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食への目覚め
鴻 朋友です。毎週木曜日、「食への目覚め」という題で、食に関するお話しをさせていただきたいと思います。 食に関しては知っているようで知らないこと、知っていれば別の楽しみ方もあるのに、ということが多々あります。 そうしたことを少しずつ整理して皆様にお届けします。どうぞご期待下さい。

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第43回 お茶の起源!
 喫茶は、巴(は)(現在の四川省重慶あたり)や蜀(現在の四川省成都あたり)を中心とする西南地方で紀元前数千年前から、すでに行われていたと想像されている。その時には、巴・蜀の地には、のちに主体となる漢民族はまだ住んでおらず、主としてそれ以外の部族が活動していた。その茶の産地である巴・蜀の地から、お茶も含めた南方の物産を最初に中原にもたらしたのは、漢民族の主体をなす部族であった。それは中原に覇を競っていた殷と周である。

 殷(BC17世紀〜BC11世紀)は黄河の支流・華南の安陽を都とする部族で、青銅器の祭器や武器のほか、最古の文字、甲骨文、などを創り、燦爛たる文化を誇っていた。また周は、黄河のもう一つの支流である渭水(いすい)のほとりに(西安の西北部)基盤を置き、農耕生活を営んでいた。国の東南にそびえ立つ大国の殷に対して、農産物の献上、労役の奉仕、時には部族間の戦争への従軍などを余儀なくされていた。周は、度重なる圧迫を加えていた。紀元前1066年になると、周はついに殷に叛旗を翻した。西南の8つの国を結集して、殷討伐に乗り出した。周は殷を倒した後、功績を立てた諸侯と同族の重臣に対して、領地の配分を行った。《華陽国誌・巳誌》によると、姫(き)を姓とする同族の一門は巳の地を与えられ、毎年、巳の特産品を周に献上したという。その献上品の中に、桑・絹・魚・岩塩・銅・鉄・漆・蜂蜜・雉(きじ)・亀・犀(さい)などと並んで茶(お茶)もあった。お茶はこの時南方の特産として中原に運ばれたのである。しかし、喫茶がこれで北方の地に定着したわけではない。そしてどのように飲まれていたかは分らない。

 西南地方の製茶とその飲み方を教えてくれた最古の文献は、三国時代の魏(220年〜265年)の人、張楫(ちょうゆう)が著した『広雅(コウガ)』である。湖北省と巴(四川省重慶あたり)あたりでは、採ってきた粗大な茶の葉を、重湯で粘りを付けながら、餅の形にする。飲用する時は、まずその表面が赤くなるまであぶる。それから、挽いて粉末にし、磁器などの器に入れて、熱湯を注ぐ。その上で、葱や生姜、みかんの皮などを混ぜて飲む。酔いと眠気を覚ます効果があると記されている。

 お茶を固める手法は、中国の製茶史において、後の宋代にいたるまで主流となっていた。唐代までは「餅茶(ピンチャ)」と言われ、宋代では「団茶」と呼ばれていた。この手法で製造されたお茶は、運搬しやすいばかりでなく、長期間の保存もできるので、商品として遠方へ、流通したり、または献上品として中原へ納めたりするのに最適であった。

 製茶で茶の葉を固めると、中の空気が追い出され、かびが生えにくくなり、中国では現在も固形茶を生産している。それは主に、国内の遊牧地区への供給や遊牧国への輸出に使われている。 また飲む前にお茶を火であぶるのは、湿気を取り、芳しい香りを出すためで、これは今にも通じる飲み方である。


**1月24日(金)掲載**
(鴻 朋友)

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第42回 不思議なお茶の成分
 去年はお茶の飲料でも相当数の新製品が発売されたが、薬効があり、しかもアレンジできて楽しめる飲み物として、中国でも日本でも(特にイギリスなど)日常生活に深く浸透している。お茶はあまりにも身近な飲み物で、いつでも手に入る(たとえ山の中に行っても)物だけど、よく考えると不思議なことが多い。苦いけれど爽やかで清々しく、渋いけれど甘みがある。眠気を醒まし、気分を昂揚させて元気にさせる働きもあるが、その一方で、興奮を鎮め、気持ちをほっと穏やかに和ませてくれる働きもある。

 こんなに相反する性質をそなえた飲み物が他にあるだろうか。このような作用はどこからくるのだろうか。最近、茶は抗ガン作用、抗菌作用をはじめ、さまざまな生体機能を持つ飲み物として話題を集めている。カフェイン、カテキン(茶タンニン)、ビタミンC、テアニン(アミノ酸)など茶の成分がしだいに明らかにされ、それぞれの成分の作用について急速に研究が進んでいる。

 お茶はこのように成分と作用の面で不思議な飲み物といえるのだが、歴史的に見ても沢山の不思議なめぐり合わせ、たくさんのドラマを生みながら世界中に広がってきた。

 現在では、インド、中国、台湾、スリランカ、ケニア、グルジア、トルコ、インドネシア、日本、アルゼンチンなどが主なお茶の生産国となっており、紅茶が茶の生産量全体の75%を占めている。例えばちょっと古いが、1988年の生産量は紅茶182万トン、緑茶50万トン、烏龍茶など10万トンとなっている。東アジアだけでなく、東南アジア、中近東、アフリカ、南米など非常に広い範囲でお茶が生産されている。またお茶の主な輸入国は、1991年の統計によれば、イギリス、ロシア、パキスタン、アメリカ、エジプト、イラン、日本、オランダ、ドイツ、サウジアラビアなどで、このうちイギリスは全体の15%を占めている。日本も紅茶や烏龍茶など茶の輸入国であることや、茶を飲む国が世界各国に広がっていることがよくわかる。

 お茶はどのようにして「東洋の飲み物」から「世界の飲み物」になったのだろう。今から400年ほど前、中国と日本のお茶が初めてヨーロッパにもたらされた。やがてオランダやイギリス、ロシアや北欧などを中心にお茶は人気の飲み物となって、ヨーロッパの生活に定着していく。1800年頃になると、イギリスではお茶は「国民生活の必需品」とまで言われるほどになった。このころイギリス人は世界の諸地域に進出して植民地をつくったが、生活習慣も本国から携えていったので、お茶は世界各地に伝わり、今ではコーヒーやココアとともに、世界中で愛好される飲み物となっている。つまり、お茶が世界の飲み物になるまでに、お茶好きの国になったイギリスが深く関わっているといってよい。


**1月16日(木)掲載**
(鴻 朋友)

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第41回 いろいろな中国茶
中国茶の分類法

中国茶は、専門的には製茶方法によって、大きく緑茶、黄茶、青茶、紅茶、白茶、黒茶の六種類の茶葉の色による分類がされています。例えば、烏龍茶は青茶になりますが、一般の人にとっては分りにくく、烏龍茶を買うのに色で茶葉を選ぶ事はほとんどありません。この分類法は、新しく台湾で発行されている茶に関する書物でも、ほとんど見かけられなくなっています。また、最近は烏龍茶を紅茶に仕立てるなどのチャレンジも行われ、この分類法をさらに難しくしています。

 台湾では一般的に茶葉を、ストレートに、発酵茶と不発酵茶に大別しています。さらに発酵茶は軽発酵茶、半発酵茶、重発酵茶、完全発酵茶、後発酵茶と発酵の度合いによって分類しています。しかし、中国人は発酵茶の方が飲みなれているため、不発酵の緑茶も軽く10〜15パーセント発酵させているものもあリます。

 台湾の不発酵茶には、主に輸出中心のものに珍眉茶(チンビチャ)と珠茶(ズウチャ)があり、国内消費中心のものに龍井茶(ロンジンチャ)、大方茶(ターファンチャ)、毛峰茶(モウホウチャ)、瓜片茶(クァーペンチャ)、碧螺春茶(ピロチュンチャ)があります。発酵茶には包種茶(パオシュチャ)、烏龍茶、鉄観音茶、水仙茶、寿眉茶(ジュビチャ)、プーアールチャ、紅茶があります。他に、花茶、烟茶(イエンチャ スモーク茶)、茎茶、酸柑茶(サンカンチャ)、柚子茶、仏瓜茶(ブッカチャ)などの加工茶があります。また「冬茶なので味が落ちる」などと言うことがあるように、茶摘の時期によって分ける事もあります。

 そして台湾の茶葉は大きく分けて六期(6回)採ることが出来ます。三月上旬〜五月中旬に摘んだ物を春茶、頭幇茶(トウホウチャ)または頭水茶と言い、緑茶や包種茶にするのが最も美味しいとされています。夏には二回採取され、一回目は春茶後二十〜三十日後に芽生えた茶葉で夏仔茶(ゲシチャ)、二水茶、と言い、二回目のものは六月白と言います。秋も二回採取され、夏茶の採取後1ヶ月後の茶葉を秋仔茶、三水茶、または三番茶と言い、2回目のものを白露筍と言います。冬は冬茶または四番茶と言います。また、台湾の龍井茶は中国に習ってイベント的に旧暦のお盆(清明節)前に摘む事もあり、これを明前茶(ミンゼンチャ)と言います。

 台湾で栽培されている茶樹を分類すると、青心烏龍、大葉烏龍、青心タアモウ、硬枝紅心の4種類が優良品種とされています。これは日本の統治時代に選定された物です。また、武夷(ブイ)、鉄観音、アッサムなどの他、台茶1号、台茶2号と開発番号が付いた数十種があります。

 この他にも、萎凋(イチョウ)度、茶葉の裁断具合、製造方法、栽培方法などによる分類もありますが、台湾で一般の人に定着しているのが産地による分類です。凍頂(トンテェン)烏龍茶は凍頂産の烏龍茶で、実はどのような茶か分らなくても、台湾人は生まれた時から馴染んでしまっているのです。


**1月16日(木)掲載**
(鴻 朋友)

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第40回 中国茶ができるまで
 最近は機械の性能がよくなったため、茶を摘むのにほとんど機械を使っている。もちろん、機械が入れられない所や一部の高級茶は相変わらず手摘みにこだわっている。

<b>1 日光萎凋(日光による自然乾燥)</b>
 日光萎凋(いちょう)は茶葉を発酵させるために行う。発酵とは茶葉に自然に含まれている酵素を酸化させる事で、この度合いで茶湯の色や香りが変わってくる。一般には朝早くから摘んだ茶葉を軽くかき混ぜながら、日に当てていく。

<b>2 室内萎凋(室内での自然乾燥)</b>
 日光萎凋した茶葉を室内に入れて、熱くなった茶葉を冷ましながら、ひき続き発酵させる。また、茶葉に残っている水分で茶葉に潤いを与える目的もある。茶葉は竹で編んだ大きな丸いざるに乗せ上からも下からも空気が入るようにして、間をあけ10段ぐらい重ねている。室内のため換気には気を使い、ここでの作業が一番大事な工程になる。

<b>3 炒青(発酵を止める)</b>
 不発酵茶は茶葉を摘んだ後、この工程から始まります。台湾は炒青(サーチン)を中国と同じく釜で炒る方式で行っている。
日本は、古い中国の伝統を取り入れているため蒸す方式が一般的。蒸す方式の方は味がサッパリするようだ。炒青のための釜は丸い大きな筒の中に茶葉を入れ、ぐるぐる回るようにして回転させる。

<b>4 揉稔(もむ)</b>
 現在は機械揉みが一般的だが、台湾では茶葉を機械で摘んだ後に、綿の布で茶葉を包み、手で揉んで茶葉の形を仕上げる所もある。そしてこれを手揉み茶と呼ぶこともある。手揉みは想像を越えるほどの重労働で、かっては布で茶葉を包み
板にはさんで踏みながら揉むのも一般的だった。中華街などに行くと、ちいさい布に包まれて売られているお茶もある。

<b>5 焙火(ばいか)</b>
 茶葉に残っている水分を飛ばす作業です。出荷の時期によって、数回行うこともあるが、現在はほとんどが機械を使って乾燥させている。こだわる所は、いわゆる遠赤外線の炭火の上に茶葉を入れた大きく平べったい籠を置いて、職人が籠を振りながら茶葉の乾燥を行っている。

<b>6 成品(商品としての仕上げ、選別)</b>
 茶葉の素あげは、やはり人の目で確認しながら行います。茎や異物を取り除いてから袋詰めを行う。人の目で行う前に、機械で自動的に選別を行っている所もある。他に機械で茶葉を飛ばして、自動的に茶葉の重さごとにそれぞれの籠に入れる方法もある。
 ティーバッグにする茶は成品前に切断機で細かく切り、ティーバッグに詰めてから包装する。


**1月16日(木)掲載**
(鴻 朋友)

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第39回 中国茶ができるまで
 茶樹は植えてから5年目に茶摘みができるようになり、30年目頃から衰退し始め、平均50年で寿命を終えるといわれている。台湾茶の茶園は、年間降雨量が1800ミリと多く、湿度が75〜80%、平均気温は16〜20℃という気候のところが多い。地質はpH4.5〜5.4の間で、栽培地の海抜はバラバラで、10メートルのところから、高山茶のように2000mを越えるところもある。中国では、1200〜1500mで茶を栽培しているところが多い。

 中国での茶畑は、想像を絶する位の広さで栽培されている。一面茶畑でシーズンになると何グループにも分かれ、先が霞む位の広さまで続いている。

 茶摘みは一芯二葉(新芽の二葉)か、一芯一葉(先の1枚の葉っぱだけ)で摘む。昔の中国では一芯二葉を雀舌茶(じゃくぜつちゃ)とも呼んでいた。摘んだ茶葉が雀が舌を出したように見えたからと言われている。この雀舌茶は、かって中国では高級茶の代名詞でもあった。茶が韓国に伝わったのち、韓国でも高級茶に雀舌茶と名前をつけるようになった。韓国土産に雀舌茶を買ってきたり、旅行中に飲んだ人も多いと思うが、ここにも茶の文化交流があった。

 一芯一葉は「一槍一旗(いっそういっき)」とも形容されていた。芯芽を槍に、葉を旗にたとえたものである。

 台湾では摘む葉の種類を開面葉と対口葉に分けています。開面葉は葉が開いたばかりの比較的新しい葉の形を指している。白豪烏龍茶、龍井茶、紅茶は主に開面葉を使っている。芽が葉っぱに成長した頃の葉を対口葉と呼び、包種茶、凍頂烏龍茶、鉄観音茶、水仙茶で主に使われている。開面葉と対口葉は茶葉を摘む時期の参考にもなっていた。

 茶葉の採取は朝早くから行われるが、台湾では茶葉を採取した時間帯によって、二五菜(にごさい)、上午菜(じょうごさい)、中午菜(ちゅうごさい)と分けて呼んでいる。二五菜は朝7〜11時、上午菜は午前11時〜午後1時、中午菜は午後2〜5時に採集した茶葉の事。二五菜は水分が多く含まれているため、品質的にはやや良くないとされている。

 上午菜が最も水分が少なく、葉もやや暖まっているため、良いとされている。しかし、最近ではいろいろな所に茶園が作られたためか、最近では、正午12時〜午後3時に採集した茶葉が最も美味しいといわれている。


**12月13日(金)掲載**
(鴻 朋友)

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Re: 第39回 中国茶ができるまで2002/12/18 3:45:56  
                     fun

 
中国茶のお話勉強になります。僕は中国茶が大好きで名古屋の専門店から格安に台湾茶を取り寄せています。特に台湾のお茶が好きで好んで飲んでいます。しかし詳しいですね〜!
 

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第38回 請給我一杯茶(チンゲイウォーイイペイチャー)
 日本で最も有名なお茶の名前はウーロン茶といわれるほど、中国茶の代名詞のようになってしまった。

本場中国では、三千年以上の歴史があり、明の時代には皇帝へ献上した。医食同源から始まったお茶は、貴族達の飽くなきおいしさの追求によって、より高度な文化に発展していった。日本の緑茶もヨーロッパの紅茶も中国から伝えられたもので、いうなればお茶の母国なのだ。当初、お茶は薬草として飲まれていた。しかし、同じお茶であっても移動して発酵したり、水分の関係、温度の関係、湿度の関係等によって、より複雑な味に変化し、その美味しさから嗜好品として定着した。茶神として有名な陸羽が、茶の楽しみ方と精神を説いた「茶経」によって、茶の文化を花開かせたのだ。しかし中国で、各地の特産のお茶が飲めたのは貴族や一握りの官僚や、金持ち、高級宦官達だけだった。ここにも宦官達のネットワーク(人脈、金、地位)が活躍し宦官たちの高い知識によって、文化としての地位を築いていった。

 中国茶の種類は300種とも500種とも言われているが、産地であったり、また同じ種類のお茶でも季節や、気候により、それぞれでき具合が違ってくる。当たり前の事だが、その他に、お茶の木の種類、性質など、実に沢山の要因が働いて、お茶に仕上がっていく。

 中国茶は、中国、台湾が2大産地として有名だが、飲まれている種類は、緑茶が一番飲まれている事はあまり知られていない。緑茶と言っても日本のような、濃い緑のお茶ではない。

 まずいろいろある中国茶だが、製茶方法によって、大きく緑茶(お茶の葉をすぐに熱処理した見発酵茶で、日本の緑茶とは味わいが違う)、黄茶、青茶、紅茶(完全発酵のお茶でキーモン紅茶は世界的に有名)、白茶(弱く発酵させたお茶で緑がかった色と淡白な味)、黒茶(最も発酵が強い)の6種類の茶葉の色による分類がされている。例えば、ウーロン茶は青茶になるが、一般の人にとってはわかりにくく、烏龍茶を買うのに色で茶葉を選ぶ事はほとんどない。この分類法は、今ではあまり見られなくなっている。また。最近は烏龍茶を紅茶に仕立てるなどのチャレンジも行われ、この分類をさらに難しくしている。

 現在中国茶は、発酵茶と不発酵茶に大別している。さらに発酵茶は軽発酵茶、半発酵茶、重発酵茶、完全発酵茶、後発発酵茶と発酵の度合いによって分類している。しかし、中国人は発酵茶の方が飲みなれているので、不発酵茶の緑茶も軽く10〜15パーセント発酵させている物もある。


**12月6日(金)掲載**
(鴻 朋友)

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第37回 クレソンも飾りじゃないぞ!
 クレソンは、日本ではビーフステーキにほんの少し添えてあるぐらいで、単なる飾り物だと思われている。中国での正式名は、「豆瓣菜」トウバンツァイだが、広州における俗称は「西洋菜」シイヤンツァイであり、上海ではスウェイハンツァイ、北京では「涼菜」リャンツァイというが、栽培されているのは南方で、北京っ子などでこのクレソンの存在を知るものはごくわずかである。広州でクレソンのことを「西洋菜」と言うのは、アヘン戦争前後に外国人がもたらしたからそう読んでいるのである。

 大量のクレソンを炒めて食べる事もあるけれども、スープにする方が多いようである。特に夏場は暑さに負けない解暑の効果があるといって、しばしば「西洋菜」のスープを飲む。この場合の「西洋菜」は、日本で飾り物的に先の方のやわらかい部分だけを短く摘むのと異なり、二十センチほどの長さの茎ごと使われる。

 「西洋菜」のスープだけでなく、他の野菜を用いたスープの場合もそうだが、野菜だけがスープになっているのではない。「西洋菜」のスープの例にして述べると、豚肉の赤身、またはニワトリの砂肝を一日塩漬けにしたの(独特の香りと味が出せる)と、「西洋菜」とを水から炊くのである。味が薄ければ塩少々を加えるが、初めから調味料を入れる事はない。ただし、ニンニクをひとかけら入れて炊く。このスープに入っているほんのわずかの豚肉または砂肝も食べられるが、「西洋菜」を食べ、スープを飲むのがメインなので、このスープの名称は「西洋菜湯」シイヤンツァイタンとなるのである。日本では大量に野菜をスープにする食習慣が無いので、野菜そのものの味を知ることは難しい。つまりどういう時期、状態の時が一番美味しいかなど。

 なおこのクレソンだけ、あるいは先に紹介した、空心菜(アサガオナ)だけの素野菜炒めの場合は、ニンニクのみじん切りと一緒に炒められるのが普通である。これは実際に食べ比べるとわかるが、入れた物のほうが香り、コク、味がより複雑になり、青臭さも消してしまいサッパリと、しかも飽きずに大量に食べられる。入れてない物は、味が単調なので飽きてしまう。日本ではほうれん草が簡単に手に入るので、そのまま炒めたり(塩、胡椒)、ニンニクを入れた物、あるいはバターを入れたもの等、どの状態が美味しく大量に食べられるかを試してみると、いかにこのシンプルなニンニクのひとかけらが、野菜を変えるちからになっていると驚かされる。

 日本で鍋物に良く使うキクナもしくは春菊の「トンハオ」は、良い香りがするので鍋物に入れても美味しい。中国でも「火鍋」と言う鍋料理に入れても良い香りがするが、このトンハオを大量の素野菜炒めにするのは大変もったいない気がする。形は、菊の葉っぱに厚みを持たせ、大きくし横に開いていろを少し薄くした感じで、栽培日数は約3ヶ月かかる。
一口の分量は苗で5〜6株を必要とする。


**11月29日(金)掲載**
(鴻 朋友)

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Re: 第37回 クレソンも飾りじゃないぞ!2002/11/29 22:11:42  
                     ほうれんそう

 
鴻さんの野菜の知識は、はんぱじゃありませんね。
それにしても、中国野菜の種類のおおさ、その組み合わせ方の多様さには
おどろくばかりです。
 

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Re: 第37回 クレソンはおいしい2002/11/30 9:57:26  
                     クレソン

 
クレソンは飾りだと思われているなんて知らなかった。生で齧るとほろ苦く、辛味がありわさびの親類だと思います。

サラダに、ローストビーフと一緒に、又はクレソンだけを手巻き寿司に巻いてしょうゆ味でもおいしいですよ。こんどスープを作ります。もう少し安いと助かる。

清流で育てるハーブらしく、庭では無理で、残念!!!
 

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第36回 最も高価な野菜
 これから最も注目されると思われる野菜はスプラウト。種を蒔いて芽が出たばかりの元気の良い、茎まで伸ばした若い新芽の事。それこそ種から芽を出し、これから最終種を作るまでのもととなる、幅広い栄養素(人間にも良い物をたくさん含んでいる)がぎっしり詰まっている。これらは生食で食べる物で、時間の経過により栄養素が落ちてくるのと熱に弱いのが難点である。

 えんどう豆のまだ硬くならない蔓先(新芽)を摘んだ「豆苗」トウミャオ等は栄養価も高く、日本ではまだまだ流通してないが、最も高価な野菜の一つである。
 日本では通常赤花と白花の2種類のえんどうの種が売られているが、それこそ太い蔓先を収穫しようと思い、何年間もこの2種類の種を蒔き(今でも日本の本の中での紹介では単純にさやえんどうの芽と書いてある)、栽培してみたが始めの5〜6回摘めるだけで大量に収穫する事はできなかった。そしてグリンピースとかスナックえんどうの種とか歪性の種(背が伸びない種類のもの)を蒔いて栽培してみたがこれも大量には採れない。それこそ農協(当時何の事か分ってなかった)に聞いたり、台湾の農業の本の中にもえんどう豆の種としか書いてない。そんなこんなで10年位試行錯誤を繰り返し、そして別種類の種である事が分ったのは7年位前の事である。

 このえんどうを日本で栽培するには、約6ヶ月のしかも関東付近では越冬させて霜に当てさせ、根張りをさせないと良いものは採れない。ここにたどり着くまでの研究に費やした時間は非常にもったいない。しかもレストランをやっている合間に栽培するわけなので、今から思うと大変に無駄?な時間を過ごしてしまった。しかしその中で実に沢山の種類があってこの「豆苗」を採る品種にも歪性の種類があることまで分りました。その中でも突然変異らしく、枝からのわき芽だけでなく、下から新芽が出てくる物もありました。いずれにしろ、一人前の量を採るためには、かなりの量がいるし面積あたりの収穫も少ないし、とにかく時間がかかる。食べる前に一講釈ぶちたい野菜の一つである。

 そしてこれは他の具とともに料理される事もあるが、単独で炒めたものを、あるいはスープに入れたものを、大量に食べるのである。中国セロリの「芹菜」チンツァイ、雑草的ヒユナ、赤いものと緑と2種類あるツルムラサキの「紅梗藤菜」やウイキョウの葉柄の「茴香」フェイシャンなど、いずれもそうして食べている。

 新芽を大量に食べるという習慣は日本には無い食べ方である。日本料理で言うと浮き身とか、あしらいとかポイントにはなってもその物が主張して食べられる、提供の仕方をしていない。おそらくこのような食べ方が健康食として脚光を浴びる日が近いと思う。


**11月22日(金)掲載**
(鴻 朋友)

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第35回 日本でも食べてる中国野菜
 サツマイモと近縁の水生植物のウェンツァイは、茎が空洞になっているので、「空心菜」コンシンツァイとか、「通菜」トンツァイと呼ばれている。これは南方野菜で、ベトナムや台湾、タイ、マレーシア、フィリピン、インドなどで良く食べられており、沖縄や鹿児島でも利用されている。日本ではヨウサイとも言うが、朝顔の花に似た白い花を咲かせるのでアサガオナとも言う。鹿児島ではこれをエンツァイと呼ぶが、この呼び方は、福建省南部のびん南語や台湾語の音からきていることは明白だ。沖縄とか鹿児島のように、古くから中国文化との縁が深かった所は別にして、これらの野菜が、中国野菜とか、東南アジア野菜とかの名称で宣伝されていないのは、高温を要求する野菜だからという理由だけではないだろう。食材の輸入が盛んな日本で、これだけはあまり出回らない。これは保管と温度の関係だと思う。寒さに弱く冷蔵庫での保管はたちまち黒くなってしまい難しい、そのままではすぐにしおれてしまい、水につければ根が生える、まことに扱いにくい野菜である。

 料理の仕方は炒めて食べる事が多いが、必ずといって良い位にニンニクと一緒に炒めたり、ほかの塩味の濃い調味料と一緒に炒めたりする。炒めた料理はすぐに食べないと黒く変色していくので、難しい一品ではある。またグリーンの濃い物は味も濃く美味いが、色の変わりにくい、うす〜い白みがかったグリーンのものもある。スープに入れたり、おそば等の麺類やビーフン等にあおみの野菜としてもすぐに熱が入るので、東南アジアでは非常に良く使われている。

 また温度と水分と肥料があればプランターでも簡単に栽培できる位強い野菜で、最近では輸入を含めて、温室栽培などで一年を通して流通するようになってきた。 約30cm位に伸びたら切るとワキ芽からまた伸びてきたり、あるいは新芽が伸びてきて長い間収穫できる。驚く事に、その茎を水につけておくと、3日目位には根が生えてくるし、それを植えるとすぐに根づく。台湾では、沼地のような所で栽培して、収穫はボートに乗って刈っている所もある。畑では畝のへこみに水を引いてあり、常に水の中に近い形で栽培している。また土を選ばないので保管、流通が上手くいくと、単位面積あたりの収穫も高いのでもっともっと出回って欲しい野菜である。

 油炒めに適した、あるいはスープ種に適した中国野菜もしくは東南アジア野菜がまだまだいろいろあることを知ることは、日本の食生活をいっそう豊かにするはず。業者は、料理法の紹介も忘れずに宣伝するべきである。もちろん日本の農家も勉強しなくてはならない。そんな農家を応援するには、やはり買ってあげることだ。大事な事は、暑いところの野菜は生長が早いのであまり農薬を使わないので安全だということだ。これはこれから最も重要視されるキーポイントになると思う。


**11月22日(金)掲載**
(鴻 朋友)

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Re: 第35回 日本でも食べてる中国野菜2002/12/18 3:51:59  
                     fun

 
以前中国野菜は無農薬だと聞いていたのですが、新聞報道などで日本の基準値よりはるかに高い濃度で検知されていますが、中国人の食べる野菜と輸出用とは違うのでしょうか?又、中国本土では洗濯機で野菜を洗うと聞いています。それは農薬対策なのでしょうか?
 

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第34回 野菜の味が口の中で踊る!
 ザーサイが(桃屋の)宣伝により中華のおしんこの中で不動の地位にされてしまった。しかし同じ漬物野菜の「雪里紅」シェリホンとか「梅菜」メイツァイは全然普及していない。「雪菜」シュエッツアイとも言いカラシナの一種。

 日本でも10月頃から種を蒔き、10センチぐらい伸びた所で間引きをして、株間20〜30センチ位にして30〜40センチの長さに育てる。1株を大きく育てる時は50センチ位でも可能。冬の寒さに非常に強いので簡単に栽培できて、必ず霜に当てる。名前のとおり雪が降ってもしっかり育つ優れもの。冬の間にしっかりと新芽の用意をし、2月頃からしっかりと葉が伸びてくる。そして3月頃までに収穫し、塩漬けにする。長期間保存できるが食べる時はよく塩抜きをし、もみ洗いすると、鮮やかな緑と香りがよみがえる。日本のタカナの味に近く、ピリっと辛い独特の風味を味わえる。そのままでも(お新香のように)美味しいが、豚肉と炒めたり、スープにしたりといろいろなアクセントに富んだ料理が味わえる。

 「梅菜」はタカナの一種で、塩漬け乾燥させた物を豚肉と一緒に煮込むと有名な「梅菜扣肉」メイツァイコウロウになる。「梅菜」はさておき、「雪里紅」の方は戦時中に日本にも導入されて、神奈川県で千筋葉芥(せんすじはがらし)になって残っているが、ほとんど知られていない。これは1度漬物にした物を調味料として加え、豚肉を蒸すという料理法が、日本では知られていないから、たとえ手に入れても、自己流の料理法では本来の味が出せず、馴染みの無い味になってしまい再び買う事が無いためである。日本では特に肉を丸のまま使って料理すると言う発想自体少ないと思う。

 ここ数年の間に、ニガウリが夏のシーズンになると出回ってくるが、「苦瓜」クウクウァは、広州では「涼瓜」リャンクウといい、ヘチマの「糸瓜」スークウワ同様、よく食べられている。これらは広州に限らず、中国では南方各地でよく食べており、東南アジア各地およびインドでも食べていて、日本では沖縄や鹿児島で食べている南方野菜である。これも色の濃いものは苦味も強く、色の薄い物は苦味も少ない。熟した物は、真中から真っ二つに割れ赤い種と果肉を表す。これをスープに浮かべても変わった感じの一品になる。台湾のスーパーでは中に豚ひき肉を詰めて蒸しあげてから食べるほろ苦いサッパリとした、味付けになっている。

 糸瓜は日本では、身体を洗う自然のあかすりとして売られているか、肌にやさしいへちまコロンとして使われている。さすが中国は、炒めたり、スープにしたり季節物として食べられている。そしてヘチマのつるは、「龍鬚菜」ロンビンツァイつまり龍の鬚のようにすっきりと、しっかりした野菜として、これも炒めたりスープにしたり少し歯ごたえのある食感で楽しめる。

 沖縄では、ニガウリをゴーヤーといい、ヘチマをナーベーラーといい、鹿児島では前者をニガゴイと称し、後者はイトウリと呼んでいる。日本の食も五味から七味に幅の広い物に挑戦できる野菜が増えてきた。楽しみな農産物の自由化である。


**11月22日(金)掲載**
(鴻 朋友)

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