物学上の異性の好みが似ていることが多いのです。息子の連れ合いを自分の娘のように可愛がるお義父さんて結構いるじゃないですか。動物の生き残り戦略の一つとして、DNAを受け継いでもらう女性のタイプは父と息子で似ているわけです。

ですからお義父さんがこれほどあなたに執心ということは、おそらくあなたの夫もまさにあなたにピッタリのタイプ。ですが現在健康で若い彼は、さすがにあなたにベタベタしているわけにもいかないのですが、あなたが息子の嫁となって以来、憎からず思ってきたお義父さんは無意識のうちに「おーっ、わしも息子の女房のような女性がよかったなぁ〜」とうらやましく思い続けてきたのでしょう。
元気な時はあまりあからさまにその気持ちを言動に表わすのははばかられ押さえていたけれど、生命の危険もある状態になり、無意識に心のフタが開いて素直にあなたを求める状態になったわけです。

あなたは感心にも「別に義父の世話をするのがいやなわけではない」と言っているので、どうかお義父さんの一生で最後(いえ、大腸がんの手術は成功したようですが)のわがままというか、夢を叶えさせてあげてください。きっと体調が回復して心理状態が平静になれば、またもとのように息子の連れ合いとしての距離を取れるようになりますから。
今は不安で誰かに甘えたい、その甘えたい対象があまり好みではなかった自分の妻ではなく、息子の妻になっているとお考えください。
あなたの夫は「しょうがないなぁ、おやじ」と思いながら昔から「俺と好みが一緒だったもんなぁ」とあなたに感謝し、義父のことをずっとわずらわしく思ってきたであろうお義母さんも「悪いけどお願いね」と助かっていることでしょう。

(文:大関洋子)

2015/09/03(木)
第79回【親子編】「娘がメイド?!」
【Q】
高校2年生の娘がいます。
以前は、「洋服買うから」とか「携帯代」とか言ってお金をせびられることがよくあったんですが、最近あまりお金をせびられることがなくなりました。「お金足りてるの?」と聞くと、「アルバイトのお金で何とかなってる」というので、ファミレスのアルバイトで何とかなってるもんだとばかり思っていたんです。
ところが先日、娘の部屋の掃除をしていたら、本の間に挟んであった写真が落ちたので拾ってみると、メイド服を着た娘が写っていたのでびっくりしました。
どうやら、知らないうちにメイド喫茶で働いているらしいんです。たぶん時給もかなりいいですよね。
娘の生活を見ていると、使うお金を切り詰めるのはかなり難しそうなので、このままだとずっとメイド喫茶で働くことになりそうな気がします。犯罪に巻き込まれる可能性も高くなるし、このあと風俗店にでも勤め始めたら大変なので怒りたいんですけど、怒って「家出でもしてしまったら」と思うと怒ることも出来ずに困っています。

【A】
あなたの心配はアルバイト先が「ファミレス」でなくて「メイド喫茶」だったということのようですが、時給のいい「メイド喫茶」で働く大もとの原因が問題です。
問題の一番大きなものは「使うお金を切り詰めるのはかなり難しそう」と親のあなたがあきらめている点です。「使うお金」即ち消費することに喜びを求める高校2年生を育ててしまったということに問題の焦点を当てて考えてみてください。今回の相談の中でも「お金足りてるの?」と娘さんに尋ねていることからいつも娘さんの言うままに足りるだけお金を上げてきたようですね。
「洋服代から携帯代までお金をせびられることがよくあった」とあなたが言っている通りに。

「消費すること」に興味を持つ生活は、消費のためにお金が必要になるわけですから、親にせびる面倒がない稼ぎ方を見つけたのでしょう。時給のよさでいえばファミレスやコンビニのバイトより何倍も高いメイド喫茶という場所は、彼女が行き着く当然の稼ぎ場所だったわけです。この時点で消費行動が止まらなければ、あなたも心配しているようにもっと稼ぎのいいキャバクラや性を売り物にするアルバイトに向かうことになります。

もう1つの問題点は「怒って家出でもしてしまったらと思って怒ることも出来ずに」いる親の姿勢です。確かにキャバクラには住み込みのための寮が完備している所もあるので家出もできると思います。だから、今は見て見ぬふりをして困っているわけですよね。
さて、この2つの問題を解決するにはどうしたらいいか…。
まずは「怒る」のではなく、「話」をしてください。
そして17年間で身についてしまった「消費ぐせ」を少しずつでも方向を変えて「創造する、つくり出す喜び」を感じてくれるよう親子で努力してください。何かを買うことで感じる喜びははかないもの、ゼロから工夫して作り出すことの充実感を小さなことからでも始めてみてください。
そして親のあなたも、何かを買い与えることでこの子を育ててきてしまっていないか反省してみましょう。
今までのことはすんでしまったことですが、今からでも間に合います。
もう1つは「労働」の喜びについてですが、別に額に汗して働くファミレスのアルバイトがいいということではないのですが、「性」を売り物にすることの危険性や労働としての質についても話し合ってみてください。

(文:大関洋子)