お店を華やかに彩る生花や四季折々のディスプレイ。そして、温もりを感じる店内からは「こんにちは〜」と優しい笑顔の奥様が迎えてくれる。そんな癒し系の和菓子屋『とらや菓子工房』さんをご紹介します。
創業30年を迎えた『とらや菓子工房』さんは、地元のお客様に愛され続け、今ではお客様の口コミが広がり、遠方からの注文や来客も多いそうです。
店内に掲げられた“一期一会”という大きな額が意味するように「数多くある和菓子屋の中で、当店に和菓子を求めに来てくれるお客様一人ひとりの気持ちにお応えしたい。だから、絶対手は抜かないんですよ。」と語る五十嵐さん。その気持ちが商品の一つひとつに込められています。
「上質な材料のみを使い、本当に美味しい菓子をお届けしたい。」と、お店の奥にある工房では、職人さんの手によって、毎日愛情込めて作られています。また、最中などはお客様からの注文をいただいてから作られるほど。
使用している材料も、餡には小豆の色が一番キレイに出る北海道の上質な小豆を使用し、お餅の柔らかさや風味を重視し、上新粉ではなく生新粉を使ったりと、職人のこだわりが感じられます。
遠方のお客様からの注文も多く人気なのが、白いモチッとした皮の中にキメ細かい口当たりのコシ餡と、上にのっている桜の塩漬けが程好く、見た目にも可愛い『花味まんじゅう』(120円)と、金柑が丸ごと入っていて甘酸っぱい香りが口の中に広がり、サッパリとした『金柑まんじゅう』(120円)。また、全国菓子博覧会で大臣賞・金賞を受賞した、上品な甘さの白餡の中に大粒の栗が入った焼き菓子『栗くり』もオススメです。
数多くの和菓子が並ぶ中、一際目を惹くのが『上生』(180円〜)。
“茶席や贈答品に使われる上等な菓子”というように、良質な旬の素材を使用して季節の風物を表した色鮮やかな美しい和菓子。和菓子の中でも職人の技が光る一品です。まだ上生菓子を食べたことのない方は、ぜひこの機会に職人の技が練りこまれた繊細な味を試してみてはいかがでしょうか?
四季折々の旬な味と造形の美しさを楽しめる和菓子。今の時期だと椿や牡丹など、冬の花々が並びますが、その時々によって作られるものは違います。これからは、春の訪れを感じる桜や鶯などの上生菓子などがお店を彩るのでしょうか?
その時、この場所でしか出会えない菓子も“一期一会”ですよね。