「さいたま市内で生きた鮎が食べられる」と言ったらどう思いますか?「え、高いでしょ」いえいえ、そんなことないのです。今回はリーズナブルな価格で本格的な日本料理が食べられるお店「味工房 八汐」さんをご紹介いたします。
中央区役所にほど近い場所で営業を始めて30年になる同店。その30年を記念して、「何か他所でやっていない特別なものを・・・」という店主・野口さんの料理への情熱が生み出したものが、「生きた鮎をその場で調理・提供すること」です。
鮎は閉店後、野口さん自ら片道2時間かけて仕入に行きます。「店に着くと、鮎が全滅していることもありました」と野口さん。試行錯誤の結果、繊細な鮎を生きたままの仕入ることに成功します。今では、店内の水槽で元気に泳ぎ回る姿を眺めながら鮎料理に舌鼓を打つことができます。
もちろん、さっきまで生きていた新鮮な鮎を食べるため、おいしさは折り紙つき。
なかなか見る機会が少ない「活鮎刺身」。よく締まった歯ごたえのある身は、臭みもなく、さっぱりとしています。
じっくりと遠火で焼き上げた定番の「鮎の塩焼き」は鉄串や細い竹串ではなく、あえて大ぶりの竹串を使用し田舎仕立てとし、隣に添えられた沢ガニが渓流の流れを想像させます。
鮎の素焼きが入った「鮎釜飯」は完成まで30分以上かかりますが、繊細な味付けに鮎の香ばしさがたまらない一品。炊き上がったら、一度鮎を取り出しほぐした後、釜に戻してよく混ぜてお召し上がりください。
伊豆修善寺で修業し、料理の感性を磨いていた野口さんの原風景を想像させる鮎料理、12月はいったんお休みになります。ちょっと早めの忘年会に楽しまれてみてはいかがでしょうか?
また、12月〜2月までは、ふぐ料理もおすすめです。もともと、ふぐ料理をメインとしてる同店。ふぐ鍋付の飲み放題コースで5千円と、お腹もお財布も大満足です。
「料理は新鮮な内、温かい内が一番」と野口さん。伝統的な日本料理の技法を活かし、常に新しいメニューへの取組みを忘れないその姿勢は提供される一品一品に添えられる心配りと白い割烹着からにじみ出ています。