忍者おすすめの今週のお店

「手打蕎麦 会席 大宮 大村庵」
店主自ら産地に赴き目で確かめた、幸手産合鴨肉を使用。フライパンで鴨肉とねぎをいためた所に辛汁を合わせると、鴨の脂が辛汁にしみて豊かなコクを醸し出します。
 
竹本油脂の金口極上胡麻油を使用。植物性油なのでとてもヘルシー。毎日油を取り替えている為、白くあがった揚げ玉だけ食べても酒の肴になります。
 
店内写真
一人でも大人数でも入れます。2階奥には、大人数で利用できるいす席もあります。
(お店の詳細情報・地図こちらをクリック!)

大宮区高鼻町2−281
TEL:048−644−2480

寒い季節には、体にやさしい料理がうれしいもの。都会の喧騒から離れ、氷川の杜で人気のおそば屋さんはいかがでしょう。

大宮公園内の氷川神社を抜けると、参道脇に「本物のそば」を気軽に味わえる店、大宮大村庵があります。創業から40年以上、厳選された内地粉を外二で打ったそば粉を使っての手こね・手打ちにこだわり続けています。

外二とは、そば粉1kgに対し200gの小麦粉を割り粉とする打ち方。
そば粉は北海道産幌加内産を中心に、店主が厳選したものを使用。かつお節は毎日新しいものを削って風味を保っています。
お客様に少しでもおいしいものを、という店主の心意気です。

人気の一番は鴨せいろ(1000円)。コシがあり、小振りの鉢に入った温かいつゆは少し濃いめ、鴨肉とネギはたっぷりめで、満足感が味わえます。冷えた体もしっかり温まりました。
天せいろ(1800円)もお店の自信作です。海老の中でも王様といわれる車海老を贅沢に使用。白くあがった揚げ玉だけでも酒の肴になる一品です。

木のぬくもりが広がる店内は明るく、落ち着いています。いろいろなタイプの個室があり、一人でも団体でも利用できます。氷川神社の脇という立地から、お祝い事など参拝客向けのお店かとも思いましたが、大宮公園散策後にふらりと立ち寄られるリピーターが多いようです。

そばは作り手の考えや個性を反映しやすい食べ物です。店主のこだわりが伝わってきます。銘酒を片手にゆっくりとお店のせいろを味わいながら、作家幸田文さんが語っていたことを思い出しました。

「持てば手がふさがってしまう。持たなければ手は使えるから。重労働で働く人は、道具は体につくものだけで、あとは手ぶらでいる。」[沢村貞子著『老いの語らい』(岩波書店)より]。余計なものは持たないということでしょうか。
そば一筋の店主にも通じる言葉かもしれない、と思いました。

(文:中山)

《2010年1月18日掲載》

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