忍者おすすめの今週のお店

「白兎堂(びゃくうどう) 岡豆腐店」
外観写真
駅からも離れた住宅街の一角にあります。店の前にある青いのぼりが見えたらそこが白兎堂です。
「にがり木綿」写真
「にがり木綿」(180円)。「にがり絹」(180円)と並ぶ人気商品。他にも、厚揚げ(180円)があったらぜひお試しを。中身だけがふわふわ柔らかくびっくりします。
店主写真
豆腐作りに情熱を傾ける岡和弘さん。「『おいしい』の一言が何よりも嬉しい」と語ります。
(お店の詳細情報・地図こちらをクリック!)

さいたま市南区根岸4−14−3
TEL:048−861−3516

「豆腐なんてスーパーで安く買えるし、どこの豆腐も同じ」などと思っている人はいませんか。豆腐は私たちの食卓に身近な食品ですが、工場で大量生産される豆腐が普及し、個人店が独自の製法で少量ずつ生産している豆腐に接する機会が少なくなってしまったため、豆腐の味に無頓着になってきました。

豆腐の製法は、作り手によって大きく違います。従って、できあがった豆腐も全く違ってきます。大量生産される豆腐は何となく味気ないものが多いように感じられますが、こと関東で、腕に覚えのある豆腐屋さんが作った豆腐は独特の味わいがあります。

南区の「白兎堂」は大量生産される豆腐とは一線を画する豆腐を作っているお店です。お店は住宅街の奥まった一角にありますが、店頭での販売で毎日完売しています。

その豆腐の値段はちょっと高めです。一番人気の「にがり絹」豆腐は1丁180円。ところが店頭に現れるお客さんはまとめて5〜10丁ほども買い上げていきます。

その理由は、生産者の顔が分かるような国産大豆を、「白兎堂」独自の製法でしっかりと作ることによって得られた味にあります。店頭に立つ岡和弘さんはこう語ります。
「この味を出すまで、大豆の特徴を見極めながら試行錯誤を繰り返してきました。何とか納得のいく味ができたかなと思いますが、その間、高い大豆をロスする度に大豆を作ってくれた農家さんには大変申し訳なく、胸が痛いですね。」

伝統的な日本の食品でありながら、輸入大豆を使った豆腐が流通量のほとんどを占めています。国産大豆が扱いにくく、豆腐になりにくいためです。しかし、「白兎堂」では国産大豆の方がおいしくて安全な豆腐を作れると信じ、努力を重ねてきました。

実際に食べてみると、豆腐にはほのかな甘味があり、特に木綿豆腐は大豆の風味が感じられ大変美味であります。これだけで立派な一品料理ですね。

これからの季節には冷や奴にして頂きたくなりますが、できれば食べる1時間前には冷蔵庫から出して常温に戻し、まずは何もつけずに食べてみましょう。「白兎堂」豆腐の味を楽しめるでしょう。岩塩、さらにオリーブオイルをかけて召しあがるお客さんもいるそうですが、そこはお好みでどうぞ。

(文:伊東)

《2007年5月28日掲載》

「マイタウンさいたま」