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忍者ボタン   「ミ エスティーロ」
工房写真
お店の奥にある工房。ギターの製作・修復だけでなく、家具も手掛けます。
家具写真
店内には所狭しとアンティーク家具が展示されています。イギリスの教会で使われていたチャーチ・チェアは15,800円くらいです。
机・本棚写真
机や本棚などが並びます。
(お店の詳細情報地図こちらをクリック!)

さいたま市浦和区常盤9−8−15
常盤松本ビル1F
TEL:048−824−8189

「ミ エスティーロ」は主としてアンティーク家具を販売するお店ですが、お店の奥には工房があり、家具の製作や修復も行っています。その工房を見ると、ギターが並んでいます。「なぜ?」と疑問に思う方も多いでしょう。

オーナーの野辺シゲカズさんはもともとクラシック・ギターの製作者なのです。祖父は江戸指物師、父は著名なギター製作家で、野辺さんは父親のもとに弟子入りし、途中ヨーロッパに渡り、その後自らの工房を立ち上げました。

ヨーロッパでは何十年、何百年もの年月を経た木を大切にし、それをずっと使い続けるという伝統があります。通りから見える場所で職人が楽器や家具の製作をしたり修復をしています。野辺さんがギター工房を立ち上げる際には、ヨーロッパで見た工房を意識し、ギターだけではなくアンティーク家具の製作・修復までを手掛けることにしたのです。

野辺さんはヨーロッパの優れた製作・修復技術を習得しているので、釘を使いません。それこそ修復を頼まれて釘を見つけると釘抜きから始めるほど。また、木工用のボンドや市販のニスも使わず、接着には膠、塗装にはシェラックニスを使います。

こんな野辺さんが扱うアンティーク家具は、主としてヨーロッパ中の優れた品物が集まるイギリスで仕入れています。現在は1930−40年代の家具が人気です。店舗にはできる限り多様な家具や雑貨が置かれていますが、お勧めはドローリーフテーブル。普段はコンパクトながら、テーブルの左右からもう一枚テーブルを引き出して広く使えるようになっています。

アンティーク家具は規格品ではなく、大量に仕入れるわけでもありません。全て1点ものです。そのため、「これならいつでもある」とご紹介できないのが残念です。むしろ、お店をのぞく度に別の家具が入っているのを見て楽しむ方が面白いでしょう。

取材時、店内にはお客さんからの要望に応じて野辺さんが製作したテーブルなどがありましたが、ほとんど輸入したアンティーク家具と変わらない見事な仕上がりでした。サイズ、用途などを伝えてオリジナルの家具を製作してもらうのも手です。詳しくはぜひ問い合わせてみて下さい。

(文:伊東)

《2007年2月26日掲載》

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