おまんじゅうといえば、今は買って食べるものですが、昔はそうではありませんでした。例えばおばあちゃんが小麦粉と重曹を使ってまんじゅうを作ってくれたものでした。大きくふくらんだまんじゅうは子どもたちのご馳走でもありました。
そんな雰囲気のまんじゅうを販売しているお店が桜木町にあります。店内には手のひらにどーんと乗るまんじゅうが何種類も並んでいます。食べてみるとこれが妙においしい。あむッとかぶりつくと、分厚い皮が口に入りますが、どうもこの皮に秘密があるらしい。モチモチしていて、そこはかとなく甘味もあります。この皮だけで十分いけます。大きなまんじゅうですが、すぐに平らげてしまいます。まんじゅうには餡やらキンピラやら高菜やら、様々な具が入っていますが、皮がおいしいので中身はそれこそ気分で選べば良さそうです。
「初めてこのまんじゅうを見る人は『何だよ、皮が厚すぎないか?』と言いますが、皮を食べてもらいたいのです。」と語るのはお店を経営する高梨さん。皮に使う粉は群馬県から取り寄せ、自店で加工しています。ちょっと見は「なつかしいおばあちゃんの味がするおまんじゅう」ですが、この味に到るまでの試行錯誤が想像されます。
このまんじゅう、見た目は洗練されてはいませんがレトロな感じが好評なため、口コミでどんどん新しいお客さんが増えるそうです。「どこかでこれを口にした人が車を走らせて買いに来ることがよくあるんですよ」と高梨さんは言います。
こうした昔なつかしのまんじゅうは若い人にも人気です。ひとつ食べるとお腹が一杯になるのでお子さん用に買っていくお母さんも多いようです。また、都心の商店街に臨時店舗を出すと押すな押すなの大盛況であっという間に売り切れてしまうのだとか。
お店に直接買いに行けない方にはホームページを通じて購入できますのでご利用下さい。自分で一度食べると贈答用に使いたくなるらしく、大量の発注をするお客さんが珍しくないというのも頷けます。
まずは一口。いけますよ。