浦和区近辺は、蕎麦屋さんの激戦地です。一頃は、蕎麦屋さんが最も多い街の一つだったとか。街中を歩いていると、確かに蕎麦屋さんの看板が目につきます。
今回はその中でも多くのファンを持つ「手打蕎麦司 沢畔」をご紹介します。
お店を切り盛りするのは瀬川信治さん。都心で20年間修業し、2000年7月に旧浦和市役所の近くに開業しました。目標としたのは江戸前のスタイル。板わさや卵焼き、そばがきなどをつまみながら日本酒を一杯やり、最後に蕎麦を楽しむというものです。日中でも安心してお酒を飲めるよう、店内の照明はぐっと落としてあります。
その蕎麦は粗挽き、細打ち、十割を基本とする逸品です。北海道、東北、北関東、長野、岐阜など各地から取り寄せた玄蕎麦を使い、瀬川さんが毎朝石臼で挽き自家製粉します。それを細打ちにし、十割で蕎麦を作ります。目の前に出てくる蕎麦は実に細く、そして薫り高いのが特徴です。瀬川さんによると、何度も試行錯誤を重ねて今の蕎麦になったのだとか。
注文してしばらくすると、つやがあり、光り輝く蕎麦が出てきますが、のどごしもなめらかに、つるりと食べてしまいます。江戸前では、つゆに蕎麦をべったりつけません。蕎麦を食べるときには、少しだけ蕎麦を箸に取り、先の方を僅かにつゆにつけてつるりとやります。
瀬川さんは、この蕎麦に合うよう、つゆの濃さはもちろん、つまみの味も決めました。お酒も蕎麦を基準にして厳選してあります。そのため、加賀鳶、上喜元など瀬川さんのお眼鏡にかなった上質なお酒が並べられています。
こうして江戸前のスタイルを理想にお店づくりをしてきた瀬川さんですが、「ここはさいたまなのでなかなか理解されません。」と苦笑いします。さいたまに合わせたメニューも最近では取り入れるようになってきました。
しかし、本格的に蕎麦を味わいたいという方にはお勧めの店です。江戸前のスタイルであなたも蕎麦を味わってみませんか。とても粋な気持ちになりますよ。