見沼区の染谷は、見沼田んぼに近く、緑が多い場所です。この緑の地、菖蒲園の側に、「画廊　蔵　喫茶　ひびき」があります。

ここは100年以上の歴史を持つ蔵を改造したお店です。蔵は見沼田んぼで収穫した米を保存する場所でした。店内に入ると、太い柱、土の壁、板敷きの床にそっと包まれます。店内の照明は蔵の雰囲気を壊さないようにやや落としてありますが、緑豊かなこの場所の静けさにマッチしていて、時間が経つのを忘れてしまいそうです。

この店を経営する伏島さんは、この場所を1996年から引き継ぎ、現在に至っています。「私生活から離れてほっとしたいときに利用してほしいです」と語ります。

蔵の1階は喫茶店、2階は画廊（ギャラリー）となっています。もちろんひとつの店で、1階と2階は自由に行き来できます。2階のギャラリーには、益子焼きなど、多数の焼き物、陶器の作品が並んでいます。値段も手頃で、1,000円前後からあります（最も高価な壺でも20万円）。

画廊1階の喫茶店は32席です。板の間に一枚板の立派なテーブルが5つ配置されています。ここでコーヒーを頼むと、香り豊かでコクのあるコーヒーが出てきます。カップは2階のギャラリーでも扱っている焼き物で、コーヒーが特においしく感じられます。

喫茶店の名物は「おにぎり」です。おにぎり2個、豚汁、漬け物、お茶の組み合わせで840円。何でもなさそうなセットですが、伏島さんが「自分の家で取れた素材を使い、手間暇かけて作っています」というだけに、ふっくらと炊きあがったご飯、具沢山の濃厚な豚汁、さっぱりとした漬け物が味わえます。

メニューには「五目ちらし」（840円）、トースト（750円、コーヒーor紅茶付き）などがありますが、デザートに大人気の「クリームあんみつ」（750円）があります。この「クリームあんみつ」は店内で誰かが注文すると、それを見てたちまち全員が頼んでしまうという曰く付きのメニューです。

染谷近辺にお立ち寄りの際は蔵を探してみて下さい。それがこのお店です。リピーターになること請け合いです。